適当に書いたものぶん投げる場所(雑多SSまとめ)   作:不束な不審者

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今回はウルトラマンに脳焼かれたので書きました
ギンガ意識しながら書いたらなんかギンガあんま関係なくなった


不幸と勇気

 俺は不幸の辛さを知っている

 幼い頃に親に捨てられ、施設に引き取られる。その後学校へ行ってもいじめを受け、小学校を卒業する頃に施設は俺を追い出していた。曰く、他人へのいじめが理由らしい。とんだ冤罪である。

 その後、身寄りのなくなった俺はどうにか独学で中学の知識はつけた。高校生になる年齢になろうとどうせ俺は天涯孤独。不幸な人間は救われないと悟った。

 

 最終的に俺はどうなったかというと、旅に出た。もとから自分が住んでる外には興味があった。それに、どうせ何もせず不幸な人生を棒立ちで過ごすよりも、せめて歩いていたいと思ったからだ。

 かくして俺は街を出て、旅に出た。

 不幸体質は変わらないようで、旅路の途中は魔物に襲われたり、道に迷ったりした。旅路で仲間に出会うこともなく、歩みを進めた。

 

 そんなこんなで魔法と科学の跋扈するこの世を生きてきたわけだ、

 急に身の上話を始めたのには理由がある。遺書だ。そう、死んだ後に自分の意志をこの世に残すことができる唯一の貴重なアイテム。これまで散々命の聞きにはさらされてきた。遺書の大切さは重々承知している。まあ、俺に遺書を渡すような人間はいないのだが。

 ならばなぜ書くか。遺書は親しい人のために残すものであって俺のような人間が核も乗っではないのではないか。

 その意見はとても良くわかる。

 俺が遺書を書く理由。それは旅路で見たものを残すため。俺の旅路は他人から見ればどうしようもなく不幸だ。だから不幸な人間の旅路を誰かに見て欲しい。その不幸な人間が何を思って何を描いて、何を夢見て何を考えてここまで旅を続けたのかを見て欲しい。だから俺は遺書を書く。

 ....案外、これは遺書じゃなく日記なのかもな。

 

 虚空に描く到達点は通過点でしかない。そう思いながら俺は今も旅を続ける。終着は適当でいい。どこだっていい。足が動かなくなったその時が俺の終着だ。

 

「よし。動くか」

 どこかで拾った片刃の片手剣を背負い立ち上がる。

 休憩終了。

 湖の畔から離れていく。清々しいほどまでに青いその場所を目に焼きつけ歩みだす。

 果てしない草原は街へと続く一本道。自由を風を愛する街「ウィード」はここあら少し行った先にある。

 今日中にはつきそうだな。

 

 俺は歩みだした

 

 

 私には初恋の人がいた。三年ほど前に路地裏に連れて行かれ非道い事をされそうになった時、旅人のような格好をした青年が助けてくれたのだ。

 その時のことは今でも鮮明に思い出せる。

 薄暗い路地に強引に連れ込まれ、服を脱がされそうになった時。あたりは騒音に包まれ叫び声を上げようと誰も気づきやしない。

 そう思っていた。だけど違った。

 私の悲鳴を捕らえ、彼は駆けつけてくれた。

 路地に連れ込んだ張本人たちは彼に危害を加えようと、殴りかかったが、それをも華麗に躱し、魔法さえも避けてみせた。

 その後彼らがどうなったかは語るまでもない。

 

 私は恩人に名前を聞いた。彼はこう答えた。

「ネイム。奇跡的に再開できた時はそう呼んでくれ」

 と。

 私はその言葉を胸に、今でも初恋の人を探している。彼が他の人に取られないためにも。

 

 自由と風を愛する街「ウィード」。近未来的ながらも中世ヨーロッパのような雰囲気を感じるフリーダムな街。

 他の街からの評価は自由、夏に行くと涼しい、冬に行くとちょっと寒い、生きやすい街。との事だ。

 郷土料理は全部美味しいらしい。酒は美味いと。

 俺は酒が飲めない。というか飲めてもすぐに酔うので絶対飲まない。だからこの辺は関係ないか

 

 とりあえずギルドへ行こう。

 ギルドっていうのは政府直属の役所みたいなものだ。旅行については滞在許可などをわざわざとる必要は無いのだが、俺がなぜそこへ行くかと言うと。

「すいません。地図ください」

 地図をもらいにいくのだ。知らない土地に入る以上は、どこに何があるのくらいは把握しておきたい。

「地図ですね。こちらになります」

 地図を貰う。せっかくだから盛りに行ってみるか。

 面白いきのことか生えているかもしれないし。

 

 というわけで森に来た。

 抉れたような形をした森は、清々しい青空と涼しく吹く風の下、太陽の陽射しに包まれ緑に輝く。

 ちなみに、抉れたようなという感想はあながち間違っているものではなく、数千年前に大暴れした魔物が抉ってできたものらしい。

 やるじゃねえか。

「キノコないかな」

 そして俺はきのこを探す。

 キノコはスープにするとうまい。俺の好物は卵焼きだと明言していると思うが、スープというのもなかなか捨てがたい。

 というか、楽なんだよな。作るの。

 俺は魔法が使えないから着火に手間取りはするが、それさえできてしまえばあとは何とかなる。  

 

 ふむ……

 迷った。

 童心に返ってきのこ探しをしているとこんな深くまで入るとは思わなかったぜ。

 いやほんとに。

 

 「…げ!」

 遠くで叫び声が聞こえる。猛烈に嫌な予感だぜ。

「…くを…げ!」

 今服っていったな。よし、嫌な予感がするが、近づいてみよう。最悪な想像が現実になろうと今なら介入できる。

 れっつごー。

「服を脱げ!」

「嫌です!」

 男と美少女がくんずほぐれつしてる…。こういえば聞こえはいいが、実際のところは強姦1歩手前の状態である。

 まったく…。欲しくないキノコが欲しくもない貝に介入するとこなんて見たくなかったよ。

 まだ未遂だが。

 というかあの美少女どっかで見たことあるな……。

 近くで見ればわかるかもしれない。

「きゃっ!助けて!」

 少女が叫ぶ。

 助けを求められちゃ仕方ない。ま、求められなくても行くんだがね。

「どうせこんな所まで誰も来ねえよ!」

「俺がいますが」

「ああ!?誰だお前」

「名無し」

「楽しんでたところに邪魔するとはよォ……。邪魔するならガールフレンド貝にするんだな」

 ギャハハと男たちが笑う。

「だがちょうどいいぜぇ……。この女を屈服させるには俺の力を見せつける必要があったんでな…」

「というと?」

「てめえが見せしめになるんだよ!」

 風魔法。別名不可視の魔法。威力は弱いが、広範囲に弾幕をばらまけ、尚且つ不可視という結構なチート魔法。おまけに初心者でも習得可能だ。

 まあ、不可視というだけで、上級魔法並になると普通に人を殺せるんだが。

 そうそう、風魔法を極めて威力を高めると色がつくらしい。不可視という利点は捨てるが代わりに馬鹿みたいに速くて、馬鹿みたいに強いという利点を会得する。

 そこまで来たらもはや脳筋だろう。

 そんな風魔法が今俺に向かって放たれた。 

 

 しかし不可視の魔法といえど対策くらいはある。

 空気というか風を歪めて放つという特性上、周囲の感覚は少し歪む。違和感を感じるのだ。

 あとは根気で避けるだけ。ほら、こんなふうに。

 正直風魔法を受けまくらないと無理な挙動ではあるとは思う。

「避けた!?」

「風魔法ならくそほど受けまくってるんでね!」

 正拳突き。ブレない腕は金髪のボス的な男に直撃する。

「うっ!」

 男は倒れふす。

「ああ、そうそう。さっきの提案。かなりいい線行ってたと思うけど、残念ながらガールフレンドがいないもんでね」

 スマホを取り出し警察へと連絡する。こういう旅人のため、警察の電話番号は全国統一だ。

 縛っておいた男は放置でいいとの報告。

「大丈夫?」

 警察への連絡も滞りなく終了し、そばにいた半裸の美少女へ声をかける。

 変態的な構図だが仕方ない。

「…や」

「や?」 

「やっと見つけましたわー!」

 美少女は俺に飛びついてきた。

 

 

 街中の洒落たカフェにて。

 いやここはCafeと表現すべきかもしれない。

「私の名前はルナ。私の事、覚えてらっしゃいますか?」

「正面から顔みて気づいたよ。レンボの時の娘でしょ?」

 レンボ。恋慕と響きが似ているから情熱の国、という訳ではなく、高度な技術を持った娯楽の国だ。

 アニメや漫画の聖地とも言う。

 まあそこを見て回るうちになんかこの娘が襲われそうになってたとこを見かけて助けだわけだ。今でも思う。あの時の俺、ナイス。

「あの時は本当にありがとうございますわ」

 彼女は顔を赤くしながら言う。

「しかし奇跡的に再会できたらとは言ったけど…、まさかほんとに会えるとはな」

「探しましたから」

「え?」

「貴方様がどこにいらっしゃるか、この私、めげずに探し出したのですわ……!」

 やばいな…思ったよりやばいの出て来ちまったぞどうすんだこれ。

「あの…、名前を呼んでもいいですか?」

「いいけど…なぜ?」

「言ったじゃないですか。次会ったらそう呼べと」

 言ったかな…。言ったな。

 うん。今思い出した。

「あー。そんなこと言ったな」

「ですので…。ネイムくん」

 彼女は俺を見つめ名を呼ぶ。

 名前…か。俺の名前はなんなんだろうな。彼女の前ではネイムと名乗った。だがそれは名無し(ノーネーム)の文字り。

 俺の本当の名前は知らない。学校も名前を伝えない、自由を絵に書いたような学校だった。だから俺の本名は誰も知らない。

「ネイム、か」

「くん付けは不敬でしたか?」

「ああ、いやそんなことない」

 ネイムか。名前を呼ばれるのはいい気分だ。そう名乗るのもいいかもな。

 名前は、大事だ。

「もうひとつ、いいでしょうか?」

「どうした?」

「私、あなたの事がー」

 ガシャン、ドゴーン。字に表したらそうなるだろう。爆発音と崩壊の音が外から聞こえる。

「何事だ!?」

 俺は外に出る。その先にあったのは、魔物、いや怪獣と呼ぶべきか。二足歩行の恐竜をより禍々しくした魔物が街を破壊し尽くしていた。ゴツゴツした体表は黒く染まり、背骨の位置の刺々は激しく3つにわかれ緑色に発光していた。

「怪獣…?」

 呟く声も雑音へ消える。

「お、おい!なんでザエースがここに」

 ザエース。数千年前に大暴れしたはた迷惑な魔物。その巨体と暴力的なまでの戦闘力。そして、自在に発生させる雷電と炎。その力で山を消し飛ばしたそれは、災害そのものと言えた。

 だからこそ、伝承として残り、人々に伝わっている。

 だから今の人も叫んだのだろう。

 

「大丈夫ですか!?ネイムくん!」

 少女が飛び込んでくる。

「ああ。今は何も。多分すぐ逃げた方が……」

 ぐぉん。空気の歪む音。風魔法ではない、ただ、熱によって、光線(でんき)によって空間が歪められた音。

「危ない!」

 俺は彼女を突き飛ばす。

 近くでコンクリートが弾け飛ぶ。落雷の数千倍の威力を持つウルトラ雷電は容易くコンクリートをぶち壊す。

 瓦礫となったビルは俺たちの方へと飛び散っていく。

「やべ…!」

 瓦礫は俺の方へ一直線に飛んでくる。

 背中に背負う剣を取り出し、飛んでくる瓦礫を両断する。

 しかし、ルナが居なくてよかった。

「はぁ…はぁ…」 

 くっそ。一振で体力すっげー持ってかれた。

 俺がもずっと持つ、赤と銀でできたメカニカルな片刃の片手剣。鍔のあるはずの場所にはなにかのスロットがある。

 一振で色んなものをぶった切れる。が、一振だけで馬鹿みたいに体力を消耗する。

 どんなものでも一応切れるので、怨念に追っかけられた時とか、明らかに徒手空拳にで倒せそうにない魔物相手に必殺の一手で使ってきたが。

「やばそうだな…」

 後ろを振り返れば退路がない。いや、あるにはある。

 ただ、今にも崩れそうなだけで。

「走れば、間に合うか」

 その時、目が合った。ダメだ。やられる。

 瞬間、本能、全てが瞬く間に脅される。

 逃げれば助かる。多分。

 だが、そのあとは?俺が逃げて、そのあとは?

 俺は逃げ切れる。これでも魔物とやり合って、体力だけはついているんだ。

 だけど、ここにいる人は?ザエースは明らかにここを壊す気だ。この状態じゃ治安部隊すら手出できない。ならば残された人は死を待つのみだ。

 

 けど、いいじゃないか。生きて。

 俺はこれまで不幸だったんだ。今幸運があったっていいじゃないか。

 けど、見捨てるのか?

 でも、生きるのをあきらめるのか?

 じゃあ、彼らは不幸でいいのか?

 けど、俺は死んでいいのか?

 でも、お前は死ぬ気で旅に出たんじゃないのか?  

 じゃあ、ここで死にたいのか?

 

 なあ、不幸ってなんなんだろうな。俺は幸福だったんだろうか。他人が俺の幸福を奪ったんだろうか。

 不幸ってどう生まれるんだろうな。そりゃ、時と場合だろ。災害によって不幸になるやつもいる。

 じゃあ不幸は、何かが作るのか。

 

 じゃあ、今の生まれようとする不幸は?何が作る?誰が作る?誰が止められる?誰が不幸を無くせる?誰が根本からぶっ壊せる?

 誰が誰が誰が誰が誰が誰が誰が誰が誰が誰が誰が誰が誰が誰が誰が誰が誰が誰が。

 

「あー。そういう事か」

 誰って、俺か。

 俺しかいないじゃないか。不幸の辛さを知っていて、不幸が誰よりも嫌い人間。不幸が自分を縛るものじゃないと思いたくて旅を始めて、不幸を振り払おうと各地を旅していた人間。不幸が嫌いで、不幸を誰よりも知っていて、人が苦しむのが嫌で、人の笑顔が見たくて。

 俺が笑顔でいたくて、俺も幸せでいたくて、俺の名前を呼んで欲しくて。

 だからそのためには、人が笑顔でいることが条件だって。

 そう悟ったのは俺だろ? 

 

 これは善でも、悪でもない。いいことだとも思ってない。

 

 俺は歩みを進める

 

 俺が幸福になりたくて、みんなが笑顔でいてくれて

 

 俺は歩みをとめない

 

 俺が不幸だと思わなくて、みんなの涙を見なくて

 

 俺の歩みは止まるわけが無い

 

 俺の勇気をただ強く、みんなを守る為だけに

 

 俺の勇気は止まらない

 

「ネイムくん……?止まってください…?」

 

 俺の勇気をただ目前に、みんなを不幸にしないため

 

 俺の勇気は強くなる

 

「止まって、ください!お願いします!止まって!」

 

 俺の勇気をふるわせて、みんなが笑顔でいるために! 

 

「俺はお前を倒す!」

 

 俺は剣を向ける。

 

 次の一撃が限界だ。降ってしまえばぶっ倒れる。だが、その一撃には俺の全てを込める。最後に幸福だったと思って死ねるためにも

「悔いは残さん!」

 剣に力を込める。

 その時だった。剣は光る。勇気に呼応するように。

 俺の思いに応えるように。

 そして、作られる。キーホルダーのようなものが。

 なぜだか知らんが使い方がよくわかる。

 

「土壇場になって…、いや、これが火事場の馬鹿力ってやつか」

 いいぜ。どうせ全力を出すって決めたんだ。使えるものは使わないとな!

『ガッシャーン!』

 ホルダーが開き、キーホルダーをセットする。

『ホルダーオン!ブレイド!』

 そして、レバー引く。

『剣!勇気!行くぜブレイブ!チェンジ!リーゼリオン!』

 名前を、呼ばなきゃな!

「行くぜ!リーゼリオンブレイグ!」

 俺の体は光に包まれた。

 

 

「ここは…」

 光に包まれた謎の空間に俺はいた。

 意識を集中すると、一人称視点からザエースの顔が見える。

 そして、脳の隅にはそれを俯瞰視点から見た映像がある。

「なるほど。ロボになったって訳か」

 俺が立っていると思われる位置には、赤い装甲を身にまとう、4本角のロボがいた。

 赤と銀の装甲はスレンダーかつ勇ましく、腕にはブースター。そして背中には赤いマントを羽織っている。

 幼い頃に描いた僕の最強のヒーローを具現化したようなヒロイックなその姿は、何となく。

「テンション上がるぜ」

 ザエースが唸りを上げ、突進してくる。

「はぁ!」

 それを拳ひとつで止める。

「さっきはやってくれたじゃねえか!」

 拳にさらに力を込め、拳を繰り出す。ザエースは後ろへ後退る。

「まだだ!ハァ!」

 華麗な回し蹴り。赤い閃光という残像を描くそれは、ザエースに直撃する。

 ザエースは体制を崩し、隙が生まれる。

「セイッ!」 

 腰に帯刀されていた、片刃剣でザエースを切る。

「グウァァァァ!!」

 ザエースの叫び。首の三本のトゲがこちらを向き、照準を合わせる。 

 炎と雷がくりだされる。紫電と紅蓮のコントラストは一直線に飛んでくる。

 だが。

「今の俺は!超最強だ!」

 剣で一刀両断する。赤い炎をまとい銀と紅の閃光を纏わせた斬撃は容易く切り裂く。

「さあ!行くぜ!」

『ガッシャーン!ブレイジング!』

 煌めくトリガーを引く。そのトリガーに全てを込める。想いも、勇気も、全力も。

『ブレイド!オーバーブレイジング!』

「決めるぜ!必殺!』

「『ブレイグブレイブブレード!!!!』」

 赤く、銀に刀身は煌めく。俺の想いと勇気を込めた剣は、ザエースをぶった斬る。

「セイヤーッ!」

 ザエースは四方爆散した。

 

△ 

 

「あー。疲れた」

 ザエースの討伐から数日。

 幸い、被害は最小で済んだらしく、復興も数日で済んだ。

 俺の変身は誰にも知られてないらしく、謎のロボットが現れて倒してくれたとの認識なっているらしい。

 ……ただ一人を除いて。

「大活躍でしたね。ネイムくん」

「言わないでくれ」

「どうしてですか?本当は周りの人にも言ってあなたのすばらしさを……」

「ほんとにめんどくさいからやめて」

 そうそう、俺たちは今あのカフェにいる。

 カフェも半分くらいぶっ壊れてたらしいが、いつの間にか修繕されている。

「この後どうするんですか?」

「俺はまた旅に出るよ」

 俺は微笑みながら答える。

「これまでは死ぬまでの旅。今からは前を向いて、人を不幸から守る旅だ」

「そうですか…」

 不幸というのは良くも悪くも何かが作る。

 でも、何かが作るのなら、それから守ることだってできる。

 俺は不幸の辛さを知っている。だから、不幸を払拭したいんだ。

 俺が笑顔で死ねるように。俺が幸福だったと思えるように。

 自己犠牲なんかじゃない。というか死んだら俺も嫌だ。

「私も…ついて行っていいですか?」

「ダメだ」

「どうして…」

「いや普通に危ないだろ」

「それでも私めげません!」

「…はぁ。わかった。けど、危険なことはするんじゃないぞ」

「はい!」

 彼女は花が咲いたように笑う。

 

「もうそろそろ出るか」

 剣は持った。キーホルダーも首から下げた。

 旅の準備は整った。

 

 扉を開ける。外は清々しいほどまでの晴天。青く輝く空は何故か自慢げだった。

 俺の旅はまだまだ続いていく。

 

〜完〜(多分)

 

 




次回は未定!続きほしけりゃ書くぜ
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