野郎リンカネーション~スケベ淫魔の転生冒険者学園日記~ 作:風見ひなた(TS団大首領)
「さ、乗って」
「……なんだこりゃ? 鉄の箱か?」
駐車場に停められたリンネアの愛車を見て、春夢は首を傾げた。
もちろんグレンが生きていた時代には自動車なんてものは影も形もない。
しかしグレンはちょっぴり賢い脳筋だったので、すぐにピンときた。
「あっ、わかった! これ馬車だろ? 車輪付いてるもんな。でも、馬はどこにいるんだ? 御者もいないみたいだけど、どっかで草でも食わせてるのか?」
「あー……今どきの馬車は馬も御者もいらないのよ」
「え、すげえ! 馬ナシでどうやって動かすんだ?」
「タイヤ……車輪が勝手に転がるから、それで前に進むの」
「おお……すげえ魔法だな! へえー、魔族の国にはこんなものがあるのか。魔族は魔法が得意っていうけど、こんなものも作ってたんだなあ」
……これはいろいろと骨が折れそうだ。
好奇心も露わに真っ赤なスポーツカーの周りをぐるぐる歩いて観察している
春夢は気が済むまでぐるぐるしていたが、やがてはてな?と首を傾げる。
「あれ? でもなんでリンネアがこんなものを使えるんだ? それに、魔族の監視なしで捕虜だけで行動させるっておかしくないか?」
「うん、まあ細かいことは道すがら説明するから、とりあえず車に乗ってくれる?」
「おう! ……おお、なんか扉がひとりでに開いたぞ! すげえ!!」
リンネアが電子キーでロックを外しただけで、大喜びではしゃぐ春夢であった。
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「……つまり、俺はあの時に死んでて、それから500年が過ぎているってこと?」
「そう」
意外にすんなりと受け入れたわね、とリンネアはちらりと助手席の春夢に目を向けた。
普通に考えれば他人から自分が死んだと言われて即座に飲み込めるわけもないし、ましてや死んでいる間に500年が過ぎていたなんて言われ、へーそうなんですかと納得できるわけもない。
しかし春夢はお行儀悪く脚を組み、憮然とした顔で頬杖を突きながらも、「そっかあ」と自分の死を受け入れている様子だった。
……認めたくない事実を受け入れないといけないとき、グレンがやっていた癖。それを再び目にして、リンネアは自分の心の深い部分が少し色彩を取り戻したような気がした。どう見ても目の前の少女に彼の面影なんてないのに、その仕草が間違いなく同一人物だと証明している。
そして、グレンにそんな癖があったことを改めて思い出したことで、いつの間にか自分の中のグレン像が色褪せてしまっていたことに気付く。……リンネアは、思わず自分が老いたことを感じずにはいられなかった。
「……ありえない、とか言わないのね?」
「いや、さすがにあの状態で生きてるわけがないからな。それにあの子は俺の魂を世界から追放するとか言ってたから、女神の加護で蘇生しなかったのも納得がいく。……なんで今、この世界に帰ってこれてるのかは知らんが。しかも女の体で」
窓に映るしかめっ面の美少女から眼を逸らすように、春夢はフロントガラス越しの街の景観に目をやった。
「それに、どう考えてもこの街の風景は異常だろ。このじどうしゃ?ってのもそうだが、見たこともないようなものが溢れ返ってるし。なんかすげえでっかくて綺麗な建物も建ち並んでる。俺たちが魔王城に潜入する前には、こんな建物はどこにもなかったもんな」
「まあ、そうね。こんな近代的なビル街なんて中世にあるわけないか」
「それにリンネアの見た目も随分と、な……」
「ああ」
リンネアは一瞬だけルームミラーに目をやり、苦笑を浮かべた。
「もうすっかり老けたでしょ」
「すごく綺麗になったよ」
「んぐっ!」
危うく前につんのめりかけて、リンネアは慌ててハンドルを握り直した。
「ば、バカねグレンは! そんな調子のいいこと言って! こんなおばあちゃんを捕まえて何を言うかなー!」
「いや、本心だが。すごくいい顔になった。きっと俺がいなくなった後、いろんな経験をして、自分を磨いてきたんだろうなって。いい歳の取り方をしてると思う。あの頃は俺よりずっと年上だったのに、どうにも危なっかしくて……。だけど今のリンネアには、もう兄貴ぶれないな」
軽く笑う春夢だが、そんなことを言われたリンネアは耳の先まで真っ赤になっている。車を運転しながら説明しようなんて考えるんじゃなかった。耳の先を今すぐ覆い隠したい気分でいっぱいなのに、ハンドルを握っているせいで逃げ場がないじゃない……!
隣でリンネアが茹だっているのにも気付かないほど、窓の外を流れる未来の光景に夢中の春夢は、街中の雑踏に目を向けながら軽い調子で呟いた。
「まあ、こんなに平和な世の中になってよかったよ。これもリンネアたちが魔王を倒してくれたおかげだな」
「…………っ」
突然背中に氷水を流し込まれたように、リンネアの表情が
「最後まで心配してたけど、なんだ俺抜きでも全然大丈夫だったんじゃないか。流石はアルベールだ、俺の信じた勇者は並みじゃなかったな。……リンネア?」
リンネアは何も言わない。
視線を前方に向けたまま無言になってしまったかつての仲間に、さすがに春夢も様子がおかしいことに気付く。
「……勝ったんだよな、俺たちは。魔王を倒して、女神が世界を支配して、戦争は終わって……だからこんなに平和な世の中になったんだよな?」
そうだと言ってくれ、と言外に懇願するような春夢の表情に、リンネアはふうっとため息を吐いた。
「負けたわ。私たちは魔王に勝てなかった」
「え……」
春夢の顔から表情が抜け落ちる。
「じゃあ目の前のこの繁栄ぶりは……魔王がもたらした、と……?」
「いいえ。魔王も死んだ。私たちが敗れ、あいつが天下を獲った後で、クーデターが起きてね。配下の反乱であいつは殺されたわ」
淡々と呟くリンネアの瞳から、春夢は何の感情も読み取ることができなかった。
無感情なのではない。いくつもの感情の色が渦巻いているようだが、それがどんな思いが織り成したものなのかは春夢にはわからなかった。
「それからいくつもいくつも、大きな戦争があった。白の種族と黒の種族が争う大きな理由はなくなったけど、それでも世界から争いはなくならなかった」
「…………」
「あ、でもここ十年は大きな戦争は起こってないわ。ようやく大陸も落ち着いてきたわね。どこも平和そのものよ。うちのお姫様のおかげかな」
貴方もいい時代に戻ってきたわね、とリンネアは打って変わって笑顔を浮かべた。
しかし、春夢の表情は冴えない。
「……俺たちのしたことは、無駄だったのか?」
「ん……」
春夢は下を向いて、
自分の手をじっと見つめている。
「俺、何人も殺しちまったぞ。この手で何百人も斬った。命乞いする魔族も、狂っちまった
「…………」
顔を起こし、リンネアの方に向ける。
さざ波が立つように目尻の滴が揺れていた。
「なあ……俺たちは何のために戦ったんだ? 俺たちのしたことは、無駄に誰かの命を奪って、戦争を長引かせるだけだったのか? 俺たちは……何の……ために……」
丁度路肩に停められそうなスペースが見つかったので、リンネアはブレーキを踏んだ。助手席に半身を乗り出すと、人差し指で春夢の目尻を拭う。
指を伝い落ちる水滴の温かさに頬を緩めながら、リンネアは尊いものを慈しむような眼差しを春夢に向けた。
「大丈夫。貴方の戦いは無駄じゃなかった。今日の平穏は貴方たちがもたらしたのよ」
「でも……今の話じゃ、俺は何も……」
「本当よ。ちょっと事情が複雑すぎて説明が難しいけど、貴方たちは世界を救った。白と黒の種族の永遠の闘争は、貴方が終わらせたのよ。貴方が魔王を倒そうとしなければ、今の平穏はありえなかった。だから、自分を許してあげて。よくやったって、褒めてあげて」
意味が分からない。
魔王に目通りすることもなく退場させられてしまった自分が、何で世界を平和にするのに貢献したことになるのか。まるで理屈が通っていない。
だけど、リンネアの言葉と握られた手からは、彼女が本気でそう思っていることと、グレンの心に刻まれた傷を癒してあげたいという想いが伝わってきた。そのじんわりと沁み入る温もりが、今は何よりも有り難かった。
「ほら、あれを見て」
リンネアに促されて窓の外を見た春夢は、ありえない光景に思わず目を丸くした。
それは街を行く親子連れだった。
四人家族なのだろう。寄り添って歩くお父さんとお母さん、そしてそれぞれに手を繋がれてはしゃぐ兄と妹。
実にありふれた光景。
お父さんが人間で、お母さんと子供たちが魔族ということを除けば。しかしお兄ちゃんの顔立ちはお父さんによく似ていて、確かに血縁があることは見ただけでわかった。
家族揃ってのおでかけが嬉しすぎて、ぴょんぴょん跳ねる妹を苦笑しながら嗜めるお母さん。ちょっと大人ぶって妹は子供だなぁと涼しい顔をするお兄ちゃん。そんな息子の小さな成長がたまらなく喜ばしくて、思わず頭を撫でるお父さん。
500年前の世界から来たグレンの常識では
世界で最も完成された、最もささやかな平和。
いつかの日、金色の髪の少女が語った
よく見れば、その家族だけではない。
道行く人の7割は魔族だが、残りの3割は人間やエルフ、ドワーフ、獣人にリザードマンと、様々な種族が混ざり込んでいる。その誰もが隣を歩く人の種族を気にした風もない。
制服を着たヴァンパイアの少女が、友人の人間の少女からお裾分けされたクレープをぱくりとかじっている。スーツを着たリザードマンが急ぎ足で腕時計を見て、心配するなよと人間の上司に肩を叩かれている。路傍工事に勤しむドワーフの親方に、
今の時代では大陸のどこにでもある、当たり前の日常。
その日常の確固さが、今日昨日で世界が変わったわけではないことを示している。
きっと彼らが生まれる前からずっと、世界は『こう』だったのだ。そうあることが当たり前の時代に彼らは産まれ、祖先たちから貴い世界を受け継いだのだ。
「嘘だろ……。人間と魔族が、一緒に暮らしてる……」
「あ、『魔族』って言葉はもう二度と使っちゃだめよ。それは差別って受け取られるから。今はみんなが『人間』なの。貴方の時代の『人間』は『白の種族』、『魔族』は『黒の種族』って呼ぶようにしてね」
「うん……うん……」
こくこくと頷きながら、少女はぼろぼろと涙を零す。
「良かった……良かったなあ。こんな光景を見られる日が来るなんて。もう俺の人生には何の未練もない……」
「……いえ、貴方の人生は始まったばかりよ?」
「え?」
オーイオイと中年男性の汚い涙(本人主観)を流しながら振り向く『グレン』に、リンネアはコンパクトのミラーを向けた。
鏡に映っているのは、ほろほろと真珠のような涙を零しながら、それでも崩れることのない清楚な美しさを湛えた制服姿の美少女。むしろ双眸から流れる涙は彼女の清純さをより際立たせ、その美貌に神秘性を加えていた。
「貴方はこの顔の女の子として、これからの人生を生きていくのよ」
「……は?」
「は、じゃなくて。貴方は死んで、生まれ変わったの。
「……ちょ、ちょっと待って」
唐突に情報の洪水をぶっこまれ、春夢の涙が引っ込む。額を左手で押さえながら、右手を突き出してちょいタンマ!とリンネアを制止する。
「え? 俺、元の体で蘇生したところを魔王軍に捕まって怪しい実験をされたとか、魂を女の体に入れられたとか、そういうことじゃないの?」
「違うわよ。魔王軍なんて480年前にとっくに崩壊してるもの」
「じゃあ、俺の元の体は?」
「溶け落ちた後にこの世から消えたわ。多分大魔導の呪詛で世界の外に追放されたんじゃないかしら」
「……それじゃ、俺、元の体に戻れないの?」
「戻れないわよ。その体が今の貴方の体なんだから、早く慣れてね」
ほっそりとした白魚のような自分の指先を見つめながら、春夢はワナワナと身を震わせた。
「お、俺の体! クッソしんどい鍛錬に絶えまくって、文字通り血の涙と血尿を垂れ流して鍛えまくった自慢のマッスルボディがああああぁぁぁぁぁ!
「ご愁傷様です……」
「こ、こんな細っこい腕でどうやって剣を振れと!? スケルトン1体だって壊せないだろ、こんな腕じゃ!! どうしろってんだよこんなの!!」
「そこは戦い方を変えてもらって……」
「今から!? 今更ゼロから別の戦い方を身に付けろってのか!? 戦い方を身に付ける前に、そのへんの村人上がりの山賊にすら負けるわ!」
「……山賊なんて今の時代いないから安心しなさい」
「山賊がこの世からいなくなるわけあるか! 落ち着かせたいからって、変な冗談はやめてくれ!」
本当にいないんだよなぁ。
……これ、もしかして機械とかだけじゃなくて、もっと根本的な常識から教える必要があるやつ……? リンネアは白目を剥き、天を仰いだ。
「お、落ち着け……落ち着くんだ、俺……。俺はベテランの冒険者、これくらいのピンチなんていくらでも乗り越えて……。ああああああああやっぱ無理、受け入れられねええええぇぇぇぇぇ! 大魔導のアホ! クソガキ! 俺の体を返してくれよぉぉぉぉ!!」
「今の貴方も、見た目はあの子と同じくらいの年齢だけどね……」
「ああああああああああああああああああああ!!!!!」
なんとも悲しいことに、発狂して上げる叫び声すら鈴を転がすような愛らしい響きであった。見た目も声も香りすらも全身是可愛さの塊、それが今の『グレン』である。
スーハースーハーと荒く深呼吸をしながら、春夢はなんとか気を落ち着けようと頭を抱える。ピッカピカの美少女に生まれ変わってしまっても、冒険者としての本能は受け継がれていた。窮地に立たされたときに反射的に正気を取り戻せない奴は、絶対に生き延びられない。
「メ、メリット……。メリットを考えるんだ。そうだ、女とはいえまだ人げ……白の種族に生まれ変わっただけマシだ。これが黒の種族なら、どう体を使っていいかわからなくなってた。俺、魔術なんてまるでわかんねえもんな。白の種族は肉体を鍛えれば鍛えるだけ強くなれるから、頑張れば前と同じように育つはず……」
「え?」
「え?」
きょとんと顔を上げる春夢に、言ってもいいものかどうかリンネアは迷う。
ある意味では500年が過ぎていたことよりも、魔王に勝てなかったことよりも言いづらさを感じた。しかし、言わないわけにもいかない。
「……グレン、貴方は白の種族じゃないわよ。緑の種族……サキュバスなのよ」
「は……?」
春夢はパチパチと目を瞬かせる。
キュッとした一重まぶたが下りるたびに、長いまつげが揺れた。
みるみるその頬から血の気が引いていく。
「さ……サキュバス!? あの男に夢を見せて精気を吸い取るしか能のない!? ロクに武器も握れないような非力さで、攻撃魔術もロクに使いこなせなくて、見た目がエロいことしか取り柄がないクソ雑魚ドスケベ種族に!?」
「へ、ヘイトスピーチ……!」
リンネアはごくりと唾を呑み込んだ。
あくまでも教育者として、どんな種族でもいいところを伸ばして一人前の冒険者に育てなくてはならないという職業意識が、咄嗟に反論する。
「いえ、そんなことはないわよ? サキュバスは精神感応っていう種族固有の能力を持っているし、確かに戦闘にはあまり向かないけど敏捷性はあるから、スカウトは天職だし。戦闘面も工夫次第では他種族並みにやれる可能性があるわ。そもそも男から精気を吸い取るっていうのも風評被害で……」
「だってサキュバスだぞ!? 戦争で何度か出くわしたが、俺が苦戦したことなんて一度でもあるか!? みんな棒立ちになって信じられない、みたいな表情したまま斬られてただろうが! あれほど弱い種族は他にいねえぞ!」
「あー……あれは棒立ちになってたわけじゃないんだけどね……」
単に相性が最悪だっただけなのよね、と思いながらリンネアは言葉を探す。
ここは受け入れてもらわないと話が進まない。
だってもうサキュバスに生まれついてしまったんだから。生まれついた種族を変える方法なんてこの世にないのだ。
前世の記憶をもったまま輪廻転生の世界法則を超える術がないのと同じように。……まあ、その世界が始まってからたった二度しかないとびきりの例外は目の前にいるが。
あ、そうだとリンネアの頭上に電球が輝く。
「ほら、グレンって、エッチな小説集めるのが趣味だったでしょ? 男を食い漁るドスケベサキュバスなんて鉄板ネタだったじゃない! 今の貴方は最高に可愛いわよ! ひゅーひゅー! その顔ならどんな男にだってモテモテよ! もう人生勝ったも同然! よっ、大陸一の美少女!!」
ボッ、と音を立てて春夢の顔が真っ赤に染まった。
あの当時はとんでもなく高価だった書籍を集める秘密の趣味が妹分にバレていた赤っ恥と、何とも言い表せない怒りが入り混じり、喉が詰まる。
「ち……」
「ち?」
「違ぁぁぁぁぁぁぁう!! 俺は男にモテたいわけじゃないんだ! 俺はエッチで可愛い女の子を眺めて楽しみたいだけなんだ!! 俺が可愛い女の子になりたいわけじゃないんだよおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
ある意味で本日一番の感情が籠った悲痛な叫びであった。
……カッコいいスポーツカーの窓にびったりと張り付き、魂が潰される直前のような絶叫を上げるとんでもない美少女と、白々とした目でそれを見つめる美貌のエルフ。
あまりにも異様なその光景に、道行く人々は警察に通報すべきか迷ったという。
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【TIPS・教科書『一般教養I・A』より引用】
【白の種族】
かつては『人間』と呼ばれていた種族。
只人、ヒュームなどの呼称もあるが、『白の種族』と呼ぶのが政治的には一番穏当な表現。
白の女神によって生み出されたとされ、かの神格が統治する大陸東部で特に繁栄しているが、現在では大陸のどこでもよく分布している。
特別な固有能力は何も持っていないが、その代わりに汎用性に優れ、どんな険しい極地でも工夫によって適応する。また繁殖力にも優れており、他の種族よりも多くの子孫を残すことができる。
言うなれば汎用性こそがこの種族全体の固有能力であり、大陸で最も繁栄している種族と言っても過言ではない。
個体の寿命は約80年ほど。
白の女神が『肉体』を司る神格であるためか、鍛えるほど物理的に成長していくのも特長。
【黒の種族】
かつては『魔族』と呼ばれていた種族。
黒の魔神によって生み出されたとされ、ヴァンパイア(吸血族)やレイス(半霊族)、ワーウルフ(人狼族)、ジャイアント(巨人族)、デーモン(青魔族)、ウィッチ(魔女族)など、多種多様な小種族が存在する。
白の種族が肌や髪の色に違いこそあれ、何ら変わりない単一の種族であるのとは逆に、小種族ごとに異なる固有能力や種族特有の生態を持つ。
魔力の操作に長けているのが共通の特徴で、個体の寿命・肉体強度・膂力なども白の種族よりも生まれつき優れていることが多いが、その代わりに繁殖力では劣る。
白の種族が質より量の種族なら、黒の種族は量より質の種族と言える。
※ただし黒の種族が白の種族より優れた種族と呼ぶのは差別的表現にあたる。
また、あくまでも種族的な傾向であり、個人の努力によって実力などいくらでも覆ることに冒険者を目指す諸君は重々注意するように。
なお、異なる種族同士で結婚して子を成した場合、子供は必ず母親と同じ種族になる。
白の種族の父親と黒の種族の母親が結婚したケースでは、黒の種族の子供が白の種族の繁殖力で生まれてくるため、異種族婚が一般的なものとなった現代では黒の種族の人口がゆるやかに増加しつつある。
これは緑の種族のエルフなど、同種族間での生殖能力が低い種族が母親となる場合も同じであり、白の種族の種族的特性が脅かされているのではと危惧する声も一部にはある。