怪力魔女は異世界でも腕力で無双する   作:手の遅いエリオット

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第四話

「言葉の問題はこれでなんとかなりますね。ではバークさん、一気にこちらも済ませちゃいましょう」

 

彼も相手の心知らず、ニコニコしつつ謎の装置を取り出してきた。

 

カウンターに文書入れ程度の大きさと厚みのある金属板が置かれる。

 

「では、まず登録をするためにこちらの機械に手を置いて下さい。こいつはよくできていましてね、各種数値の計測と共に当該人物の情報も登録ができるんです。ギルドへの登録も兼ねているのです」

「これも魔法という奴か、私の知っている魔法とはえらく違って万能なんだな」

 

バルクホルンは言われたままにそこに手をかざす。すると目の前に数字が表示された。各ステータスごとの一覧表示となっている。

 

「ふむ。だいたい標準の数字ですが、やや力の数字が高いようです。こんなもんですね」

「まあ、女性でこれはなかなかですよ!すごいです!」

 

その言葉を聞いてバルクホルンの反骨精神に火がついた。ほお、そういう反応なのだな。

 

「まあ待て。まだ私は本気を出していないぞ。これで……どうだ!」

 

固有魔法発動。耳と尻尾が現れて魔法が発現する。改めて装置に手をかざす。

 

それまで常識の範囲内だった数値が一気に跳ね上がる。みるみるうちに数字は増えていき……

 

フィンとミラシャナが揃って驚きの声を漏らす。

 

「計測限界突破……見たことのない表示が出てる」

「え……なにこれ、すごいなんてもんじゃない、怖いくらいだわ」

「どうだ?ストライカーがないからずっと維持は厳しいが、おおよそ一時間程度ならこれを保っていられる」

 

二人の驚く顔を見て、バルクホルンはしてやったりと得意げな顔になった。

 

「確認します。この状態は魔法が発動している最中は安定して出せるんですね?」

「間違いない。これが発動状態の基本だ」

「この状態を地球時間の一時間は出していられる?」

「出力次第で長くなったり短くなったりはするが、だいたいはそのくらいだ。ストライカーがあればもっと出力は上がるし発動時間も長くなるんだが、ここには無いからな。実に効率が悪い」

 

フィンは一息おいて問い返した。

 

「そういえばさっきもストライカーと仰っていましたね。それはどういうものなんですか?」

 

そう言われてバルクホルンも一瞬言葉を濁す。

 

「ううむ、見たことも聞いたこともない者に説明するのは難しいな。

 

暫しバルクホルンは考え込んだ。残る二人は彼女の顔色をうかがっている。

 

「簡単に言うと機械でできた魔法のほうきだ。空を飛ぶのに必須だし、ウィッチの能力を高め支援もしてくれる」

「ほうき……?機械仕掛けの?」

「掃除用具のほうきで空を飛ぶんですか?なんだかすごいですね」

 

二人はピンときていない様子だ。別世界の人間に説明するにはやや難易度が高い。バルクホルンは説明の方向をかえることにした。

 

「フィンは地球から来たのだったな。だったら内燃機関は分かるか?」

「ああ、それは分かります。油などの燃料と空気を混合させて動かす機械ですね」

 

バルクホルンはそれを聞いてやや安堵の表情になった。

 

「その概念がすぐ出ると言うことは時代的に産業革命を知っていると言うことだな。ならば話しやすい」

「ええ、私はライト兄弟の飛行機発明後のアメリカ出身です。ガソリンエンジンの概念は理解できます」

 

バルクホルンはそこでまた戸惑った。

 

「兄弟……なのか。私の世界ではライト姉妹だったよ。こっちの世界で彼女たちは魔法力の機械的な増幅と内燃機関による補助理論を確立させた功労者と伝わっている」

「歴史には色々と細かい差違はあるようですね」

 

二人はまたも苦笑い。ミラシャナは二人の話題が理解できないのできょとんとしている。

 

たまらずミラシャナがフィンに話しかけた。

 

「あのぉ……さっきから話されている内容がわからないんですが」

「ああ、そうですね。すいませんね、置いてけぼりにしてしまって」

「申し訳ない、色々元の世界に関する話題が出たので熱が入ってしまったようだ」

 

フィンとバルクホルンはそれぞれの表現でミラシャナに詫びた。

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