ドラゴンボール -アフターアース-   作:モンスターどんぐり

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第十二話です!

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華奢な豪腕

「ところでデンデ、いつまでこのバケモノのままなんだい?結局、普通の姿の時よりちょびっとばかし強くなっただけでてんで大した事ないよ。超サイヤ人が恋しいね、全く。」

 

 

ロータスの巨大な拳の雨を背中を向けたまま回避する。デンデに変身の解除方法を質問するが正しい手順は知らない。昔聞いたピッコロの話では「月の破壊か、尻尾の切断」という強制終了くらいでしか方法は無いとの事。

 

「18号さん!尻尾の切断は避けて下さい!」

 

建物の中からデンデが叫ぶ。

 

「となるとあのパワーボールの破壊しかないね。確かにパワーもスピードも段違いに底上げされたけど、ベースの戦闘力が低過ぎて話にならない。そして何より、理性がぶっ飛んでむやみやたらと暴れ回ってるんじゃ戦力になるどころか、味方にまで被害が及ぶねぇ。」

 

クルッと回りロータスに正対し、顔の位置まで跳躍して猫騙しをする。バチンッ!!もの凄い音と衝撃波によりロータスは一瞬怯んで目を瞑る。

 

グガッ!?

 

驚いて目を瞑ったロータスの頬を稲妻のような速さの蹴りが襲う。

骨の砕ける音と共に巨大な尖った牙が2、3本宙に舞い、ロータスは地面を抉りながら吹き飛んだ。

軽い脳震盪を起こしたロータスは、フラフラと立ちあがろうとするが上手く足に力が入らない様子で再度腰を下ろす。口からボタボタと血液が滴り、真っ白な地面を赤く染めた。

 

「なかなかタフじゃないか。本当はさっさとあのパワーボールを消し去ってもいいんだけど、ちょっとくらいは反撃させてもらうよ。」

 

ロータスは自分の頭を両手で叩き、気合い十分の様子を見せ、再び臨戦態勢に戻る。

しかしそこに18号の姿は無い。気配だけは感じているようで、性能の上がった嗅覚で匂いを追う。地面に微かに残った匂いを頼りに後ろを振り返るが、時既に遅し。

18号の華奢な腕はロータスの大木のような巨大な尻尾を両手で抱き抱えると、不敵な笑みを浮かべジャイアントスイングの要領で高速回転を始める。

18号の周りからはとてつも無い程の砂埃が巻き上がり、竜巻きのようになっている。当然弱点を握られたロータスにはなす術も無く、されるがままの状態で、何とも情けない呻き声を上げていた。

 

 

ブチンッ。

 

 

-----あ。

 

 

何かが千切れる音と、巨大な黒い塊が遠くの方に飛んで行くのが見えたデンデには何が起こったのかすぐに理解する事が出来た。

 

ウネウネと動く巨大な尻尾をボトンと落とし、18号は頭だけ振り返り肩をすくめて、舌をペロッと出した。

 

「テヘッ!じゃないんですよ18号さん…。」

 

その後18号は、遠くに飛んで行ったロータスを回収しに行くと、真っ裸で白目を剥いて倒れているのを発見し、足首を掴んでデンデの元に帰った。

 

2時間程で目を覚まし、「早くそのみっともないモノをしまいな。」と18号の冷たい目がロータスの股間を睨みつける。

慌ててデンデが魔法でロータスにピッコロとお揃いの胴着を着せた。

 

「やった!へへッ!またピッコロさんとお揃いだ!…ん?」

 

ロータスは腰の辺りを触り、とある違和感に気付く。そう、尻尾を失った事をここで初めて認識した。しかし本人は至って平然として特に気にする様子も無い。

 

「18号さん困りますよ…、尻尾は切らないって約束だったじゃないですか。」

「すまないね、久しぶりに体を動かしてたらついつい楽しくなっちゃってね。」

 

ロータスは尻尾を失った事でバランス感覚が狂い、まともに歩けるようになるまで少しの休憩が与えられた。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

そして外界にて。

 

「なぁ、アイツらが出てくるまで後どれくらいだ?待ちくたびれたぞ。…チェックメイトだ。」

「恐らく後3、4時間程でしょう。…あっ!話しながらはズルいですよ!!」

 

17号はダンデとチェスをしながら時間を潰していた。これで17号の35戦全勝。毎試合罰ゲームが用意されたこの悪魔のチェスで全ての罰を受け続けているダンデは、ボヤきながら35回目の『進行方向逆向き移動逆立ち』で神殿の外周を負けた回数分周り出す。

 

-----エッホ、エッホ、エッホ…

 

その惨めなダンデの姿を見ながら、腕を組み満足そうに笑う17号に、瞑想を終えたピッコロが話かける。

 

「チッ…。何をしているのかと思えばつまらん遊び事を…。まぁそれはいい…。ところで17号、少し頼み事を聞いてはくれんか。」

 

そう言ってピッコロは、17号に手のひらサイズの丸い機械を手渡す。丸いフォルムに緑色のディスプレイ、上部にはボタンと思われる突起が付いている。

 

「これはドラゴンレーダーと言う物で、何度か耳にした事はあろう。悪いのだが、これを使って地球中に散らばったドラゴンボールの回収をして来てはくれんか?出来る事ならヤツらが部屋から出て来る前には戻って欲しい。例え全てのボールが揃っていなくても、だ。」

 

ピッコロは瞑想中にとある考えがよぎっていた。カルゴの目的は十中八九ドラゴンボール、ならばヤツが手にする前に願いを叶えてしまう、もしくは中途半端にでも手元にある事で多少の時間稼ぎが出来る。

 

「…いいだろう。いい加減待ちくたびれていたしな。それにアンタはここを空ける訳にはいかないだろう?」

「すまない、もし、もしもだが回収中にカルゴの襲撃があった場合躊躇なくドラゴンボールを破壊しろ。いいな?躊躇うな。では、頼んだぞ。」

 

了解、の意味を込め片手を上げ神殿から飛び立った。

長い間高速で飛ぶ事がなかった17号は、久しぶりに髪がなびく感覚と、風の音を感じて気持ちよくなり更に速度を上げた。

空気の衝撃波が17号の後を追うように轟音となって響き渡る。

最も近い場所までこの速度なら5、6分で着く。レーダーから規則的に流れている機械音も次第に早くなり、接近している事が簡単に分かる。

 

 

 

「へぇ、便利なモンだな。うわ、この下か…海中にもあるなんて聞いていないぞ。」

 

 

最初のボールは海中にあり、少々ボヤきながらも簡単にひとつ目を獲得した。

その後も特に苦労する事なく二つ、三つと簡単に手に入れ次の目的地を確認する為にレーダーのボタンを押した。

 

「次は少々遠いな…まぁこのペースなら皆んなが出て来る前には帰れそうだな。」

 

レーダーを上着のポケットにしまい、再び飛び立つ準備を始めた。

 

 

 

 

「キミは…地球人か?いや、ニンゲンでは無いな。生体エネルギーが感じられない。」

 

-----ッ!?な、何だッ!?どこから現れた!?いや、いつから居た!?コイツ…ナメック星人だ…コイツが…!!

 




ピッコロだ。

何故天界から眺めているのに襲撃者に気が付かなかったのかって?
それはもちろんダンデとチェスをしていたからだ!
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