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「これが地球のドラゴンボールか。美しい。一気に三つとは幸先がいいな。ゴホッゴホッ!!チッ…。早くドラゴンボールを全て集めなくては…。」
カルゴが地球へ来るほんの数時間前。
ナメック星では、かつてフリーザが起こした事件を彷彿とさせる程の大量殺戮が起こっていた。この星のドラゴンボールは封印され、もはや滞在する必要も、ましてや同胞殺しをする意味も無い。
カルゴはただの快楽と、自分の強さを証明、確認する為だけに罪もない人々を無益に殺し続けた。
だが、彼の想定の範囲外から思わぬ事が起こる。この出来事は彼がこんな事をしていないで、早く地球へ行っていれば良かったと後悔する要因になる。
「お前、悪そうなヤツだな!ピッコロに似てるけど、オレには分かるゾ!」
上空から聞こえる聞き覚えの無い声の正体を確認する為に見上げる。
「何だ貴様は?どこから来た。」
えっへん!とでも言いたげに腰に手を置き、宙に浮く謎の生命体。この星に存在しない色をした体と、ふくよかな体の至るところに不可思議な穴が空き、頭のてっぺんには触角の様なモノが生えている。
「オレか?オレは『ミスターブウ』だ!えっへん!どうだ?カッコいいだろ?」
-----ミスターブウ…だと?誰だ?だが何か…何かやばいぞ、コイツは。
「ミスターブウ…。いい名だな。だが悪いが俺にはやるべき事があるんだ。用が無いならさっさと消えてはくれんか?」
「なんだお前、嫌な感じだな!!暇つぶしに悪者退治してやるゾ!けど、殺さない!サタンと約束したからな!」
-----暇つぶしだと?それにサタン…?どこかで聞いた事が…。何だ?思い出せない…。とりあえず早くこの場を離れよう。
「お前が消えないのなら俺がここから消えよう。じゃあな。」
カルゴは何故か焦っていた。見た事も無い生き物に怯えていた訳ではない。この生き物からは『普通』では無い何かを感じ、生物としての本能が強めの危険信号を出している。
「逃がさないゾ!えいっ!」
立ち去ろうとするカルゴの背中には小さな気弾が炸裂する。
いかに小さな気弾と言えどそのエネルギー密度は尋常では無く、呼吸が出来ない程の衝撃を受け地面に伏した。更に、その背中に巨体がのし掛かり肺の中の空気は完全に吐き出される。
数本の骨が砕け、口からは紫色の血液が地面に飛び散る。呼吸をする暇も無く後頭部にはとてつもない打撃の連打を浴び、めりめりと嫌な音を立てながら、地面に顔が埋もれて行き、口の中に土が入って来る。
-----ま、マズい…!い、意識が…!!
「ん?どうした?お前弱いのか?死んだらダメだぞ?」
ブウは打つ手を止め、後頭部を掴み上げ顔を覗き込み生存確認をする。生きてはいるが、ブウの目に見ても死にかけているのがはっきりと分かる。
殺しはしないとサタンとの約束を律儀に守るブウは「ちょっとやり過ぎたかも」と少しだけ焦り、治癒エネルギーを送る。
-----コイツ…思い出したぞ…!『魔人ブウ』だ!!何故こんなところに…!!生きていたのか!!
何とか立ち上がれる程度に治癒されたカルゴは、脇腹を押さえヨロヨロと立ち上がる。押さえた手でバレないように今度は自分の治癒能力を使い、損傷した臓器と骨折を治癒しようとするが、ほとんど失ってしまった龍族の能力ではせいぜい止血程度しか出来ない。
「お、俺は何も悪い事などしていない…!まさかお前が俺の仲間達を…!?や、やめてくれ!!こ、殺さないでくれぇ…」
-----わ、我ながら何と情けない演技を…。しかしコイツは見るからに知能指数は低い…頼む…かかってくれ…。
藁をも掴む気持ちで渾身の演技と命乞いで、ブウに濡れ衣を着せる。
「え?オレは何もしてないぞ!?わ、悪かった!治す治す!」
-----か、かかった…!!バカめ…!!は、早く治しやがれ…。
先程までとは違い、完全回復できる程の治癒エネルギーを与えられ何事もなかったような状態に戻る。しかし与えられた身体的なダメージは回復したが、精神的なダメージは凄まじいモノだった。
「き、キミは何者なんだ?いったいどこから来たんだ…。」
「オレか?オレはチキュウから来た、正義の味方のミスターブウだ!チキュウはサタンもソンゴクウも死んで暇だから、色んな星に行って悪者退治してたんだ!この星はお前と後少しのニンゲンしかいないからもうオレは違う所に行くゾ!」
-----ソンゴクウは死んでいたか。さすがに無理もないか。
「あ、あぁ…。これからも引き続きこの宇宙を守ってくれ。では、今度こそじゃあな。」
「わかった!」と元気よく叫んだ後、目にも止まらぬ速さでこの星から離脱して行ったブウの背中を見て、カルゴは安堵の溜め息をつく。
絶対的な自信を呆気なくも破壊され、二度目の死を覚悟したカルゴは自分のちっぽけさを痛感した。
しかし野望を果たす事への執念は変わる事なく、揺るぎない。
「まさかアレ程までの強さだったとは…。ヤツの気分次第ではいつ地球に帰るかもわからない…。計画よりも早く地球に行く必要がありそうだ…。」
しまっていた自分のドラゴンボールを取り出し、すぐさまガガを呼び出す。
『おぉ〜!久しぶりっすね!今回の願いは何っすか?』
相変わらず飄々とした態度に苛つきながらも願いを言う。今回の願いは「地球へ飛ばせ」それだけ冷たく言い放ち、これ以上口を開く事はなかった。
『機嫌悪ッ!!まぁ了解っす。寿命10年頂きまーす。』
やれやれ、と両手を上げて願いを叶え、再びドラゴンボールは無機質な石へと変わり、創造主を追うようにしてナメック星の大気圏を突破して地球を目指す。
しかし、過剰に支払った寿命のしっぺ返しは、カルゴ本人も気付く事無く静かにジワジワと迫っていた。
地球へと到達し、すぐに憎き兄の生体エネルギーを探すが見当たらない。一瞬ここが地球か疑うがドラゴンボールのエネルギーは確かに感じられる。
-----何故だ…?デンデのエネルギーが感じない…死んではいない。ドラゴンボールが存在しているからそれはない。では何故だ…?どこにいる。
しかしカルゴの最優先事項はドラゴンボールの回収。早速目の前の廃墟の町に三つが揃ってあるのを感じる。恐らく誰かが集めているのであろうと警戒をするが、またこれも生体エネルギーが感じられない。
まるで三つのボールが揃って移動しているように感じる。
何かあってはいけない、と細心の注意をはらう。気配を完全に消してボールの移動を追いかけ、遂に目前のところまで来た。
今まさに空を見上げ、テイクオフしようとする瞬間のこの星の住人を見つける。彼からは生体エネルギーが感じられないが、ドラゴンボールを所持しているのが感じられる。
「キミは…地球人か?いや、ニンゲンでは無いな。生体エネルギーが感じられない。」
カルゴだ。
ドラゴンボールの微弱なエネルギーも、一箇所に集まっていれば見つけるのはそう難しい事ではない。