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まだまだ頑張れます!!
「17号…。チッ。情けないね、相手の実力も分からないような馬鹿だったなんて、心底ガッカリだよ。」
精神と時の部屋から今し方帰還したばかりの三人に事のあらましを説明したダンデ。
話を聞いた双子の姉は、弟の不甲斐なさに失望した様子を見せてはいるがその拳は強く握られ、誰もが強がりだとわかった。
「18号、悔しい気持ちは俺も一緒だ。今ヤツはお前の弟が集めた三つのドラゴンボールを既に回収し、残りの四つを探して地球をもの凄い速さで移動している。デンデの話ではヤツも龍族と呼ばれる希少種で、ドラゴンボールの探知が出来るようだ。」
「ならさっさと残りの四つを回収したらいいじゃないか、何故アンタはここにいるんだい?時間が無いんだろ?アタシは17号を回収しに行くよ。」
「そうだ、だが俺にドラゴンボールの探知は出来ない。デンデもここを離れる訳にはいかんしな。ドラゴンレーダーは17号に渡して…。」
18号はピッコロの言葉を最後まで聞く事無く神殿を後にした。
夫を失い、娘を失い、そして弟までも失った彼女の心を思うと、声をかけてやれる者はいない。
しかし18号無くしてこの脅威に立ち向かうには、今のメンツでは少々心許ない。デンデは18号を呼び戻して作戦を練るべきと主張する。
「お前にも仲間や家族を失う気持ちは痛い程にわかるだろう?今は好きにさせておけ。」
結果として18号が17号の回収に向かったのは地球サイドからしてみれば吉となった。
18号も人造人間である故、生体エネルギーが無い。つまりカルゴにはフル出力で飛んでいる18号の存在に気が付く事が出来ない。
17号の残骸の場所はすでにピッコロに聞いて分かっている。地上の人の目には、一瞬光が通ったようにしか見えない程の凄まじいスピードで18号は目的の場所まで30分程で到着した。
空中にオーラだけを脱ぎ捨てるように急降下し、17号の残骸のすぐ横に着地する。
「みっともない姿になってるんじゃないよ。」
寂しさや、悲しさを言葉で上手に表現出来ない為、18号は強めの口調で弟を責める。
しかしその言葉の裏にはしっかりと弟への思いが込められていた。
17号の残骸を両手で抱き抱えるように拾い上げ、一旦神殿へと戻ろうと再び宙を舞い、17号が作った巨大クレーターの上空を通過しかけた時、クレーターの端の方に生えた一本の木に、17号がいつも着ていたお気に入りの革ジャンが引っかかって風に揺れているのを見つけた。
普段全くと言っていい程ファッションに関心の無い弟が、唯一大事にしていたこの革ジャンをそのままにしておく事は出来ない。
「忘れ物だよ、あの世にはこれも着て行きな。」
ポツリと独り言を呟き拾い上げると、ポケットに膨らみがある事に気がつく。
妙に思いポケットの中を漁ってみると、ピッコロに託されたドラゴンレーダーを見つけた。ドラゴンレーダーを実際に触った事は無いが、もしやと思いボタンを押し込み起動する。
ピコン…ピコン…ピコン。
聞き覚えのある電子音と共にディスプレイに表示されたのは、地球中に散らばったドラゴンボールの場所を示す黄色いポイント。
更にボタンを押すとディスプレイのマップが拡大され、かなり遠い場所にある黄色いポイントを目指して移動する三つの点を見つける。
17号から奪ったドラゴンボールを持って、四つ目のドラゴンボールを回収しに向かうカルゴである事は容易に理解出来た。
「いずれ出会うハメになるなら、ある程度集めさせて全部奪ってやるよ。他のドラゴンボールはアタシが回収してやる。」
18号はレーダーを今度は自分のポケットにしまい、17号の残骸を抱えて神殿へ向かう。
行きの時よりも更にスピードを上げ、低空で飛ぶ18号の飛行跡は草木が曲がり、海では衝撃波による水飛沫で海底が見える程に捲れ上がる。
一気にカリン塔まで到着した後、直角に急上昇。
その飛行の衝撃はカリン塔が振動する程凄まじく、仙猫カリンはかつてこの地球を壊滅的に追い込んだ地震の再来かと疑う程だった。
「レーダーはアタシが回収した、すぐに残りのドラゴンボールを集めてくる。アタシは気が無いからヤツに悟られるまで多少の時間稼ぎになる。じゃあ17号を頼んだよ。」
会話は無く、一方的に18号が捲し立てダンデに上半身だけになってしまった17号を手渡し、すぐに神殿を飛び出した。
「じゅ…17号さん…。な、何で…。神様どうにか出来ないの?」
「ロータス…。死んでしまった者は、僕にはどうする事も出来ない…。それに、生きていたとしても消滅してしまった機械混じりの体の部位を再生させる事は出来ない。両腕と下半身が無いままの姿になってしまう…。」
師匠である18号の弟、関わり合いはほとんど無かったが、自分を成長させてくれた人でもある為に彼の痛ましい姿に唇を噛む。
「これで我々にもドラゴンボールを集める理由が出来ましたね。17号さんを復活させましょう。絶対にヤツにドラゴンボールを使わせる訳には行きません。まだ私は彼にチェスで勝てていないので。」
ダンデの提案に一同が同意し、17号を綺麗に保存出来る為のカプセルを用意した。このカプセルは神殿の奥にある部屋で厳重に保管される事となる。
「しかしロータス。お前、随分と見違えたな。とんでもないバケモノになりやがって。かつて天下一武道会で対峙した時の孫のようだ。だがまだまだカルゴの足元にも及ばない。さぁ今からはこの俺が指導してやる。」
「はい!!」
ロータスの著しい成長にピッコロは昔を思い出し口元が緩む。
「ところでお前尻尾はどうした?」とピッコロが尋ねると、デンデが肩をすくめて舌をペロッと出すのであった。
その頃東の都では、四つ目のドラゴンボールを狙ったカルゴの襲撃により、街はほぼ壊滅状態に追いやられ阿鼻叫喚の巷と化す。
この都は先の大災害からいち早く復興し、かつて大都市だった西の都を圧倒して、現在この地球で一番の大都市として君臨していた。
ほんの数分前までは。
「ゴホッ!!ゴホッ!!!…くそ!マズイな…。進行が早い…。まさか『ブイ・マリカ』を発症するとは…。早く、早くドラゴンボールを…!」
デンデです!
カルゴの言う『ブイ・マリカ』とは、ナメック星人が稀に発症する病気です。
体の内側から段々と蝕まれて行き、最後は死んでしまう僕らにとっては最悪の病気なんです。
天の声に聞いたんですが、ブイ・マリカの由来はマイマイカブリという昆虫からだそうです!