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戦闘描写難し過ぎて全然前に進めない…。
グアァァァァ…!!!」
悲鳴とも取れる雄叫びを上げて失った腕を再生させ、体液にまみれた腕を動かしながら動作確認をする。
元通り五体満足の体となったが、気はそうも行かない。病によるダメージと、激しい気の消耗によりカルゴは息も絶え絶えとしていた。
両手を両膝に当て肩で息をし、大粒の汗を流しながら目は虚ろになっている。
-----こ、コケにしよって…。全快になりさえすれば…。
「…なんだ。つまらないね。こんなモノなのかい?アンタの実力は。もう飽きたから終わらせてもらうよ。」
-----よ、よし…コイツが喋っている間に少しだけだが回復できたぞ。クソッタレめ…、経験の差がこれ程までに俺を追い詰めるとは…。仕方がないがコチラも奥の手を使わせてもらうぞ。出来れば使いたくはなかったがな…。
カルゴは両膝に置いた手で自らの治癒能力を使い体力回復を行なっていた。
最後の切り札を出すのには十分な程の体力回復を。
ダーレガ…
「ん?なんだい?死ぬ前のお祈りかい?」
ツツイタ…
ナメック語の理解が出来ない18号に取って、これが最悪の始まりになるとはこの時はまだ知る由も無い。
ポコペンポコペン…ダーレガツツイタ…ポコペンポコペン…
-----ま、まさか…。マズいぞ…!18号さんに伝えなくては!!
神殿で様子を伺うデンデには分かる。
カルゴが一体何をしようとしているのかを。
これは、ナメック星人が子を産む時に使われる二つの呪文の内のひとつで、本来秘術とされている『魔族』を産み出す呪文。
この呪文は龍族にのみ伝承された秘術であり、戦えない故の自己防衛の最終手段。
自分の分身とも呼べるこの特殊な存在を生み出すには、激しい体力の消耗を有する。
そして万が一にも死んでしまった場合、精神に多大な負荷を負う事となる為、本当に窮地に追い込まれた時にしか使わない術。
-----18号さん!!!最後まで呪文を唱えさえてはいけないッ!!すぐにカルゴを止めてください!!
「何をそんなに焦っているんだい?あんなにボロボロで何が出来るって言うんだい。」
ポコペンポコペン…ダーレガツツイタ…ポコペンポコペン…
「うぐっ…!!お……おご……」
奇妙な呪文を唱え続けていたカルゴの体に異変が起こる。喉は異常に膨れ上がり、膨らみは次第に口へと移る。
嫌な音を出しながらアゴが外れ、口角が裂け、口からは粘液にまみれた巨大な卵が姿を現した。
ボトン。と鈍い音を立て地面に落ちた巨大な卵は、落ちた衝撃で小さな亀裂が入っている。
「…はぁ…はぁ。ふ、ふふふ…さぁ、我が息子よ、姿を現わせ!!」
-----18号さん!!急いでその卵を破壊して下さい!!早く!!
「言われなくともそうするよ!!気持ち悪いッ!!」
何が起こるかご丁寧に待っていた18号も流石にこの気持ち悪さと、嫌な雰囲気を醸し出すこの卵に本能が危険を予感して気弾を撃つ。
着弾し爆散したかに思えた卵は、むしろ中にいる謎の正体の殻を破ることを手伝ってしまった。
グ…グガァァ…。
煙と共に中から姿を現したこの魔族は、気怠そうにゆっくりと立ち上がり、体中にまとわり付いた粘液と殻を払いながら、真っ赤な瞳で18号を睨みつけている。
カルゴから受け継いでいる戦闘力はおおよそ80%程。
しかし魔族故に戦闘に関する能力はカルゴ以上のモノを持っている。
つまり、高い戦闘力を持った『達人』。
「お前の名は『ホルン』だ。息子よ、あの女を殺せ!」
「素晴らしい名をお与え下さりありがとうございます。ではカルゴ様、このホルンがヤツを消し去って見せます。とくとご覧あれ。」
カァッ…!!と叫び、気を一瞬にして高めて自らの体にオーラを纏わせる。
小石が浮き上がり、地面が揺れる。
威圧感だけで肌をピリつかせられた18号は目を細めた。
-----思ってたよりも手強そうだね…。けどこっちから先に仕掛けさせてもらうよ!
地面を強く蹴って勢いよく飛び出し、ホルンの頬に鋭い拳を突き刺す。
殴られた反動で首は横を向いている。
18号は確かな感触と手応えを拳が覚えている。しかしそれに反してホルンは表情を変えない。
その様子から、焦りを見せてはいけないと悟り、すぐに追撃の前蹴りを腹に入れ体勢を崩す。
前のめりになったホルンの顔面にアッパーカットを入れ空中に浮き上がった体目掛けて両腕からのパワーブリッツで猛追する。
そのまま地面に叩きつけられたホルンは何事もなかったかのようにゆっくりと起き上がり、嫌な笑顔を浮かべ鼻血を拭いながら再び18号に正対した。
「悪く無いパワーとスピードだ。だが、その程度の攻撃では俺を殺す事はできんぞ。」
「ふん。そんな事言われなくたってわかってるさ。アンタの父ちゃんじゃアタシのウォーミングアップにもならなかったからね。」
-----マズいね…まさかこれ程とは…。腕の力も落ちて来ているし、さっきの攻撃は割と本気に近かったんだけどねぇ。
近くで様子を伺っていたカルゴは、二人のやり取りを見ながら既に満タンになるほどの回復を終えている。
しかし病気の進行は確実に早まっており、ホルンに加勢するのを渋っていた。
「つまらん遊びはするなッ!!さっさと片付けてドラゴンボールを回収しろッ!!」
「もう少し遊んでいたかったんですがね…。まぁ仕方がありませんね。」
ホルンは首と指の関節を鳴らしながら18号に近づく。
2メートル近くある筋骨隆々の体躯は、ただ立っているだけで圧迫感と威圧感を与える。
「俺は手加減ができんぞ?」
うすら笑いを浮かべながら上から覗き込み、18号の首を掴む。
何も反応も出来ないままホルンに持ち上げられ、首を掴まれた事で発声手段を奪われた18号の喉からは声にならない声が音となって漏れる。
ガ…ガハッ…!
「何だ?何を言っているのか分からんな。絞め方が足らんのか。ホラ…。ん?ちょっと待てよ、この上着のポケットの膨らみは何だ?」
-----マズい…!!ドラゴンボールが…。
ホルンは18号の上着のポケットが不自然に膨らんでいる事に気が付き、片方の腕で上着のポケットを乱暴に引き裂いた。
ポトンと地面に落ちた二つのドラゴンボールにその場の全員が視線を送る。
「バカめ!こんな所に隠しているとは、不用心にも程があるぞ!ハーハッハッハッ!!」
「ホルン、良くやったぞ。完全にソイツは用済みだ。俺は残りのボールを回収しに行く。後は任せたぞ。」
-----し、しまった…!!それに…意識が…。
脳へ送る血流が著しく低下し、18号は完全に意識を失ってしまった。
そして掴んだ首は離される事はなく、息の根を止める為に更に力を加える。
俺はホルン。
カルゴ様から生まれた魔族。
身長は198センチ、体重は120キロ程あるぞ。
頭には2本の短い角、瞳は赤だ。
深緑の肌に上半身は裸、指は4本生えている。どうだニンゲン。カッコいいだろ?