ドラゴンボール -アフターアース-   作:モンスターどんぐり

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第十九話です!

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極刑

 

ホルンの手に掴まれた18号の細い首は、ミシミシと骨が軋む音を立てている。

 

「呆気ないものだ。死ね。…ぅぐッ!!」

 

完全に首の骨が砕ける寸前、ホルンの側頭部に強烈な衝撃が加わり、制御を失った体は数十メートル先まで吹き飛んだ。

 

岩に衝突し、破壊しながら勢いを止めたホルンは、何が起こったのか状況を把握しきれていない。

粉砕され、瓦礫となった岩をどかしながらゆっくりと起き上がり、先程までいた場所に視線を送る。

 

「何だぁ?ひとりはニンゲンのガキと、カルゴ様と同じナメック星人…。デンデとか言うカルゴ様の兄とは違うようだが…。」

 

ようやく現場に到着したピッコロとロータス。ロータスは18号の肩を揺らし懸命に声を掛け、ピッコロは謎の人物を睨みつけている。

 

 

「何者だ貴様。この星の者ではないな?」

「それはお互い様だろうよ。お前はナメック星人のようだが。」

 

 

ピッコロはホルンをジッと睨んだまま、ロータスに18号の安否を確認する。

 

「大丈夫です、気を失っているだけみたいです!」

「そうか…。ならお前は18号を連れてここから離れていろ。」

 

今のロータスに目の前のバケモノをどうにかするなど、到底無理な事だと判断したピッコロは振り返らないまま指示を出した。

しかしピッコロ自身もこの邪悪な気を持った相手とやり合ってもせいぜい互角か、それ以下だとは長年の経験で理解している。

だからと言って逃してくれるような相手でも無い。

 

ターバンとマントは着用したまま構えを取り、足元の小石がジャリっと音を立てた。

 

「そこのガキと女を逃す程俺は生ぬるくはないぞ?」

 

既に18号を抱えて舞空術で舞ったばかりのロータスに視線を送っているホルン。

気味の悪い笑みを浮かべ、人差し指を標的に向けて光線を放つ。

 

指先から放たれた光線がピッコロの頬をかすめてロータスに向かう。

一瞬光っただけに見えたロータスは、反応出来ずにただ呆然としているだけで、何が起きているのか理解出来ない。

 

「ズアッ!!!」

 

着弾の寸前、一瞬にしてロータスの目の前に現れたピッコロが手刀で弾くと、光弾となってエネルギーは遥か遠くで着弾して爆発した。

 

「ほぅ…。なかなか骨のあるヤツのようだな。素晴らしいスピードだ。」

「フン。手負いの者しか狙えん貴様とはワケが違う。」

 

睨み合った両者はほとんど同じタイミングで気を爆発させ、大地を震わす。

体外に溢れ出た気のオーラは激しく燃え盛る炎のようになり、血流が早くなった血管は膨れ上がった筋肉に青筋を立てる。

 

お互いに準備万端の状態になった瞬間に闘いの火蓋が切って落とされた。

 

 

激しい拳のぶつかり合いは、大気を揺らし雲を散らす。

 

殴っては殴られ、防いでは崩され、一進一退の攻防はお互いただ消耗のし合いとなり、ホルンは倒せない事への苛つきと焦りを感じだしている。

かたやピッコロは未だターバンとマントを脱いでおらず、フルパワーを出し切ってはいない。

 

 

しかしピッコロは、この余力を残した闘い方のせいで大きなミスを犯してしまう事となる。

 

 

 

「ハァハァ…お前ェ…。次で完全に…。な、なんだ!?空が急に暗くなっている…!!」

「し、しまった!!チィッ…!!ドラゴンボールを既に回収してしまっているのか!!」

 

舌打ちと同時にターバンとマントを脱ぎ捨て、一気に最大出力で気を解放する。

カルゴがドラゴンボールを回収した事を悟り、勝ちを確信して隙を生んだホルンをピッコロは見逃してはいない。

 

 

「ハアァァァ…!!!さっさと終わらせてもらうぞ!!!」

 

即座に気を最大まで高め、高めた気を凝縮して額に当てた2本の指先に集める。

ピッコロの体からはスパークが散り始め、凄まじい圧力がホルンを襲う。

 

 

「ぐうっ!?な、何だ!?これはやばいっ!!」

 

「死にやがれッ!!『新・魔貫光殺砲』!!!」

 

 

圧縮された気の塊は、一筋の線とそれに絡みつくように巻き付いた線のエネルギーとなり指先から放出される。

かつての魔貫光殺砲よりも更に、威力、スピードは格段に底上げされ、なによりも溜め時間の大幅短縮が魔貫光殺砲を次のステージへと押し上げていた。

 

 

空間を歪めながら爆進するエネルギーの塊は、目標までの距離を瞬時に詰め、回避する余裕をも与えない。

 

 

「ぐあぁぁ!!!こ、こんなモノぉぉ!!!」

 

 

腹に着弾したエネルギーを両手で掴み弾こうとするが、螺旋状に高速回転しているもう一方のエネルギーがそれを許さない。

 

不快な音を立て腹を切り裂き、巨大な穴を開けてもその勢いは死ぬ事はなかった。

空中で姿勢を保っていたホルンだったが、事切れた体は魔貫光殺砲のエネルギーに絡み付いたまま細切れになり、完全に塵となった。

 

「ハァハァ…。ギリギリだった…。ヤツが気を逸らさなければどうなっていたか分からなかったぜ。空はまだ暗い。急がねば。」

 

まだ願いは叶えられていない証拠に、暗い空と遠くに微かに見える神龍の姿。

余韻に浸る間もなく、ピッコロはフルスピードでカルゴを目指す。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ピッコロがホルンを討つほんの数分前。

 

 

「18号さん!!起きてっ!!18号さんっ!!!」

 

ピッコロとホルンの激しいぶつかり合いの余波は、かなり離れていたこの場所にも影響を与え、ロータスは焦りを募らせていた。

 

-----ロータス!!ロータス!!近くにカルゴがいる!!18号さんは死んでいない!早くカルゴを止めるんだ!!

 

「神様!!た、確かに今まで気が付かなかったけど、ちょっと離れた所に大きな気がある!分かりました!!絶対に止めてみせます!!18号さん、ちょっとここで待っててください…。必ず帰ってきます。」

 

横にして肩を揺らしていた手を止め、大きな気のある場所に視線を送り、強く拳を握った。

 

 

 

 




ホルンだ!

まさかのリタイアだ!
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