炭治郎と緑谷がゴンと三つ子でハンター試験   作:書けって言われたんだ

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1. はじまりはくじら島から

「だから、何度も言ってるでしょう!ハンター試験受けるのは島の主を釣り上げたら!」

「釣り上げてきたよミトさん!ゴンすごくがんばってた!もしなんかあっても僕と炭治郎がゴンを守るから安心して!」

「俺、ミトさんの分も父さん殴ってくるから!」

「炭治郎、出久、黙ってて!ああもう、二人がいればもう大丈夫だと思うけど。ちゃんとゴンが自立できるように助けるばかりじゃダメですからね!」

 

 黙ってて、と言われたが構わず炭治郎、我慢できず反撃する。あまりに聞かん坊すぎるミトを説得するには今日しかないと土下座する勢いだった。

 そう、炭治郎、出久、ゴンは三人兄弟の三つ子だった。

 

「それはそうですとも!修行も毎日行ってます!三人ともほとんどハンター試験に合格してるようなものだってカイトさんに教えて貰いました!」

「兄さん達のおかげで僕、無茶苦茶強くなったんだよ!」

 

 はあ、と深いため息をつくミト。

 三人が修行を山で行っていたのは知っていた。

 長髪の男――カイトを捕まえて念なるものを教えてもらってると。

 説明を聞いても既によく分からない単語がでていたが、出久と炭治郎に関しては生まれた時からすでに不思議な力を使っていて、もしかしたらそれが念というのかもしれない。

 

「それに――俺は親父を殴りに行きたいですミトさん!」

「もう何回も聞いたわよ。はあ、どうしてこうなっちゃったのかしらね……」

「ミトさん、約束は守ってほしいよ」

「……絶対、生きて帰ってきてね」

「もちろん!」

「頼んだわよ、二人とも。2人も生きて帰ってきてね」

「はい!」

 

 そうして、ゴン、出久、炭治郎はくじら島から旅立ったのである。

 

 

 

 

「すごい嵐だったね」

 

 ゴンが洗濯物を片付けながら、船酔いでダウンしてる人を介助している炭治郎達に話しかける。

 

「みんな怪我がなくてよかったよ。さすがに船酔いでダウンしてる人は多かったけど」

「兄さん達やっぱすごいや。たくさん怪我しそうな人助けてるんだもん」

「ゴンもすごかったよ」

「あともう一回大きな嵐が来るから気をつけなきゃだね」

「うん。危機感知がずっと警告してるんだよね。気をつけなきゃ」

「出久の危機感知はよく当たるもんね。島で嵐の時に嗅いでた時の匂いと似てるから、確かに嵐は来ると思うよ」

 

 ほう。この三人、嵐が来ることがわかるのか。しかも一人は念能力者らしい発言もするときた。こりゃ逸材揃いかもしれん。しかもこの一番幼そうなのはあいつによく似てる。

 

「三人ともくじら島から入船したんだったな。お前ら、似てないが兄弟か。親父は何をしてるんだ」

「ハンター!写真でしか知らないけど……オレは尊敬してる!」

「俺は親父を殴るためにハンターになるんだ!」

「ははっ」

 

ぶれないゴンと炭治郎の発言に、思わず出久は苦笑い。

 

「そうか。確かにあいつだと殴られても仕方ないことはしてそうだな」

「家族をほったらかしてミトさんに子供を預けるような男にだけはなりたくないです!」

「確かにそうだけどお父さんのことあんまり言わないでよ。それだけハンターの仕事が魅力的ってことでしょ。だから知りたいんだ俺」

「ゴンが輝いてみえるよ……。俺はどうしても父さんが許せないんだ……」

「炭治郎兄さんは相変わらずだなあ。出久兄さんはヒーローになりたいんだよね!」

「うん!かっこいいからね!」

「あの動き振りだとお前さんは十分ヒーローになれるだろう。ハンターの資格もあれば便利だ。合格だ。お前らの誠実ぶりが気に入った!はっは」

 

 そうして、ゴンは原作通り操舵のコツを教えてもらい。

 

「これからさっきの倍近い嵐の中を航行する。命が惜しい奴は今すぐ救命ボートで近くの島まで引き換えすこった」

 

 放送が入って、ほぼ全員がやってられないと言わんばかりに急いでボートで降りていった。

 

 「結局 客で残ったのはこの五人か。名を聞こう。」

 

 

「オレはレオリオという者だ」

 

  一番最初に名乗ったのはスーツがよく似合う男。

 

 「……私の名はクラピカ」

 

 次に名乗ったのは金髪の、民族衣装を着た人であった。

 それに続けて、三人兄弟が名乗る。 

 

「俺の名前は炭治郎!三人兄弟の長男!三つ子で年は一緒なんだ!よろしくおねがいします」

「僕は出久と言います。えっと次男です。呼びにくかったらデクって呼んでもいいからね」

「出久兄さんは相変わらずだね。オレはもう慣れたけど。オレはゴン!三人兄弟の末っ子!よろしくね」

「へ~兄弟なのか、似てないなお前ら」

「よく言われるよ~!」

 

 レオリオの質問にゴンが答える。クラピカが不快そうに出久に聞く。

 

 「なぜイズクと呼んでデクと呼ばなければいけないんだ。君はデクと呼ばれていい人間じゃないぐらい、先程からの動きを見ていたらよく分かる。確かに呼びにくいがイズクでいいだろう」

「デクっていや役に立たない木偶の坊って意味だもんな。なんでまた。オレなら絶対嫌だね」

 

 クラピカに続けてレオリオも嫌だと話す。

 

「これはその、僕が昔住んでたところではイズクの別の呼び方がデクって読めるんだ。確かに色々あって、最初は嫌だったけどだんだんそれでもいいって思える名前になったんだ。友達に、頑張れって感じのデクだねって言ってもらって。それから好きになったんだ。イズクでも全然いいからね、ありがとうクラピカさん、レオリオさん。」

「そういうことか。なら別にいいが……」

 

 レオリオもクラピカも出久の話に納得する。

 そこで、船長が議題と言わんばかりに聞いてきた。

 

「お前ら、なぜハンターになりたいんだ?」

「おい、えらそーに聞くもんじゃねーぜ。面接官でもあるまいし」

「いいから答えろ」

「何だと」

 

「じゃぁまず俺から。俺は家族を捨てた親父を殴るためにハンターになりたいんだ!親父ってハンターだからどこに居るかわからないし、親父を追いかけるために必要なんだ」

 

 炭治郎がすかさず答えていく。まさかの受験理由に引きつつもレオリオは譲らなかった。

 

 「おい待てガキ!!勝手に答えるんじゃねーぜ。協調性のねーヤツだな」

 

 レオリオの言葉に今度はゴンも反論して答えてく。

 

「えーなんで。オレも答えちゃうよ。オレは兄さんと違って、親父を魅せられた仕事がどんなものかやってみたくなったんだ。気になっちゃって」

「いいのかな。……じゃぁ僕も。僕はヒーローになりたいんだ。みんなを助けるヒーローに。ハンターの資格があると、便利かなって。」

 

 ゴンが構わず兄に続けて話したのを見て、特に聞かれて困るものでもないし、と出久も答えていく。

 

 「はっは。ブレないのお前さんらは。」

 

 船長の言葉に、レオリオは頭を抱えながら話す。

 

「なんで答えちまうのかね。オレはイヤなことは決闘してでもやらねぇってのに。」

「私もレオリオに同感だな」

「おい、お前年いくつだ。人を呼び捨てにしてんじゃねーぞ」

 

 呼び捨てにされたことでレオリオが怒り出すが、クラピカは無視して話を続ける。

 

 「もっともらしいウソをついていやな質問を回避するのはたやすい。しかし偽証は最も恥ずべき行為だと私は考える」

 「レオリオさんと訂正しろ!聞けコラ!」

 

 それでも、クラピカはレオリオを無視した。

 

 「かといって、初対面の人間の前で正直に告白するには、私の志望理由は私の内面に深く関わりすぎている。したがってこの場で質問に答えることができない」

 

「ほ――――お。そうかい。それじゃお前らも今すぐの船から降りな」

 

 二人に対して厳しい視線を向けながら船長が話した。

 

「何だと?」

「まだわからねーのか?すでにハンター試験は始まってるんだよ」

 

 そうして、船長から注意を受けたクラピカとレオリオは渋々志望動機を話し始めた。

 

 「……私は、クルタ族の生き残りだ。4年前、私の同胞を皆殺しにした盗賊グループ幻影旅団を捕まえるためハンターを志望している」

 

 大真面目に話すクラピカに、船長は諦めなと言わんばかりに酒を飲みながら話した。

 

「賞金首狩り希望か!幻影旅団はA級首だぜ 熟練のハンターでもうかつに手を出せねえ。ムダ死にすることになるぜ」

「死は全く怖くない。一番恐れるのはこの怒りがやがて風化してしまわないかということだ」

 

 呆れながらレオリオが話に入ってくる。

 

「要は仇討ちか。わざわざハンターにならなくたってできるじゃねーか」

「この世で最も愚かな質問の一つだなレオリオ。ハンターでなければ入れない場所、聞けない情報、できない行動というものがキミの脳みそに入り切らないほどあるのだよ」

「おい、お前は?レオリオ」

「オレか?あんたの顔色をうかがって答えるなんてまっぴらだから正直に言うぜ。金さ!!金さえありゃ何でも手に入るからな!でかい家!!いい車!!うまい酒!!」

「品性は金で買えないよ レオリオ」

 

 何度もレオリオと呼び捨てにされ、腹がたったレオリオは等々切れた。

 

「3度目だぜ。表へ出な。クラピカ。うす汚ねぇクルタ族とかの血を絶やしてやるぜ」

 

 クラピカにとっての飛び切りの地雷をレオリオは踏んだ。

 そこからはもう止まらなかった。

 

「とり消せ、レオリオ」

「レオリオさんだ」

「来な」

「望むところだ」

 

 そう言って、外へと出ていってしまった。

 

「おいこら、お前らまだオレの話が終わってねーぞ オレの試験を受けねー気かコラ」

「放っておこうよ」

「な」

 

 ゴンが船長を止めに入った。

 

「その人を知りたければその人が何に対して怒りを感じるかを知れ」

「ミトおばさんが教えてくれたオレの好きな言葉なんだ。オレには二人が怒っている理由はとても大切なことだと思えるんだ。止めない方がいいよ」

「すごいねゴン。でもね、外は嵐だよ。それも飛び切り危ないの。危ないから、僕一応見に行ってくるよ。最悪天気も変えなきゃだし」

「うん、でもああなったらオレ達どうしようもないよ」

「分かってる。何もできなくても見守るぐらいはできるよ」

 

 出久がゴンを諭す。天気も変えなきゃと言った時は小声で話して。念の存在はあまり公にはしてはならないので、もしするなら誰も見ていないところでどさくさに紛れてするしかない。船長も帆をあげるのに忙しくなり、それどころではないと慌てて出ていく。

 

 

 

「今すぐ訂正すれば許してやるぞ、レオリオ」

「てめえの方が先だ クラピカ。オレからゆずる気は全くねぇ」

 

 嵐だろうと構わず大喧嘩していた。

 

「こりゃやべぇな!海に落ちたら浮かんでられねえ!」

「船長、オレもなにか手伝う!」

 

 ゴンや炭治郎が手伝う中、出久は人気がないところで一気に念を開放する。

 

 その時、船が大きく揺れて、船員が一人外に投げ出されてしまった。

 

「しまった。黒鞭!」

 

 黒鞭が飛び出すよりも早く、レオリオとクラピカが船員を助けようとするが当然間に合わない。黒鞭は目立つ可能性があるので普通の人には見えないように設定してある。助けるだけなら大丈夫だろう。

 

 ゴンもそれを見ていて、勢いよく飛び出した。

 みんなが助けてくれることを信じて。

 

 「バカ!ゴンのヤツこんな危険なことして!」

 

 慌てて出久が出てくる。

 空はすっかり出久が放ったデトロイトスマッシュにより快晴になっていた。調整が可能になったデトロイトスマッシュは腕へのダメージも特に発生していなかった。

 

 「ごめん、兄さんもみんなも助けてくれると思って」

 当然、途端に皆から非難の嵐だ。

 「馬鹿!もうほんとに!!みんながいなかったらどうするレベルでほんとに危なかったんだからね!」

 「無謀極まりないぞ!下は撃速の潮のうずで人魚さえ溺れるといわれる危険海流だというのに!!」

「オレ達が足をつかまえなかったらオメェまで海のモクズだぞこのボケ!」

「(兄さんは分かるけどそんなトコで決闘したクセに)」

「ゴンは頭突きの刑で許す」

「ま、まって炭治郎兄さんの頭突きは痛い!痛いから!ぎゃあああ」

 

「忘れがちだけどゴンも石頭なんだよ、炭治郎兄さん……」

 

 ガツン!お互いに飛び切りのタンコブができたのは言うまでもない。

 

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