炭治郎と緑谷がゴンと三つ子でハンター試験   作:書けって言われたんだ

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4.試験開始

 ザバン市にたどり着いたゴン達は案内人によって会場の入口まで行くことができた。

 

 「ツバシ町の2-5-10は…と。向こうの建物だな」

 「あれが会場か」

 「うわーー」

 「ここに世界各地から」

 「ハンター志望の猛者が集まるわけだな」

 「みんな、違うって」

 「え」

 「こっちだよ」

 

 みんなが巨大な建物に見惚れてる中、炭治郎は案内人の話をきちんと聞いていたようだ。

 案内人に連れられて、ゴン達は店の前までやってきた。

 

「定食屋さんなんだ」

 出久は正直に受け入れるが、レオリオは馬鹿にされてると感じたのが案内人に怒った。

「…どう見てもただの定食屋だな。冗談きついぜ案内者さんよ。まさかこの中に全国から無数のハンター志望者が集まってるなんて言うんじゃねーだろ」

「そのまさかさ、ここなら誰も応募者が数百万人とも言われてるハンター試験の会場だとは思わないだろ?」

「いらっしぇーい!!ご注文は―――?」

「まじかよ」

 

 店に入店して、本当に客として歓迎されゴン達は困惑する。

 

「ステーキ定食」

「焼き方は?」

「弱火でじっくり」

「あいよ―――。お客さん奥の部屋どうぞ――」

「………」

 

 店に入って、既に焼かれている肉。本当に肉が出されたことにも驚いたが、あらかじめ誰かが来ることを想定しているような食器の置き方にますます困惑を隠しきれなかった。

 

 「一万人に一人。ここにたどりつくまでの倍率さ。お前達、新人にしちゃ上出来だ。それじゃがんばりなルーキーさん達。お前らなら来年も案内してやるぜ」

 

 カチとエレベーターが動く音が聞こえた。どんどん地下まで下がっているのが聞こえた

 

「せっかくだから食べよっか」

「お肉だーー」

「にしてもよ、失礼な奴だぜ。まるでオレ達が今年は受からねーみたいじゃねーか」

「3年に一人」

「ん?」

「初受験者が合格する確率だそうだ。」

 

 その話に出久も話し出す。

 

「あ、聞いたことあるよ。新人の中には余りの過酷なテストに途中で精神をやられてしまう人とか。ベテラン受験者のつぶしによって二度とテストを受けられない身体になってしまうとか」

「カイトさんから聞いたよね俺達」

「その上でハンターになりたいんだよね僕達」

 

 「そうなのか」

「じゃないと、カイトさんが可愛そうなぐらいミトさんカンカンでさ」

 

 苦笑いするゴン。

 

「受験するとき説得がすごく大変だったんだ」

「そりゃそうだろう。命を落とす危険だってあるんだ。むしろ逆にどうやってそのミトさんを説得したのか聞きたくなってきたな」

 

 え、聞きたい?と三人とも苦笑いしながら話しだした。

 

「三人がかりで土下座する勢いで頼み込み」

「オレが島のヌシを釣り上げて」

「絶対生きて返ってくるからって話して」

「あと親父ぶん殴るからって熱く語ったよね」

「それは炭治郎兄さんだけかなぁ」

 

 ははは、とオチに笑いを込めてそりゃそうだなとレオリオは納得した。

 親御さんが心配する気持ちが痛いぐらい伝わってきたので、むしろ大丈夫かこの三人とクラピカは心配した。

 そうしてるうちに地下100階までたどりつき。

 そこには無数の参加者が待機していた。

 

「(さすがに念能力者は数人みたいだね)」

「(いやだなぁ。念能力者の中に殺人鬼とかバトルジャンキーみたいな人が居なければいいな)」

「(命大事にだもんね。もし戦闘になったらどうなるかわかんないもん。クラピカやレオリオは念能力者じゃなさそうだし。ほんとにいい人そうで安心だけど逆に心配だよ)」

「(もし念能力者同士の戦闘に巻き込まれたら護らなきゃだね)」

「(うん)」

 

 と、警戒していたその時。

 

「君達で405人目だよ。」

 

 男が新人を見つけたような表情で話しかけてきた。

 

 「よっ、オレはトンパ。よろしく」

 

 トンパと名乗ったと男と会話しながら、緑色の頭が特徴的な男からナンバープレートをもらう。

 

「新顔だね君達」

「わかるの?」

「まーね!なにしろオレ10歳から35回もテスト受けてるから。まあ試験のベテランってわけだよ。わからないことは何でも教えてあげるよ!!」

「ありがとう。じゃあ、ここに居る人達みんな知ってるの?」

「当然よ!よ――し、いろいろ紹介してやるよ!」

 

 トンパが他の受験者の方を向いて話しだしたところで、出久がゴンに警告する。

 

「(ちょっと、ゴン。この人多分僕達を潰そうとしてる人だよ。危機感知が反応してるんだけど。念能力者じゃないから別にいいけど警戒するの忘れないで)」

「(うん。ありがとう出久兄さん。)」

 

「―――とまぁ、この辺りが常連だな。実力はあるが今一歩で合格を逃してきた連中だ」

 

 と、そこで紹介したところで遅れて他の受験者がやってくる。

 

「あ゛?!どうしてデクのやつがここに居るんだよ?!」

 

 エレベーターを降りてきて、ナンバープレートを受け取る金髪のツンツン頭の少年。前世で幼馴染だった爆豪勝己の登場に出久も困惑した。君も転生してたのか。しかもバリバリに強い念能力者。危機感知とかは全然反応してないから、きっと彼も前世の記憶があるのだろう。

 でもここで前世の記憶とか話しても仕方がないので目線で受験の話に切り替えた。

 前世云々は二人っきりの時がいいだろう。というか、後ろに見かけない女の子が居るし。

 誰だろうか。

 

「かっちゃん?!君も受験するの?!」

 

 その言葉に、勝己も無視できなくなったのか、出久が前世の記憶がある事が前提で話していく。

 

「受験しちゃ悪いかよ家出した弟探すついでにハンターになるんだよ俺ァ゛」

「えぇ。そんなノリでハンター試験受験するの」

「じゃあお前はどんな理由でハンター試験するんだよ」

「そりゃヒーローになりたいからだよ」

 

 その理由に思わず勝己はずっこける。

 

「変わんねぇなおい!! ぶれねぇから別にいいけどよ」

「ついでにかっちゃんもヒーローになったらいいじゃん」

「……俺は別にいい。お前が困ってたら助けてやるぐらいのことはしてやる」

「え。一緒に活動しようよ。なにか理由があるの?でも、ありがとうかっちゃん」

「なになに、知り合い?」

「(うん。僕の前世絡みの友達)幼馴染なんだ」

 

 目線で、ゴンと炭治郎に説明すると二人は納得する。

 

「(へぇ。君に幼馴染が居たなんて初耳なんだけど。あと。髪染めたのは黙っててあげる。似合ってるから)」

 

 バリバリの殺意に、思わず固まる。しまった。不用心すぎたか。

 思わずゾッとするような殺気。無言の圧。

 

「(―――チィ、めんどくさいのもいやがるな。気にするなあんな奴。近寄らなきゃ大丈夫だから)」

「(ほんとにぃ?!とんでもない殺気だけど)」

「(俺と居るうちは大丈夫だから、なるべく俺から離れんな)」

「(んな無茶苦茶な?!)」

 

 反応から、僕とかっちゃんにだけ向けられている殺気とすぐに理解した。

 他の受験者に気付かれないように。まるで暗殺者のような殺意に、出久はゾッとする。

 

「(あいつは―――俺の兄貴だよ)」

「(あんなお兄ちゃん怖すぎて泣いちゃう)」

「(ほんとはもう少しまともな容姿してんだけどな。はぁーーーすまん、めんどくさい家に産まれてしまってヒーロー活動ができねえんだ)」

「(納得した!!すごく!!)」

「二人共どうしたんだい?」

「(とんでもないのがいるんだよ。兄さんも301番には気を付けて)」

「(それなら俺も同じように殺気あてられたよ。彼の妹、俺の前世の妹なんだ)」

「うそぉ?!」

「(兄がお世話になってます)」

 

 ペコリと、黒髪の、毛先のオレンジが特徴的な女の子が頭を下げる。

 

「なんだ禰豆子。知り合い居たのか」

「うん、お兄ちゃん」

「お兄ちゃんが増えてよかったな、禰豆子…」

「それでいいんだ」

「(前の家族に出会えただけでも俺、幸せ者だよ。って感激してたら無茶苦茶殺意向けられて、俺いつかあいつ半殺しにしなきゃいけないかもしれない)」

「(そんなに)」

「(それぐらいだってムカついたもん。いいじゃんか感動の再開ぐらい許してくれよ)」

「(それは分かる)」

 

 

「おいおい、なんだよ。知り合いかよ」

「うん。かっちゃんと禰豆子さん。友達なんだ。一緒に行動してもいいかな」

「それはもちろんだが。一気に大世帯になったな」

「おいこら、あだ名で紹介すんなデク。カツキでいい。」

「(ほんとにイズクのことデクって呼ぶ人いるんだな)いけすかねーやつだな。レオリオさんて呼べよ」

 

 言い方にイラっとしたのかレオリオがキレだす。

 仲良いのはいいが、イズクのことをデクと呼んだのが気に食わない。

 どれだけ古い仲なのか、試してやろうと威圧して話し出す。

 

「あ゛お前年いくつだよ」

 

 こちらもイライラしてるのが伝わり、さん付けで呼べと言われたことにキレる。

 

「初対面で言うわけねーだろ。仲良くてもデクはねーだろ、デクは」

「今更変える気ねーよ。デクはデクだ」

「ちょっと。喧嘩しないでよ二人とも。むしろかっちゃんが僕のことイズクって言いだしたら違和感しかないんだからデクでいいよ」

「けっ、イズクがそういうならいいけどよ」

 

 出久の言葉にレオリオがふんと渋々さがって。

 クラピカがそれならと紹介し出す。

 

「(確かに。仲良さそうだからいいが彼は柄が悪いぞ)クラピカだ。」

「(かっちゃんは昔からあんなんだよ)二人ともいい人だよ、かっちゃん」

「みりゃあ分かるわボケ。ふん」

 

 出久の紹介の仕方に、勝己は呆れる。

 続けて炭治郎が話しだした。

 

「(怖そうな人だな)兄の炭治郎です。よろしくお願いします」

「おう。(禰豆子の兄貴で、今世は緑谷の兄貴とかどんな奴だよ。あともう一人もいるんだっけか)禰豆子は元気だぞ。たぶん俺らの中で一番耐久力ある。」

「耐久力があるってどんな……まさか回復力がすごいって意味じゃ」

 

 以前の鬼化の禰豆子を思い出し、ゾッとして。

 背後から銀髪の少年がそのとおりだよと話し出す。

 

「そのとおりだよ。ネズコねーちゃん、うちの一族じゃ一番の回復力もってて腕とか切り落とされてもすぐ回復するもんね。それを知ってるって、あんたら何者。初対面だよね。あ、オレの名前はキルア。よろしく」

 

 

 単刀直入に炭治郎に聞く。それを聞いて勝己も再度炭治郎に聞く。

 

「(ほんとに兄妹なんだな。俺ですら回復能力を知ったのは親父の攻撃から禰豆子が庇ってくれたとき以来だ。禰豆子の前世はなんだったんだよ)」

「(……前世だと禰豆子は長い間、言っても三年だけだけど鬼だったんだ。だから、回復力も高いし、念能力の強化系だったら可能だろうし、違和感がない)」

「(そうか。あいつが俺の弟だから、あとで説明しとくわ)」

 

 銀髪の少年を見つけたカツキがおいコラと声をあげる。

 

「おいコラ。キルア、おめえ今までどこほっついてやがった」

「ゲッ、カツキ兄ちゃん!ネズコねーちゃんが居ると思ったら。つーか金髪に髪染めてるし、母さん知ったら殺されるじゃ済まないぞ兄ちゃん」

「うるせえ!あんなの母親だとか認めねーよ」

「えっ、髪染めたのかっちゃん。じゃあ前は何色だったの」

「黒髪!清楚でいい感じだったのに!」

「えええええええ」

「確かに金髪の方がしっくりしてるように見える。黒髪はあまり想像できないな」

 

 クラピカの感想に、思わず頭抱えてカツキは叫んだ。

 

「だあああ喋んなコラ人の黒歴史を!」

 

 そう。ゾルディック家といえば髪色が黒髪か銀髪かであるので、勝己一人金髪なのはむしろ違和感なのだ。

 

「ってことは兄貴も家出中だな。ハンター試験受けるのも本当は国外逃亡したいからだろ」

「うるせえ言ってろ」

「私は二人が心配で来てるだけだよ!」

「ネズコねーちゃん手厳しいな。まぁ、頼むよ。黙っててくれ」

 

 一同困惑しつつも勝己と禰豆子、キルアを受け入れたようだ。

 

「(こんなやべーのと知り合いなのかよこいつら。恐ろしいな。ジュース渡そうと思ったが、やめとくか。99番なんてあのジュース飲んでもケロッとしてやがるし)」

 

 トンパは早々にゴン達に絡むのをやめた。

 勝己と禰豆子が合流したことでやばいやつだと認識されたのか結果的にゴンたちはジュースを飲まなくてもよくなった。

 

「さっきのジュースちょうだいよ。喉かわいた」

「えっ」

「俺に毒効かないからさ。あ、ネズコねーちゃんもカツキ兄ちゃんも効かないから別にいいよ」

「おいコラ毒入りジュース進めんなバカ」

「いたっ」

「こいつ……ほんとアレだな」

 

 カツキが困惑していると、悲鳴が聞こえてきた。

 

 58番の腕が切り落とされてなくなったのである。

 

 「ア――ラ不思議 腕が消えちゃった♣️タネもしかけもございません♣️」

 「おオ オオオオレのォォ~~~~!」

 「気をつけようね◆ 人にぶつかったらあやまらなくちゃ♣️」

 

 受験番号44番。ヒソカが何事もなかったように警告した。誰から見ても彼が殺したと思うが、証拠がない。

 問い詰められなかった。

 

「今年はだって強者が豊富でね 高まりが抑えられないんだ◆」

「ゲッ ヒソカの奴も来てるのかよ。デク、あいつには絶対構うな」

「そこの君達もね◆戦えることを願っているよ♣️」

 

 それだけ言って、ヒソカは去っていった。

 期待に満ち溢れたそんな目を出久や炭治郎に向けて。

 

「お兄さん達はもうそれ以上育たないだろうけど、君はまだまだ育ちそうだね◆」

「ひぃっ」

 

 ゴンを見て、舌なめずりをして去っていった。

 

 「願い下げだクソ」

 「君はもう少し強くならないとダメだよ♣️」

 

 もちろん勝己は親指を下に向けて死ねとヒソカを挑発した。

 ゾクゾクとした表情でこちらを見てくるのだから勘弁願いたい。

 これはゾルディック家の勝己だから許される行為で、恐らく他メンバーが同じようにしたら首から下がなくなるだろうというぐらいヒソカから気迫を感じ取った。

 

「かっちゃんは戦ったことがあるの?」

「前に一度だけな。はー。できればもう二度と戦いたくねーんだが」

「(44番奇術師ヒソカと戦って生き残ってるとかナニモンだよこいつ。恐ろしいわ!!)」

 

 トンパや他の参加者は戦慄した。

 

 そうして、試験が始まる時刻が迫ってきた。

 

「ただ今をもって、受付け時間を終了いたします」

 

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