炭治郎と緑谷がゴンと三つ子でハンター試験   作:書けって言われたんだ

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6. 化け物

「気付いたら僕達一番だ。ゴンよりも早く来ちゃった。」

 

 出久が勝己と一緒に走っているうちに、一番前にたどり着いていることに気付く。

 気付けば後ろに居るのは炭治郎と禰豆子だけだ。キルアとゴンの姿が見えないが、そのうちたどり着くだろう。

 走りながら勝己が返事をする。

 

「そりゃ俺達念能力者だしな。使わなくてもはやくなかったらやべーだろ。キルア達だって後ろでなんかあってその様子を見てるようだけど、もうすぐくるだろ。あと前の方走ってねーと、ヒソカとかにうざ絡みされそうだしな」

「そうだね。あとあの301番の名前なんて言うか分かる?」

「ギタルクルって言うんだと。わるい、本名言うな言われた」

 

 罰が悪そうに。さすがにイルミには逆らえない勝己だった。

 

「そっか。仮の名前だけ分かっただけでもいいか……。結構厳しい家に産まれちゃったの?かっちゃん」

「まぁ、試験管の前で言えないような家名なのは間違いないな」

「うわぁ」

 

 試験管の前で言えないような家名といえばいくつか心当たりがある。兄弟の多さに、銀髪と黒髪に、という特徴から、まさか暗殺一家のゾルディック家じゃないだろうかと出久はカイトから聞いた心当たりを思い浮かべる。それなら、喋れない家名だってのも納得だ。だって、かっちゃんの足音は驚くほど静かで聞こえないから暗殺者だと言われても驚かない。

 

「そういやお前はどうなんだよ。なんで最初から念能力使えてんだ。」

「僕はお父さんがハンターなんだ。あと、お父さんを同じく探してるってハンターの人捕まえて教えて貰ったんだ」

「よくやるなぁ。ダメって言われなかったか。相当危険だったろ」

「なんか僕とか炭治郎兄さんは既に念能力使えちゃってたからね。ほら、そのままの方が危ないって感じで流れで教えて貰ったんだ」

「お前まさか前と同じノリで何の訓練もなしに能力使ったな!?」

 

 声を荒げて。これにはサトツだって驚きである。

 

「だって使えそうと思ったらほんとに使えちゃったんだもん!」

「だもんじゃねーわ才能末恐ろしいわ。そりゃそのおまえの親父を探してるってハンターも驚いて念の指導入るわな」

「念能力者といえば、サトツさんもだよね」

「ええ、まあそうですが。使わないで頂いてるのは正直ありがたいです。念は本当に、公にしてはいけないものですからね。ここまで距離が他の受験者と離れてるからいいですが、以後念の話は極力しないように」

「はい!」

 

 そんな話をしながら、ゴン達と合流して。

 

 「出口だ!」

 

 ようやっと長い階段のトンネルを抜け出したのである。

 

「ふぅ ようやく薄暗い地下からおさらばだ」

「レオリオ あと少しだ。」

「……おう!!」

「これって、湿原じゃ……」

「ってことは、ゴールはまだまだ先だね炭治郎兄さん」

 

 待ち構えていたのは。会場ではなく。広大に広がる湿原だった。

 

「ヌメ―レ湿原通称〝詐欺師の塒〟二次試験会場へはここを通って行かねばなりません。この湿原にしかいない珍奇な動物達。その多くが人間をあざむいて食糧にしようとする狡猾で貪欲な生き物です。十分注意してついて来てください。だまされると死にますよ」

 

 その言葉に、一同息を飲んだ。

 

「人間を食べるって今言いました?サトツさん」

「ええ」

「兄さん、お願いだからあまり過激なことしないでね!」

「あはは。時と場合によってはやってしまうかも」

 

 炭治郎の表情が笑っていなかった。

 

「別に生物を殺すことに関しては禁止されてませんので、自衛も兼ねて退治する分には構いませんよ」

「ああ、サトツさん。GOを言わないで、炭治郎兄さんがガチになるから」

「もしや鬼殺隊の方で?」

「はい!人食いの化け物を殺す専門のあの鬼殺隊です。一応俺、そこの隊員です」

「初耳なんだが」

「言ってなかったけ」

「(くびをふる)」

 

 そう、この世界にも鬼殺隊は存在する。

 ハンターの資格を持っていないため、柱ではない炭治郎だがこちらの世界でもそこそこ階級が上であった。

 

 「なら、大丈夫でしょう。許可します。この試験はあくまでも生き延びて会場まで辿り着くのが目標ですので多少の実力行使は許可します。なんせ、この湿原の生き物はありとあらゆる方法で獲物をあざむき、捕食しようとするので、鬼殺隊の人間を止めるなとは言えないのです。ハンター協会からも彼らに討伐の依頼をよく出していますからね。皆さんも騙されることのないよう注意深く、しっかりと私のあとをついてきてください。」

 

 と話すと、そこで叫び声が聞こえてきた。

 

 「ウソだ!そいつはウソをついている!」

 

 ボロボロになった男が人前に出てきた。

 

 「そいつはニセ者だ!試験管じゃない。オレが本当の試験管だ!!」

 「ニセ者!?どういうことだ?!」

 

 その段階で炭治郎は飛び出していた。

 

 「水の呼吸 壱ノ型・水面斬り(みなもぎり)!」

 

 刀を勢いよく水平に振り、発動したは見事だった。悲鳴をあげて、その人は倒れた。

 

 「なにやってんだ、まだそいつがニセモノだって決まった訳じゃないだろう!」

 

 ハンゾーが叫ぶ。周りの受験者だって動揺してるようだった。

 

 「――無抵抗の人を殺すようで嫌だけど、そうやって人を騙して殺すことには違いないから。ごめん。俺は匂いで人じゃないかどうかすぐわかるんだ。あなたに関しては殺意だって隠しきれてなかった。試験管なら、ここまで酷い殺気と人を食べた形式を残さないだろうから」

 「なんだって?」

 「それから、もう一匹。サトツさんにそっくりな人面猿だって用意してた。」

 

 先程の一撃でまとめて攻撃したのだろう殺害したサトツそっくりな人面猿を見せて。さらにざわつく。すぐに鳥達が集まって死んだ人面猿たちは捕食されてしまう。

 

 「一通り鬼殺隊に入るにあたってカラスからこの世界の人喰いの化け物は頭に叩き込まれてるんだけど、こいつらは人に化けるのがとにかく得意なんだ。言葉巧みに人間を湿原に連れ込んで他の生き物と連携して生け捕りにするんだ。」

 「正解♣️ さすがだうーん、今すぐ君とバトルがしたいな。熱い死闘がしたい♣️ 命をかけた戦いを◆(とても綺麗な変化系能力者だね♣️ 倒しがいがありそう◆)」

 

 ゾクリとするヒソカからの視線に、思わずぞっとして刀を構えてしまう炭治郎。

 

 「人相手にはなるべくこの力を使いたくないんだ。殺すっていうなら全力で抵抗させてもらうけど(恐らくかなり不利。距離を取らないと一瞬で殺される!強化系のイズクやゴンの方が有利かも)」

 

 ささっと、直感だけでヒソカから距離をとって。あまりにも不利な相手だと理解したのだろう。

 

 「鬼殺隊の人間はみんなボクと戦うの嫌がるんだよね♣️ 接近しないとボクに攻撃することができないのに♣️ 生存本能というのかな、彼らはみんなボクから距離をとりたがる◆ その自慢の武器で切り刻んでほしいのに♣️ 過去に蟲柱と戦ったことがあるけど彼女の毒は素晴らしかったよ◆」

 「(むしろなんでしのぶさんの毒をくらって生きてるんだこの人。鬼でもないのに。そっちの方が気持ち悪い)」

 

 吐き気を催す邪悪さにぞっとしていると、サトツが仲裁に入ってくれた。

 

 「はい、そこまで。これ以上試験管の前での戦闘行為は認めません。また試験管への攻撃も失格とさせて頂きます。よろしいですね」

 

 「はい、気をつけます!」

 

 「炭治郎兄さん、威勢よく僕の後ろに隠れないでよ」

 

 「(だって、イズクなら多分ヒソカに勝てる)」

 

 「(いやいや油断したら全然死ねるから。危機感知を常に作動しなきゃならないし、もしやるならデトロイトスマッシュ100%の力をヒソカにぶつけないと。しかも当たらなかったら意味ないからね?!)」

 

 「君ともぜひ戦ってみたいなあ◆」

 

 「(デトロイトスマッシュ100%喰らっても笑って立ってそうだなこの人!!)」

 

 本当に笑って立ってそうである。

 

 暫くの間、ヒソカと睨み合いが続いたがサトツが動き出したのを気に受験生全員が動き出した。

 

 「ずっと睨み合いをしていても仕方ないですからね。会場に遅れるわけにも行きませんので、行きましょう」

 

 「時間制限があるの?」

 

 「特にないですが、日が暮れると厄介になりますよ」

 

 その通りであった。

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