仮面ライダーメモリオン   作:バイン

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第八巻 魔法使いの戦い

───ステレオタイプな、自らの研究に取り憑かれたマッドサイエンティストの部屋を想像してみてほしい。

それをそのまま再現したような、部屋の大半を未知の機械が埋め尽くした部屋が存在する。

その中央にあるのは、人間の背丈を優に超える巨大なガラス筒。そ中は何かの液体によって満たされて、中の『何か』を保護している。

それを、一人の男が見つめていた。

白衣を纏っても分かる大柄でがっしりとしたその体格から男性であると判断ができるが、その素顔は中世に存在したペスト医師がつけていたような鳥のくちばしのような形状のマスクで覆われて見ることは出来ない。

 

 

「博士」

 

 

突如として背後からかけられた言葉。

驚いた様子もなくゆっくりとペストマスクの男が振り返れば、そこに立っているのは顔のない紳士。

慇懃に一礼する目の前の異質な存在に、しかし博士と呼ばれた男は一部の動揺すら見せない。

 

 

「……『試作品』はどうなった」

 

 

マスクに覆われくぐもった声を聞いた顔無しの男は芝居がかった様子で肩をすくめる。

 

 

「駄目でした。やはり弱いテラーでは『同調』はしても『融合』には至りませんねぇ」

 

「やはりか」

 

「『魔王様』もイライラしていますよぉ、生贄集めは仮面ライダーに邪魔されて進まないから強力なテラーを生み出すことも出来ない様子ですからねぇ」

 

「……渡したメモリアはどうした」

 

「ここに」

 

 

顔無しの男が差し出した小さな袋。それを受け取って中身を見た博士から舌打ちが漏れた。

袋の口を地面に向ければ、袋の中からこぼれてくるのは粉々になったメモリアの破片。

 

 

「回収しろとは言ったが……ゴミを拾ってこいとは言っていなかったが?」

 

「ああ、すみませんねえ。どうやらこっぴどくやられた様子で拾いに来た時にはもう粉々だったもので」

 

 

言葉こそ謝罪しているものの、へらへらとした口調からは謝意は全く感じ取れずむしろマスクの下で顔をしかめているであろう博士の様子を楽しそうに眺めている。

相手にするだけ無駄、と判断した博士は憮然とした様子で袋を放り捨ててデスクの引き出しを開く。

そこにあったのは、チェーンソーを持った殺人鬼の描かれた、一枚のメモリーカード。

 

 

「次はこれを試せ」

 

「ほう……フフ、畏まりました」

 

 

博士がそれを押し付けるように顔のない男に渡す。少し品定めするように見た後、大仰に一礼してみせる。

少しして一礼する姿がブレたかと思えば、博士の目の前から紳士の姿が消えた。

 

目の前で人が消えたという超常的な現象に対して、全く興味がなさそうに背を向けて、先程のようにガラス筒へと向き直った。

 

 

「もう少しだ……もう少しでお前を外に出してやれるからな」

 

 

そっとガラスを撫でる。無機質な表面にを愛おしそうに撫で、子供に語りかけるような声色で話す博士の顔は、マスクに覆われて窺い知ることはできない。

 

────────────────

 

 

「平和っていいなぁ」

 

 

昼休みのチャイムが響いて一気に騒がしくなった教室内で、姫華はほっ、とため息をついた。

ブリガンドオークとの一戦から数日して、記憶操作魔法などの後始末を終えてあのあと英雄達はアルスとエイハブから心配交じりの大目玉を食らったり姫華は父親から滅茶苦茶に心配されたりと色々と出来事はあったものの、無事にこうして日常に戻ってきた、というわけである。

 

すぐに救助されたとは言え、異形の怪物に害されそうになったことは否が応でも日常の良さを実感させられた。

昼休みの喧騒という日常の中にいる心地よさを感じていると。

 

 

「どうかしたの?三国さん」

 

 

きょとん、とした様子の英雄が声をかけてくる。

 

 

「あはは、平和っていいことだなぁって思って……あっいや、嫌味とかじゃないよ!?」

 

「……ごめんね」

 

「どしたん姫にヒロピー?痴話喧嘩?」

 

 

姫華の言葉を聞いて顔を曇らせる英雄を見て慌ててフォローを入れる。

昨日のことを気にした様子で落ち込む姿をみているとむしろこちらの方が罪悪感を覚えてしまう。なんとか軌道を修正しようと掛ける言葉を練っていると、席にいなかった隣の席の神楽が袋を手に戻ってきた。

見るからに沈んでいる英雄と慌てて励まそうとしている英雄の姿を眺め、面白そうなものを見つけたと言わんばかりに笑みを浮かべている。

 

 

「痴話喧嘩とかじゃないんだけど……」

 

「端から見るとどう見てもそうにしか見えないんよねー、んでどした?」

 

「違うってばぁ……もうっ!ほら!ご飯食べよ!」

 

 

振り払うようにブンブンと頭を振って、カバンから弁当を取り出す。

文庫本サイズの可愛らしい弁当箱を開いて、小さめの可愛らしいサイズのおにぎりを頬張ろうとした時。

 

 

「あの、すみません」

 

 

横合いからかかる声に顔を向ければ、そこには祈間希空がいる。

視線を向けられた希空は淑やかに頭を下げ、姫華達へ歩み寄る。

 

 

「お昼、私もご一緒してもよろしいでしょうか?」

 

「もちろん!いいよね、二人とも」

 

「もちもち!希空ちのお弁当どんなんなん?」

 

 

唯一言葉を発さなかった英雄が頷くのを見て、許可が出たと判断し希空は近くの席をくっつける。どんな弁当が出てくるか、と心を躍らせていると。

突如金属が叩きつけられるようなドン!と言う音が教室中に響き、クラス中の視線が一斉に集まる。

 

希空の机の上で圧倒的な存在感を放つそれは、机の半分程はあるであろう巨大な弁当箱。

中身は一部の隙間もないほどにぎっしりと詰まった白米と赤・黄・緑・茶etc……五色のカラフルなヒーローチームであればが複数作れそうなほどに色とりどりのおかずが巨大な中身を二分している。

所謂『ドカベン』と呼ばれる、巨大な弁当がそこに鎮座していた。

 

呆然とそれを見つめる姫華達。

しかし、わんぱくな運動部の男子高校生でもためらいそうなほどの巨大な弁当を前に当事者である希空に苦しそうな表情などはない。

幸せそうに、そして恐ろしいペースで弁当の具材と白米が彼女の口の中に運ばれていき、ものの十数分で米粒一つ残さず完食。

 

食べ終えて茶を一杯飲んで一息つく。そしてようやく、自分に向けられていた視線に気が付いた。

ゆっくりと周囲を見て、クラス中のほぼ全員が視線を向けていることを確認。その顔に困惑が浮かんだ。

 

 

「?どうかなさいましたか?」

 

「え、いや……祈間さんって、結構いっぱい食べるんだね……?」

 

「?」

 

 

その言葉に、希空は首を傾げた。

 

────────────────

 

放課後、夕焼けで赤く染まった住宅街。その片隅の小さな路地。子供の遊び場としても使えそうにないようなその場所に希空の姿はあった。

何かを探すようにきょろきょろと辺りを見渡しながら、路地を進んでいく。

 

ある時、何かの音が聞こえた。

ローファーの足音を小気味良く響かせていた希空は足を止め、音源へと目を向ける。

住宅の屋根上を駆け回るそれは、視線を向けてくる希空の姿を認めて路地へと降り立った。

 

 

「よいしょ、っと……精がでますね、希空」

 

「あら、マーリン先生!」

 

 

もふ、と柔らかい音と共に地面に降り立つのは魔法使い……のような見た目のぬいぐるみ、マーリンである。

希空はしゃがんで目の前の小さな師匠に目線を合わせる。

 

 

「調査の進捗の方は如何ですか?」

 

「まだ完全には調べきっていないのですが……この区画も外れですね」

 

「ふむ。ここにも奴の……『魔王』の反応はない、と」

 

「ええ、魔力の反応も掴むことが出来ず……」

 

 

マーリンが残念そうに肩を落とす。

この街の何処かにいるはずの魔王、その所在を探るために希空はこの住宅地にやってきていたのである。

 

 

「すみませんね、こんな時間まで遠出をさせてしまって……」

 

「いえ、お気になさらず。あと一区画で調べ終わりますから」

 

 

深く下げすぎてぬいぐるみの身体がくの字になるほどになっている師匠から謝罪に、希空は微笑み返す。

目の前の弟子を見上げ、マーリンは懐かしそうにつぶやく

 

 

「希空も大きくなりましたねぇ……少し前まで小さかった」

 

「もう五年間も旅をしているのですから、大きくなりますよ」

 

「五年!むう、時が経つのは何時も早いですね……希空には色々と迷惑をかけてきました」

 

「いいえ、全然。いろんな場所に行って、いろんな物を見て……先生にもいろんなことを教えてもらいましたし、毎日楽しい五年間でしたよ」

 

 

よしよし、と人差し指で頭を撫でてくる希空に、マーリンは躊躇いながらも一つ質問を投げかける。

 

 

「希空。……家族のことは恋しくなりませんか」

 

 

マーリンからの問いに、希空は一瞬顔を曇らせる。

しかし、すぐにどこか穏やかな、しかし諦念を滲ませた笑みを浮かべる。

 

 

「恋しくない、と言えば嘘になります」

 

「それは……」

 

「でも、いいんです。……あの家にはちゃんと『代わり』がいるんですから」

 

 

声色は精一杯明るくしようとしているが、その裏に悲しみが滲んでいる。

自らの発言を悔いながら、なんと声をかけようかとマーリンが逡巡していると、突然希空に抱きかかえられ持ち上げられる。

 

 

「の、希空!?いったい何を……」

 

「すみません、先生、誰か来ます……!」

 

 

突然の出来事に手足をばたつかせ暴れていたマーリンも希空からの注意を聞いてすぐに大人しくなる。

生きているぬいぐるみなど見つかれば騒ぎになる、それを理解してマーリンはただのぬいぐるみのふりをして、希空はその魔法使いのぬいぐるみを抱えている少女を演じることで誤魔化そうとする。

 

 

「す、 すみません……ここは……どこですかな?」

 

 

路地に現れたのは、一人の老人であった。腰は曲がって手にしている杖はかなり震え、顔には年輪が深く刻まれている。

希空の姿を認めたのか、ゆっくりと歩み寄ってくる。

 

 

「え、駅の方にぃー……行きたいのですが、どちらに向かえばいいのか……教えてぇーいただけないでしょうか?」

 

 

駅の方角を探していると思わしき老人からの問いに、希空は笑みを浮かべた。

 

 

「申し訳ありませんが、テラーの方にお教えすることはできません」

 

 

希空の答えは拒否と老人をテラーであるという呼びかけであった。

テラー呼ばわりされた老人は何が何だか分からない、と言った様子である。

 

 

「へ?て、寺?なにをおっしゃっておるのか……」

 

「惚けたところで無駄です。……魔力の反応は分かりますから」

 

 

魔力の反応でわかる。

その言葉を聞いた途端に、老人は顔を俯かせる。

そして再び顔を上げたとき、その顔には狂気的な笑みが浮かんでいた。

 

 

「ヒッヒッヒッヒッ……どうやって見破ったのかは知らねえがよぉ……」

 

『バレちまってるのなら……直球の方がはええよなぁ〜〜〜ッ!』

 

 

その存在は老人の姿を捨て本来の姿を見せる。

骨と皮だけの痩せた身体を覆い隠すように生えた全身の毛に背ビレのように生えたトゲ。特徴的な赤く大きな瞳。

未確認生物を模したその悍ましい姿が露わになる。

 

 

 

「貴方は……チュパカブラテラーさんでしょうか?」

 

『よく分かったじゃねぇかぁ!正解者はぁ……頭から食ってやるの景品をプレゼントォ!』

 

 

チュパカブラテラーと名乗った異形は、数メートル跳躍し、その痩躯を躍らせ獲物へと飛びかかる。

それを身を翻して避けた希空の手元に、既にマーリンはいない。代わりに腰元にリーディングドライバーが既に巻かれ、その手にはハーミットコンジャラーメモリアが握られていた。

 

 

「希空、気をつけて……!」

 

 

希空の腰にリーディングドライバーを巻いた本人であるマーリンは、既に地面に降りて近くの電柱に隠れている。

こっそりと送られた師からの激励に頷き返して、希空は目の前の異形へと戦意を向ける。

 

 

「そんな景品はお断りします。代わりに……私の魔法をお返ししましょう」

 

『Conjurer of Hermit! 』

 

「変身」

 

『Reading! Conjurer of Hermit! 魔なる法則、ここにあり』

 

 

希空が仮面ライダープレアへと姿を変えたことに、チュパカブラテラーは赤い目を見開き驚愕する。

 

 

『テメー……噂の仮面ライダーってやつか!魔王様が最近鬱陶しがってるの!』

 

『私たちのことをご存知だったんですね。では……自己紹介は要りませんか』

 

『要らねえなぁ……食っちまうことには変わりねえからなぁ!』

 

 

腰元のハーミットケーンを抜き放ち、虚空に魔法陣を描く。

そんなプレアを隙だらけと見たチュパカブラテラーは、先ほど以上に跳躍し、真上から急襲せんとする。

 

 

『……サモンッ!』

 

『アッヂィ!?』

 

 

それを迎え撃つようにプレアの詠唱が叫ばれ、空中の魔法陣から炎が放たれチュパカブラテラーを焼き尽くす。

火だるまとなり墜落し、悶えるチュパカブラテラーにもプレアは追撃を緩めない。

ハーミットケーンをケーンランサーへと変え、容赦なく振り下ろす。

 

 

『ギャァッ!?』

 

『畳み掛けさせていただきますね』

 

 

二度、三度と振り下ろされた槍が体毛に覆われた身体を削り、火花を散らせる。

四度目の振り下ろしから慌てて逃れたチュパカブラテラーは、息も絶え絶えに吠える。

 

 

『このアマ……ちったぁ手加減とかそういうのを覚えねえのか!?』

 

『申し訳ありませんが……今の私、ちょっと機嫌が悪いんです。少し荒っぽいですよ』

 

 

手元のケーンランサーを回すプレアからは、戦意と共に八つ当たりじみた怒りのようなものが見て取れる。

内心冷や汗を流しながら、チュパカブラテラーは懐を探り出す。

 

 

『チィ……こうなりゃ顔なし野郎から貰ったコイツに頼るしかねえ!』

 

【Role Cutthroat】

 

『……!?させませんっ!』

 

 

勢いよく取り出されたのは、チェーンソーを持った殺人鬼の描かれたストーリーメモリア。

異変に気付いたプレアが止めようと突進するも、一瞬遅い。

 

 

『……オ゛……ギ、グガァ……!』

 

 

メモリアを体内に差し込むと、その緑色の身体を悶えるように震わせ始める。

すぐに、肉を突き破るような音と共に、左右の腕から血が噴出し、腕を突き破るようにチェーンソーが突き出てくる。

 

 

『なっ……』

 

 

驚愕するプレアの目の前で変異は続く。

頭は白く硬質な物質に覆われ、まるでホッケーマスクをかぶった殺人鬼のように変わった。

緑色の異形の殺人鬼……『スローターチュパカブラテラー』は、歓喜の雄叫びを上げる。

 

 

 

『お……オオオオオオオオオオオ!最ッ高じゃねぇかぁ!なんでもいいからぶち殺したい気分だぜぇ!』

 

 

眼前で変異したテラーに驚愕しつつも、プレアは構えを崩さない。

 

 

『くっ……!』

 

『おっ!いい感じに斬れそうな獲物、みーっけぇ!』

 

 

両腕を押し付けるように突進してくるスローターチュパカブラテラーを避ける。

避けた先で壁に激突し、コンクリートの壁が容易く削り取られる様子に、プレアは仮面の下で目を見開く。

 

 

『なんてパワーなんですか……!?』

 

『避けんじゃねぇってのぉ!』

 

 

乱雑に振り回される両腕を必死で避ける。

避け損ねて身体を掠める度にプレアのスーツが少しずつ削られていく。

 

距離を取ろうと飛び退るプレアの身体に何かが巻き付く。

 

 

『なっ!?』

 

プレアが手足に目を向ければ、赤茶色の鎖が巻き付いている。

その根元をたどれば、スローターチュパカブラテラーの背部から伸びる鎖がプレアを捕らえていた。

 

 

『ヒヒヒ!つーかまえーたぁ!』

 

『このっ……解けない!』

 

 

ゆっくりと鎖が巻き取られ、少しずつ身体が相手へと引き寄せられる。

プレアは藻掻いて鎖を解こうとするも、その間にも身体は引き寄せられている。

スローターチュパカブラテラーの眼前まで引き寄せられ、両腕が振り上げられる。

 

 

『死にな……ぐおおおっ!?』

 

 

両腕を振り上げ勝ち誇るスローターチュパカブラテラーに無数の弾丸が突き刺さる。

同時に飛んできた曲刀が鎖を切断し、プレアを解放する。

 

 

『これは……』

 

『Climax Reading! Knight strike!』

 

『ハァッ!』

 

 

別方向からやってきた銀色の流星が、スローターチュパカブラテラーへと突き刺さった。

 

 

『ガァァァァァァッ!?』

 

 

体勢を崩された状態で直撃した煌く銀色にスローターチュパカブラテラーは両断され、爆散する。

立て続けに起こった出来事に呆然とするプレアに、手が伸ばされる。

 

 

『よぉ、大丈夫かよ魔法使いちゃん?』

 

 

手の主は同じライダーであるリコレイド。

そして、爆散した煙の中からメモリオンが姿を現す。

 

周囲を警戒し終えたメモリオンとリコレイドは変身を解き、英雄と大海の姿へと戻る。

 

 

「お二人とも、どうしてここに……?」

 

「希空!無事でしたか!」

 

 

困惑のまま、変身を解いた希空の元にマーリンが走り寄ってくる。

 

 

「先生!」

 

「あのテラーが変異したのを見て慌てて救援を依頼しておいたのですよ」

 

「ま、美人さんの助けにはいつでもすぐ駆けつけるってね」

 

 

そこで、三人の会話の輪に加わっていなかった英雄が、希空の側にやってくる。

 

 

「……何かあった?」

 

「はい、それが……」

 

 

希空が英雄の質問に応えようした時、遠くからパトカーのサイレンが聞こえてくる。

 

 

「おっ、と……ここから離れるのが先かな?」

 

 

大海の言葉に、全員が賛同し足早にこの場を離れていった。

 

────────────────

 

「まさか……彼女がか」

 

 

研究室で、ペストマスクの男が、巨大なスクリーンに映された映像を眺めている。

 

スクリーンに映るのは、プレアが変身する様子。それが巻き戻され、メモリアを手にした希空の姿が映し出される。

 

希空の姿を眺めるペストマスクの男からは表情は伺えない。

しかし。強く握り締められたその拳は、震えていた。

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