投射されるアニメーション   作:七篠ライア

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渋谷事変の途中でもし子供たちの干渉があったら


渋谷事変

2018年、渋谷

五条悟が獄門疆に封印された直後のこと

 

「こんにちは、いやこんばんわか」

 

獄門疆を回収しようとしていた羂索の前に、柱の陰から一人の少年が現れた

何というか存在感のない少年だった

 

「誰だい?そこには誰もいなかったはずなんだけど」

(いや本当、こいつのかなり多い呪力を見逃すとも思えないし……術式か?それにこいつの顔がどことなく)

 

少年は少し(あれどうやるんだったかなー)と悩む素振りを見せ

 

「ドーモ、ゲトー=サン。カクシです」

 

なんとなく様子からヘッズではないことを察しつつ、アイサツを返さないのはシツレイにあたるのでこう返す

 

「ドーモ、ケンジャクです」

「あれ?夏油じゃないんですか?」

「そのうちばれるしもういいかなって」

「ふーん、けんじゃくって?」

「ああ!それってハネクリボー?……ところで苗字は?」

「禪院。どう書くの?」

「ちょっと待ってね、この辺に紙とペンが……あの爺たちがアニメとか見せるとは思えないんだけど」

「姉の影響やね、それにワイの姉ちゃんが爺共をぶん殴ったから割と自由やで」

「2ちゃん民か微妙な口調」

「付け焼刃はダメか」

「あったあった……えーっと、33-4と」

「なんでや!阪神関係ないやろ!」

 

めちゃくちゃ話が弾んでいた

 

「ところで君、何しに来たの?あいつの息子でしょ?」

 

禪院甚爾の子供がそこそこいることは知っているらしい

 

「いや、用事はもう済んでるんで今は暇つぶしですね」

 

その言葉を聞いた途端、いやもしかしたら隠が現れた瞬間から感じていた嫌な予感

その感覚に従い問いかける

 

「用事って何か、聞いてもいいかな」

 

隠は何でもないような口調で告げる

 

「五条悟の救出」

 

羂索にとって最悪の言葉を

 

___

_____

_______

 

禪院家……というよりも当主見習いとなった直哉は

五条悟の戦線離脱という最悪の事態にできる限り備えていた

本来の彼より性格が比較的真っ当となり、血統主義ではなく実力主義となったことをきっかけに

一度どうすれば五条悟を倒せるか婚約者やその兄弟たちと検討したことがあった

その時に獄門疆の記述が見つかり、条件はわからないものの使われたらまずそうであることがわかっていた

 

そして幸運にも禪院甚爾の子供に対策ができる術式を持つ者がいた

 

禪院隠 旧名阿部隠

一応安倍晴明の子孫ではあるらしい

 

所持術式は未明操術

簡単に言えばシュレディンガーの猫

誰にも見られていない空間を好き勝手いじることができる術式

“自分含め誰にも見られていない空間”というかなり面倒な条件が付く代わりに条件を満たした場所ならこれ以上ないほどの性能を誇る

それこそ誰にも見られていない“獄門疆の中の五条悟”をどこかにやってしまえるほど

 

 

この後再び柱の陰に隠れ自身を自分の部屋へ移動させることで隠は逃走

羂索は焦って渋谷に五条がいないことを確認すると五条悟の進入禁止の帳を張りに行き、何とか五条悟の参加禁止を盛り込んだうえで死滅回遊を成立させた

 

……未明操術で人を移動させる場合、“対象空間内にいなかった”ことにはできるが移動先は“移動させる人の思い浮かべている場所の近くで誰も見ていない場所”になるので五条悟は沖縄に移動してしまったことも成功の原因の一つである




未明術式の補足
正確には“人が視覚によって認識していない空間”を操る術式
なので監視カメラなどで誰かが見ていても発動不可

隠は感情が希薄になる天与呪縛持ちで
他人の意識がどこに向いているかがわかるようになっています
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