例えばそこにイチゴのショートケーキがあったとする
シンプルでスタンダードなケーキは見るだけで幸福になる
そして食べたときのあの幸福感は言葉にできない
つまるところ
しんのすけはその幸福をつかめなかった
『もう二度戻らない』『飛んでいけない』『上なんて向けない』『沈む』『風すら吹かない』『どうしてどうして』『もう期待なんて出来ないよ』
音楽プレイヤーから暗い歌詞が聞こえてくる
部屋の隅で体育座りで落ち込んでいる野原しんのすけがかけていた
「落ち込みすぎだろ!!」
ソレにツッコむのは砂藤力道 A組のスイーツ男子
話は少し遡る
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ある一人の男の子がいた
男の子は時計を見て『おつやのじかん』ということを確認
■■が用意してくれたのはイチゴのショートケーキ
いちごちゃんだった
どうやって食べよう
舐めまくる?
それとも、、、、、
実行したのは呼び名『ガブッと祭り』
スポンジを持って思いっきりかぶりつくという食べ方
男の子は最後に食べるいちごちゃんを別皿に移し
ガブリ
男の子の脳内には鳥が羽ばたきバレエ的なダンス衣装を着た自分が踊り狂った
しかし勢いのあまり喉をつまらせた
洗面台に行きどうにかした後お楽しみのいちごちゃんを食べようとしたその時
う〜んイチゴおいちい〜♡
■■にいちごちゃんを食べられていた
石化した
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ジジジジジジジジジジジジジジ
パチリとソファーで寝ていたしんのすけは目を覚ましそこからは速かった
砂藤力道に接触
今日のおやつはいちごのショートケーキということを強引に約束
購入資金を貰いスーパーへ
材料購入
寮へ戻り
よだれを垂らしながら砂藤の調理シーンを刮目
気が散るわ!というツッコミを受けながら最後まで見守った
開いたオーブンから香るスポンジの匂い
出来立ての生クリーム
刻まれたイチゴがスポンジの間に挟まりクリームが塗られていく
舐めたい舐めたいといったらここまできたら我慢しろよと言われた
そしてショートケーキは完成
「シャワー浴びてくるぜ」
「なんでだよ!!?」
そして入念に体を洗いいざ実食という時に
「あら?ケーキ?」
「「!」」
ミッドナイトが現れた
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「外面カッコつけモード披露してミッドナイトにケーキ譲るとか完全な自業自得なのによくもまぁそんなに落ち込めるな」
「、、、、、、、(頭の上に雨が降ってる状態)」
「約束通り訓練に付き合えよ?」
「、、、、、、ホイ」
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「わけワカメ〜」
「やる気ないのに全然当たらねぇ!!」
訓練室のリングの上
しんのすけと砂藤は訓練技に着替え打ち合いをしていた
砂藤のシュガーラッシュ(個性付き)をひらりひらりとかわすしんのすけ
ちなみに目は死んでいる
全力で避けてるわけでもないのに全然当たらない
結局かすりもしなかった
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「前々から思ってたんだけどよ〜【わけワカメ】って何だよ?」
「ん~~?」
二人はリングを降りてスポドリを飲んでいた時に砂藤が質問した
「最初は悪ノリでいってんのかなーって思ってたんだけどよー、、、もしかして意味あんのか?」
「、、、、、そういえばそうだったような」
何かを思い出しそうだが思い出せないそして思い出すのは
「キレイな断面のショートケーキだった」
「いいかげん立ち直れ」
しんのすけは遠い目でいちごちゃんのショートケーキを思う
本当に子供だなと砂藤は思ったが自分が作った物をそこまで求められるのは結構嬉しい
思えば最近ずっとそうだなと
A組に求められることもあるが最近はしんのすけがA組よりも頼む回数が多い
隣りにいるのはプロヒーローに匹敵する実力派なのにだ
個性をフル使用してガチで戦っても恐らく【ストーン】抜きで圧勝されるのがわかるくらいには強いと
砂藤力道にとって野原しんのすけは【凄い力を持つ子供】だった
緑谷、爆豪、轟の実力者と張れるのに中身は子供
よくお菓子をねだられるから他の生徒よりしんのすけの幼さを感じることが多かった
だから貫禄的なものはあまり感じていない 他の生徒もそうだと思うが
緑谷と比べたら普通っぽくて接しやすいが性格が天真爛漫すぎる
爆豪と比べたら性格は唯我独尊だが彼よりも融通がきく
新しいタイプの実力派
そしてしんのすけは誰よりも砂藤のスイーツを美味しそうに食べた
これが女子だったらな〜という邪な考えが一瞬浮かんでしまうほどに
幼い笑顔で何度親指を立てるグットラックをされたかもうわからない
だからこそ心配になることがある
砂藤力道もヒーロー志望、それゆえの分析でわかるしんのすけの能力の偏り
思い出すのは1年の頃の林間合宿前の試験
セメントス先生に手も足も出なかったあの戦い
野原しんのすけは自分のペースに持ち込み自分の得意を押し付けて戦うまさにセメントス先生の行った通りの行動
しかしだ、、、、もしも、、、、
【しんのすけよりもフィジカルも速さも上の相手】だったら
それは通用しないのではないか
【ストーン】という奥の手を使えばなんとかなるだろうが
それでも子供と感じてしまうしんのすけを心配してしまう
「また作ってやるよ」
「今から!?」
「流石に無理だ!」
なにかソレを埋めるものはないか、、、例えば【力をいなす技】とかアレば、、、、、
砂藤はまだ知らないしんのすけは記憶をなくしているだけで既にソレを持っていることに
「じゃあ今度はぷにぷにのいちご大福で!」