熱エネルギー
「とにかく情報が不足している以上あたり一帯を調べる必要がありますね」
「はい」
緑谷はそういうしかなかった
「個性は問題なく使えますか?」
「問題は、、ない」
飯田もそうだった
「痛覚は?痛みは感じますか?」
「あぁほっぺつねったら痛かった」
切島
「私も含めて全員が制服ですね個性でできる限りのアイテムを整えます」
「、、、おぉ」
爆豪
「乗り物を作りましょう私、手伝ってください」
「、、、!(プルプルプルプル)」
「何をボサッとしてるのですかキビキビ動くのがあなたの長所でしょう早く」
「何故あなたが仕切っているのですかァァァ!!!!」
もう無理だった
死闘の戦場ですら出したことのない大声がでてしまった
耐えられない!耐えられない!!耐えられない!!!
頭を掻きむしって地団駄を踏みたくなる下が地面なのを忘れて転げ回りたくなる
仕方なかった
八百万からしてみれば【具現化した黒歴史が偉そうに友達に指示を出している】のだから
「私が一番指揮役に向いてるからです、そうでしょう【委員長の投票】で私に入れてくれた轟さん♡」
「ング!、、、あぁ」
「あれは私の投票です!!!」
二人の八百万が喧嘩をする同一人物同士の会話に周りは気圧されるままだった
ぶっちゃけどうしたらいいのかわからなかった
「だいたい恋人になったのにやったことと言えば自室での勉強会、、手すら繋がないなんて」
「私達はヒーロー志望なんです!必要以上にうつつを抜かすなんてできるわけ無いでしょう!!」
「私はあなたなんですよ?つまりあなたの中にそういう願望が確実にある」
「ハウッ!」
「手すら繋がないなんて流石に潔癖過ぎるかな?もっと恋人らしいことしたほうがいいのかなと時々真剣に悩んでたくせに」
「グアッ!」
「そんなんだから私に行動力で劣るんですよだいたい端末検索である程度の【そういう知識を」
「うわああああああああああああああ!!!!!!!!」
「あ!ちょっと!泣きながら怒らないでくださいみっともない!!!」
大粒の涙を流して半狂乱になりながらポカポカと腕を振るう八百万と冷めた目でそれを叱りつけるネオ
我々は一体何を見せられてるんだ?
そして轟の心中も地獄だった
目の前の同一人物同士の喧嘩の原因が自分なのだからソレもデリケートな問題で
その時
「なにか来るぞ!!」
「「「「!?」」」」
周りから何かが大量にやってきた
それはひと目見て【人型の炎】だった
人の形をした炎が集団となって襲いかかってきた
ーーーーーーーーーーーーーーー
「母ちゃん流拳骨!!!」
しんのすけもその人型の炎と戦っていた
「やっぱりあんまり熱くない!一瞬なら大丈夫!」
そしてそのほとんどを拳骨で沈めていった
地面に倒れる人型の炎はゲームの雑魚キャラのように消えていった
「怪我はない!え~と、、ヒマなお兄さん!」
しんのすけは襲われていた男の方を振り返る
「あれ?」
そして気づく誰かに似ているような、、、
「、、、ヒマなじゃなくて氷叢な、、そんでお前は何者だ?」
その男はしんのすけに対しても警戒している
当然だった
理由も分からずいつの間にかここにいた
身体はどこも痛くない
五体満足
顔に傷もない
自分は死んだのか?ここはあの世なのか?
そんな事を考えている間にあの【人型の炎】に襲われていた
「オラは野原しんのすけ!イチゴのケーキは最後までイチゴを取っておくタイプ〜」
しんのすけはそんな男の警戒など意に介さずマイペースだった
「、、、ここがどこだかわかるか?」
そんなしんのすけに男も少し気が抜けた
「ここはユメミーワールド【夢の中】だぞ」
「夢の中?」
ーーーーーーーーーーーーー
「死ねぇ!!」
爆豪が周辺の全てを爆破した
「明らかな量産型の雑魚が俺をやれるかよ!!」
「消えていった、、何なんだ一体」
思いのほか温存した状態で乗り越えた神野メンバー
その時
「なんかデカくねぇか!?」
人型の炎の最後の一体が巨大化
そして炎が形をなしていく
その炎が消えて現れたのは
「怪獣!?」
緑色の身体にシンプルな造形の怪獣だった
「殺すだけだろ!」
爆豪が後ろに回り込み首元を爆破しようとしたその時
「え?」
突然の硬直
「かっちゃん!?」
「氷結!!!」
轟が氷漬けにして戦いは終わった
「突然止まったけどどうしたの?」
緑谷が爆豪に駆け寄って怪獣の後ろに回りこんでその目で見たのは
生のケツだった
「へ?!」
怪獣の身体に何故か人間のケツがついていたのだ
「あれって」
「気づきましたか私」
「!」
「あれは前に野原さんが見せてくれたおもちゃ」
「、、、シリまるだし」
「どうやらこの空間には彼が関わっているようですね」
ネオは誰よりも冷静に現状を把握し始めた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「つまりこの世界は悪夢をなんとかするために作られたってことか?」
「うん、そうだったと思う」
しんのすけのソコソコ意味不明な説明からなんとか答えを纏めた男は考える
(悪夢対策の世界、、、俺がこの世界に呼ばれたのは、、イヤ、、まさか、、、)
その男はある仮説を立てた
この世界に呼ばれたのではなく吸い寄せられたのでは?という仮説だった
何故なら【悪夢】というワードがあまりにも自分に似合っているからだ
「、、、あの人型の炎はわかるか?」
「わかんない、前見た時はいなかったし」
(おいおい俺の仮説に信憑性が出来ちまったよ)
夢の中 夢の世界
本人の意思や人格が影響するとしたら
あの炎が自分の影響だとしたら
(待てよ、だとしたらコイツは?)
目の前の少年は悪夢とは無関係の人間にしか見えない
ここにいるとしたら恐らくこの世界そのものの関係者だから
そして自分以上にこの世界に影響を及ぼす可能性もある
(これからどうすりゃいいんだ?)
自分は直に死ぬ身体ここから出れたとしても、、、、
「んじゃ行きますか〜」
「あ?」
「ここから出ないと」
「、、、俺が敵だと考えねぇのか?」
「お?」
「俺は炎の個性だ、さっき見てたなら分かんだろ、危ねえとか考えねぇのか?」
その男は火力を出して人型を吹き飛ばしていた
そしてしんのすけにもそれを見られていた
「珍しくないんでしょ?炎の個性って」
しんのすけはなんてことのないように答えた
ただしそれ以降の言葉が問題だった
「ソレに轟くんは氷も出せるからもっとスゴイし」
「!?」
その名前を聞いた時その男は驚愕した
そしてイラッとした
選りにもよって比べやがったのだ
それで散々な人生になったというのに目の前の男は、、、
「轟くんの【もっとスゴイ】個性に比べたらヒマなお兄さんの個性は【全然怖くないから】大丈夫☆」
殺してやろうと思った
とっさに手をしんのすけにかざしてぶっ放そうとすると
「ああああああああああ!!!!!」
ビクッ!
しんのすけが突然大声を上げた
「そうだそうだぞ!ここがユメミーワールドならぁ!!!」
何かを思い出したのか?
するとしんのすけは
「想像!想像!!想像ーーーーー!!!」
頭を鷲掴みにして全力で己の理想をイメージする
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!
「何だ!?」
そして目の前に現れたのは
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「この世界に野原さんもいる可能性がありますね」
「まぁこんなふざけた世界あいつ関連だとは思ったがな」
7人は円となり話し合う
ただし
轟の右には八百万が左にはネオがそれぞれ抱きついていた
ちなみにネオが早々と抱きつき八百万が離すようにいったが聞く耳を持たず嫉妬から八百万は轟の制止も聞かず抱きついた
両方からの感触に轟は汗が止まらなかった
「ならばすぐにでも探しに行こう!一人かもしれない!」
「ソレにしんちゃんがこの世界の脱出のカギかもしれない」
「今のしんちゃんは強ぇ!!絶対に無事だ!!」
ある程度の方針が決まった
「、、、、、」
「どうかしたのか?八百、、イヤ、ネオ」
「いえ、、私達だけではない気がしますね」
この世界に呼ばれたのは
ーーーーーーーーーーーーー
そこは楽園だった
巨大なプールに水着のお姉さんがいっぱい
ジュースの種類も豊富
「アハアハアハアハアハ☆☆☆」
「「「「「しんちゃ〜〜〜ん♡」」」」」
「アハアハアハアハアハアハアハアハ♡♡♡」
しんのすけがイメージして作り出したプール世界だった
「くだらねぇ」
もはや怒りすら萎えてしまう醜聞に氷結の目を向けていた
(こういうやつは俺の近くにいなかったからな、思えば女とは縁が無い人生だった、、あった女といえばあの破綻JKくらいか、、、)
思えばそういうとこだけはしっかりしていた気がする
正直さっきまで考えもしなかったが
その男はそういう【清廉な女性】が恋しくなった
イヤ待てよ?
まさかとは思うが
来てねぇよな?
ーーーーーーーーーーーーーーー
ここはどこなの!?
その【女】は逃げていた人型の炎から
突然この場所にいた
そして身体の違和感に気付いた
身体が軽いのだ
近くに湖を見つけた
水面を覗き込んで見てしまった
その水面の水鏡に映ったのは自分
そう
若返った自分だった
二十歳そこらの身体と顔だった
そして人型の炎に追いかけられた
個性の氷結でなんとか逃げていたが追いつかれた
炎であるならととっさに湖に飛び込んだがそれでも人型は止まらなかった
理由も分からず狙われる恐怖に
(助けて!)
そう心で叫んだ時
目の前が光った
それは【赫灼の炎】
「ヘルスパイダー!!!!」
強力な炎激が炸裂して人型を吹き飛ばした
それは知った声だった
それは知った顔だった
それは知った炎だった
「あなた?」
「冷!」
そこにいたのは【お見合い】で初めてみた若い頃のエンデヴァーが
若い頃の二人がそこにいた
このユメミーワールドは前のものとは違う
まず一人の少女が強引に干渉してヴィランが使っていたユメミーワールドを乗っ取った
たが力技であったが為にバグが起きた
そしてユメミーワールドの本質である悪夢をユメミーワールド自体が欲したのだ
この世界の中心を据えるために
【エネルギー源】を確保するために
このユメミーワールドはある程度の条件を満たした者が中にいた
先ずは【野原しんのすけの関係者】
もう一つは【強い悪夢に連なる者たち】
そう
だから吸い寄せられたのだ
強すぎる悪夢に囚われた家族
轟家が