蛙吹梅雨
VS ママ(ミノタウロス)
角取ポニー
雄英高校付近・商店街
バキバキと砕ける音が響く
壁が家が地面が電柱がガラスのように砕け散る
破片が粉塵となり宙を舞う
全て拳による打撃によるものだった
(一撃でも喰らえば終わり!!!)
(ソクシコウゲキ!)
「オラオラ逃げるなよ小動物が!!!」
動物化ドリンクDXによるミノタウロス
振り払うだけで壁が抉れて踏みつけるだけでアスファルトが地割れを起こす
単純で強いオールマイトタイプのヴィランに苦戦をしいられる
拘束弾グレープジュースにより拘束を試してみるが引きちぎられた
蛙吹の舌による打撃も角取のホーン砲も力負けした
たとえ身体にあたっても素の状態で強靭なタフネスをほこる彼女には効かなかった
(有効打がない、増援を呼ぶべきだけどどこも包囲網の物量で精一杯)
(ワタシたちでヤラないと!!)
応援は望めない
今、二人は対策を考えながら即死レベルの打撃を避け続けている
二人の個性なら逃げることも出来るがすぐに気づいてしまうほどのミノタウロスの殺傷能力の高さにノーマークにすることは出来ないと判断した
ミノタウロスが突進してくる
店をぶち破り貫通しながら再びこちらに向かってくる
蛙吹は跳躍で角取は角に乗って防ぐ
避けることは出来る しかし倒せない
もしミノタウロスが逃げたら自分たちでは止められない
そうなれば間違いなく犠牲者が出る
付かず離れずでヘイトを稼いで自分たちを狙うようにするしかない
(考えなさいフロッピー!最善の手を!!)
蛙吹が頭を回転させる
今このときこそヒーローの本領が発揮されると心を鼓舞し情報を整理する
「くらえ!!」
ミノタウロスが砕かれたアスファルトをボールのようにぶん投げてくる
小さなガレキが散弾のように撒き散らされる
当たれば骨折確実の衝撃だが
「サセマセン!!」
角取ポニーが大量の角を出して弾き飛ばす
小さなガレキ程度なら角で防げる
だが大きなガレキは力が足りず押し負けてしまう
ソレを理解したママは大きなガレキを投げまくる
角の力では防げず逃げるしかない
角を当てて空に飛ばすことを考えたがミノタウロスの怪力では角を砕かれるか地面に踏ん張られるのどちらかということがわかってしまう
(どうすればタオせる!?)
有効な手が思いつかない
その時
「ポニーちゃん!」
「!」
蛙吹が近づく
角取はとっさに角を蛙吹の足元に飛ばして浮かせる
二人は今、空中で肩を並べている
「何だ!?」
ママが上を見上げる
空中で蛙吹が角取に至近距離で何かを耳打ちしている
角取が少し驚いて首を動かそうとしたが蛙吹に止められる
そしてそのまま説明が終わった
二人が空からママを見下ろす
そして
「あなた、、、誰かに恋したことはある?」
「あぁ?、、、んなもんねぇよ」
「そう」
「ソウデスカ」
「「なら私達が勝つ!!!」」
その瞬間二人は飛び降りた
ーーーーーーーーーーーーー
「5歳の頃だけど中学生くらいの子に恋したことはあったかなぁ〜」
「あったんかい!!」
「うるせぇ! 」
そこは訓練場でしんのすけがやらかしの罰として体術の授業に付き合っていたときのこと
相澤にぐるぐる巻きにされて休憩していた上鳴が叫んだ
そして隣りにいて同じく休憩していた爆豪が叫んだ
なんとなくの雑談が思わぬ方向にいったからだ
しんのすけの対象外にかかわらずしんのすけを射止めた存在がいたのだ
スタイルがよい娘も大人っぽい娘もいるのにヒーロー科女子にそういう目を全く向けないあのしんのすけがだ
もしかしてものすごいスタイルの娘なのか?
ヤオモモ以上なのか?
大人顔負けの色気を持っている娘なのか?
10代でミッドナイト先生みたいな?
「本当にいい恋だったな〜」
「詳しく!詳しく!発育の暴力を超えてるのかどうかを!」
「だからうるせぇ!」
爆豪は席を外した
このままでは静かに休憩なんぞ出来ないとズンズンとガニ股に歩き始める
休憩場所の突き当りを曲がった
そしてそこに聞き耳を立てている大勢がいた
爆豪はズッコケそうになった
色々おかしい!
あいつがぶっちゃけて数秒程度だぞ!
集まれる時間か!?
しかもこの数!
「お前らオイ!」
「静かに!!」
「大事なところよ!!!」
爆豪の口元を勇敢にも押さえて聞き耳を立て続ける
特に蛙吹とポニーの二人は集中していた
当然のことだった
自分がボロボロになりながらもやって当然の反撃すらせず自分を無傷で救いだしダメ押しとばかりに胸に来る言葉を言われた蛙吹梅雨
自分の弱さに打ちのめされて仕方ないこととはいえ罪悪感でいっぱいだったのにそんな自分を信じてくれたことでハートを射抜かれた角取ポニー
そして最近知ってしまったしんのすけの周りにいる女の子、、、の皮を被ったハイスペック狼の群れを
はっきりと証言してはいないが貫庭玉サキのような子ですら恐らく控えめな方なのだろう
肉食を絵に描いたような光景が明確に頭に浮かぶ
このままでいいのだろうか?
今のうちになにかしておくべきなのでは?
今まで特に関心を寄せていなかったので『もっと』とか『足りない?』とかを考えたことは初めてだった
鏡の前でしっかりと自分のを観察するのも初めてだった
ぶっちゃけ恵まれてる方だからだ
しかし『足りなかった』ら?
どうすればいいんだろう?
隣にいる同じ境遇の娘と何度かそういう話をしたがふたりとも何分知識がない
デリケートな相談を周りにする?
ポニーは遠慮なく聞きそうだが蛙吹は無理だった
何故なら蛙吹は『私もしかしてすごく恥ずかしい事を真剣に考えてる?』と真面目さ故に思ってしまったから
「別に普通の子だよ、、、正直スタイルも控えめな子だったから」
「あら?」
そして話が続いていく
どうやらその娘は清楚系の大人しい子らしい
しんのすけのことだから色気中心の好みだと思ったので以外だった
貫庭玉サキも確かに(ぶっちゃけられた重い愛と顔のレベルはともかく)控えめな印象の子だった
もしかしてそちらが本命の好み?
「だけど優しくて思いやりが有って、、、いざって時は強い人だったよ」
その目には単純な思いだけではなく尊敬の念も感じた
人間的に尊敬していた人物だったのかもしれない
あぁ、、、いいな、、あの人に尊敬されて
そう思うのも仕方ないこと
二人はしんのすけの人間性に惚れたのだから
もし自分にもそんな目をしてくれたら
「「すごく嬉しい」」
考えただけで幸せになる
恋をして初めて知った事だった
だから
そうだから
恋に釣り合う女でありたいと強く願うのだ
麗日お茶子が緑谷出久を想って目指して答えたくて強くなったように
二人も、、、、、
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「わざわざ来るのかよ!!」
ママが腕を振り上げるが
バシュ!バシュ!バシュ!バシュ!バシュ!
「何だ!?」
ポニーが四方八方に複数の角を飛ばす
個性伸ばしにより四本以上の角を複数飛ばすことに成功した
複雑な動きは出来ないが今回ポニーが角に命じたのは【その場での空中固定】という単純なものだった
ゲームのブロックのように空中で角が止まる
「行くわ」
「オネガイします!!」
そして蛙吹が空中固定された角に着地した瞬間
ピョンピョンピョンピョンピョンピョンピョンピョンピョンピョン!!!!!
「何だこりゃ!!?」
空中固定された角から空中固定された角への連続跳躍
空中で静止している角を足場に蛙吹は休むこと無くジャンプし続ける
そしてソレだけではなく【踏んだ場所から糸が見えた】
「何だその糸は!!?」
ソレは【スパイヨーヨーのワイヤー】
蛙吹梅雨は角に着地した瞬間にワイヤーを絡めてジャンプ
更に着地した角にもワイヤーを絡める
ソレは遠目から見れば【蜘蛛の巣】だった
そして全ての角にワイヤーを絡めた蛙吹は止まる
ちょうどママの真上から見下ろすように口を開いた
「これは檻よ」
「檻!!?」
「あなたを閉じ込める檻よ」
ママは周りを見渡す
自分を包囲するようにワイヤーが張られている
空中固定の角を軸にまさしく鳥カゴの中心に自分はいるのだとママ理解した
そんな彼女がどんなアクションを起こすのか
決まっている
「引きちぎればいいだけだろぉぉがァァァ!!!」
ミノタウロスの力による正面突破
ワイヤーに当たりワイヤーが切れるよりも先に角のほうが動いてしまいそのまま突進により鳥カゴからママは抜け出した
ママは後ろを振り返り檻を確認する
そして上にいるポニーに向かって嘲笑うように
「バカが!!こんな柔い檻で私を閉じ込められるわけ無いだろうが!!」
そう叫んだ瞬間
彼女は一瞬冷静になる
(あのカエルがいない?)
自分の真上にいたはずの蛙吹がいないことに気づいた瞬間
ドロップキックが炸裂した
ただのドロップキックではない全身の力を込めた蛙吹が出せる最大の打撃だった
しかしミノタウロスの身体を持つママにはソレが効かない
喰らった場所が顎でなければ
「か!!?」
ママは何が起こったのかわからない
何故なら蛙吹は【保護色】で透明になっていたからだ
(【ブラフ】がうまく行った)
そう本命は【顎に強烈な一撃を与える】事だった
ポニーの個性と蛙吹のパフォーマンスで派手に檻を作る
実はこの檻こそが作戦のブラフそのもの
全ては【上に意識を集めるためだった】
檻と聞けば力自慢の彼女なら破ってくるであろうことを予測して檻といって挑発した
そして上に意識を向けている隙に保護色で姿を隠し視界から消えて完全な隙を使って顎に大打撃を与えた
「ケロッ!」
長い舌がミノタウロスの両腕を後ろで組んだ状態で拘束する
(ここからは時間との勝負!)
そしてこの作戦には続きがある
「イキマスツユちゃん!!」
ポニーが角を使いママを引き上げる
そして最高速度を出して空中を移動する
前の対抗戦でポニーが尾白を自分もろとも檻にぶち込んだのと同じ要領で全ての角を使って最高速で【とある場所】に直行していく
ママが正常なら角を握りつぶされて使えなかった作戦だが脳が廻っている今なら可能
向かっている場所は耳打ちした時にとっさに振り向きそうになって蛙吹に止められた場所
そこにいたのは
「お茶子ちゃん個性を!!!」
「え!!?」
そこの真上には浮かされた動物人間達が大量にジタバタしていた だから見つけ出すのは簡単だった
ママはグワングワンする頭で何とか状況を把握しようとする
顎に一撃を入れられて混乱した一瞬に舌で手を拘束されて身体を浮かせられてどこかにたどり着いた
この間たったの数秒程度
力を入れて蛙吹の舌を振り払う
そして目の前に少女がいた
とりあえずぶん殴ろうと廻る脳のままで拳を繰り出す
だが鼻先をかすめただけで真横に避けられた
(こいつ!格闘技を齧って!!?)
正確にはGMA(ガンヘッドマーシャルアーツ)
そして蛙吹の一言でこのヴィランを浮かせるために連れてきたのだと一瞬で理解した麗日は拳を避けて近づき
触れた それで終わりだった
「この野郎!戦えよ!!」
無重力にされてジタバタしながら文句をいうママだったが
「悪いけど、私たちはヒーロー志望だから」
「協力してササえあうのデス!!!」
「それにいったでしょ 私達が勝つって」
正直自分たちで倒したい気持ちはあった
しかし、自分たちの【オリジン】であるヒーロー願望を抜きにして強くなれるはずもない
恋い焦がれる人への特別もヒーローの夢もどっちも叶える強さを手に入れるために
彼女たちは今日も明日も一歩ずつ進むのだ
「「早くしんちゃん(サン)のところへ!!!」」
瞳と心に熱を灯しながら
ママ(ミノタウロス)
ゼロ・グラビティにより身動きが出来なくなりその後メイデンにて【拘束】