嵐を呼ぶ!!ヒロアカイレギュラーズ!!!   作:サイセンサイ

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尊厳破壊

 

 

    アレ?ここどこだっけ?

 

 

 

   しんのすけは穏やかな森の中にいた

 暖かい日差しに気持ちのいい風に桜も舞っている

 

     すると声が聞こえてきた

 

 

 

 

 

 

 

         お~い

 

 

         おっ?

 

 

 

     何しとるんだしんのすけ

 

   みんな集まってるよしんちゃん

 

         ナァ〜

 

 

 

 

 

 

ちょんまげのおじさんが

可憐な女の子が

小さい友達がこちらを手招きする

 

そこには家族や友達皆がいて楽しそうに笑っていた

下にブルーシートを敷いてどんちゃんドンチャンとお弁当を食べている

お隣さんも恩師もなかなか会えない年の離れた友達も

皆がそこにいた

そこにあるのは幸せな遠足の光景だった

 

 

 

 

 

         そっか

 

 

 

       そっかそっか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    父ちゃんもこんな気持だったんだ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「負けちゃ、、、、、だめ、、なんだぞ!!!!」

 

頭を抱えてうずくまる

今すぐあそこに行きたい

心がそう語りかけてくる

だがしんのすけはそれに応えることは出来ない

何故なら自分で選んだのだから

未来を選んだのだから

5歳の頃にはわからなかった昔を思う気持ちが押しつぶしてきても

それでも負けるわけには行かない

 

 

「ダメだ、、、だめだよ、、、、」

 

 

しかし侵食するように頭が塗りつぶされていく

【お別れ】した人たちがはっきりと見える

涙が溢れてくる

5歳の頃の自分が走り出しソレを今の自分が引き止めているイメージだった

しかし自分が止まらないことを自分がよくわかっている

抱きしめた腕の中でもがき暴れ泣き叫ぶ自分自身の声が後悔を刺激する

もう遅いことが分かっていても収まらないその感情が今の自分を掻き回す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うまくいったな」

 

特殊工作派閥【悪夢】所属バレル

 

彼はレヴィアタンがやられた瞬間しんのすけの足元に一発の弾丸を放った

 

ソレは【懐かしい匂い】を入れ込んだ弾丸だった

 

「心臓はお前の身体が欲しい だから殺すわけにはいかねぇ、だからこそのこれだ」

 

バレルは遠くからその光景を見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時に戻りたい自分を肯定しながら今を生きなければならない彼を救えるものがいるとすればソレは

 

 

「しんちゃん!?」

 

「どうしたんですか!!?」

 

 

「!」

 

今を生き今ここにいる者たちしかいない

 

 

蛙吹とポニーがそこにやって来た

二人が見たのは何かに苦しんでいるしんのすけの姿

そして尋常ではない形相

二人は周囲を見回る

バレルは3人からは距離があるが油断せずに壁に隠れる

 

 

 

 

「梅雨ちゃんポニーちゃん?」

 

「何があったの!?」

 

「しんちゃんサン!!」

 

しんのすけは二人を見て少し安心した

自分自身の揺らめきがその時確かに止まった

そして少し冷静になった頭でどうするかを考える

前に事件を解決したように

何か、、、そう何かがあるはずだと考える

 

 

(あの時父ちゃんと母ちゃんを元に戻したのは父ちゃんの靴の匂いだった!今のにおいが必要!でもオラは父ちゃんほど足臭くないし!どうすれば!!)

 

今も二人が声をかけ続けてくれる

その嬉しさを感じながらしんのすけは

 

 

 

 

「あっ」

 

 

 

 

目の前の蛙吹梅雨を見てある事件がフラッシュバックした

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

そこは病院だった

 

病院の先生が何かを言っているがほとんど聞き流している

 

考えているのは彼女の事

 

【ヴィランに操られた彼女】の事だった

 

今もズキズキ痛む傷には毒液が入ってしまっているようだが命に別状は無いらしい

 

しんのすけは蛙吹を止める時【なんかヌルヌルしてるな〜】と必死になりながらも思っていた

 

あのヌルヌルが毒液だとはわからなかった

 

傷口に染みて痛かったがそれどころではなかったから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蛙吹梅雨が野原しんのすけに惚れる事になった事件だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何度も浴びたせいかその匂いを覚えていた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「梅雨ちゃん!毒液出して!!早く!!」

 

「!!?」

 

「わかったわ!」

 

しんのすけが焦った様子で叫んで指示してきた

ポニーは混乱したが蛙吹は冷静だった

全身から毒液を出して身構える

 

蛙吹梅雨は野原しんのすけを信じているから

 

絶対になにかがあるとそうする必要があると

 

どんな状況でも状態でも冷静に対応する

 

それがしんのすけが褒めてくれた私の長所なのだと

 

 

 

「出したわしんちゃん!!」

 

そして蛙吹梅雨は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

抱きしめられた

 

「え?」

 

「Watts?」

 

「は?」

 

遠くにいたバレルもハテナマークを浮かべる

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすん

 

 

 

 

蛙吹梅雨は一瞬意識を飛ばしたあとすぐに蘇る

 

何故なら自分の状況を理解してしまったから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

想い人が抱きついてきてめちゃくちゃ匂いを嗅がれている

状況が状況でなければ完全アウトな光景だった

 

 

 

 

「◯☓▲■Å✔|‡✖!!!!!!!!!!!!!!」

 

ソレはまさに声にならない声だった

 

 

 

 

さっきまでのシリアスな空気は吹き飛んでしんのすけのしんのすけによるしんのすけのおバカワールドが光の速さで展開された

 

 

蛙吹はしんのすけを突き飛ばそうとするが残念ながらしんのすけは【冗談抜きで必死】そのためにとてつもない力が入っておりビクともしない

 

「マママママニアック!トクシュセイヘキ!!?」

 

ポニーが顔を真っ赤にしながら両手で顔を覆う

指の間からガッツリその光景を見ていた

 

 

バレルは絶句していた

カシャンと銃を床に落としたことにも気づかないほどに

 

 

 

蛙吹は混乱していた間違いなく人生最大に混乱していた

彼女の心情を述べるなら【感情のジェットコースター】など比にならない【魂の大噴火】

 

意味がわからない!恥ずかしい!熱い!だめよ!匂い!!?何で!おバカ!匂いぃぃ!!?強い!硬い!身体が!匂い!?これはだめよ!!熱い!恥ずかしい!意味がわからない!!奪われる!!!!!

 

手をバタバタさせて背中をバンバン叩いてみるが変化なし

ポニーは固まって動かない

足をジタバタさせても抱きしめられているので座り込むことも出来ない

息が声が体温がダイレクトに伝わり羞恥心が無限に湧き上がってくる

なによりも蛙吹梅雨は

 

そんな状況に嬉しさを感じている自分に絶望した

 

 

何で嬉しいなんて思ってるの!?匂い嗅がれてるのよ!?しかも毒液の!?意味がわからないわ!なにかはあるんでしょうけど!?けど嬉しさを感じちゃだめ!こんなの峰田ちゃんが好きなやつじゃない!だめよ!嬉しくない!嬉しいけど!私こんなのが趣味なの!!?違う!違う!違う!認めたくない!嬉しいけど!だめよ!違う!匂いはだめよ!しんちゃん!抱きしめられてる!?しんちゃん!スケベ!!!せめてちゃんとした所でお願い!違う!おバカーーーーーーーーー!!!!!

 

 

 

「ブハッ!助かった!!!」

 

そしてしんのすけは正常な状態を取り戻した

 

蛙吹の正気と引き換えに

 

 

「はぁーーーー!危なかった〜後ちょっとだった〜」

 

身体が毒液でピリつくがしんのすけにとってはさほど問題ではないむしろ正気を保つために体力を使った消耗のほうがキツかった

 

「ありがとね〜梅雨ちゃん、、、梅雨ちゃん?」

 

ガクッ

 

「梅雨ちゃん!?どうしたの!?」

 

※おバカのせいです

 

しんのすけの目の前に座り込む蛙吹は今顔を真っ赤にして身体を震わせてビクンビクンと座ったまま跳ねているそして胸の前を両手で交差させている息もゼェゼェ上がっている

目に見える部分ではなく目に見えない部分が問題だった

 

 

 

「奪われるってなによ何を考えているのよ私もう終わり?ってなによ心の奥底でやめないでなんて残念がらないでよ私そういう願望があるみたいじゃない私」

※とても早口

 

「、、、、、、、しんちゃん」

 

「ホイ?」

 

「少し待ってて向こうのヴィランを捕まえてくるから」

 

「大丈夫?」

 

「いってくるわ」

 

「え?ちょっと?」

 

 

 

 

感覚が敏感になっている

遠くで誰かが見ているのがわかる

間違いなくヴィラン

捕まえないとヒーロー志望として

そして一刻も早く正気を取り戻さないと

 

 

 

 

ビュン!!!!!!

 

 

「は?」

 

 

 

 

絶句して油断したバレルの目の前に蛙吹が現れた

 

バレルは銃を撃とうとしたがさっきの光景の衝撃で落としてしまっていた

ならばと早業で懐から予備の拳銃を出し

 

パァン!!!!!

 

 

撃った 避けられた

 

 

 

 

「え?避け?」

 

蛙吹梅雨は感覚が敏感になっている

火事場のバカ力ならぬ野生の力が今の蛙吹梅雨には宿っている

 

 

ヌルリと長い舌が拳銃に巻き付き

 

 

グシャグシャグシャグシャ!!!!!!!!!

 

「アァァ!!?」

 

腕ごと拳銃を【巻き握り潰す】

脳のリミッターが外れて力も上がっていた

バレルは手首から上を拳銃ごとグシャグシャにされた痛みで膝をつく

そして目の前の女の顔を見た瞬間

 

 

 

 

「意味がわからない、、意味がわからないけど、、」

 

 

 

 

      あなたのせいかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 

 

 

 

ソレは地下全体に響く断末魔だった

 

 

 

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