雄英高校を囲む三十万人の包囲網が張られて数時間
雄英外からの援軍も続々と到着して着実に数が減っていた
周りの数が減ってきたことによって暴徒たちも熱狂が引いて冷静になり引くべきでは?と考えるようになる
しかし冷めない熱を持つ集団がいる
緑谷出久を追いかけている者達が何があろうと闘い続けようとしている
「数が減ったのに熱が引かない!?」
緑谷は周りを見渡す
全員が真剣な眼差しで殺意ある目を自分に向けている
自暴自棄の者もいる真剣に未来を思っている者もいる
確かな覚悟を持った者たちが命を懸けている
自分たちも圧倒的なヴィランに命懸けで戦ってきた
だからこそその強さを理解できてしまう
共感が自分の胸を締め付ける
「それでも背負って戦うんだ!!」
緑谷は一箇所に出来るだけ人が集まるように動いていた
「SMASH!!!!」
そこに力を入れたインパクトが放たれ一撃で多くの者が吹き飛んだ
「グレープラッシュグレープラッシュグレープラッシュグレープラッシュグレープラッシュグレープラッシュグレープラッシュグレープラッシュグレープラッシュグレープラッシュ」
「ダーク・シャドウ!!!!!!」
峰田と常闇も迫撃を加える
峰田は投げすぎてゲシュタルト崩壊的な物を起こしながらも精一杯の力で緑谷を守っていた
そして
「デクくん!!」
「!? 麗日さん!?」
「来たからね!デクくん!」
元気づけるように笑顔を浮かべて
「静まりやがれモブども!」
「かっちゃん!」
緑谷出久に連なる者たちが集結していく
「たとえ僕がもともとそっち側だとしても!ヒーローとして僕は!!」
緑谷が叫んたその時
ゾワアァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!
強烈な悪寒がA組を襲った
それには身に覚えがあった
前にやった夜間演習 そしてその末路
暗闇の中で圧倒的激情の塊に追いかけられてホラー映画の住人になった気分になったあの時
何故あの時の悪寒が?
答えはシンプル 蛙吹梅雨が歩いて来たからだ
「また援軍だぞ!」
「え?アレ俺達と同じじゃ?」
「動物人間だよな?」
「バカ!元からの異形だろアレは!」
「一人だ囲めーーーー!!!!!」
「「「「「「「「囲めーーー!!!」」」」」」」」
ソレを見ていたA組は叫んだ
「「「「よせーーーーーーーーーーー!!!!!!!」」」」
みんなの声が揃う 死ぬなと思った
こんな所で人間は死んではだめだと心からの願いだった
あの時の光景がフラッシュバックする
確実にぺちゃんこにされたロボットの二の舞いになると
そして蛙吹に近づいた暴徒たちは
ヒュン バンパンパンパンパン
ドサドサドサドサドサドサドサドサ
「「「「「「「「え?」」」」」」」」
蛙吹を襲った暴徒たちは【一斉に倒れた】
「え?何で?何もしてないよな?」
峰田が戦慄しながら友達に説明を求める
ついでにコスチュームの端を握力計測器を握る力で握り潰す
そして最初に口を開いたのは爆豪だった
「あいつ、、、舌を使ってワンパンかよ、、、」
「え?」
「高速で舌が動きやがった」
爆豪の説明を要約すると
【蛙吹が舌を使って暴徒たちの顎を的確にぶち撃った 早すぎて一斉に倒れたように見えた】
「意味がわからん!!!」
「細かく説明すると蛙吹さんの舌が限界まで飛び出して向かってきた暴徒たちの一人一人の顎に向かって正確無比に舌の打撃を与える 相手は脳が揺れて倒れる そして舌を仕舞う それが一瞬で複数行われたことによって一斉に倒れたってことだよ 例えるならコミックで侍のキャラが居合い切りで刀をカチャってやったら既に敵が斬られてて音に合わせて倒れたみたいな」
緑谷が冷や汗を流しながら説明した
つまり蛙吹梅雨は舌だけで複数を一斉に気絶・制圧したのだ
蛙吹梅雨の舌は人を運べるほどの力があるのだから不可能ではないように思えるがそんな使い方今まで見たことがない
つまり何かがあった(絶対あいつだと確信)
「俺、蛙吹に何度か舌ではたかれたことあるけどあんな強さで叩かれてたら首が一回転してるぞ」
峰田が青ざめながらもうあの子を怒らせないようにしようと思った
「悪いけど一刻も早く事を終わらせて説明してもらいたい用事が出来たから少し強引にやらせてもらうわ」
少し? エクストラモード的な物になってるのに?
「梅雨ちゃん、、、」
「お茶子ちゃん」
「何があったん」
麗日が勇気を出して聞いてみる
他の者も耳に神経を集中させている
「ついさっきしんちゃんに女として大切なものを奪われたわ」
「「「「、、、、、、、、エ?」」」」
「「「「「「「「「「「え!」」」」」」」」」」」
全員が当然のリアクションをした
予想打にしなかった言葉が彼らの耳の中に入りその意味を脳内で検索する
結果、有罪(ギルティ)
暴徒の者たちですら嘘だろ!?この状況で!?無敵なの!!?という視線を向けている
「さっき、、、、、さっき〜〜〜〜〜!?!?!?」
麗日が顔から湯気を出す
「たたたたたたたた大切な〜!」
緑谷がバグりだす
「、、、、、、、」
爆豪は頭痛のポーズをする
「禁じられしタブー!!!」
常闇は目玉が飛び出そうになる
「ぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶく」
「み!峰田ーーー!!?」
峰田が溜まりに溜まった許容を超えて泡を吹き倒れる
所詮は彼らも高校生
妄想と想像をそっち方面に展開するのは仕方なかった
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「梅雨ちゃんすごい速さでいっちゃった」
しんのすけは今、ポニーの角に乗って空を飛んでいた
隣には触れる距離でポニーがいる
「ナツカシイ匂い?」
「そ!ほんとに危なかった〜〜〜」
今二人は空から拘束弾を投げまくって雄英に向かっている
しんのすけは平気だがポニーの疲労が激しいからだ
蛙吹も同じくらい疲れているはずだが野生の力で吹き飛んだ
「チンセイに向かっています!」
ポニーが空から状況を把握する
三十万人も大方捕まり連行されている者たちが目立つがまだいくらかいる
大きな集団は緑谷出久を追いかけている集団だったのだが
そこには【この世界で生まれたイレギュラー】がいる
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ドサリドサリと彼女の周囲の暴徒が何も出来ず倒れていく
どこぞの覇王的ななにかだと錯覚しそうになるが実際は打撃による気絶
覇王的な物よりシンプルでヤバい技だった
そして彼女はゆっくりと歩いているそれが余計に怖い
見た目だけなら完全に魔王の凱旋だった
「強い」
誰かがそういった仕方なかった
実力のあるヴィラン達が立ち向かったが
クマの動物人間を舌で首絞めして落とした
ゴリラの動物人間が顔面ドロップキックで前歯を飛ばした
カバの動物人間が口の中に蛙吹が爆豪からくすねたコスチュームの簡易爆弾を口の中に入れられおまけに舌で蓋をされて体内を爆破された
合理的で機械的で淡々と殲滅を遂行するその姿はサイボーグ映画を彷彿とさせた
全員がヒューマライズの構成員でヤラなきゃヤラれる状況だったが普段の蛙吹ならしないバイオレンスな戦い方にA組は同情を覚えた
「おバカ、、、ほんとにおバカ、、、セキニントッテヨ」
自分の身体を抱きしめてしんのすけの色々を思い出しては後で色々償わせてやると誓った
しかし
(なにか奢らせて、、、いや、しんちゃんの持ってるお金は校長先生が出してるからあんまり意味ないし、、、)
どんな時でも精神的支柱である事を見失わない真面目さんの蛙吹梅雨はそういうのに向いていなかった
「、、、、、、むぅ」
どこまでもしんのすけに振り回される
その事に楽しさを感じてしまう自分自身に頬を膨らませる蛙吹梅雨だった
「僕たちは何を見てるんだろう?」
「知るか」
「乙女の渦」
ビクン!ビクン!(ぶどうの過呼吸)
「ちょっと可愛い」
「なにか言ったかしら?」
「「「「さぁ〜て残党狩りだ」」」」