Shigaraki
終わった
今まで見ていた夢が終わった
いずれは終わるとわかっていた
だからどうしてもその前にあの子を助けたかった
だけど使い果たした瞬間に倒れてしまうなんて
オールマイトは最後まで立っていたのに
やはり僕ではこんなものか
だけど あぁだけど
もう少し見ていたかったな
みんなと進んでいく最高の夢を
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、、、
、、!
、イ!
オイ!
「起きろオイ!」
「ん、、」
「大人気のヒーローがブサイクな寝顔してんじゃねぇよ」
「んん!?」
耳から聞こえたあんまりな毒舌に一気に頭が覚醒する
自分は寝ていたのか?いつ?
そんな事を思いながら顔を上げる
そして周りを見ればそこは事務所だった
どうやら机に突っ伏して寝ていたらしい
「大人気で忙しいのは分かるけどよ、そんな姿見せられたら俺の立つ瀬がねぇよ だからとっとと顔洗ってこい」
「ご!ごめん!!」
そして緑谷は洗面台を探す
そしてバシャバシャと顔を洗い目の前の鏡を見た
「あれ?」
そして違和感を感じた
(顔に傷なかったっけ?)
目の前には顔に傷のない慣れ親しんだ自分の顔
何の変哲もない『20代の自分の顔』
(気の所為?)
備え付けのタオルで顔を拭きながら周りをよく見回してみる
部屋中に設置されたガラスケースにはオールマイトグッズが飾られており壁にはポスターやタペストリーやサインが隙間なく貼られている
事務所の備品も一つ一つがオールマイトグッズの徹底したオールマイト部屋だった
「最初ここに来た時は狂うかと思ったぜ、似たようなところはあんだろうけどここはディープ過ぎるだろ」
「、、、、、えっと」
起きてからずっと文句を言いまくっている『黒髪の青年』
年は10代終盤辺りだろうか?
しかし如何せん名前が思い出せない
「今日はもう帰れよ必要な事務仕事は全部終わらせてやったから」
「え、、、ありがとう、、、、」
デスクの隅にある電子時計を見てみると午後8時既に帰宅ラッシュが始まっているだろう
「個性で壁キックして帰れば良いんじゃねぇか?パトロールの一貫とかいって」
「だ、だめだよルールは守らないと!!」
「はいはいわかったよ、、、はぁ〜何でこんなところに就職したんだか」
「、、、、、キミは、、、、、」
「あ?何だよまだ寝ぼけてんのか?俺だよ俺、卒業したての俺をアンタが雇ったんだろう?」
デクヒーロー事務所所属のサイドキック・志村転弧
ヒーローネーム・Shigarakiだよ
「、、、、、、あぁそうだったね」
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帰り道を行く
既に沢山の人が自分と同じように家に帰っている
「何ですぐ思い出せなかったんだろ?志村くんのこと、、、それにしても」
町中の明かりが本当に増えた気がするそして厚着の人たちも増えた仕方ないことだった寒いのだから
あんな事はヒーローでも防ぎようがなかった
数年前に起こった【隕石群の衝突事件】それのせいで日本は昼だろうと夜のように暗く閉ざされた
それ故に常に暗がりでヒーロー活動を行うのが常識となった
「なんとか出来たら良かったんだけどな、、、」
所詮は人間 限界があると知りながらもどうにか出来たのではないかと考えてしまう
そんな複雑な事を思いながら【一軒家】に帰っていく
大きくも小さくもない普通の一軒家の前についた緑谷はカギを準備するが
「あれ?この匂い」
自宅から漂うその匂いは自分の大好物カツ丼の匂い
「今日は先に帰ってたんだ、カウンセリングの準備が終わったのかな?」
今日と明日はゆっくり出来るのかな?そう思いながらドアを開ける
そしてそこに待っていたのは
「お帰りなさい!カツ丼出来てるよ!」
いつもうららかで眩しくてエプロン姿がよく似合う
「ただいま麗日さん」
自分の妻がそこにいた
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「う~~んマジですか〜〜」
「ヤバいね〜これは〜」
その光景を望遠鏡で遠くから観察している者がいた
「「カツ丼美味しそう」」
野原しんのすけと葉隠透 ふたりは今ビルの屋上でアンパンと牛乳を食いながら刑事っぽいコートを着ていた
「やっぱり温かいもの食べたい」
「牛乳が想像の3倍冷たい」
「二人がこれが良いっていったんだろ!」
そしてそこには尾白もいた
何故この三人がこんな張り込みのような事をしているのか
それは後に明かされる
「とにかくこれで全員の所在がわかったな」
「うん!」
「、、、、、、、、、」
「野原?」
「しんちゃん?」
「部屋の明かりが消えた」
ヒュッ!!!!!!!!!
二人から謎の呼吸音が響いた
高校生の高校生による高校生の妄想が頭を埋め尽くしていく
何故そんなこと報告した暗黙の了解だろそれはという視線を尾白がしんのすけに向けるが
「どっちだと思う?」
「え?」
尾白は質問の意図がわからず聞き返した
「正気に戻った時『記憶がご都合よく消えるかガッツリ残るか』って話」
「んん!!!」
「これさぁ記憶が残ってたら」
「頼むから黙ってくれ!!!お願いだから暗黙の了解を守らせてくれ!!!!!」
そこは緑谷出久がヒーロー事務所を構えて志村転弧をサイドキックとする世界
かつて野原しんのすけの経験が影響した未来世界
それは誰かが望んだかもしれない『架空世界』