嵐を呼ぶ!!ヒロアカイレギュラーズ!!!   作:サイセンサイ

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緑谷出久VS野原しんのすけ

 

その場が重圧に包まれる

 

そして内に秘める熱さが見ているものにも伝わっていく

介入無粋応援不要のタイマン対決が目の前で繰り広げられる

尾白が葉隠が黒色が小森が峰田が蛙吹が角取がオールマイトが

戦っていた爆豪も常闇も正気に戻っていないグラントリノすらその戦いから目を離すことが出来なかった

そしてその場の誰よりもしんのすけと関わりを持つマタ・タミはしんのすけから渡されたコートと上着を握りしめ成長した彼を見続けていた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「SMASH!!!」

 

「猫手反発!!」

 

緑谷のSMASHをしんのすけの猫手反発がパリィする

そして靴を引きずるように後ろに下がるのはしんのすけの方だった

 

「やっぱり前に戦ったキングコングのおじさんより強い」

 

マスキュラーの筋肉の触手をも防いだ猫手反発を使っても完全に返しきれない

超至近距離によるパンチとパリィの応酬はもはやボクシングの試合に近かった

しかし二人にグローブはないあるのは純然たる本気の拳のみ

そして緑谷出久にはシュートスタイルもある

 

「猫手反発!、、あ!」

 

しんのすけが拳をパリィしたすぐ後に次の技がでないほどの速さで高速の蹴りがしんのすけの顔を狙う

 

「イナバウアー!!!」

 

だがしんのすけのその驚異的な身体の柔らかさで腰を全開まで仰け反らせてそれを回避する

緑谷は暴走していてなお思考を停止していないオール・フォー・ワンや数々のヴィランとの死闘による分析は顕在である

 

片やしんのすけはその場でその場でのアドリブが敵に法則性を分析させず結果的になんか知らない内に勝ってしまう天才肌スタイル

 

そしてしんのすけにもぷにぷに拳以外の技がある

 

【ストーン】を竹刀に変えた

 

「WyomingSmash!!!」

 

「ホイ!」

 

渾身の縦拳を竹刀を使っていなすただの竹刀なら折れているがストーンを変化させた竹刀はバキバキと音を立てながらも破壊されない

竹刀でいなされた拳は竹刀越しにしんのすけの横顔を通過してしんのすけは顔で風圧を感じるハメになる

 

「!!」

 

緑谷は後ろに跳び距離を取る

そして指を構えて放たれるのはエア・フォースの空気の塊

 

「ミソラーメン!チャーシューメン!シオラーメン!ギョウザツキ!」

 

しんのすけの空気の塊を肌で感じとり竹刀で撃ち落としていく

だが思いのほか攻撃が重く腕への負担が強く伸し掛かる

竹刀の柄から血が滴り落ちた

 

「ウグッ!」

 

しんのすけが痛みで目を背けた瞬間緑谷は上に飛んだ

足に力を込めて狙うは脳天直撃のかかと落とし

 

「あ!」

 

しんのすけも気づくがその時には既に回避ができない距離

竹刀を盾にするがあくまでもそれは直撃を防ぐだけ

 

「ManchesterSmash!!!」

 

「ぬおおおおおおおお!!!」

 

かかと落としが竹刀にダイレクトに当たりしんのすけの身体はその衝撃で足元から地面にめり込んでいく

これでは柔らかい身体を持っていても衝撃を逃がせ無い

 

 

ドオオオオオオオオオン!!!!!!

 

 

そして凄まじい爆風とともにクレーターが地面に出来た

 

結局しんのすけはその衝撃を身体で受けてしまった

だが緑谷は攻撃を緩めることはない握り拳で顔を狙う

しんのすけは攻撃の衝撃で動けない

 

「DetroitSmash!!!!!」

 

シンプルで強力なパンチが繰り出されしんのすけの顔めがけて放たれる

 

放たれた以上もう止めることは出来ない

 

蛙吹とポニーが目を見開いて最悪の想像をしてしまう

 

だが相手は野原しんのすけだった

 

 

 

ドゴン!!!!

 

 

 

「!?」

 

緑谷のDetroitSmashは地面に激突した

何が起きたのか緑谷は一瞬思考を停止させる

 

何が起こったのかそれはしんのすけが緑谷のDetroitSmashを顔で受ける前に右腕を振りかぶり放たれた拳の手首あたりに【拳骨】を当てて方向をそらしたのだ

 

作戦も技術もないがむしゃらに繰り出された拳

 

簡単に言えば【気合】だった

 

しかし考えなしの行動で全てが救われるほど甘い相手ではない

 

「いったああああああああ!!!」

 

しんのすけが涙を流して苦痛の声を上げる

 

「「「「!?」」」」

 

見ていた全員が目にするのは【しんのすけの指が曲がり砕けて歪んだ右手】

 

それは当然の結果

個性の力が乗った拳はもはや大砲に近い

放たれた大砲の弾に拳骨を落とすようなもの

そんな事をすれば拳の方が砕けるのは必然だった

軌道を変えただけでも偉業に等しい

 

それを見た緑谷は目つきを変える

 

「終わりだ」

 

緑谷が距離を取りエア・フォースを繰り出そうとする

しんのすけ相手に近づくのは危険だとわかりきっての行動

 

遠距離攻撃で意識を刈り取ろうと後ろに下がったその時

 

竹刀が光りそれが砕けた右手に纏わりつくそして光りは【金属の篭手】に変化した

 

「カンタムパンチ!!!」

 

「な!」

 

そしてそれが発射されるのはロケットパンチ

 

まだ緑谷が知らない攻撃が行動を鈍らせる

 

しかし緑谷は放たれたロケットパンチをよく見て方向を読む

 

そして軽やかと言えるほどあっさりとそれを避けた

 

顔の横をロケットパンチが通り過ぎる

 

 

 

 

 

だが

 

 

ゴチン!!

 

「がっ!?」

 

顔に衝撃を受けた

 

緑谷はあの一瞬ではわからなかった

ロケットパンチに【ワイヤー】が巻かれていた事など

 

スパイヨーヨーのワイヤー

 

しんのすけはカンタムパンチにスパイヨーヨーのワイヤーを巻き付けて発射そしてしんのすけは逆バンジーの要領で緑谷に接近その瞬間に繰り出されたのは頭突きだった

 

 

再びで至近距離で対峙する

 

両者の目が合う

 

そして眼が重なった直後に二人同時に手が出た

 

しんのすけは右手が砕けたので左手で緑谷は右手の握り拳で攻撃をする

二人同時に顔に当たりズザザ!と後ろに押される

咄嗟の事だったのでどちらもあまり力の入っていない攻撃

 

 

 

 

「痛い〜やっぱり強い〜」

 

しんのすけは殴られた頬をなでながらそんな事を言っていると

 

 

 

「何を考えているんだ!!!!」

 

「おぉ!!?」

 

突然の怒鳴り声にビクリと身体を震わせる

 

その声には確かな怒りが乗っていた

 

 

 

 

 

「何で【殴らなかった】!!?」

 

 

 

 

 

 

そうしんのすけは左手を握り拳にはせずに【ビンタ】をしたのだ

そんなことをすれば当然しんのすけの方がダメージがデカい

 

「えぇ~だって拳骨はまぁいいけど顔殴るのはちょっと〜」

 

「舐めプのクソカス!!?」

 

「うわ!なんかかっちゃんポイ!憑依芸!?」

 

拳骨はOKで顔殴るのはOUTでビンタはOK

実にしんのすけらしい倫理観だった

だが緑谷は気に入らないこんな事は初めてだった

まるで幼なじみが憑依したような鋭い目つきをしんのすけに向ける

 

「真剣にやれよ!」

 

あれ?何で僕はこんなに怒ってるんだ?

 

「真面目に戦え!!!」

 

緑谷が前に爆豪と戦ったときに思った【いざって時口が悪くなる】それが今は全面に出ている

 

「そもそも僕はワン・フォー・オールでただでさえ強化されてるのに無個性の君がそんな覚悟じゃ!」

 

「デクくんもこの世界からでたら無個性じゃん」

 

「ーーーーーっ!」

 

その一言は緑谷の心を抉った

暴走はしているが既に記憶は取り戻している

現実の世界でワン・フォー・オールは使い切った

この世界だからこそ今は力が使える

だが自分はすでに

 

「すき焼き!」

 

「がっ!」

 

しんのすけの隙やりによる頭突きが緑谷の腹を直撃した

 

体をくの字に曲げてかろうじて二本脚を地につけて立つ

 

「ッ!ワン・フォー・オールは、、、僕の力じゃない、、、のに、、僕は!」

 

いつの間にか自分のものと思っていた

 

思えば緑谷出久の近くにはいつも緑谷以外の存在がいた

歴代継承者達がいい例だった

傷と泥と血で自暴に入っていた時ですら彼らの存在が常にあった

だが緑谷出久は今一人だ

 

そう今は一人なのだ

 

 

「自分で勝ちたい気持ちはわかるよ?」

 

「!」

 

「オラもヨヨヨギくんに負けて勝ちたいって思って、、、あぁそうだ、その後すぐに先生に勝ちたいっていったんだっけ」

 

「先生?」

 

「そ、、オラ勝ち方知らなかったから、、、でもデクくんはもう色々なこと知ってるんでしょ」

 

「!」

 

「だったら後は頑張るしか無くて、沢山練習した、、、だけどデクくん、今のデクくんは」

 

なんかに負けるのを怖がってる

 

「!!!!!」

 

その言葉を聞いて再び緑谷は戦闘態勢に移る

しんのすけ的には大したことはいってはいないがその言葉は緑谷出久の何かを刺激した

 

(負ける、、、、何に?)

 

そして緑谷出久の脳内を駆け巡るのはかつての自分

無個性だった頃の自分がいじめられてた頃の自分が

 

 

 

 

 

あまりにも情けない自分が

 

 

 

 

 

「っ!あの時の僕はもういない!!!」

 

何かを振り払うように頭を震わせる

あの頃に戻りたくないと心の底から思う

 

 

 

「僕は!」

 

もう戻りはしない

 

「僕は!」

 

そうでなければ守れないから

 

「僕は!」

 

大切な者を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕はもう弱くない!!!」

 

「うんそれで良し」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「、、、、、、、、、、、、え?」

 

 

「自分をダメダメだって思ってたからそんな事になっちゃったんでしょ?」

 

 

 

氷水をかけられたように身体が硬直する

心の暴れ続けてた一部が少しだけ止まる

 

「デクくんに必要なのは【自信】だったんじゃない?」

 

「ーーーーーーーーーーーーーっ」

 

 

 

 

 

緑谷出久は数々の死闘を経てすでに多くのものを持っている

優秀な頭脳もそれを活用する経験も身体の動かし方も戦い方も臨機応変な考え方も頼れる仲間も先生もいる

 

だがそれでもずっと自分を卑下し続けてしまう

 

【自分を高く見積もれない】それが今の緑谷出久だった

 

「だけど、、僕が自信を付けたところで、、、何になるっていうんだ!!!」

 

「おお!」

 

攻撃が再開された暴走はまだ終わらない

 

「無個性の僕が!中途半端な僕が!今さら何になれるっていうんだ!」

 

「知らない」

 

「んえ!?」

 

バッサリとしんのすけは切り捨てた

 

「けど」

 

しかし何も考えていないわけではない

 

「デクくんは【自信】がアレば何にでもなれるよ」

 

その言葉に緑谷の目が見開かれる

 

「だから帰ろうよ、いつもの所に」

 

しんのすけがストーンを左手で握りしめる両足を地面に踏ん張って力を入れる緑谷もそれに気づきこちらは足に力を貯める

 

 

 

最後の瞬間が訪れる

 

 

 

その場にいる全員が息を呑む

真剣勝負ゆえの静寂がとても長く感じる

 

一秒一秒が何倍にも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして静寂を破ったのは緑谷

繰り出されるのは精一杯の力を込めた最高の一撃

 

「United・States・of・World・Smash!!!!!!」

 

 

フレクト・ターンすら倒した正真正銘の最強技がしんのすけに迫りくる

周りは避けろとしんのすけに促す しかししんのすけはストーンを握りしめる【左手】を構え続ける

 

何が起こるのか誰にもわからなかった

 

分かるはずもなかった

 

何故なら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デトロイト・スマッシュ!!!」

 

「ーーーーーーーー!」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

 

左手に伝うのは緑谷がフルカウルを使うときに輝くものと全く同じ光

 

 

「何回も見てきたからね」

 

 

 

しんのすけのストーンは

【経験と記憶をもとにあらゆる物を再現する】

 

 

 

しんのすけがたどった物語を具現化させるストーンは

【緑谷の力を再現した】

 

 

全員がその驚愕の光景に身も心も震わせる

しかしどこかで納得してしまった

 

 

この世界に召喚されてすでに大切な縁を結んできた

彼らの物語もすでにしんのすけの物語の一部なのだから

 

 

 

 

しんのすけのスマッシュが緑谷のSmashを相殺する

 

いや威力だけなら緑谷の方が上だった

 

しんのすけは後ろに吹き飛ばされたゴロゴロと地面を転がるが受け身技の『受身美学』ですぐにまた立ち上がる

 

そして全力で緑谷のもとに駆けていく

 

まるで何度折れても諦めないヒーローのように

 

緑谷は大技の反動で動けない

 

しんのすけは左腕を振りかぶって脳天を狙う

 

ストーンにより緑谷の力を再現した力のまま振るわれる拳骨が緑谷の暴走を終わらせる

 

 

 

(あぁ、、、しんちゃん、、キミは、、、)

 

 

その刹那に思うのは紛れもない本音

自分の力と重ねてきた縁を力に変える

オールマイトとはまた違うもう一つの自分が目指し続ける理想の先にしんのすけはいる

自分と同じ力が使えるとわかっていたら駆け引きをしないしんのすけは最初から使っていたはず

つまり思いついたのも初めて実行したのも間違いなくついさっき

本当にそうなるのか分からない不安要素が大量の中でよりにもよって最後の一撃でそれを実行したのだ

 

何者にも染まらず振れず屈せず止まらず自らの意思を貫く

 

 

なによりも自分を信じられる男

 

 

(僕の、、、もう一つの理想、、、)

 

そして最後の引導が渡された

 

 

「デトロイト・拳骨!!!!!」

 

 

その技が決まる直前しんのすけはダレにも聞こえないほどの小さな声で呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お茶子ちゃんの応援があったら負けてたかもね

 

 

 

 

 

 

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