好きな人がいる
この人に出会えて良かったって思う
いつからかは分からない明確に意識したのは同級生の予想外の質問いやぁあの時は焦った、あんなタイミングであんな事言われるとは思わんやん
その後の買い物の時とか『一緒に買い物いや違うし』とか思ってたけどあんな緊急事態が起きなかったら私どうしてたんだろう?一緒に買い物してたのかな?
色々なことあったなぁいつもいつも頑張って走り続けて無茶をして関われば関わるほど私は、、、
大切にしまっとくと決めたのにいつから何かが壊れたんだろう?何がきっかけだったっけ?
お茶子ちゃんってデク君好きなの?
あぁそうだった
いつもいつもいろんな問題を起こす彼がきっかけだった
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カチャカチャと溶き卵を作る
揚げたてのカツにそれを垂らし煮込んでいく
白米の上に乗せればなんとも食欲をそそる匂いとビジュアルと味を兼ね備えたカツ丼の出来上がり
喜んでくれるかな?くれるといいな
そんなことを思いながら顔をニヤけさせる
ガチャリとドアの開く音が家に響いた
帰ってきたんだ私の大好きな人が
振り向いてその人を笑顔で迎える
そして
出来ることなら褒めて欲しい
それ以上のご褒美も欲しいな
そこには前よりもずいぶんとわがままになった私がいた
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「ああああんああああああんあああああああああ!!!」
(((((((なんて予想通りな反応)))))))
今、麗日お茶子は床を転げ回っていた
百人中百人が予想した光景がそこにあった
「違う違う違う!!!あんなのウチやないーーーーー!!!あんなドラマでもやらないベタな事なんてしない考えない思いつかないーーー!!!なんなんご褒美って!うちはそんなん違う!絶対に違う!何服の一つでウキウキになっとるん私はーーーー!!!私は自立できる女やん!一人暮らししてたやん!それなのにあんな子供みたいなおねだりを20代でするなんてどういうこと!!?アレがウチの本音なん!!?いやいやいや違う違う!あんな子供やない!大人や!ウチは大人や!いやそれだとなおさらヤバいやん!大人なのにあんなことこんな事おねだりとかバカやない!!?そんでちょっと褒められただけで飛び上がるほど嬉しさ感じて大人なのか子供なのかどっちなん!ウチはどっちなん!!?ウチは大人やだってあんな事は、、、、、、、、ああああああ!!!!忘れろ忘れろ忘れろ忘れられるかーーーーーー!!!!!あんなの忘れられるかーーーー!!!あんなの忘れられんやん!!一生!死ぬしかないやん!!あああああ殺してくれーーーー!!!誰かウチを捕まえとくれーーー!!!」
「落ち着いてっていっても暫くは無駄みたいね」
蛙吹が諦めるように呟いた
「常闇よりひどい」
峰田が呟いた
「、、、、、、、、、」
常闇は自分よりひどい有り様に複雑な気持ちだった
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緑谷出久VS野原しんのすけの戦いはしんのすけの勝利に終わった
今は荒れ果てた公園に全員が集まっている
ちなみにあの後、爆豪と常闇の活躍でグラントリノを拘束その瞬間に【拳骨】で正気に戻した
麗日はしばらくして気がついた瞬間に【拳骨】を落として正気に戻りこの世界でのヤラカシを思い出して今の惨状に至る
「生きていかれへん、、あんな事があって私は普通に生きていかれへん、、、もうやだぁァァァ」
一体何があったのか聞く勇気は流石になかった
「何があったの?」
しんのすけ以外は
爆豪の拳が葉隠のビンタが尾白の軽い蹴りが一斉に襲った
「てめぇは出久の様子見てこい!」
爆豪はゴキブリを外に追い出す目でしんのすけを蹴り飛ばした
緑谷出久はその後麗日の前に目を覚ましてまず土下座した
みんなに迷惑をかけて申し訳ないと
そしてしばらくしたら一人になりたいといい出してみんなから一度離れた
しんのすけは渋々緑谷の様子を見に行った
「ワタシもイキマス!」
ポニーがしんのすけについて行った蛙吹は親友を放っておけず残ることにした
そして緑谷と麗日はまだ再会していない
「ある意味奇跡だったな」
尾白がこの場に緑谷がいないことに今更ながらホッとした
「正直に居たら居たでどうなるのか見てみたかった気持ちはある」
葉隠が呟いた
「、、、、、、、、、、、、」
「マタ・タミさん?」
小森がマタの様子がおかしいことに気づいたどこかボーっとして遠くを見ているような
「どうかしたノコ?」
「え!あ!」
動揺した声でマタ・タミは話し始める
「僕、だいぶん前にしんちゃんにあって本当に久しぶりにあったんだけど、、、思いの外大きくなってたことに驚いて」
「んっ」
峰田がマタの声のトーンから何か嫌なものを受診した
「うまくいえないんだけど、、、緑谷君との戦いで胸が熱くなって」
「は!」
葉隠がモジモジしている指を見て何かを察した
「その、、、、、かっこよかったなって」
「っ」
蛙吹が頭を抱えた何故なら顔が赤かったから
ようはそういう事だった
「ぐあああああ!!!やってきたこと全部が鍋の焦げのように頭にへばりついとる〜〜!!!」
「お前はもういい」
「いやおい!!!?」
爆豪の無情なツッコミに麗日は一旦落ち着いた
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「、、、、、、、、、」
緑谷は今、ヒビの入った家の屋根の上にいた
「タソガレれてるのかな〜」
「タソガレ?とはなんですか?」
「オラもわかんない」
二人は近くの電柱に隠れて下からその様子を見ていた
すると緑谷が突然グワンと首を真上に向けた
「お?」
「Watts?」
満天の夜空を顔に向けて緑谷は大きく息を吸った
そして
「クソ悔しいいいいいいいいいいい!!!!!!!!」
「「ビクッ!」」
それは今までの緑谷からは想像できない【癇癪】だった
「しんちゃん相手に大技をだしたのが間違いだったんだしんちゃんはあらゆる事態に対処してしまうんだから隙を見せることこそ避けるべきことだったのに何を考えてんだ僕は!もっと他に色々やれることあっただろう!それなのに感情に流されて短絡的に行動して結果負けてこんなの自業自得じゃないか身から出た錆じゃないか愚の骨頂じゃないか考えるのが武器なのにそれを放棄するなんていつから自分を高く見積もってたんだ緑谷出久!初心忘れるべからずだろう!僕のバカーーーーーーー!!!!!僕のバカヤローーーーーー!!!!!」
しんのすけの高い視力が緑谷の目から溢れ出る涙を捉える
いや普通の視力でも確認できるくらい緑谷は泣いていた
心の底から悔しがっているのが伝わってくる
「デクくん」
「「ウェ!?」」
「いきなりごめんなさい」
そしていつの間にか二人の近くに麗日と蛙吹がいた
麗日はなんとか溢れ出ていた羞恥心を抑えて緑谷を探しに来ていたのだ
「うわああああああああああああああああ!!!!!!」
その後も緑谷出久の自分への罵詈雑言は続いた
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「はぁ、、はぁ、、はぁ、、」
体力と喉が限界を迎えて緑谷は立ったまま俯く
「だいぶん疲れたみたいだねそろそろ迎えに行こうか」
しんのすけが緑谷の近くに行こうと促す
「お茶子ちゃんは大丈夫?」
「大丈夫やないけどいかないかん」
赤面は収まっておらず心臓もバクバクだがこの状態ではしばらく時間を置いても同じだと麗日は諦めて緑谷に話しかけることにした
その時だった
「おいこんなところで何やってんだ?」
「「「!!?」」」
「!?」
「お?」
それを見ていたみんな(しんのすけを除く)がそして緑谷出久本人が驚愕を顕にする
浮遊してきて緑谷に近づくのは【黒髪の青年】
そしてこの世界のサイドキックということになっている
「転弧、、、、」
「あ?何だよ?」
みんなは緑谷から志村転弧のことを聞いていたがいざ目の前に現れると流石に身構えてしまう
「しばらく様子を見ましょう」
蛙吹がみんなを止める
「どうしたんだよ連絡もなしにこっちには報・連・相を口うるさく言い聞かされたってのにそっちは無視していいのかよヒデェ大人だな」
「いや、、その、、、」
いくら架空世界のNPCのようなものでも目の前に志村転弧がいる事実に緑谷が狼狽するのも無理はない
そしてしばらく愚痴を聞いていると
「シガ、、、志村くんはしばらく事務所待機してもらってていいかな?」
「あ?」
緑谷が口を開いた それを見ていたしんのすけ以外の全員が息を呑む
「なんかあったのか?」
「うん、、、、だから志村くんには事務所で待機しててほしいんだ」
「、、、気に食わねぇな、俺は実力不足ってか?」
志村転弧が目つきを鋭くして言うと
「君の強さは知ってるよ」
「!」
「でもこれは、、、僕が解決しなきゃいけないんだ、、、いや、、、僕がそう決めたんだ」
「「!」」
志村転弧だけではなく麗日もその言葉に反応する
「これから、、、うん、、そうだね、簡単に言えば【更に向こうへ】進むために」
「、、、それは雄英の校訓だろ、アンタはもう学生じゃねえ」
「うん、、、でも決めたんだ」
「てかなんで泣いてんだよ?」
「え?」
緑谷は目元を拭う
確かに自分は涙を流していた
恐らく目の前にいる彼と話が出来たから
「はぁ、、、わかったよじゃ戻ってるからな」
そして志村転弧は個性を使って浮遊する
「じゃあな」
そして向こうの空へ消えていった
「、、、、、、」
しばらく緑谷はそれを眺めていたが
「うぅ!!!」
泣き崩れた
「デクくん!」
麗日の言葉を皮切りにみんなが緑谷の元へ向かっていった
死んでしまった消えてしまった彼と話ができた
緑谷は感極まってしまった
麗日にはその気持ちがよく分かる
自分もそうだったから
そして麗日は改めて思うのだ
例え史上最悪の敵と呼ばれる相手だろうと一人の人間として接してその内側にある救うべきものを信じ続ける
そんな強さと優しさをこれからも応援したい
そう思ったから自分は
緑谷出久を好きになったのだと
はぁ、、、たく、、、、つくづくムカつくぜ
死穢八斎會タワーだよな、、、向かうとしたら、、、
しかし気づけよな俺が【本物】だって