嵐を呼ぶ!!ヒロアカイレギュラーズ!!!   作:サイセンサイ

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死柄木弔

 

なんとなく過ごしていたはずだった

いつから自分が正気に戻ったかなんて覚えていない

ただ記憶が戻ってもなんとなく現実感が無くて何もせずに普段通りにしていた

この世界が何なのか何者が創ったのかそれもわかった

感覚でわかるイヤ流れ込んでくるといったほうが正しいか

俺はある意味誰よりもオール・フォー・ワンと関わってきたから【心臓】からその意思や記憶を感じる

【心臓】の存在【野原しんのすけ】の存在そして今、現実の世界で死者が蘇ったり別世界のヴィランが暴れていたり

だからこそこの世界のアイツ等が本物だと気づいた

そしてそれを知りながらこの世界の志村転弧を演じていた

俺は確かに志村転弧としてあいつの、、、

緑谷出久のサイドキックになっていた

そんな意味不明な世界に

俺は確かに

居心地の良さを感じていた

 

 

 

だが俺は、、、、、、、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「バカな、、、あり得ん!」

 

グラントリノは目の前の現実が信じられなかった

 

目の前の青年は黒い髪でそれに自分の知っている死柄木にしてはいくらか若い口元に傷もない

それなのに確信できるのだ 目の前にいるのは死柄木弔本人だと

 

他にも色々考えたかったが今は考えているだけにはいかない

 

何故なら目の前には戦友がいるのだから

 

操られた戦友に死んだはずの戦友の孫

そんな状況におかしくならないほうがおかしい

一体何からどうすれば良いのか歳を重ねたグラントリノですらわからない

 

そして現実は待ってくれない

 

 

 

志村菜奈が死柄木に襲いかかった

 

「やめろ志村ーーーーー!!!」

 

グラントリノは叫んだ

それだけはやめてくれそれはあまりにも残酷すぎる無情すぎるそんな目をしていた

死んだはずなのにその命と尊厳を踏みにじられる戦友が心の底から見ていられない目に涙が一瞬で溜まってしまう

グラントリノは衝撃が大きすぎて咄嗟に動けなかった

そして動いたのは死柄木の方だった

 

「よっ」

 

死柄木は【この世界で使える浮遊の個性】を使って志村菜奈の攻撃を躱す

 

「ただ泣いてるだけじゃ老害だぜジジィ」

 

 

「!」

 

 

死柄木はこちらを嘲笑うようにそういった

 

「この世界で使えた俺の個性はおばあちゃんの系統みたいで浮遊すんだよ」

 

ペラペラとおしゃべりしながら余裕を持って志村菜奈の拳を避けていく

まるでこんなものの何が怖いんだ?

そういっているような態度だった

死柄木弔は史上最悪の敵、志村菜奈の攻撃は強力だが最終決戦の緑谷出久の方が遥かに手強かった為に目の前の女傑が雑魚の強さにしか感じなかった

 

そう死柄木弔は世界最強レベルで強いのだ

 

「まぁオール・フォー・ワンの個性は使えないがな」

 

本人は色々試したようだが個性の譲渡や受け渡しは出来なかった

 

「ワンチャンでワン・フォー・オールが使えるかなって思ったんだがな」

 

ある意味ワン・フォー・オールの最後の継承者となった志村転弧はそれを少し残念がった

 

「お前らの目の前で無双プレイしてやりたかったなぁぁ」

 

そしてそんな感情を志村菜奈の拳を避けながら感じていた

 

その時 ブゥン!!

 

「お?」

 

背中に乗っていた天蓋壁時がバリアで死柄木を包んだ

死柄木は動けないがその代わり向こうもこちらを攻撃出来ない だが志村菜奈は拳を構える 恐らくバリア解除の瞬間に拳を打ち込む気なのだろう

ともなれば選択肢は限られる

 

動けない以上打ち込まれる拳をギリギリでなんとか避けるか受け止めてガードするか

だが

 

「俺は死柄木弔だぜ、おばあちゃん」

 

自分に向かって拳を構える祖母に向けてニヤリと笑った

 

「まて!」

 

グラントリノが動き出し止めようとしたが避けられた

そしてそのまま拳が振るわれる

拳がバリアに当たる瞬間に解除される死柄木に向かって行く

 

そして拳は死柄木に当たった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、右腕が【塵】となった

 

 

グラントリノが目を見開く

戦友の志村菜奈の右腕にヒビが入りそして肘まで砕け散った

拳が死柄木の手のひらに当たった瞬間そうなった

それは数多の命を奪った個性

 

死柄木弔の崩壊だった

 

 

 

「何でかこれだけは持ってたんだよな〜やっぱり持ってた期間が長かったからかな?」

 

死柄木はなんてことのないように自分の手のひらを見つめる

しかし今起きたのは【孫が祖母の右腕を塵にした】倫理観を無視した人外の所業だった

 

「てか悲鳴一つ上げないとかやっぱ頭いじられてる感じか?」

 

グラントリノは思う

死柄木はどこまでも死柄木なのだと完全なヴィランなのだと

 

 

 

 

 

そして手加減する気も生かす気も毛頭ないと

 

 

 

 

 

「バリアうぜぇな、、、先ずは」

 

死柄木が円環状の足場を作り

 

「お前からだヤクザ!」

 

個性を使って仕掛けた

志村菜奈と死柄木弔が空中戦を繰り広げる

仕掛ける死柄木に逃げる志村菜奈

天蓋壁時がバリアを張って志村菜奈ごと守ろうとするが

 

指が触れた瞬間、死柄木の崩壊が発動しバリアを粉々にする

 

そしてバリアを突き破って志村菜奈の背中の天蓋壁時の顔を掴んだ

そして数秒も立たずに天蓋壁時は崩れ落ちた

 

「くっ!」

 

志村菜奈は腹に蹴りを入れて死柄木から距離を取った

 

「いてて、だがもうこれで邪魔はいねぇな」

 

「っ!志村!!」

 

 

死柄木が構えを取る次で決める気だ

志村菜奈を破壊する気だ

グラントリノは止めようとするが、、、止めた

志村菜奈はすでに死んでいる人間今更延命させたところで洗脳を解く方法はわからない拘束出来るかもわからないそもそもここは異形の世界そして生かしてもいずれは消える蘇り

なによりその拳で後輩たちが危険な目に遭う

そんな事を考えながらいっそここで成仏させればという考えが頭をよぎる

死柄木は最終決戦時の力を持っていなくてもあまりにも実力差がありすぎる

端から志村菜奈に勝ち目などなかった

 

グラントリノがその長い人生を得て知った妥協の心を今回は使うことにした

 

(元の世界に戻ってお前の人に尽くしてきた拳で人を傷つけ殺しちまうなら、、、いっそここで、、、)

 

ある意味救いをもとめていたのかもしれない

孫の手で知り合いが終わるところなど見たくないが彼女が罪のない人々を傷つける方が問題だとグラントリノは妥協した

目を背けたい気持ちがあっても見守ることが責任だとそれは許されないと自分を叱責した

 

 

「来い」

 

死柄木の声と共に志村菜奈が左の拳で飛び出した

 

手のひらからの崩壊が全てを壊そうとする

 

 

 

 

 

 

 

「アンタも」

 

 

 

 

死柄木が思うのは憎しみとは違う【憐れみ】

 

 

 

 

 

 

「ずいぶん踏みにじられたな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間

 

彼女の身体は散り散りとなった

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは?」

 

志村菜奈はとある場所にいた

 

いつの間にかイスに座っておりそして目の前には

 

「なるほどこうなるのか」

 

死柄木弔が自分と同じイスに座っていた

 

正真正銘血の繋がった孫がそこにいた

 

上を見れば流星のようなものが流れる黒い空に瓦礫の足場

そうそこは緑谷出久がワン・フォー・オール歴代継承者達と出会うイスのあった場所だった

 

「俺が最後にワン・フォー・オールを持ってたから俺もここに来たって感じか」

 

「死柄木弔、、、、、」

 

目の前の青年と目があった瞬間甦るのは過去の記憶そして操られていた時の記憶

自らの心の弱さで懐かしい匂いに囚われ後輩たちと沢山の人々を傷つけた記憶

だがそれよりも志村菜奈の心を抉ったのは自らの孫に手をかけさせたこと

 

「っ!」

 

何を言えば良いのかわからない

憎んでくれと言えば逆なでになり止めてくれたことを感謝すればそれもまた侮辱となりかねない

 

「私は、、、、」

 

「借りは返したぜ」

 

「!?」

 

「最後の最後で俺の意識を繋ぎ止めてくれたお陰で先生に一撃をぶち込むことができた」

 

その顔は、、、、、

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「ぐうぅ!強い!」

 

音本真と活瓶力也と融合したオーバーホールはその力で皆を蹂躙する

 

「いった!」

 

「しんちゃん!」

 

しんのすけの砕けた右手が悲鳴を上げる

カンタムの腕で覆っていても怪我が治ったわけではない

使うたびに痛みがしんのすけを襲う

 

それの元凶である緑谷は唇を噛みオーバーホールと戦ったあの時の力が出せればと試してみるがやはり前と同じにはいかない

 

突破口がなかった

 

 

 

 

 

 

 

バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキ!!!!!

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

 

 

ついさっきまでは

 

 

 

一人の黒髪の青年が壁を壊し入ってきた

その正体に全員が驚く中その一人と目が合う

 

死柄木が目を合わせたのは緑谷出久だった

 

そしてその瞬間

 

「投げろ!」

 

「!」

 

死柄木が叫んで円環状の個性で緑谷に突っ込んでいく

そして緑谷は【その手を掴んだ】

それはかつて最終決戦の時に爆豪が復活した状況に似ていた

アイコンタクトを交わしそしていつの間にか死柄木をオーバーホールに向かって投げていた

 

オーバーホールは掴んで破壊しようとするが死柄木も崩壊を発動させて壊されるよりも早くこちらが壊す

 

 

 

そしてオーバーホールの右半身を一瞬で塵に変えた

 

バランスを崩しオーバーホールは後ろに倒れる

 

そしてまた起き上がろうとする

 

 

 

一旦離れた死柄木は円環状の個性で浮遊する

ちょうど隣りにしんのすけがいた

 

「誰?」

 

しんのすけが問いただすと死柄木はじっとしんのすけを見つける

しんのすけはイヤン♡と身体をくねらせるがその視線は右手に向いていた

 

「、、、お前がイレギュラーか」

 

「お?」

 

死柄木のそれは確信をした目だった

 

「さっきの質問答えるぜ、、、俺は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺はヴィランだ」

 

邪悪な笑みをしながらその手がしんのすけに触れた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「俺は間違ってもヒーローには味方しねぇ、、、だがおばあちゃんにはさっき行った借りがあったから動いただけだ」

 

「えぇ」

 

わかっていた彼は自らのプライドの為に動いたのだと

彼が味方するのは自分の仲間たちだけだと

 

「だが俺の事を勝手に呼び出して勝手に巻き込んだのは気に食わねぇな」

 

「!」

 

「この世界は壊してやるよ、誰の助けでもない俺の意思でな」

 

はっきりとした目ではっきりとした声で死柄木はそういった

 

 

「、、、、、貴方は」

 

このコは変わらない

だからこそ自分を躊躇なく手にかけた

今はそれで良かったがもしその悪意が再び世の中の人々に向けられたら

そう思うと怖かった

自分はもはやワン・フォー・オールの残滓ですらない

それどころかヴィランに操られる人形

どうか自分を殺すだけで終わらせて欲しいとダメ元で頼み込もうとしたその時

 

「その姿をその目で見ていやがれ」

 

「、、、、、、、、、え?」

 

一瞬その意味がわからなかった

 

「私は破壊された」

 

「あぁ遠慮なく破壊した」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「右手治った!!?」

 

「「「「「「!!?」」」」」」

 

しんのすけが治った右手を見てブンブン振るう

 

「しんちゃん!」

「しんちゃんサン!」

 

蛙吹とポニーが駆けつけてしんのすけの右手を見る

確かに傷一つ無く治っていた

 

「何で!!?」

 

緑谷が見たのは死柄木がしんのすけの右手を破壊しそして【治した】姿だった

何故そんな事が起こったのか

 

 

 

それは死柄木の口から語られた

 

「緑谷出久お前も知ってるだろう?あの場にいたんだから」

 

「え?」

 

死柄木のいうあの場とは最終決戦の時の精神世界

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の個性はもともと何の派生だ?」

 

 

 

 

 

 

 

「!」

 

そして緑谷は目の前のオーバーホールを見る

 

あの時オール・フォー・ワンの記憶が流れてきて知った真実

 

崩壊はオーバーホールが由来だったということ

 

つまり死柄木は破壊して治したのだオリジナルと同じように

 

 

 

 

「個性を【伸ばした】」

 

緑谷の目が驚愕で見開かれる

 

「身体を個性無しで変形させてた俺だぜ?自覚すれば不可能じゃねぇ」

 

 

 

 

 

自慢げで少し幼さを感じさせるその笑みはイタズラが成功した子供のようだった

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

死穢八斎會タワー・下フロア

 

「まさか、、、救われるとはな、、、」

 

グラントリノは志村菜奈を抱えていた

 

志村菜奈は死柄木に破壊されそして【治された】

 

そして死柄木は行った

 

 

 

 

一回ぶっ壊したから洗脳も解けてると思うぞ

 

 

 

「くぅ!」

 

複雑な感情を抱きながら戦友が無事であることを喜ばずにはいられなかった

 

 

 

 

言ったろ?借りは返したって

 

 

 

 

 

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