雄英高校のとある個室
そこには錚々たる面々が集まっていた
緑谷出久
オールマイト
志村菜奈
グラントリノ
リカバリーガール
塚内直政
根津校長
主にワン・フォー・オールの関係者だった
「あなたのなかに、、死柄木が、、、」
今回の事件で正気を取り戻し雄英に保護されることになった志村菜奈がそれを聞いた
「はい」
緑谷出久はそれを固定した
「架空の世界、、そこに現れた、、イヤ、召喚された本物の死柄木」
塚内が頭痛をこらえるように頭を押さえる
「自我や意思はないんだね?」
「はい、校長先生。だけど分かるんです。本物の死柄木が僕のなかにいるって」
「この調子でワン・フォー・オールの力も使えれば良かったんだけど」
「それは無理です。死柄木が入るだけでもう力はありません」
「乗っ取りやら悪影響やらが心配だけど、、、そもそもなんでそんなことになったんだい?」
リカバリーガールが根本の質問をする
そして緑谷出久は息を深く吸った後
「実はあの空間を出る前に僕は死柄木と話したんです、、、それもワン・フォー・オールとは違うオールマイトや志村さんがいない別の空間で」
「「!?」」
どうやらワン・フォー・オールの空間を出た後にもう一幕何かあったらしい
現実に戻る前に何が起こったのかそれを緑谷は話そうとしているとわかった
「そこは白い空間で、何もなくて、僕と死柄木としんちゃんだけがそこにいました」
「野原少年も!」
「何があった」
架空世界を出てすっかり元に戻ったグラントリノが目つきを鋭くして質問した
「、、、しんちゃんの根幹に触れる話でした」
「「「「!?」」」」
死柄木と野原しんのすけ
全く接点のない二人がどう関わるのか
「しんちゃんを呼んだのは、、、【心臓】だけじゃなかったのかもしれません。死柄木は事実上オール・フォー・ワンとワン・フォー・オールを持って死にました。だから【心臓】と共鳴のようなものを起こしたのかも」
「それって!」
「死柄木もしんちゃんを、、、正確にはしんちゃんのような存在を望んでいたんです」
語られるのは現実に戻る前の一幕
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「あれ?ここどこ?」
「え?」
「あ?」
その白い空間にはしんのすけと緑谷と死柄木だけがいた
しんのすけが【ストーン】をアーマードに変えてその直後だった
今、緑谷はアーマードを纏っている
「なんだよまだなんかあんのかよ」
死柄木がうんざりするようにため息をつく
すると
「「「!」」」
目の前に【モニター】のようなものが現れ映像のようなものが流れ出した
真っ白い空間に何もないはずなのに
「これを見ろってのか?」
「いったい何が?」
死柄木と緑谷は映像を見る
そこには【湖畔】の映像が映し出された
その瞬間、しんのすけは目を見開いた
知っているからだ。何故ならその【湖畔】は
「しんちゃん?」
しんのすけのただならぬ雰囲気に気づいた緑谷はしんのすけに近寄る
だがしんのすけは誰よりもその映像を注視していた
死柄木は静観していた
そして始まったのはとある【戦国の光景】
一人の少年がタイムスリップして始まる物語
少年が生涯忘れないであろう記憶
その子どもは何気ない日常を過ごしていた
だがある時庭の穴からタイムスリップして【天正2年】の世界に舞い降りた
そこで一人の侍と出会った
そしてその侍に保護されることになった子どもは侍のおじさんが一人の【姫】に恋をしていることに気づく
その後、その時代の子供たちと出会ったり姫が野伏に追いかけられていたり侍が助けに来たり両親が来たりで色々な事があった
だが、ある時から戦が始まり侍も前線に行ってしまった
タイムスリップした家族は周りの計らいから安全な場所に逃げるように言われるが
彼らは逃げなかった
一般人で何の力もない戦の経験もない彼らは逃げなかったのだ
身体が動いてしまったのだ
そして敵との決戦が終わり
子どもが侍の馬に乗って城に帰っていくその時
「な!」
「!」
「、、、、、、、」
緑谷が目を見開いた
死柄木も驚いていた
しんのすけは何も言わなかった
その侍は言った
しんのすけは自分に大切な国と人々を守る【猶予】を与えるためにこの世界に来てくれたのだと
「そんな!」
緑谷はあふれる涙を抑えられなかった
せっかく無事に帰れるはずだったのに戦いは終わったのに
「どこの時代でも、善人だろうが強かろうが、死ぬときはあっさり死ぬか、、、、」
死柄木はどこか思うところがあるようだった
そしてしんのすけは何も言わなかった
「それで、この空間の意図は何だと思うよ」
「死柄木!」
死柄木がしんのすけに対して質問した
「わかんない」
しんのすけはそれに答えた
「だけど」
そして自らの考えを口にする
「、、、、お兄さん」
「あ?」
しんのすけが死柄木に向き合って言葉を綴った
「おじさんのみたいにやりたいことがあってそれをやるためにオラを呼んだんじゃない、、、お兄さんが」
「ーーーー!」
「え?」
緑谷は意味がわからなかった
つまりしんのすけを呼んだのは【心臓】だけじゃなかった
しんのすけを呼んだのは
それはしんのすけの直感だった
最初にこの世界に来た時に直感のようなもので研究施設を感じたときと似たようなものだった
きっと、、、目の前の男は、、、、
「お兄さんは、、、何がやりたい?」
しんのすけに質問に死柄木は、、、
その瞬間に記憶は終わった
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「あの後しんちゃんに聞いたら白い空間の事は忘れているようでした」
緑谷の話は終わりその場は沈黙に慎まれる
「つまり、、、、死柄木にはやりたいことがあると、そのために緑谷くんのなかに残ったと?」
塚内が現状を整理してその考えを口にする
「やりたいこと、、、」
「何が目的だ、破壊か?」
「彼は生粋のヴィランだ。絶対にヒーローのためには動かない」
「存命している連合のメンバーの解放、、、とかか?」
「たぶん、違います。もっと、、、別の何か、、、あ」
緑谷の脳裏に浮かんだのは最終決戦の時の記憶
死柄木の精神世界に入った時の記憶
それは死柄木の【絶対的な意思】
あいつらのヒーローにならなきゃ
「だけどこれで決定的になった気がしたよ」
「? 校長?」
校長が口を開きオールマイトが聞く
「志村菜奈以外に保護したマタ・タミとその武器たち」
「!」
「今まで疑い止まりだったが今回の話でより決定的になった」
「それって」
「あぁ野原くんは、、、別世界の人間だ」
野原しんのすけ
こことは違う別世界の人間
そして死柄木に【猶予】を与えるために呼ばれた
救いの■■■■
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「なぁ〜んか忘れてるような?」
しんのすけは寝室のベッドの上で頭をひねるが思い出せない
だが【あの時】しんのすけは確かに言っていた
お兄さんをお助けするぞ!