「一気にショートカット出来ます!!」
発目明が歓喜とも言える大声を上げた
そこは雄英高校・工房
そこには『アーマード』の関係者が集結していた
発目明は日夜依頼された『アーマード』の開発に心血を注いでいたが、この前の事件での『ストーンでのアーマードの再現』
作っているものからしたら決していいとは言えない問題だったが、発目明には関係がなかった
そして今は、もうひとりいる
「これならもう近い内にできるかもしれない!」
メリッサ・シールド
アーマードの開発で発目と共同で研究することになったもうひとりの発明少女
完璧とも言える完成品が模倣出来た以上、それでデータを取り、後は実験を繰り返せば作り出せる
「だからこそ【機能】の追加をお願いします」
そして緑谷出久が自分のアーマードにそれを頼んだ
それは無茶振りもと言える注文で普通なら頭を悩ませたり怒ったりするものだったが
「任せて!」
「お任せください!!」
メリッサと発目は生粋のメカニック故にどこ吹く風だった
「しかし、ここにきて追加とは、、、」
オールマイトが驚いた顔をする
目の前にいる緑谷出久は今までとは少し違う
強い正義感や人格はそのままにどこか堂々としている
ドラゴンを倒したあとの『宣誓』を命懸けで実行しようとしている
「無個性である僕はサポートアイテムを頼るしかありません。でも僕には複数個性を使いこなした実績も経験もある。だから限界を超えない機械に限界を超えるまで追加機能を付ける。僕なら積み重ねれば使いこなせると思います」
「自信がついたな少年、、、しかしそれではアーマードの重量が重なるのでは?」
単純な話、機能を増やせばその分必要な機会が増えて例えロケットエンジンをつけても機動性に影響が出るのは必定。
だが緑谷はそれの対策もしてきていた
それは
「しんちゃんの自転車です」
「お?」
話が難しくて工房のお茶菓子をボリボリ食っていたしんのすけはキョトンとした顔をする
しんのすけの特製自転車
色々な機能を詰め込んだしんのすけ本人の人体実験の結晶である
体育祭でも活躍したそれを自分も欲しいと言ったのだ
「僕は夏休み中にバイクの免許を取りました」
「それを知ったかっちゃんはめんどくさかったですなぁ〜」
「ゴホンッ僕のはバイクタイプにして欲しいんです」
「私のアーマードも車に色々積んでいたしな」
アーマードオールマイトの機能のいくつかは車に搭載されていた
緑谷はそれをバイクで再現する気だとわかった
「では一番重要な話に移りましょう!」
発目が大声を上げてウキウキと緑谷に視線を向ける
「一体どんな追加機能を!!?」
バイクに積み込む機能
自転車にも使われたロケットエンジン・煙幕・火炎放射・ワイヤー・プロペラ恐らくこれらはそのまま使われるだろう
では後はどんな機能が欲しいのか発目はそれが知りたかった
そして緑谷は言った
「全部」
「すいません今なんと?」
発目が珍しく硬直した顔で緑谷に聞き直す
「現状可能な詰められる機能全部お願いします」
「少年!!?」
それはある意味『限界への挑戦』
「死柄木やオール・フォー・ワンは恐らく数え切れないほどの個性を使いこなしていました、、、つまり人間が複数の能力を使いこなすのは可能です。」
緑谷の目は覚悟を決めた目だった
「僕は最高のヒーローになるために、、、不可能挑戦も乗り越えてみせます」
緑谷は憧れの人仕込みの笑顔でそういった
「少年、、、、、」
予想外の成長を見せ時を待たずして大人になった
それがオールマイトが率直に感じた事だった
在学中にこんな頼もしい顔が見れるとは思っておらず少し寂しさを感じながらも嬉し涙が溢れてくる
この少年はもう自分を憐れまない
そう思ったのだ
「お~い発目ちゃ〜ん」
「「?」」
しんのすけの声に振り向くと発目が固まっていた
しんのすけが目の前を手のひらでフリフリしても動かず不思議な顔をしている
すると発目が口を開いた
「じゃあ、、手足だけでなく頭や首部分にもロケットエンジンを付けるのは」
「ねじ切られなければオーケーです」
「少年!?」
大事なのか!?というのが顔に出ているオールマイト
「じゃあ!爆破機能を規定の薄皮1枚分まで強化するのは!」
「自爆しなければオーケーです!」
「おい!!?」
いいのか!?というのが顔に出ているパワーローダー
「じゃ!じゃあ!製造過程に関する【法律】のグレーゾーンを突いてもいいんですか!?」
「発目さん!?」
それは流石に!?というのが顔に出ているメリッサ
「最終的に破らなければオーケーです!!」
「「「えええぇぇ!!!!」」」
全員が驚愕した
あの真面目な緑谷出久が違反スレスレを公認したのだ
いつもの彼はどこに行ってしまったのか!?
覚悟決まり過ぎだろう!!
と言いたくなるのが普通だった
「わっっっかりましたぁぁぁ!!!!どこに出しても恥ずかしくない最高のベイビー達を沢山作ります!!!!」
目に見えてハイテンションになる発目に全員が第一級危険物を見る目を向ける
「おぉ~子だくさんですな〜」
しんのすけだけが呑気だった
「ま!ま!待ちたまえ緑谷少年!!!色々言いたいことも言わなきゃいけないこともあるが根本的な問題が!!!!」
オールマイトが待ったをかける
「制作費用が!」
「それなら大丈夫だ」
「え?」
「出資があったんだよ。びっくりするレベルの額が振り込まれた」
「はい!!?」
オールマイトが驚愕したままパワーローダーが話を続ける
「あんたの友達そしてファンだよ。世界中のな。」
そしてパワーローダーが出したのはとある液晶画面
そこには出資者リストと書かれた沢山の顔写真付きのヒーロー達が映し出された
「ビッグ・レッド・ドット!?サラームまで!?」
「ベストジーニストにエッジショット!リューキュウ!それにセンチピーダー!」
その全員がオールマイトと関わりのある者たち
「出した金はオールマイトだけに使われるわけじゃないって説明しても【構わない】だってよ」
「みんな、、、、!」
オールマイトは胸が熱くなった
だがこれは必然なのだ。オールマイトが今まで繋いできた縁が一つに繋がった。ただそれだけなのだから
しかし
「だがいつの間にこんなに広がってたんだろうな?」
パワーローダーは疑問だった
そもそも何故アーマードの開発がここまで知れ渡ったのか
それは一人の【厄介ファン】のせいだった
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『あなたのおかげで沢山の人がアーマードに出資したわ』
それは電話からの声だった
『やはり顔を出すべきよサー』
その相手はヒーロー・リューキュウ
アーマードの出資者の一人にしてとある理由から一人の【蘇り】を匿うことになったヒーロー
そしてその相手はサー・ナイトアイ
サーは秘密裏にリューキュウに近づき情報の交換と自分の居場所がバレないようにするように密約した
サーは今、蘇りの立場を利用して違法に触れる情報収集をしている
『予知』が使えない今、死人である自分が出来うる最大がこれだと決断したからだ
アーマードの話をオールマイトと繋がりのある者たちに情報を送ったのもサーだった
しかし違法に触れているやり方だった
リューキュウに被害が向かないように出来るだけ距離は取っているがオールマイトに会うべきだと通話するたびに言われている
『多少の厳罰は私も受けるわ。貴方は』
「悪いが今ちょうど立て込んでてな」
サーは通話を切った
「さて、お前はヒーロー殺しだな」
「オールマイトの元サイドキック・サー・ナイトアイか、、、」
そこはとある路地裏
サーは情報屋から裏ルートの情報を掴むためにそこにいたが偶然現れたのがステインだった
動物化ドリンクで豹の姿になっている彼は今、裏の情報屋を踏みつけにしていた
ちなみに情報を聞き出すために生かしてはいる
「なるほど、死人であるなら手を汚して生きる者たちの役に立とうと」
「お前に理解など求めてはいない」
火花が散る
ふたりはそもそもヒーローとヴィラン相容れない存在
だが奇跡的もと言える共通点があった
「オールマイトの為か?」
「当然だ」
それは重度のオールマイトファンであること
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「うぅ、、いったい何が?」
男は裏の情報屋だった
突然の奇襲で意識を失いたった今、目が覚めた
場所は路地裏の壁を背に座らされており自分が無事だと確認する
そして
「!!?」
彼は見た
恐るべきカルマを、、、、、
「オールマイトは光だ。オールマイトのすべてには彼のなかにある太陽と呼んでもいい心が起因している。その光に当てられ人々は立ち上がり前を向き例え一つ一つの光が脆弱とわかっていてなお光を照らすのを継続させてくれるのはオールマイトがもたらした明るい元気とユーモア溢れる社会があってこそつまりオールマイトはこの世界ひいては人類を照らす光である事に疑いの余地はない多くの者が彼の行いに物理的に救われ精神的に救われそしてこれから生まれてくる子供たちも後世に残りしオールマイトの伝説を聞きその幼い心にオールマイトの光が舞い降りるそしてそれが当たり前になる時代もいずれ来るだろうつまるところオールマイトの魅力は人々が愛してやまないその社会性だ貴様のようなヴィランにはわからないかもしれないが人々のためにユーモアをもたらすのは強いだけではなしえなかった伝説の形だ。眩い光がすぐ押しつぶされ流されてしまう人々の道を善良のある方向に創り出す。それは人類を導くのと同義でありオールマイトしか成し得ないオールマイトだからこその光ある行いだ」
「オールマイトを表すのは光ではなく炎だ。彼の進んだ道は焼き尽くされた針だらけの道だ。だからこそ焼き尽くされ針が燃え尽きた後ろに多く者がついてくるのだ。正しさをすぐに見失う脆弱な人間の世界で選別をしなくては社会を維持できないにも関わらずオールマイトはその選別を無効化し全てを救うことを可能とした。それは神の御業に等しくオールマイトしか出来ないことだ。そして彼のなかにある炎は悪を焼き殺すだけではなくすぐに傷つき倒れる人々の貧しい心に淡い炎を灯す。それは人間が火を使って進化したのに等しいつまりオールマイトは人類すら進化させうる超越にして最高の存在、誰もが憧れずにはいられないオールマイトはただ他者のために尽くすそれすなわち炎だ。暗く閉ざされた闇の道でもその炎さえあれば後は何もいらん。何故ならそれは世界最高にして世界最強の炎なのだから。そして世界最強の炎を内に秘めるのはオールマイトただ一人だ。他者のために命を削り覚悟を持ってその命を力に変えるつまりオールマイトとは絶対領域の覚悟を持って何よりもヒーローに夢を見せてくれる絶対不可侵の存在だ」
恐怖した
目の前で繰り広げられるその戦いは一見地味だがその情報屋の目には見た目以上のものが映っていた
「じ、、、人外魔境?」
二人が得体のしれない宇宙人にしか見えなかった
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「というわけでデクくんのアーマードはすぐにできそうだよかっちゃん」
「なんで俺に報告すんだよ」
「心配だったでしょ〜?」
「死ね!」
「所でデクくんがお茶子ちゃんと」
「何いうつもりかはしらねぇが俺は世界崩壊レベルの現状を打破する!それだけだ!」
※爆豪は今の緑谷の解釈の不一致で割と苦しんでいます
(こっちの関係でデクくんに先こされるなんて考えもしなかったんだろうな〜)
何処までも厄介なファンだった