それは決戦が始まる少し前
「かっちゃん」
「あ?」
コスチュームを着てサポートアイテムを準備していた緑谷が同じくコスチュームを準備していた爆豪に話しかけた
「一つ、お願いがあるんだ」
「、、、、何だよ」
「かっちゃんが一番『可能性』が高いから」
「?」
そんな会話があった
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「肉肉肉肉肉ぅぅぅぅぅぅ!!!!」
「ジェントリーー!スーパーラヴァーーー!!!」
20世紀タワーの周辺
一つの戦場で戦っていたのは【ムーンフィッシュ】と【ジェントル・クリミナル】
ムーンフィッシュは相棒である怪獣が消えてひたすらに個性である刃を周囲に振りまくっていた。ジェントルはそれを個性で止めるが多くの手数に苦戦を強いられていた。他のヒーローも他のヴィランの相手でこちらに来られない
『ジェントル!』
ジェントルの耳にあるインカムから警察の本部にいるラブラバの声が響く。帰りを待つ人の声、きっと自分を心配して声だとジェントルは理解した
「ラブラバ、安心したまえ、必ずこのヴィランを倒して君のもとに」
『飛行機が突っ込んでくるわ!』
「え?」
しかしその予想は少し違っていた
キィィィィィィィィィィ!!!!
飛行機のエンジン音が聞こえてきた。そしてその方向に首を向けると確かに大型の飛行機がこちらに向かってきている。意味がわからなかった。しかしこのままでは町中に墜落してしまうとジェントルは思った
しかしそれは杞憂に終わる
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それは飛行機内での会話
「ちょっとぉぉぉぉぉ!!!これどうすんの!これ大丈夫なの!!?てか今更だけど不法入国じゃん!なんでこんな仕事引き受けた俺ぇぇぇぇ!!」
飛行機を操縦する男
緑谷達と縁のあるパイロットの有精卵
ロディ・ソウルは泣きながら【依頼主達】に叫んだ
「大丈夫です」
彼の隣に一人、同年代の男が近づく
「飛行機は止めます、そしてこんな危険なことを引き受けてくれた報酬は支払ったでしょう?日本価格で【5000万円】」
「けどさぁーーーー!」
「現金が望ましかったかもしれませんが、この世界の通貨が僕たちの通貨と同じだと限らないので【5000万円分の金や宝石】になりますが、それでも十分な報酬でしょう?」
その男は冷静にロディに説明した。そして涼しい顔で膨大な金を口にするあたりただ者ではない感をロディは感じ取っていた
だが
「「「ムカつく」」」
「なんで!!!?」
そのただ者ではない感はすぐに消えたが
「報酬出すのはバ金持ちでしょうが」
一人の女の子がため息交じりに言った
「全身全霊で仕事できますアピールがすっごく寒い」
一人の【鉄仮面】をつけた男が仮面の奥で白けた目を向けた
「解釈違い」
一人の【緑色のモヒカン】をした男が一言でまとめた
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突っ込んでくる飛行機から人が飛び出した
そして飛行機の正面に何かが出現した
巨大な白い塊
車などに使われる【エアバッグ】
それの超超超巨大な物が飛行機を止めたのだ
誰が知ろう
それはかつて
父親が怪獣である【ラドンおんせん】を倒すためにヒーローに変身して使った、変身機能の一つだなんて
止まった飛行機はそのまま地面に着地した
いろいろツッコミどころはあるがとにかく被害はでなかった
そして飛行機から飛び出したのは
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警察本部に次々と報告が入る
しかし、その殆どが全く意味のわからない情報ばかりだった
「国籍不明の軍隊がサンバを踊りながら銃撃戦!?」
「男が個性を使わずナイフとフォークで戦っている!?」
「忍者が出たと報告が!忍者が出たと報告が!」
「ボウズのオカマが大暴れ!!?」
「UFOが人命救助!!?」
「アクション仮面なんてヒーローいましたか!?」
「珍妙な格好をした集団が【ラクガキングダムの勇者】を救えと意味のわからない事を!」
「トレジャーハンターが大量出現!?何を言っている!?」
「報告!キマイラが出ました!」
「カンフーでヴィランを圧倒している女性が!」
「美少女がヨーヨーで戦っている!?」
「ドチャクソ強い女子プロレスラー!?」
「竹刀だけでヴィランを圧倒している少年が!」
「宇宙人に赤ん坊にされてる!?ヴィランが!!?」
「理由のわからない集団がわけのわからない力を駆使してワケのわからない戦い方をしていると!」
「な!なんだ!何が起こっている!!?」
彼らの存在を知る由もない塚内直正はただただ困惑するしかなかった
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ズバ!ズバ!ズバ!ズバ!ズバ!ズバ!ズバ!
「「!!?」」
ムーンフィッシュの個性【歯刃】が切り裂かれた
あちらこちらにデタラメに出して周囲を切り刻んでいた歯刃は突然飛んできた【緑色の物体】に切り裂かれたのだ。
それはよく見れば手裏剣のような形をしており高速回転している
そしてそれは屋根の上まで上がると
スチャリ!
そんな音を立てて【人の頭にモヒカンのように装着】された
「援軍!?髪を操る個性!!?」
助けられたジェントルが困惑していると
「逃げろ!」
「!」
モヒカンの男の隣にいた鉄仮面の男がそう叫んだ
よく見るとそこには【4人】いる
「邪魔するなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ムーンフィッシュはその4人に歯刃を向けた。襲いかかる刃に4人は何故か逃げる様子はなかった。今度はジェントルが逃げろと叫ぼうとするが間に合わなかったら
家ごと歯刃が激突した
だが
バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキ!!!!
「はっ!!?」
何と4人は【体当たり】で大量の歯刃を抜け出した
傷一つ負わずにだ
誰も知らない
彼らが理外の力を宿しているなど
赤ん坊が巨大モグラロボットをひっくり返せるほどの力をその身に宿しているなど
そして地面に着陸するとそれぞれの姿が顕になる
彼らこそしんのすけの友達にして最高の援軍
「金の霊の湯でパワーアップしてるから全然傷つかないな」
風間トオル
現在の姿
スーパーエリート風間さんの時に着ていた金ピカの制服
「これならみんな大怪我することもないわね」
桜田ネネ
現在の姿
女王様風のドレス
「我こそは【おにぎりの政!】仁義、通させていただきます!」
佐藤マサオ
現在の姿
受け継ぎし天カス学園番長の鉄仮面
「マサオくんハイになってる」
ボーちゃん
現在の姿
カスカベボーイズの時の緑モヒカン手裏剣能力者
「あああハアハアあ!!!!!!」
自分の個性がまるで通じなかった様子に腹を立てたムーンフィッシュは再び彼らに歯刃を向けた
すると
「変態は死ねぇぇぇぇぇ!!!!」
「ぐぼっ!」
ムーンフィッシュの危ないビジュアルに青筋を立てたネネが渾身の右ストレートを繰り出した。その右ストレートは歯刃を割りながらムーンフィッシュのもとまで直行して彼の腹にぶち当たった
そしてその衝撃で壁を突き破って遠くに飛んでいってしまった。間違いなく脱落だろう
「つ、つよい!」
「巻き込まれるから逃げたほうがいいぜ」
「あ!そういう意味だったのか!!?」
マサオはネネの暴力に巻き込まれるから逃げろと言ったのだとジェントルは今気づいた。
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「何だ!?何が起こっているんだ!!?」
周囲の様子から緑谷出久はその異常を察した。突然現れた謎の集団がヴィラン達をなぎ倒していく、そしてその殆どが正体不明、重度のヒーローファンである緑谷出久の記憶にないものばかりでヒーローではないのだろう。ならば彼らは一体何者なのか?
緑谷出久はA組の皆と共にしんのすけの警護をしている。ものすごい速さで走りロケットを描いていくしんのすけについていくのは大変だが、全員が必死に食らいついていた。
その時
「見つけたよぉぉぉぉ!」
「「「「「「「!!?」」」」」」」
上空から声がして上を向けばそこには【ヒエール】がこちらに向かってくる
後ろから志村菜奈とオールマイトも追ってきているが間に合わない
「何をしているか知んないけど邪魔しちゃう!変速のヒエール・ジョコマン一斉砲撃!」
アーマード全体から筒砲が飛び出し更に変速による加速まで付与された一斉砲撃がしんのすけに襲いかかろうとしたその時
「しんのすけーーーーー!!!」
突然飛んできた何者かがしんのすけを守るように【バリア】を出してしんのすけを守った
A組の誰の個性でもない
突然現れた誰かがに一斉砲撃が防いだのだ
そしてそれと同じ瞬間
「子供になんてもの向けてんのアンタはぁーーーーー!!!!!」
「!!?」
突然現れたもう一人がヒエールに向かっていった
叫んでしまったため方向がバレておりヒエールはすぐに加速させた砲撃を浴びせる
だが止まらなかった
傷一つつかなかった
何故なら彼女も【金の魂の湯】により理外の力を得ているから
そしてなによりも
あのしんのすけに
もっとも最強と思わせた女性なのだから
「ばっきゃやろーーーーーーーー!!!!!」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
彼女が繰り出したのは【拳骨】
どう考えても拳骨の音ではないが拳骨
あのしんのすけを恐れさせた拳骨
「ーーーーーーーーーーーぁ!」
ヒエールはその拳骨を超えた拳骨をされて地面に激突した
繰り出された拳骨ごと地面にめり込んで装着していたアーマードも音を立ててバキバキに粉砕された
【ろくぼす】のヒエール・ジョコマンはあまりにもあっさりと脱落してしまった
A組がしんのすけが助けてくれた2人を見る
バリアを張ったのは中年のヒゲの濃い男だった
拳骨を食らわせたのは女だった
そしてしんのすけを助けた2人はしんのすけを、、、いや
自分たちの息子を見た瞬間涙があふれた
「助けに来たぜ!しんのすけ!」
男の名は『野原ひろし』
「無事でよかった!しんちゃん!」
女の名は『野原みさえ』
「、、、、、父ちゃん、、母ちゃん」
「「「「「「「「「え!!?」」」」」」」」」
しんのすけの発言に皆が各々の反応を浮かべる
緑谷や飯田が2人の顔としんのすけの顔を比べて確かに似ていると思い、切島や上鳴が騒ぎ立て、女子たちが『梅雨ちゃんご挨拶!!!』と状況すら忘れそうになりながら興奮する
しんのすけは久しぶりに見る両親の姿をじっくりと見た
野原夫婦は『金の魂の湯』の力で理外の力を手にしており、その見た目も変化していた。それはかつて『怪獣たち』と戦っていたときのヒーローコスチュームの姿
父親は普段の姿よりも筋肉がついて足も長い『野原ひろしマン』の姿
母親は若く可愛くスタイルのいい『プリティミサエス』の姿に変身していたのだ
「何か知らんけど友達がピンチなんだろ!!?」
「私たちも戦うわ!」
あの頃から随分年をとったが心に宿るその強さは全く衰えていない、息子のために、そして息子を守ってくれた者たちのために『ヒーロー』としてこの世界に降り立った2人を見たしんのすけは、、、、、、
「ゲボぇーーーーーー!!!!!」
血を吐いた
「「「「「「「「えええええええ!?」」」」」」」」
A組は顎が外れるくらい驚いた
「うおい!!?久しぶりの父ちゃん母ちゃんにその反応は無いだろ!!?」
「そうよ一体何があったのよ!!?」
想定外のしんのすけの反応に青筋を浮かべる2人
何故そんなことになったのか?
それは
「友達の前で親がコスプレしてるのきついガクッ」
「「「「「「「「なるほど!」」」」」」」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「クソっ!効いてる気がしねぇ!」
「だが攻撃を休めるな!黒い巨人を野放しにはできない!」
「目が開いてれば俺の抹消が使えるのに!」
「エッジショット!千枚通しは!?」
「だめだ!身体がどこもかしこも硬すぎる!」
多くのプロヒーローが立ち向かうのは20世紀タワーの前に現れた黒い巨人、総攻撃を仕掛けているが動きを遅らせるだけで全く効いている気配がない、だが彼らは経験で分かっていた。このヴィランはギガントマキア以上の脅威だと
「フハハハハハハ!無駄じゃ!断末魔のストレスで極限まで引き出されたその姿はもはや魔王の装甲!破れるものではない!」
20世紀タワーの頂上でドクターは高らかに笑っていた
だが
「! なんだ!!?」
エンデヴァーが後ろから飛来する何かを目撃した
それは
「んあああああああ!速いぃぃぃぃぃぃ!!!」
「ぎゃあああ!飛ばされるぅぅぅぅぅぅ!!」
「しっかり捕まってろって言っただろうがぁ!!!」
クラスターで高速飛行をする爆豪とそれにしがみついているひろしとみさえだった
「行くぞみさえ!この子を届けるんだ!」
「えぇ!子供が頑張ってるなら大人の私たちだって!」
ひろしとみさえは爆豪を黒い巨人から守るためについてきたのだ。しんのすけはロケットを描き続けA組の護衛を受けているのでこちらを手伝ってと言われたから
そして爆豪を知るプロヒーロー達はすぐに察した
爆豪の最大火力なら黒い巨人に効くかもしれないと
「爆豪を守れぇーーーーー!!!」
黒い巨人が爆豪を見つけてその巨大な腕で叩き潰そうとしてくるが、エンデヴァーの炎やベストジーニストのワイヤーがそれを阻む
しかし、黒い巨人の力はあまりに強く簡単には止められない
だがここには『彼ら』もいた
「「やっつやっぱり柔軟弾丸!!!」」
「「「「「「「!?」」」」」」」
突然飛来した『回転する2つの物体が』黒い巨人の足元に激突して動きをとめる
風間トオルと佐藤マサオが足元に『強化された柔軟弾丸』をぶちかましたのだ
「ボあぁ!!!!」
そしてモヒカンの手裏剣を投げつけるボーちゃん
そのモヒカンは黒い巨人の腕に当たり爆豪を掴もうとした所を弾いた
「いつついつでも芋虫行脚!」
そして芋虫行脚で巨人の股の間に超高速移動をした桜田ネネは、、、、、
『握り拳』に力を入れる
繰り出されるのはみさえと同等、もしくはそれ以上の一撃、天孫爛漫の男であるしんのすけですら今もなお恐怖させ続けている最大の一撃
元から運動チート女子である桜田ネネが繰り出すことによりそれはパワーバランス崩壊レベルのパンチとなる
「ネネパンチ!!!」
それが『股間』に炸裂した
それを見た男どもは顔を青くした
エンデヴァーもベストジーニストもエッジショットも相澤も自分の股間を押さえそうになった
ミルコはキョトンとしていた
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
黒い巨人も断末魔の悲鳴を上げるなかで爆豪は拳を握った
「「おんどりゃぁぁぁぁぉぉぁぉぉ!!!!」」
ひろしとみさえが黒い巨人の顔面に体当たりをして確実な隙を爆豪に作り出す
そして
「いけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
爆豪がその拳を炸裂させた
そう
『爆破』ではなく『拳』を
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可能性?何の話だ?
かっちゃんが一番『オール・フォー・ワンの心臓』にたどり着きそうな気がするんだ
あ?
だからかっちゃんに『託したいんだ』
、、、、、何をだ?
僕のなかにいる転弧を
!!?
死柄木と話ができるわけじゃないけど、感覚でわかるんだ。ワン・フォー・オールのように『他人に譲渡』が出来るって
待て出久!そりゃつまり!
『オール・フォー・ワンの心臓』に死柄木を譲渡という形でぶち込んでほしい
、、、、、そうすりゃ
うん
転弧がこの戦いの決着をつけるよ
完結まであと3話