シャアに拾われた件について リメイク   作:ロドニー

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 一夏が歴史が異なったガンダム世界である一年戦争の前へと飛ばされる。そして、彼はこの戦争に生き残る事は出来るのだろか?


一年戦争編
序章


 

 俺には優れた姉が居る。

 

 

 

 第1回IS世界大会を優勝したブリュンヒルデの称号を持つ織斑千冬だ。

 

 

 

 逆に俺は、勉学や運動に剣術などをいくら努力しても周りから一切認められず、出来損ないとか姉の面汚しとか言われて近所や学校でも暴力を振るわれたりもした。

 

 

 

 千冬姉に褒められたくて、努力に努力を重ねて頑張ったけども褒められる事は一度も無かった。

 

 

 

 

 

 千冬姉も選手として遠征が多く手元に残る仕送りは少なかったし、千冬姉には心配をさせたくも無かった。

 

 少ない仕送りでは生活が困難になる事は明らかだった。

 

 だから、生活が困難な状況を打開する為に道場に通う時間を早朝の新聞配達の時間を捻出する為に通っていた道場を辞める時に事件が起きる。

 

 師範代の篠ノ之束の妹の篠ノ之箒から暴力を含めて猛反発されたのだ。

 

 「貴様!」

 

 バッキィ

 

 猛反発された挙句の扱きと云う名の暴力の最中、木刀で叩かれ腕から聴こえる鈍く何かが折れる音と腕から感じる激痛。

 

 そして、余りの激痛から叫び声も上げる事も許されず腕を庇いながら蹲る俺の姿に箒は更なる暴力を振るう。

 

 「その程度で軟弱な!!」 

 

 軟弱と叫び、背中の至る所を木刀で叩く箒。

 

 それは、箒自身の初恋を履き違え、暴力に変えた独占欲だったも知れない。

 

 そんな箒の事を理解出来なかったし、したくも無かった。その箒からの暴力により、背中側の肋骨は砕けてしまい複雑骨折と砕けた肋骨が肺や他の臓器に刺さる重傷により緊急の手術となり全治二ヶ月以上の入院生活を余儀なくされた。

 

 千冬姉からの仕送りと遣り繰りして貯めた非常用の貯金を全て犠牲にして…

 

 

 だけど、俺にも理解してくれた人も居た。

 

 

 

 ISの生みの親である束さんは箒から暴力に曝された時には手当をしてくれたり、辛くて泣きたい時に研究室に入り浸った時には千冬姉以上に優しい姉の様に接して、天才だった束姉から勉強(束自身、何処まで教えて良いのかが実際に判らず、教えれは教える程に知識の吸収率がスポンジ並みだった一夏に大卒レベルの内容をやり過ぎ感満載で習得させている)を教わったりした。

 

 

 

 「いっくん、箒ちゃんがごめんね…ごめんね…」

 

 束姉が慌てながら病院に駆けつけて、俺の入院する病室での一幕、何があっても泣かなかった束姉が優しく抱きしめながら涙を流し、俺に謝る光景が未だに忘れられない。

 

 だって、束姉は実の姉である千冬姉よりも心優しい姉だったし、あの子と出合うまでは唯一の心温くて平穏に居られる場所だったからだと思う。

 

 (当時の束は、酷い癇癪持ちの妹の箒以上に一夏を弟として溺愛していたらしい)

 

 そして、俺を暴行した箒は学校の事や道場での事の重大さから師範である父親と師範代である束姉の判断により破門を言い渡され、癇癪を起こし暴力に走る腐った根性と生活態度を改めさせる為に厳しさで有名な奈良の新陰流の道場に身一つで行かせたのだった。

 

 余談だが、学園で再会するまで性格を矯正しようと新陰流の師範や師範代の一般人が逃げ出す程の扱きと礼儀作法の授業は、虚しくも一夏に対する強い独占欲と支配欲に塗れたモンスターを生み出す結果に成る事は予想して無かった。

 

 他にも、箒が奈良へと引っ越した後に転入して来た凰鈴音を男子のクラスメイトから虐められていた時に助けて以後、親友として付き合い始めた。

 

 

 

 ただ鈴の想いは逆だった様で親友よりも好きな異性と認識しており、モンドグロッソの応援にドイツに向かう前日、鈴の両親が離婚して母親と中国へ帰る事になった時に空港のロビーで告白される。

 

 「次に再会が出来たら、あたしの作った味噌汁を毎日飲みなさい!!

 

 だから……だから……あたしは一夏が好き!!」

 

 

 

 一夏には中華風の告白では絶対に理解されないなと直感が働き、実直にストレートな日本風に言いながらも物理的に理解させる為に抱き着いて告白したのだ。

 

 無論、俺は抱き返して鈴と付き合う事を了承した。

 

 

 

 日本と中国の広州と遠距離恋愛とはなったが、鈴と電話で連絡を取り合ったり、手紙のやり取りをしたりした。

 

 

 

 そして、運命の第二回モンドグロッソに出場した姉に応援に来いと嫌々ながら応援に行くことになり、会場で知らない男達に誘拐された。

 

 

 

 目的は判る。

 

 

 

 千冬姉の出場の阻止だろう。

 

 

 

 俺には、姉弟として関係が冷え切っていた千冬姉の事よりも、鈴にもしかしたら逢えなくなるのではと怖かった。

 

 

 

 だから、叫び抵抗した。

 

 

 

 「離せ!!」

 

 

 

 「うるさいガキだな!!」

 

 

 

 だが、抵抗虚しく意識を刈り取られて街の郊外の倉庫に連れ去られ、倉庫内では男達から暴行を受けた。

 

 

 

 「日本政府に連絡したか?」

 

 

 

 「あぁ、これで織斑千冬は棄権するだろうな」

 

 

 

 だが、男達の企みは意味が無かった。

 

 

 

 『さぁ、決勝戦。

 

 

 

 日本代表、織斑千冬選手の入場だァァァ!!』

 

 

 

 テレビに映る千冬姉は知らなかった。

 

 そして、テレビに映る光景に俺も決勝に出た姉との姉弟との関係が完全に崩れ終わったと思ってしまった。

 

 

 

 この時はそうと思っていたが、実際は弟が誘拐された事実を日本政府は握り潰して女尊男卑に染まった女性利権団体に所属した女性職員から知らされて居なかったのだ。

 

 

 

 「どうすんだよ!!」

 

 

 

 「くっ、俺達まで殺される!?」

 

 

 

 「しかたねぇ。

 

 

 

 奴を殺してズラかるぞ!!」

 

 

 

 俺に向けられた拳銃の銃口。

 

 

 

 「なぁ、死ぬ前に望む事はあるか?」

 

 

 

 「じゃあ、千冬姉の決勝戦を見せてくれ」

 

 

 

 体を縛られた椅子をテレビに向けられる。

 

 

 

 そして、千冬姉は優勝したのだ。

 

 

 

 「じゃあ、約束通りに死にな。だが、最後に残す言葉だけは聞いてやる」

 

 

 

 「じゃあ、千冬姉。

 

 

 

 優勝おめでとう。

 

 

 

 そして、一度でも良いから褒めて欲しかった!!

 

 

 

 だから、千冬姉のクソったれ!!

 

 

 

 そして、鈴には愛してると」

 

 

 

 「あぁ、二人には伝えておく」

 

 

 

 パンパン…

 

 

 

 言い切ると乾いた音と共に男達から拳銃で腹や肩を撃たれて椅子から床に堕ちそうになると床に黒い穴が空き、俺はその穴に飲み込まれたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 UC.0074のサイド3の首都に聳え立つ豪華絢爛な白亜の宮殿。そこは、地球の欧州連合と同じく王政と貴族社会が残りつつも地球からの移民国家でジオン公国のダイクン大公夫妻が住まう宮殿だった。

 

 宇宙世紀0074年9月のその日は、アルテイシア・ソム・ダイクン公女の十二歳の誕生日でもあり、公女としてデビュータントのお披露目と次期大公としての継承権放棄した兄のキャスバルの代わりに公太女として発表される予定の盛大なお披露目パーティーだった。

 

 そのパーティーには、宇宙港からリムジンに乗り宮殿前に降り立つのは格式のあるドレスを纏う金髪にツインドリルの少女は地球圏の欧州連合の一つ大英帝国の外務卿の辺境伯爵である父親と母親と一緒に外務卿の家族一行として来ていた。

 

 金髪でツインドリルの髪型少女の名前はアン・ベルファスト・フリークス、性格がガサツなお嬢様であり、お嬢様教育の一環で家事や裁縫などを習うのだがIS世界のとあるブリュンヒルデ並に壊滅的であるが、逆に語学は最低でも八カ国以上の語学能力と大学を飛び級で卒業出来るだけ頭脳と武芸も次期女王であるメアリー第一王女からも女性王族の武芸に秀でた者に許された『血染めの獅子に白百合』の軍旗とは色違いの獅子と赤百合の自身の軍旗として掲げる事が許されているハイスペックな辺境伯爵令嬢である。

 

 そんな彼女の故郷は、欧州の大陸があるドーバー海峡を越えた島国の立憲君主制の国家で保有する最大の宇宙船ドックや欧州連合内のジブラルタルの宇宙港程の規模では無いが連邦のサラミス級を打ち上げが出来る宇宙港などが聳え立つ港街の都市ベルファスト。

 

 その、辺境伯爵領のベルファストの領主の一人娘の令嬢である。

 

 なぜ、アンが誕生パーティーに参加する理由はアルテイシア公女殿下と同い年である事とジオン公国の貴族令嬢や令息との交流だった。

 

 要は、ハイスペック過ぎる故に欧州連合内には釣り合う男性の影は皆無であり、相手を探す気は全く無いがアン自身の婿探しとも言えた。

 

 「暇ね…」  

 

 パーティーの壁の花とは自虐的に言いたく無いが、周りを見渡せば、自分と同じく欧州連合の一つで帝国の都市群のミュンヘンと周辺を領地とした帝国の軍人の家系で侯爵でありながらも本家筋の三男夫妻がジオン公国軍に移民して同じく軍属に所属するシュタイナー子爵家や公国内では伯爵の位を持ち軍事技術の研究をしているサハリン家や身分は子爵でありながらも近衛隊の隊長を務めているジンバ・ラルがアルテイシア様を護衛していた。

 

 無論、数年前の大公の暗殺未遂事件の犯人だった大公の正妻は兄のデギン・ザビに暗殺の協力を求めたが断られ、軍部の元帥でザビ家の長男のギレン・ザビにより正妻は捕まり裁判が行われた後に処刑。

 

 正妻の実家の侯爵で当主だったデギン・ザビは、妹の大公の暗殺未遂事件の責任を取り当主の座を長男のギレンに譲り、サイド3のザビ家の別荘がある15バンチコロニーに幽閉とした。

 

 

 そんな穏やかなパーティー。

 

 「「キャぁぁぁぁ!!」」 

 

 令嬢達、いや夫人達の悲鳴に振り向けば、このパーティーに呼ばれていただろう連邦の高官だろか?

 

 「こんな、田舎娘の誕生日なんか!」

 

 酒を飲んでも呑まれるなと言える様な光景。

 

 挨拶序に酔った勢いで、アルテイシア様に酒瓶を叩き付けようとする光景に私はウェイターが持つ銀盆を奪い走り出す。

 

 距離にして約50メートル。

 

 無論、護衛のジンバ・ラルが帯剣を抜き高官の前に立つが、招待客は武器が持ち込めない筈なのに、連邦の高官は懐から拳銃を取り出し発砲したが酒に酔っていた事が禍して、狙いは外れてジンバ・ラルの腹部に命中する光景の悲鳴だった。

 

 そして、奪った銀盆を拳銃を持つ連邦の高官に投げ付け拳銃だけを弾き飛ばし、腹部を撃たれ重傷ながらも抜刀していた剣でジンバ・ラルが袈裟斬りで高官を切り捨てていた。

 

 パーティーは、犯人が公女の護衛に斬られて死亡となったが、連邦の高官が起こした公太女暗殺未遂事件として扱われ中止となった。

 

 しかし、パーティーに来ていた欧州連合や連邦内の他国の来賓に観られた事で連邦は非難殺到の嵐となり、本来なら王政や立憲君主制などの貴族社会の政治体制を護る為に連邦側に与する歴史な筈だった欧州連合はコロニー側にも新たなプリンセスと言えるアルテイシア公太女の誕生に歓喜してジオン公国を擁護する立場を取る事となる。

 

 連邦の高官がやらかしたとは云え、アルテイシア公太女の暗殺未遂は非難の嵐となり、代理に行かせた部下と云えども連邦がやった事に変わりながないと他国から大恥をかかされ、逆上した連邦の上層部は取り込む筈だった欧州連合に見せしめ的な理由で軍事的制裁を決定する。

 

 標的としたのは、欧州連合の欧州からは離れてはいるが連邦軍本部のジャブローからは地理的に近く、欧州連合の最大の食料供給の産地の欧州東部のオデッサに次いで供給量が多いオーストラリアを標的とし、制圧案としてコロニー公社の完成していたコロニーの1基を輸送中に奪い、オーストラリアにコロニーを輸送中の事故に見立てて落し、後に制圧する作戦だった。

 

 そして、連邦軍によるコロニーの強奪事件(一年戦争の戦後に連邦の機密文書により判明)と同じ頃、欧州連合はジオン公国との会談がオーストラリア大陸の都市のシドニーにて行われ、欧州連合の代表はアンの父親が担いジオン公国からは、欧州連合との難しい交渉が予想された事から交渉が得意だと評判を聴いていたアルテイシア公女はデギン・ザビ前侯爵を自身の公太女即位の恩赦を理由に幽閉を解き公国の代表として推薦し、アルテイシア公女の父親である大公に許可された上で来ていた。

 

 話し合いの内容は、食料供給の取り決めと軍事同盟が主な内容だったが軍事同盟はジオン公国が極秘開発中のモビルスーツと云う新型機を欧州連合にも供給する条件ですんなりと決まるが食料供給に付いては欧州連合とジオン公国へ食料供給の割合で中々纏まらずに数ヶ月による交渉で難航していた。

 

 そんな、平和的な会談の最中の悲劇だった。

 

 

 UC.0075年5月、後の連邦軍と宇宙軍を持たない欧州連合軍の軍事的衝突した1週間戦争は結果的にはオーストラリアが陥落して欧州連合軍の敗北に終わる。

  

 1週間戦争の経緯は、地球連邦は一切の宣戦布告も無しにコロニー公社のサイド7へと輸送中のコロニーを強奪する。

 

 欧州連合とジオン公国側もコロニーの強奪事件を把握はしていたが犯人が連邦だとは把握して無かった。そして、連邦からの通告された内容は輸送中のコロニーが構造の強度計算が誤魔化している容疑によるコロニー公社への取り締まりのみだった。

 

 そして、連邦により強奪されたコロニーは一切の邪魔をされる事無くオーストラリアのシドニーへと落下し、オーストラリアの食料供給能力は田畑がコロニーの落下の影響で高熱による地面のガラス化と大量の破片が降り注ぎ壊滅する。そして、この混乱に乗じて連邦は八個師団の部隊を送り込み、オーストラリアに駐留していた欧州連合の部隊は既にコロニー落としの余波で全滅している為に反撃される事無くオーストラリア大陸全土を1週間で制圧に成功する。

 

 

 丁度、1週間戦争前のUC.0075の4月にはアルテイシア公女主催のお茶会が開かれていた。そのお茶会には、誕生パーティーで連邦の高官から護って貰った御礼にアン1人だけが呼ばれていた。

 

 半日程のお茶会ではあったが、公太女となり信用出来る側近が欲しかったアルテイシアはアンを側近兼護衛にと誘おうと画策し相談を持ち掛ける。

 

 アンは令嬢としてのお茶会の経験からお茶会で必ず側近に誘われるだろうと予測し、実際に側近候補の相談をされた際には地球圏内や公国内の優秀な女性の人材を既に諜報機関の調べで分かっていた。だから、身代わりとも言えた人材をアルテシア公女に紹介する。

 

 連邦軍に所属はしてはいるが、実家の貴族の義務を理由に引き抜きが可能な欧州連合のアルデンヌ地方の貴族であるアルデンヌ侯爵家のマチルダ・アジャン侯爵令嬢とジオン公国では元平民でランバ・ラル現子爵の子爵夫人のクラウレ・ハモン夫人、宇宙要塞アクシズの総司令の副官の娘のナタリーを推挙したら公女に気に入られて、アン自身もアルテイシアから地球に帰る日まで散々誘われたが、次期当主の教育を受けて父親の後を継ぐ事を理由に保留していた。

 

 お茶会が終わり、欧州連合とジオン公国との会談先のオーストラリアで待つ両親と合流する為、令嬢とメイドの二人の移動ではオーストラリア大陸に近いがチベットの連邦議会本部が近く危険な台湾宇宙港と香港宇宙港を避けて、サイド3のお茶会先だった1バンチ発ジブラルタル行きのシャトルを選び地球に戻る。

 

 欧州最大の宇宙港のジブラルタルに降り立ち、ジブラルタル港に停泊しジブラルタル港を母港としている欧州連合船籍の豪華客船にてオーストラリアに向う。

  

 そして、彼女自身が一生消えないトラウマを抱える事件と遭遇する。

 

 

 「えっ?……空が落ちる…いゃぁぁぁぁぁ!? お父様!!お母様!?」

 

 インド洋の海上の豪華客船の船上にてアンはコロニーがオーストラリア大陸に落ちる光景を目の当たりにする。

 

 そして、両親の死のショックで気を失い倒れるが専属のメイドであるミハルに抱えられて船室の自分の部屋で寝かされ、目が覚めたのはオーストラリア行きの豪華客船が母港のジブラルタルに引き返した後だった。

 

 目が覚めたアンは、当主である父親の死亡によりベルファスト領は次期当主のアンがまだ未成年だった事で王家預かりとなりフリークス家はアン以外の跡継ぎが出来る成人した一族が居ない事で議会への参加権が消失する。貴族の義務が未成年な為に出来ず没落した事と変わらないと王女からの連絡により知り、アンがベルファスト領を王家に返還する旨と爵位の返上を王女に願い出る。

 

 そして、アンは貴族としては没落はしたが母親が持つ商会に連絡を取り、フリークス家の諜報機関と連絡を取りながら情報収集を滞在先のパリのホテルで行っていた。そして、チベットの連邦議会本部に潜入していた諜報員から輸送中のコロニーの落下事件はジオン公国で起きた事件を連邦に対して非難する欧州連合への報復だと報告により知る事になる。

 

「絶対に許さない…」

 アンは絶対に許さないと呟き、柄に羊角の悪魔が描かれているのは、外務卿でありながら裏の顔である諜報機関であるフリークス家の家紋入りのナイフでツインドリルだった髪を肩辺りで掴みバッサリと切り落とす。

 

 毎日、お嬢様のツインドリルを巻くことに高いプライドを持っていた専属メイドのミハルは「なっななな」と連呼して絶句しながら卒倒したのだった。

 

 そして、アンは連邦の報告書とは別のジオン公国に関する報告書には、連邦への報復作戦に新型機を投入する為にパイロットの大量育成中だと記載してあり、第四次パイロット育成計画を理由にジオン公国の公都の士官学校への大量募集だと知り、両親の復讐の為とアンのままジオン公国に向かったのではアルテイシア公女の側近にされて復讐が出来なくなる事を危惧して男装し、偽名であるリアン・フリークスとして再びジブラルタルからシャトルに乗りジオン公国に向かい亡命し、第4期パイロット候補生として士官学校へ入学したのだった。

 

 

 

 同じ頃。

 

 

 ジオン公国のとあるニュータイプの研究機関。

 

 赤髪の一人の少女が同い年の金髪の少女にイジメられていたが、金髪の少女の側いる青髪の少年は彼女には一切興味は無かった。

 

 「いやぁ…そんな事言わないでよ…」

  

 「ハッ、出来損ないが何言っているのよ!」

 

 バケツで水を掛けられ、金髪の少女に蹴られそうになり少女は身を護る様に身を屈め、耳を両手で塞ぐ様に嫌々と首を振る。

 

 「ニュータイプとしては失敗作か…なら、始末するよりキリー中尉に預けるか…」

 

 こうして、一人の少女は連邦への報復作戦の準備に多忙を究めている北米方面の地上降下部隊の中隊長で当時中尉だったキリー・ギャレットに預けられる事が決まるのだった。

 

 そして、北米方面の戦線にて活躍したその少女は部隊の彼女達と一緒に心身共に成長して宇宙へと上がる事になり、キリー・ギャレット(再編成時には大佐に昇進)が総隊長を務める迎撃と防衛が専門の部隊(後のイチカの部隊もその一つ)とは別に編成された遊撃部隊の一つでエースパイロットが集められた部隊との顔合わせでエースパイロットの部隊にいた金髪の少女と再会して部隊と片想いのとある迎撃部隊の中隊長を馬鹿にされて、その迎撃部隊の副隊長と一緒に渾身の左右のストレートでぶん殴るのはまだ先の話である。

 

 

 「クソ親父!」

 

 令嬢でありながらも父親の胸倉を掴み、逆上するのは軍に入隊を止められた事だった。無論、その令嬢は入隊を辞める気は全く無い。

 

 「お前は、普通に結婚して幸せになれ」

 

 「巫山戯んな!」

 

 その令嬢は父親をぶん殴ると革袋を担ぎ屋敷を出ると、その足で軍に入隊してパイロット育成する為の学科を選び、パイロット育成の第3期生となり卒業後は地上の東南アジア方面の香港戦線にてMS‐07Aグフを駆り活躍し、イチカの部隊の隊員となるのはまだ先だった。

 

 

 

 

 一夏は偶然にも軍の演習場にて保護された。

 

保護した人物は、名前を変えて軍に入隊しており、演習場にて報復作戦に投入予定の新型の試作モビルスーツのMS-05ザクⅠの操縦訓練中だったシャア・アズナブルだった。

 

 「んっ?あの林から生命反応だと?」

 

 サイド3の軍事コロニーの演習場に歩兵部隊の訓練の予定はない。何故なら、このコロニーではモビルスーツの訓練しかやって居ないからだ。

 

 そして、今現在ジオン公国の軍事工廠がある月面のグラナダとアンマン、宇宙要塞のア・バオア・クーとソロモン。本国の軍事技術研究所とジオニック社とツィマッド社の各工場にて後継機のMS‐06ザクⅡが連邦への報復作戦開始であるUC.0078のXデーに向けて大量生産中だった。

 

 パイロットの大量育成が必要となり、士官学校を卒業したシャアは演習場にて訓練をしていたのだ。

 

 無論、シャアが乗るザクⅠの後方には同期のガルマ・ザビや黒い三連星と言ったパイロット達も訓練中だった。

 

 生体反応のした林には、椅子に縛られていた一夏が横たわり、お腹や肩からは拳銃で撃たれた様な後と流血している事から何かしらの事件に巻き込まれた可能性からシャアはザクⅠで一夏を回収し、一夏の身の安全を図る為演習場内の軍病院へと搬送するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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