UC.0079.11月初旬、連邦軍は敗北による敗北で地上での支配地域の八割を失う事となる。
宇宙でも同じで地球の軌道上からルナツーまでの航路は何とか維持は出来てはいたが、制宙権はジオン軍に制圧され、ルナツーから他のコロニーへの移動は通商破壊作戦の被害増大により移動は困難とされていた。
無論、軌道上からルナツー間でも同様に通商破壊作戦による被害は甚大であり、連邦軍ルナツー方面軍はルナツーに籠るしか護る手段は無く、辛うじて民間のシャトルやマゼラン級戦艦を囮としながら、ブースター搭載型のコロンブス級を使った鼠輸送で食い繋いでいた。
そんな状況を打破する為に連邦軍の反撃を縮小しながら、戦力の回復に力を注いでルウムの戦役以来の艦艇郡の大量建造とモビルスーツの大量生産により数の上では回復したが、その間に護衛任務でベテランパイロットを大量に損耗していた。
しかし、極初期型のジムが生産されてからは、全てのベテランパイロットを教官として後方に下げ、パイロットの損耗の被害は度外視による新兵だけによるモビルスーツの学習型コンピューターの育成を始め、漸くしてジオンのベテランパイロットを撃破出来るだけの蓄積に成功の例として、パナマ方面軍のリリス中尉がカルフォルニアベースのベテランパイロットの乗るザクF型の撃破と目の上のたん瘤だった一つの部隊を壊滅判定が出る被害を出させて撤退に追い込んだ事だった。
無論、リリス中尉が所属するウィッチハント隊もパイロットは無事だったが機体の方は壊滅だった。
そして、ジャブローの地下施設には打ち上げ待ちのモビルスーツが格納が出来る航空巡洋艦型のサラミスが200隻と搭載数は航空巡洋艦型の半分だが、対空兵装増強型の防空巡洋艦が同じく200隻が建造され待機しており、マゼラン級戦艦の他にグワジン級戦艦の対抗策としてバーミンガム級戦艦もあり、ルナツーの艦隊を併せればルウムの戦役で壊滅した艦隊が3回は建て直せる艦艇が揃ったのだった。
UC.0079.11月中旬。
連邦軍はジャブローの打ち上げ施設では、大艦隊の打ち上げ準備が整い、順次サラミス級が打ち上がって行く。無論、バーミンガム級も打ち上がる予定であり、打ち上げた後、連邦軍の大艦隊は一路ルナツーへ向かい、ルナツーから出撃するルナツー艦隊と合流して、ソロモンへ攻撃予定だった。
先に打ち上げられた、ペガサス級強襲揚陸艦であるトロイホース、ホワイトベースなどの四隻はルナツーに一足先に向かい、ルナツーに集めたモビルスーツであるRX-78-3のG3ガンダムやフルアーマー計画のFA-78フルアーマーガンダム、ニュータイプ専用のガンダムとしてRX-78-NT-1ガンダムアレックスなどのガンダムタイプを搭載する予定であり、トロイホースの搭載機としてFA-78フルアーマーガンダム4機とガンキャノン重装型の4機、RX-78NT-1ガンダムアレックスが搭載予定だった。
ホワイトベースには、アムロ・レイの専用G3ガンダムやガンキャノン後期生産型を4機、ジム・スナイパーカスタム4機を搭載予定だった。
地球軌道上の艦隊もモビルスーツが搭載され、ジム後期生産型と陸戦型ジムを宇宙用に改装したりとジャブローのモビルスーツを根こそぎ積んだのだ。
それでも足りないモビルスーツは、作業用ポットに120ミリ無反動砲を搭載したボールを積んだりて形振り構わない状況であり、パイロットも学徒動員で確保されたが、質のジオン軍と量の連邦軍。
その様な状況にレビルは溜め息しか出なかった。
無論、ジオン軍側も迎撃準備が始まり、ソロモンの居住区は疎開命令により住民はサイド3へ疎開し、地上では欧州連合が大量の輸送艦による打ち上げで大量のパイロットをア・バオア・クーへと送り込み、モビルスーツを受理したパイロットは、ソロモンの補給艦隊に送られて来ており、ソロモンのモビルスーツハンガーは格納が限界を越えた数のモビルスーツが待機していた。
月面都市でも似たような状況で、モビルスーツの量産は24時間態勢で製造され、武器弾薬もア・バオア・クーの工廠とソロモンの工廠がフル稼働だった。
俺達、343迎撃防衛大隊の任務は周囲の警戒任務に加え、技術士官による防衛衛星の設置とソロモンに近い暗礁宙域に弾薬や燃料などが補給出来る簡易型ドックハンガーを設置して岩礁にカモフラージュする作業など多彩な任務が待っていた。
また、退役した輸送艦をソロモンの外壁に取り付けて、ア・バオア・クーから送られて来た部隊の入り切らないモビルスーツへのハンガーにしたりと迎撃態勢は整いつつあった。
無論、ア・バオア・クーからだけでは無く、月面都市郡やサイド3の本国からも待機している艦隊や連邦軍のコロニー駐留艦隊を撃破した部隊までもがソロモン宙域に集まり、俺が連邦軍の兵士なら逃げたくなる数の艦艇が集結していた。
更に朗報があり、キマイラ隊とサイクロプス隊の合同部隊が、連邦軍の秘密兵器とされた太陽光を利用した兵器ソーラシステムの輸送艦艦隊を発見して殲滅した報告には、ソロモンの正面のNフィールドを担当予定だった迎撃防衛大隊の総隊長のキリー大佐が安堵していたほどだった。
そろそろア・バオア・クー駐留艦隊が到着する頃だが、ソロモンには最大の増援が到着する。
「嘘でしょ!?」
警戒任務中のノイジー・フェアリー隊の第一小隊の隊長キリー大佐が驚いたのは、アステロイドベルトに居る筈の宇宙要塞のアクシズの到着だった。
アクシズの艦艇用のゲートが開かれ、大量のアクシズ駐留艦隊が姿を現す。
無論、サダラーン級戦艦四隻が現れ、アルテイシア女大公が座乗するサダラーンの左右に2隻が広がり、ジオン公国軍総旗艦を護衛する形をとる。
ソロモンに現在駐留する艦隊
サイド3本国艦隊
旗艦 サダラーン
グワジン級6隻
チベ級重巡洋艦20隻
ムサイ級巡洋30隻
ドロス級6隻
ア・バオア・クー守備艦隊
グワジン級6隻
チベ級重巡洋艦30隻
ムサイ級巡洋艦45隻
ドロス級2隻
ソロモン駐留艦隊
グワジン級6隻
チベ級重巡洋艦30隻
ムサイ級巡洋艦30隻
ドロス級2隻
アクシズ駐留艦隊
サダラーン級4隻
グワジン級8隻
ムサイ改級巡洋艦60隻
デラーズ艦隊
グワジン級1隻
チベ級重巡洋艦10隻
ムサイ級巡洋艦15隻
シーマ艦隊
ザンジバル級1隻
ムサイ級巡洋艦35隻
キマイラ隊
ザンジバル級2隻
ムサイ級巡洋艦10隻
各コロニー駐留艦隊
ムサイ級巡洋艦が各5隻×サイド数8で40隻
月面都市駐留艦隊
グワジン級1隻
ムサイ級巡洋艦30隻
以上がソロモンに集結した艦隊郡である。
但し、疎開命令で疎開した民間人を乗せた輸送艦の護衛任務で40隻のムサイ級巡洋艦と本国防衛艦隊のグワジン級1隻を旗艦としてムサイ級巡洋艦25隻を併せた66隻はサイド3に駐留が決定している為、ソロモン防衛には参加はしない。
ソロモンに集結した艦隊だけでも連邦軍のソロモン攻略艦隊よりも多く、連邦軍は絶望的な艦艇数と待ち受けるモビルスーツの数を知るのは暗礁宙域を抜けた直後だった。
連邦軍の艦隊は3つの艦隊に別れ航行していた。
無論、Sフィールドに向かった艦隊にはソーラシステムを載せたコロンブス級が居たが、ジオン軍のモビルスーツ隊の襲撃に遭いソーラシステム毎コロンブスが沈められて喪失する。
「ソーラシステムまで失ったか…」
落胆するレビルに新たな報告が入る。
「えっ…嘘でしょ!?
前方に展開する艦隊を発見!!
数は…我が艦隊の数倍以上!」
「なっ、何だと!?」
ジオンはソロモンで雌雄を決める積りだと理解するが、ソロモンの要塞の脇にはアクシズの要塞がある事に気付いた。
「上層部の馬鹿共が!」
レビルは上層部を罵るが、意味は無い。
連邦軍の引き起こした『ダカールの悲劇』さえ起こさなければ、アクシズの参戦は躱せた筈だった。
中立だったお陰で戦略物資である希少金属や核融合炉の燃料となるヘリウム3も入手出来る筈だった。
あの虐殺事件によりアクシズの参戦を決定付けた上層部の無能さに呆れるしか無かった。
「ミサイル艇を出せ!
ビーム撹乱膜を撒き、艦隊の被害を抑えろ!」
ビーム撹乱膜のミサイルを積んだミサイル艇がコロンブスから吐き出され、数百機が出撃するが、ソロモンの周辺には迎撃用のミサイル衛星が大量に配置されていた。
ミサイル衛星に積まれたレーダーに捕まれば最後。
「うわぁぁぁぁ!?」
数百機のミサイル艇は暗礁宙域を出る事無く、迎撃用ミサイル衛星のレーダー網に捕まり大量のミサイルに迎撃され全滅したのだった。
無論、ミサイル衛星の対象はミサイル艇だけでは無く、レーダーに捕まったサラミス級とて同じ末路となり、幾らサラミス級が弾幕を張っても大量のミサイルを迎撃するのは困難であり、1発や2発なら何ともないサラミスでも数十発を浴びたサラミスは爆沈する。
それでも、レビル艦隊は前進を選ぶしか無かった。
Nフィールドでも、同様の戦闘が起きていた。攻略する艦隊はルナツー艦隊とペガサス級を併せた挺身艦隊だった。他の艦隊よりいち早くトロイホースから出撃したモビルスーツ隊はソロモンを目指して突撃するが、大量のミサイルを掻い潜りながら防衛衛星を抜けたが、待ち受けるのはキリー大佐率いる343迎撃防衛大隊だった。
無論、トロイホースは全てのモビルスーツを吐き出した直後にミサイルを浴びて轟沈する。
「ちくしょう!
俺達の母艦が」
ウィッチハント隊の隊長は、母艦がやられた事に気付くが、引き返すにはまた、あのミサイル衛星のミサイルを掻い潜らなくてはならない為、前進を選ぶ。
「あっはぁ♡
見付けたわよ!!
この魔女共がぁぁぁぁ!」
そして、フルアーマーガンダムに乗るリリス中尉もノイジー・フェアリー中隊を見付け突撃する。
地上戦線から愛用するダブルビームサーベルを抜き、トップ少尉のリックドムⅡを斬り裂き撃破する。
リリスが現れた事に気付いたアルマは、第ニ小隊を逃がすべくティターニアを加速させて、フルアーマーガンダムに斬り掛かる。
「部隊はやらせない!」
「見付けた、見付けた!
魔女が!
死ねぇぇぇ!!」
ティターニアとフルアーマーガンダムの激闘が始まるが、戦闘は呆気なく終わる。
「周りを観ないからだ!」
「なっ!?
クソがぁぁぁぁ!!」
剣部隊の隊長機のイチカのYMS-11CR高機動型ゲルググが斬馬刀で周りを観ずにアルマに執着するリリスのフルアーマーガンダムの手足、頭にキャノンを斬り落として撃破する。無論、アルマに向けてフルアーマーガンダムを蹴り飛ばせば、リリスのフルアーマーガンダムは拿捕され、近くのハンガーに運ばれ捕虜となった。
イチカの高機動型ゲルググの動きはアルマのティターニアで追うこと叶わず、唯一、追い付くのはアンの高機動型ゲルググのみだった。
そして、次に厄介な機体を狙う。
クスリティーナ・マッケンジー大尉が乗るガンダムアレックスだった。
「くっ、白いゲルググに狙われた!?」
クリスもイチカのゲルググにビームライフルを放つが当たらない。いや、味方の放ったビーム撹乱膜が原因だった。
迎撃防衛大隊は、稼働時間優先するためにビームライフルは一切使わず実弾兵器を使っていた。逆にビーム兵器を使う連邦のモビルスーツ隊は自分達が放ったビーム撹乱膜に苦しめられる状況であり、迎撃防衛大隊の有利な状況だった。
イチカは素早く、斬馬刀をバックパックのラックにしまい、マシンガンで乱射を浴びせクリスのアレックスのチョバムアーマーを破壊する。
無論、チョバムアーマーを破壊されたアレックスは機動性が上がるが、ジオン製のLKP-110ミリマシンガンの威力に危機感を覚え、ビームサーベルを抜き接近戦を仕掛けたが、それはイチカが張った罠だった。
アレックスは慌てて接近戦を仕掛けたが、インファイターなイチカの相手にすらならずにリリスのフルアーマーガンダムと同様に斬馬刀で手足頭と斬り裂かれ、アンの方に蹴り飛ばせば鹵獲対象の機体は既に鹵獲となり、リリスと同じく捕虜の運命なクリスだった。
「後は撃墜で構わないな!
各機、必ず2機一組で迎撃しろ!」
切り込み隊長のイチカの激に剣部隊は、一気に暴れ出した。シャーロットのリックドムⅡはイチカの斬馬刀を気に入り、彼と同じ斬馬刀を振り回しながらガンキャノン重装型を斬りまくり撃墜を増やす。無論、バディのミチルもアクト・ザクで暴れ回り、ジャイアントバズーカで、ミサイル衛星から抜けてきたホワイトベース隊のガンキャノンに放つが、回避が甘く頭部を破壊されて漂流する。
そして、連邦軍の第一次攻撃隊が全滅すると俺達は近くのハンガーに撤退する。弾薬と燃料の補充の為だった。
「一先ずは凌げたな。
俺達の部隊は殺られたのは?」
「剣部隊の戦死は5人。イチカ以外の男性達全員ね。」
「第一次攻撃後に生き残った剣部隊のメンバーは、俺とアン、シャーロットにミチルの四人だけだな。」
腕は悪く無かったが、ウィッチハント隊との激戦で隊長機のフルアーマーガンダムに食われたらしく、俺が残りのフルアーマーガンダムに集中して撃墜している間だった様で、隊長機のフルアーマーガンダムはキリー大佐が接近戦に持ち込んで、ビームキャノンを零距離射撃で命中させて撃墜したとアルマから聴いた。
無論、ノイジー・フェアリー中隊も被害は深刻で第一小隊はセレナが負傷して後方に下がった以外は無事だったが、第ニ小隊はトップ少尉と元ノイジー・フェアリー隊副隊長だったバルバラ中尉が続けて戦死し、隊長機のエメ中尉の機体とリリス少尉の機体がジム・スナイパーカスタムによる狙撃で損傷してジーメンス中尉と後方に下がって機体の修理を受けて居るが前線に戻るのは無理だろう。
そして、第三小隊も同様にホワイトベース隊のジム・スナイパーカスタムとの戦闘により全滅。応援に駆け付けたマツナガ小隊が殲滅したが、マツナガ少佐以外の小隊の機体が全滅して後方に撤退していた。
サザンクロス隊とレッド小隊は全機が全滅。
ホワイトベース隊のガンダムタイプと戦闘した結果が全滅だった。
ガンダムタイプは、後方のソロモンへと抜けられたが、後方で待ち構えていたパーフェクト・ジオングに乗るシャア大佐とアクシズの増援部隊のハマーン・カーンが乗るペズンドワッジにより撃破されて、脱出したパイロットは捕虜となったらしい。
「次のお客さまが来たわ!」
「うっ!?」
「シャーロット、どうした?」
「ゴメン、私、生理で無理かも…」
連邦軍の第二次攻撃を前にシャーロットは生理による生理痛でダウンする。
「ミチル、悪いがシャーロットを連れて後方に下がってくれ。ミチルのアクト・ザクのスピードなら後方のシーマ艦隊まで逃げ切れるだろうしな。」
「私も後方ですか!?」
「シャーロットの様子ではモビルスーツの操縦は無理だ。なら、剣部隊で一番速い機体であるアクト・ザクなら一時後退は可能だと判断した。」
「判りました。
イチカ、必ず生き残ってね。」
「隊長、私も無事を祈ります…」
シャーロットとミチルはアクト・ザクで後方に下がり、シーマ艦隊の旗艦に辿り着き、シャーロットは医務室にて酷い生理痛で寝込むハメとなる。
ミチルもイチカ達の前線に戻ろうとしたが、艦隊戦が始まった事で戻るのは危険だとシーマ中佐によって禁じられ、シャーロットの看病を命令される。
そして、月夜のフェンリル隊は全機が無事だったが、ホワイトベース以外のペガサス級を全て撃沈した代償に機体の損傷が酷くて後方に下がったと知るのは、俺達が第二次攻撃隊と戦闘を始めた直後だった。