シャアに拾われた件について リメイク   作:ロドニー

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 イチカの士官学校入学からルウムの戦役による開戦。新たな出会いと別れ。イチカはどの様に成長するのだろか。


士官学校の入隊とXデーのルウムの戦役

 

 

 俺が目が覚めたのは、白い壁の病室だった。

 

 撃たれた後の記憶は全く無く、病室の窓の外を観れば広大な演習場らしい場所には巨大なロボットが動いていた。

 

 「此処は?」

 

 「目覚めた様だね」

 

 銀色のヘルメットと仮面を付けた男性の軍人が話し掛けられれば普通は恐怖するが、何故だか怖いとは思えない。

 

 「済まないが、キミの荷物は調べさせて貰ったが、サイフには身分証明となる旧暦の入った保険証あったのだが?」

 

 どうやら、俺が治療中の間に調べたらしい。

 

 「えっ?旧暦ですか?西暦20xx年ですよね?」

 

 「今は宇宙世紀0075年だ。」

 

 「「…」」

 

 二人の言う年代と場所がかみ合わない事に暫しの沈黙が流れるが、気を取り直したシャアが尋問して、一夏が答えて行きシャアは一夏の答えている内容に嘘がない事から、この世界の人間ではない事に気付き、一夏の身分の保証を保証する為に自身の上司である宇宙突撃軍の司令官のドズル・ザビ中将に合わせる事を決める。

 

 案の定、一夏はドズルに会うと気に入られたとシャアは二人の馬の合う雰囲気に思ってしまった。

 

 武人タイプで猛将なドズル閣下もだが、一夏も未熟ながらも成長すれば猛将とはまでは行かないが武人タイプに成る人種だと感じた。

 

 「そうか、そうか! がっはははは!」

 

 一夏の身の上話を聴き、一夏のこれまでの生い立ちに労いながら盛大に笑うドズル閣下とドズル閣下に認められ俯きながら大粒の涙を流す一夏の姿に戸惑う私にドズル閣下は顔を向けて真剣な顔付きとなる。

 

 「でん…シャア少尉。俺は、周りの人間に悪意に晒されても真直ぐな心のまま努力と研鑽を忘れないこの少年が気に入った。悦んで、少年の後見人になろう。だが、入隊させるにも第4期パイロット候補生の入隊までは時間があるだろ?」

 

 「第4期の士官学校の入学と入隊式までは、二月程かと」

 

 「なら、少年のリハビリの序に俺の屋敷で面倒を見てやろう。丁度、娘が三歳だ。短期間だが、相手にぴったりだろう」

 

 確かにドズル閣下には三歳になるミネバがいた。

 

 そして、あの正妻に肩を持つこと無く切り捨てたデギン前侯爵の理由が大公の暗殺に関わったら、ザビ家一族と一門は全員、大公暗殺未遂とは云え法律上では一族全員の処刑しかない。もしも暗殺に関わったならば、初孫であるミネバにまで累が及び、可愛い初孫のミネバが斬首にされかねなかった。

 

 だから、デギンは計画を知り次第、ザビ家内での処理に済ませ、大公の正妻のみが立てた暗殺計画としてギレンに逮捕させて、累が及ぶ前の大公暗殺計画の段階で重罪人として処刑させた経緯だった。

 

 (本来の歴史なら、暗殺は成功しザビ家によるジオン公国が乗っ取られる歴史だったが、ミネバが本来の歴史より3年早く産まれたことでデギンが正妻の暗殺計画を躊躇った為に歴史が変わったと言える。)

 

 こうして、俺は士官学校に入学するまでだが、ドズル閣下の屋敷で世話になる事になる。

 

 「今、帰ったぞ!」

 

 「ぱぱ〜!」

 

 退院後、ドズル閣下に連れられ閣下の屋敷へと向うが、屋敷の玄関を開けた途端に俺達を迎えたのは、奥からトテトテと廊下を走る小さな幼女だった。

 

 「今、帰ったぞ!」と小さな幼女を抱き上げる。

 

 「ミネバ、今日から二ヶ月程だが世話になる一夏だ。」 

 

 「いちか?」 

 

 「織斑一夏です」

 

 「よろちくね!」

 

 これがミネバとの初めての出会いだった。

 

 後に、アクシズのハマーンを幼児退行させてまで巻き込んだ鈴音と嫁ズ連合vsミネバによるガチンコの正妻に対する下克上を狙った騒動を引き起こすとは、俺には分からなかった。

 

 ただ、言えたのは…

 

 

 短い間だったが、ミネバにおやつとしてホットケーキを焼いたり、ドズル閣下の奥様にお茶会に出す茶菓子を頼まれ、ドイツの伝統菓子でバームクーヘンのケーキ版のシヒトトルテという20層の生地を焼き重ね、チョコでコーティングしたケーキや鈴音の生まれ故郷の中国の伝統菓子等を数種類を作ったりした。

 

 勿論、奥様だけでは無く、料理長の体調不良の代役にミネバを観に来たキシリア閣下やギレン閣下、ガルマ少尉に夕食を作るのをドズル閣下に頼まれ、ドズル閣下の一家と姉弟との晩餐メニューを作り、メニューを元に料理を作りながら屋敷のメイド達が出来た料理をサーブする。俺の料理を食べた姉弟達を唸らせたりした。

 

 無論、士官学校に入る事は決まっている為、ドズル閣下に頼み過去の問題集を買って貰い勉強したら、束姉に教わった内容と全く変わらずに拍子抜けだったが、最新兵器の項目だけは徹底して勉強した。

 

 そして、今…

 

 「イチカが行っちゃやだぁぁぁぁ!うわぁぁぁん!!」

 

 軍の士官学校の入寮の為、ミネバとお別れの日、親と離れたくない子供のコアラの様に抱き着かれ大泣きされたのだ。

 

 「ほら、イチカを困らせたら駄目よ。」

 

 奥様が宥めるが一切の効果も無い。

 

 「やだ、やだ、やだ、やだ!イチカは、ミネバとずっと一緒にいるの!おいちぃ料理を作ってくれるイチカをお婿さんにするの!」

 

 「「「はっ!?」」」

 

 ミネバの息継ぎ無しで言い切った最後の一言に三人は「はっ」とハモるが、無表情化したドズル夫妻はグッルンと俺に顔を向ける。

 

 「ミネバを嫁にやらんぞぉぉぉ!」

 

 とドズル閣下が叫び。

  

 「あらあら、ウフウフ…」

 

 と何故か無表情から頬を桃色に染めながらも右頬に手を当てながら微笑ましくミネバを生暖かく観ながら微笑し始めた奥様。

 

 そして、未だに嫌々と駄々を捏ね抱き着いたまま離れようとはしないミネバ。

 

 正にカオスだった。

 

 結局奥様が無理やり引き剥がしたが、納得出来ないミネバの耳に小声で囁く『ミネバ、ちょっと聴いた話だとイチカ君には好きな異性が居るらしいわ。士官学校が休みの時には戻るらしいわ。だから、これはチャンスだから、イチカ君を好きな異性から奪う気持ちでガンガン攻めなさい』と聴こえたが、きっと気の所為だろう。

 

 気の所為だと思いたかったが、奥様の囁きにキラキラした瞳に変えたミネバはトテトテと俺の所まで来ると飛び付き、『チュッ』と頬にキスをして奥様の所に戻る。

 

 「イチカ、またね!」

 

 「なっ、ななな!?」

 

 「あら、まぁ♡」

 

 ドズル閣下は、娘の初恋の彼が出来ましたとう事実にただ、放心した様に固まるだけだった。

 

 こうして、ドズル閣下の屋敷での生活は終わりを告げ、ジオン公国の士官学校に第4期パイロット候補生として入隊したのだった。

 

 

 UC.0076.4

 

 俺はジオンの士官学校へと入学した。

 

 無論、筆記試験は首席となるが次席だった少年のリアンには入隊式の後に睨まれながら一言言われる。

 

 「貴方には負けないから」

 

 少年はリアン・フリークスと言う名前で地球圏から亡命して来たらしい。他にも女性のパイロット兼士官候補生として入隊したアイナ・サハリン、パイロットの訓練をする為に軍の中尉が後見人として入隊したアルマの他にも沢山のパイロットや士官候補生が入隊する式だった。

 

 寮に入寮するに至り、炊事洗濯や部屋の掃除は自分達で行う為に二人一組となるバディが男女関係無く決められるが、先輩達から聴いた話によれば男女と一緒になった相部では何組のペアは恋仲となって結婚し、そのまま軍に入った者も居るらしい。

 

 勿論、俺の相方は一つ年上の男性で第3期生だったが留年した14歳のジャックとなる。

 

 士官学校入隊後の一年目は殆どが座学となる。

 

 ただ、俺は入試試験の内容から二年目の内容を受講した方が良いと教官から言われ、飛び級試験を受けて試験は合格し、二年目からとなるモビルスーツの操縦訓練やモビルスーツに関する座学をやる事に成るが、意地で飛び級試験を受けて合格した同期のリアンとリアンをライバル視していたアイナ(入学した時点でリアンを女性だと気付き、リアンの正体が公女殿下のお気に入りで何度も側近に誘われていたアンだと知り、嫉妬心からライバル視していた。)も合格し、リアンからは常にライバル視され訓練や座学といった科目で散々絡まれる事になる。

 

 ジャックは少尉になる為の試験が落第により留年して、元々第3期生だった為にモビルスーツの操縦訓練を受けていた。

 

 そんなある日の事だった。

 

 「うわぁぁぁぁ!?」

 

 「ジャック先輩!?」

 

 「キャぁぁぁぁ!?」

 

 「アリス!!」

 

 訓練用のモビルスーツは、MS‐05からMS‐06ザクⅡA型へと変わり、スラスターや姿勢制御などの操縦技術はさらに求められていた。

 

 そんな暗礁宙域での回避実地訓練の最中だった。

 

 暗礁宙域にある岩礁を躱して行く操縦訓練の最中、同じ訓練をするメンバーはパイロットの評価が上位の7名が固定され、鬼教官と有名な教練大隊の総隊長のマシマ大尉が行っていた。

 

 教官のマシマ大尉の機体は旧ザクから更新されたばかりのザクⅡC‐6型(Xデーの作戦目標が制宙権の確保へと目標が変更となり、サイド3以外のコロニーに駐留する連邦軍の艦隊への核攻撃の必要が無くなった為、耐核装備を外したザクⅡF型寄りの機体)を先頭に俺の訓練機型のザクⅡA型、ジャック先輩のザクⅡA型、リアンのザクⅡA型、アイナのザクⅡA型、リアンの同室でバディのアリスのザクⅡA型、同じザクⅡA型を乗りパイロット候補生兼士官候補生で女性のエマァ・ダイス(後に開戦時大尉だったジョニー・ライデンの僚機をソロモンで部隊の再編成になるまで務めた後、総隊長に就任し大佐に昇進したキリー・ギャレットが率いる343迎撃部隊で地上戦線では小隊だったが、部隊はカルフォルニアベースの放棄と同じくして宇宙に上がりソロモンでの再編成では中隊になりパイロットと隊員が増員されて迎撃部隊第1中隊のノイジー・フェアリー中隊(通信コードは妖精、イチカの部隊は第六中隊で通信コードは剣(つるぎ))の総隊長で中隊の中隊長キリー・ギャレット大佐の僚機で副隊長に抜擢される。)。 

 

 エマァと同室となり、Xデーの地上降下作戦までだがモビルスーツの操縦訓練に今日から加わった北米の地上方面軍の中隊長のギャレット中尉が後見人を務めているアルマのザクⅡA型の8機だった。

 

 「そんなんでは、連邦の戦艦の弾幕は躱せんぞ!」

 

 連邦との小競り合いながら実戦経験があるマシマ大尉の叱咤の最中、岩礁を避けながら操縦する。しかし、操縦ミスしたジャック先輩のザクⅡが岩礁と衝突し、頭部を岩礁に破壊されながら機体は振り子の様に岩礁と衝突してザクⅡは爆発する。

 

 リアンとアイナは事故を起こしたジャック先輩のザクⅡを咄嗟に左右に別れて爆発から避けたが、後方にいたアリス機が避けきれずに爆発をするジャック先輩のザクⅡに巻き込まれ、脚部の破片であるシリンダーパイプがアリス機のコクピットハッチに刺さり、コクピットに居たアリスはコクピットハッチを突き抜けて来たパイプがノーマルスーツの頭を護るヘルメットのバイザーを破壊、顔へと刺さりアリスは即死する。

 

 そんな事故で、ジャック先輩の遺体は爆発により消滅したが、機体はコクピットにシリンダーが刺さっただけで無事だったザクⅡからアリスの遺体が回収可能だった為、訓練は一時中止となる。

 

 此処で問題が起きる。

 

 俺とリアンの両方のバディが死亡した事により部屋割りの変更が起きたのだ。

 

 俺のバディで同室だったジャック先輩は、生活面でお互いが几帳面だった為に部屋を散らかす問題は無かった。

 

 しかし

 

 リアンだけは大問題だった。

 

 寮長の話によれば、炊事と家事に洗濯などの生活面が壊滅的だった事が問題だった。

 

 バディで同室だったアリスの綺麗好きな性格のお陰で部屋は汚部屋にならずに寮の部屋は綺麗だった。寮長のマシマ大尉の多数いる奥様の一人のエリザベス中尉の命令により、家事炊事と万能なイチカが選ばれ、不仲説がある中でバディとしてリアンと同室となったのだ。

 

 そして、更なる事件が起こる。

 

 リアンと同室となったがリアンが無視する為に会話という会話はない。リアンは俺をライバル視しており張り合う為だと思う。

 

 俺は必要な座学の課題を既に終えて免除だった。モビルスーツの操縦訓練は午後からだった為、リアンが散らかした部屋を片付けた後、浴室のシャンプーとボディーソープや洗濯洗剤を切らしていた為に購買へ買い出しの後だった。

 

 リアンも午前の座学が早く終わり、イチカが買い出しで居ない間に部屋でシャワーを浴びるチャンスだった。

 

 サラシを外せば、窮屈だった胸は開放感に満たされ、やや冷たいシャワーは午前の座学で溜まった体内の熱を冷ましてくれていた。

 

 「あれ?シャンプーがないわ?」

 

 シャワーに満足した、リアンは鬘を外し本来の金髪に戻してシャンプーしようとしたら、シャンプーが空だった。

 

 そんな時だった。

 

 「シャンプーとボディーソープを補充するから開けるぞ!」

 

 イチカだった。

 

 咄嗟に浴室の鍵を掛けようとしたが、イチカの扉を開けるのが速かった。

 

 そして、イチカに全裸を観られたのである。

 

 そう、俺は一生忘れられないだろう。

 

 御椀サイズの双丘。

 

 綺麗なハチミツ色いやゴールデンハニー色の綺麗な金髪と生え始めたばかりの髪と同じ色の陰毛。

 

 無論、ジロジロと観る積もりは無かったが、髪を黒くすれば恋人の鈴音に瓜二つなそっくりな顔立ちに見惚れてしまったのだ。

 

 「キャぁぁぁぁぁ!!」

 

 「へっぶらぁ!!!?」

 

 彼女は胸を隠しながら悲鳴を上げ、同時に顔面に襲われる衝撃。

 

 そう、彼女が顔を真っ赤にしながらキッと睨み、全力のパンチが俺の顔に炸裂して、俺は意識を飛ばしたのだった。

 

 そして、意識を取り戻した俺は椅子に縛られていた。

 

 無論、彼女は男装を辞め私服だろうワンピース姿だったが、右手には支給されている軍用の拳銃が握られていた。

 

 「さて、イチカ。申し開きは?」

 

 「とても綺麗でした!」

 

 やけくそ気味に言ったが、鈴音との経験から正直に綺麗だったと言って置こう。

 

 「まぁ、ありがとう。イチカ、何故男装していたかは興味はないの?」

 

 「いや、男装だとは気付かなかったが?」

 

 彼女は溜め息を吐き、拳銃をベッドの上に脱ぎ散らかした軍服へとしまう。

 

 「まぁ良いわ。でも、貴方には責任を取って貰うわよ?未来の旦那様?」

 

 「何故!?」

 

 イチカには不思議だった。

 

 彼女の全裸を観ただけで、彼女を嫁にする理由が分からなかった。

 

 「私の本名はアン・フリークスよ。まぁ、貴族籍を返上する前の名前はアン・ベルファスト・フリークス。元は地球圏の欧州連合の大英帝国の辺境伯爵令嬢よ」

 

 「貴族?」

 

 「つまり、貴族令嬢の裸体を観たのだからイチカは、観られた事で嫁入り先が無くなった傷物令嬢を責任を取って娶ると言う意味よ」

 

 「そっ、そんな!?

 

 俺には鈴音が居るんだ!」

 

 「私は貴方の一番の女に成るつもりは無いから、一番大切なスズネを大切にしなさい」

 

 と言われ、この日のアンとの会話は終わり、俺は操縦訓練へと向うがアンだけは操縦訓練を休み自身の登録変更の為に士官学校の事務へと向かい変更手続きを始め、士官学校の同期や先輩方にアンの男装がバレ女性だったと知られ、吹っ切れたのか女性用の士官服に変え、名前もアン・フリークスとして元に戻したらしい。

 

 そう、この日を境に俺とアンはバディの関係から婚約者となったのだった。ただ、アンとの婚約を知ったミネバは数日程だが荒れに荒れたらしいが、公国では重婚が許されているとミネバが勉強した法律書で知り、更に眼をギラつかせたと呆れ顔のドズル閣下から知ったのだった。

 

 アンが男装から元の姿で女性用士官服にした事で、アンが士官学校で見つかったと知ったアルテイシア公女がコロニー落としから無事だった事と再び側近に誘えると喜びながら士官学校に特別入学する事になるが、3年目の士官教育中のアンの姿と次席である事実にアルテイシア公女の負けず嫌いが入学後に炸裂する。

 

 1年目科目は、公太女就任式前に終わる学習工程だった為に飛び級し、二年目科目のパイロット教練とモビルスーツに関する座学は教官をも唸らすモビルスーツの操縦技術を習得し、座学も飛び級可能な成績を修めたのだったが、イチカに対して負けず嫌いなアンは少尉に成るための試験にイチカと同点の成績でイチカとのダブル首席となる。早くアンの居る学科に行きたくて、頑張るアルテイシアだったが公務に邪魔された挙句に士官学校を卒業出来たのは反攻作戦が実施された後であり、イチカとアンは卒業してジョニー・ライデン大尉が率いる通商破壊の部隊に配属された後だった。

 

 UC.0078.2月。

 

 士官学校に入り、あれから二年。

 

 士官学校の授業とモビルスーツの訓練は佳境に入り、俺とアンは中尉と成る可く試験勉強の最中だった。

 

 本来なら、少尉の段階でドズル閣下の突撃宇宙軍のドズル閣下が直接指揮を執る突撃中隊に実戦配備の予定だったが、指揮官不足と欧州連合に配備予定のザクⅡJ型改(欧州連合仕様 両肩のシールドとスパイクアーマーを外し、陸戦型ジムの肩のアーマーを着けたタイプで武装は欧州のクラップ社製110ミリマシンガン(デニス用マシンガンと同じ)とヒートホーク、ラインメタル社製156ミリ対艦ライフルを装備している。後にジオン製マシンガンや対艦ライフルより対モビルスーツ戦において高性能なため宇宙軍にも採用される。)の量産体制が間に合って無く、極秘で量産施設がある地球圏内の基地である東南アジア方面のラサ基地、欧州方面のオデッサ基地、アフリカのキリマンジャロ基地で同時決行時分は量産済みだったが、北米方面軍の分は決行までに間に合うのか疑問だったが、退役間近の旧ザクを配備する事で決行までに間に合うらしいが、指揮官不足はマズイと中尉と中隊指揮の勉強の為に卒業が延びたのだ。

 

 アルマはパイロット資格を取り少尉として卒業する。

 

 アルマはギャレット中尉の元に戻り、地球降下作戦までソロモンに待機となり、降下後は北米方面軍はカルフォルニアを制圧後に基地を作り南米方面の連邦軍に備えるらしい。

 

 

 

 

 UC.0078.5月 ルウムの宙域

 

 オーストラリアへのコロニー落とし以降は小競り合いはあったが連邦軍は未だに動きを見せないジオン公国は反撃する気は無いと思い込み、連邦は欧州連合(オーストラリアでは大敗北だったが、ジオン公国とは同じく欧州連合も反撃する為に極秘裏に武装の強化やXデーまでに基礎工業力を上げてモビルスーツの量産の準備の為に小競り合い程度に大人しくしていた)を武力で解らせた様にサイド3を制圧する為にルウムの宙域に集結中だった。

 

 サイド3制圧する為、連邦軍の艦隊の主力艦であるマゼラン級戦艦が約50隻にサラミス級巡洋艦は約80隻、補給艦であるコロンブス級が30隻が集結予定だった。

 

 そんな油断していた連邦軍とは逆にジオン公国軍は、グワジン級戦艦8隻、ドロス級が1隻、チベ級重巡洋艦が6隻、ムサイ級巡洋艦が30隻と連邦軍と比べて少なかった。それは、最新兵器であるミノフスキー粒子の散布下では通常レーダーや通信などが全く使えなくなる為、対応した最新のレーダーや通信機などの細かな宇宙艦艇の改修作業の為にルウムの宙域に派遣出来るモビルスーツの数を抜いた最大の艦隊だった。

 

 正規の主力艦同士の艦隊戦なら圧倒的数の連邦軍の勝利だろうが、ジオン公国軍が保有する艦船の全体の二割程度であり、この艦隊改修作業が終えた艦隊とは別に欧州連合が建造した大気圏突入が可能なモビルスーツ運搬用輸送艦と作戦後に改修予定だった地上用モビルスーツを満載したドロス級が2隻に護衛のモビルスーツを満載し、ムサイ級巡洋艦が20隻が地上降下作戦の為にソロモンから大艦隊を引き連れて決行が間近だった。

 

 「かなり、気が弛んで居るようだな」

 

 連邦軍ジオン公国制圧艦隊旗艦のマゼラン級戦艦のアリゾナの艦橋では、レビル将軍が軍規が乱れている事を艦長に苦言する。連邦内の将校達はあのコロニー落とし以降から全く大人しいジオン公国は腑抜け集団だと揶揄し馬鹿にする風潮だった。しかし、艦隊司令だったレビルは腑抜けではなくただ、『力を蓄え反撃する為にひたすら刃を研いでいたのでは?』と小競り合いとも言える公国との小さな戦闘の結果と報告書から読み取れたのだが、他の将校達は見向きすらしなかった。

 

 

 そんな時だった。

 

 「レーダー、通信に異常あり!使用不能です!」

 

 「やはりな…」

 

 レーダーと通信のオペレーターである女性兵士の報告にレビル将軍の最悪な結果と言える方の読みが当たる。

 

 ジオン公国の艦隊は既に艦隊戦に突入する準備が整い、ミノフスキー粒子散布下の元にグワジン級戦艦は主砲の射撃準備すら終えている練度の高さにレビルは舌を巻いていた。

 

 「これは、マズイ!!」

 

 レビルは叫ぶが既に遅く、ジオン公国の戦艦から放たれたメガ粒子砲は前衛艦隊のサラミス級巡洋艦へと殺到する。

 

 「サラミス級のボストン、ヒューストン、ニューオーリンズが轟沈!」

 

 士官からの絶叫とも言えた被害報告に慌てた他の艦艇が反撃する為に向きを替えようと旋回したが、レビルにはそれは悪手だと理解する。何故なら…

 

 ジオン公国の戦艦群による砲撃が続く中、他の重巡洋艦のチベ級や巡洋艦のムサイ級が砲撃範囲へと入り、旋回中で側舷を見せたマゼラン級戦艦群に向けて一斉射撃を敢行する。

 

 それは悪夢だった。

 

 ジオン公国の重巡洋艦や巡洋艦群の一斉射撃は旋回中のマゼラン級戦艦群の側舷へと殺到し、何条ものメガ粒子砲はマゼラン級の側舷へと殺到して非装甲地帯である側舷の艦橋や艦橋下へと命中し、戦艦と云えども爆沈するには十分な被害だった。

 

 そして、ジオン公国は連邦の艦隊に痛打を与えたと判断して、モビルスーツの実戦への投入を開始する。

 

 「各モビルスーツ隊、発艦せよ!」

 

 ジオン公国軍の旗艦のグワジンに座乗する宇宙攻撃軍司令官のキシリア閣下の号令の下、ジオン公国軍の艦艇から発艦する大量のザクⅡ。その最中、一際目立つモビルスーツ隊のザクは普通のザクでは無かった。

 

 MS‐06R高機動型ザクと言われるザクだった。

 

 その数は少ないながらも、ザクの色違いからしてエース級のパイロットが乗って居るのは明らかだった。

 

 「マッシュ、オルテガ行くぞ!」

 

 「「応!!」」

 

 後に黒い三連星と呼ばれるガイア中尉を隊長にマッシュ少尉とオルテガ少尉の三人組のパイロットで黒と紫を機体の専用色に染めた高機動型ザクのパイロットだった。

 

 「在学中のアルテイシア様の護衛から暇を貰い、活躍に来たのだ、遅れるなよ!」

 

 青一色の機体でジャイアントトマホークを担ぐ高機動型ザクのパイロットは、アルテイシア公女の近衛で護衛をしていた筈のランバ・ラル中尉だった。ランバ中尉の僚機は近衛隊が乗るザクⅡだが、装備するマシンガンは試作でソロモンに回された筈のクラップ社製の最新式の110ミリのマシンガンだった。それでも、一般兵が乗るザクⅡの120ミリマシンガンより威力は高くサラミス級の弾幕をものともせずにマシンガンを乱射してサラミス級の艦橋がズタズタにされ、ランバ中尉のジャイアントトマホークを叩き付けられて轟沈して行く。

 

 「では、私も行こうか」

 

 赤い高機動型ザクはシャア・アズナブル大尉の機体だった。本来ならザクⅡS型だったがシャアも士官学校を首席での卒業した為に高機動型がシャアに配備されていた。

 

 高機動で動き周り、サラミス級には艦橋へと120ミリマシンガンを乱射して撃沈し、マゼラン級には腰にマウントされていた280ミリのバズーカを放ち艦橋を破壊しながら撃沈数を稼いで行く。

 

 無論、ジョニー・ライデン大尉やガトー大尉の専用の高機動型ザクも視認され、補給艦隊を襲うのは赤紫とオレンジイエローに塗り分けられたザクⅡS型を駆るのはシーマ・ガラハウ大尉のシーマ隊だった。

 

 シーマ大尉はこの作戦の後は、シーマ隊の地上部隊とも言える女性だけの海兵部隊のアマゾネス隊と共に第二次地上降下作戦でポートモレスビーに降下して、ソロモン諸島を制圧しながら制圧されたオーストラリアに連邦のトリトン基地が出来た為、トリトン基地への補給物資搬入の妨害任務とその通商破壊作戦を行うらしい。

 

 だが、この降下作戦前にシーマ隊の上司とも言える大佐の独断の命令により、コロニーに核攻撃と毒ガスを使うのはまだ先だった。

 

 

 戦闘はジオン公国軍の有利な戦況になり、黒い三連星が連邦軍の艦隊旗艦のアリゾナの拿捕に成功し、アリゾナの乗組員は死者を出すこと無く降伏する。

 

 敗北した連邦の艦隊は八割が撃沈され、二割の艦艇は降伏か散り散りとなって逃亡したが、ルウムの宙域の周りにも小隊規模でモビルスーツ隊が配備されていた為に連邦軍の敗残艦艇は逃亡が叶わず、拿捕または撃沈された。

 

 このルウムの宙域のジオン公国の一大反攻作戦の第1弾の戦いを『ルウムの戦役』と言われ1年続く戦争の序曲にしかならかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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