「らあッ!!」
声と共に振り下ろされた剣が1人のサラマンダーに命中する。肩から一直線に切り裂いて、悲鳴を上げる間もなくアバターは消滅した。
「はやいよぉ、トウカぁ!」
ユウキは直剣を鞘に収めると一足先に相手を片付けていたトウカに駆け寄る。少し不満げな顔をしていたので、トウカはユウキの頭をわしゃわしゃ撫でた。
目を瞑って感触を楽しんでいるユウキを見ていると、心が落ち着く。二人の周りには三つの炎があった。
まだ完全に消えていない、ユラユラと燃える魂。もしかしたらまたログインして復活することもあるが、多分もう戦いたくないと思っているだろう。
トウカは撫でるのを止めて、あるところを指差す。指差した先をユウキも見る。そこには明らかに周りとは違う色の地面があった。
恐らくあそこが入り口だろう、間違いない。さっきのパーティーは二人より先にここを見つけ、探しに来たトウカとユウキを待ち伏せして倒そうとしていた。
そう考えるのが妥当かもしれない。ゆっくりと色の違う部分に近寄って、顔を近づける。
最初はただの模様だと思っていたが近くで見ると魔法陣で入り口に封をしているようだった。
「これ、解けるよ!まかせて!!」
自身げに言ったユウキは手をゆっくりと魔法陣につけた。そして一つ一つの単語を呟いていく。
少しずつ魔法陣が光り、やがて刻まれている線が中心に向かって消えていく。全ての線が消え中心の円だけになると魔法陣は消滅した。
「よし!」
ユウキは立つと、後ろにいるトウカに振り返った。
「?」
首を傾げるとユウキは手を伸ばしてきた。
「あー」
ようやく理解したトウカはユウキの手とハイタッチする。ユウキの隣に立って魔法陣のあった部分を見ると、魔法陣は完全に消えて階段が現れていた。
丁度人一人分の大きさで、結構奥まで繋がっている。見てるだけでわかるが、あきらかに空気感が違う。
「よっ!」
片足で階段に着地すると、ユウキはゆっくりと階段を降りていく。
「そんな調子で行くと危ないぞ・・・」
後に続いて階段を降りているトウカが先に進んでいるユウキに言った。
「だいじょぶ、だいじょぶ♪もしもの時は宜しくね、トウカ!」
振り返って笑顔でそう言うと、ユウキは再び階段を下りる。はあ、とため息を吐いてトウカも足を動かす。
階段は螺旋状で、中々下まで辿り着かない。いっそのこと飛んでいった方が早い気もするが対飛空用のトラップがあるかもしれないので羽は出さない。
何回もぐるぐると回るように螺旋階段を降りると、ようやく広い空間に辿り着いた。
カタッと靴の音だけが響き渡り、小さなモンスターすら一匹もいなかった。
辺りを見渡すまでも無く、目の前に大きな扉が聳え立っている。扉には至る所に呪いのように魔方陣が書かれている。
高度なものから咄嗟に書いたものなど様々だ。
「いよいよだね・・・!」
「ああ」
二人で扉に触れると、ゆっくりと押していく。
扉は音を立てながら部屋の中を曝け出した。