後日。
ユウキにメッセージで呼び出されたトウカは竜の谷のある場所に居た。風が強くて、よく髪が揺れる。
少しだけ前に出てゆっくりと見下ろすとそこは穴のように真っ暗だ。
「・・・」
あまり見てると怖くなるので直ぐに崖から離れてキョロキョロと辺りを見渡す。時々パーティーが通ったりするが肝心のユウキが来ない。
待ち合わせの時間からそろそろ10分経ったので、トウカは座って待つことにした。刀を手に持ってぼや~っと使用とした時。
自分を囲むように黒い影が現れた。前にも似たようなことがあったのでトウカは顔だけを空の方に向ける。
「~~ウカ~ッ!!」
案の定ユウキが羽を出さずに上から落ちてくる。もちろん満面の笑みで。
「危ないぞ、ユウk・・・」
言い終えようとしたがトウカはそこで口が止まる。良く見るとユウキは片手に持った直剣を光らせていた。
(何でソードスキル使おうとしてんの?え?え?)
体を起こして避けようと思ったときにはもう遅く、ユウキの直剣の先がトウカのいる地面の近くに命中して一気に皹が入る。
バキッ!と音を立ててトウカは地面と共に暗い穴の方へと落下する。
「トウカっ♪」
落ちていく途中でユウキがくっついてさらに勢いを増して落ちていく。もう羽を出しても意味ないだろう、このまま落ちてもダメージにはならない・・・はずだ。
「「あああああああああああああああ!!!!」」
滑らかな速さで空が遠ざかっていく、トウカは目を見開きながら隣を見るとユウキはニコニコしながら楽しんでいた。
ヒュウウウ
音が変わり、地面が近くなってきたのでトウカは左手を下に向ける。行くらなんでも背中から直撃するのはツラい。
ギリギリのところで魔法を使い、空中で体勢を整えてゆっくりと着地する。地面はヒンヤリと冷たく結構深くまで落ちたということがわかった。
「ユウキ、わざと落としたろ」
「へへ、バレた?」
「ッたりまえだ、怖いだろうが」
「ごめんごめん・・・」
ユウキはトウカから離れると、地面を指で軽く叩いた。すると聞いたことの無い音がした。
「ボクの直剣の素材はちょっと特別で、竜の谷のここでしか取れない鉱石を使わないと研ぐことも出来ないし強化も駄目なんだ」
「へえ、」
直剣を受け取ったトウカは上にかざして見る、小さな刀傷がいくつもあってどれだけユウキが戦ってきたかを物語っていた。
「それでトウカなら予め言わなくても了承してくれるかなって・・・」
「こんな所まで落ちたら逃げれもしないさ。それにユウキ、断ったら泣きそうだし」
「な、泣かないよっ」
両手を握って頬を膨らませているユウキに直剣を返す。
トウカは刀をアイテムに戻して換わりにピッケルを二つ出してユウキに渡す。片手でキャッチしたユウキはニッと口を緩めた。
「仕方ないから、手伝ってやるよ」
「ありがとっ、トウカ♪」
《quest2:レア鉱材を探せ》