ソードアート・オンライン ブロッサムフィール   作:偽帝

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第28話~quest3:カップル限定クリスマス特別クエスト③~

「誰もいないね」

 

 

先に進んだが、やはりさっきの場所と景色は変わらない。違うとすれば、目の前にワープゾーンがあるだけだ。

 

 

「もうみんな挑戦してるんじゃね。只今26組挑戦中って表示されてるし」

 

 

ワープゾーンの近くに表示されている画面を指差すと、それをユウキも見る。

 

 

「じゃあ、ボクらも行こうか」

 

 

「そうだな」

 

 

円形のワープゾーンに二人で乗る。カップル認識が完了したのか光っていた色が変わると、一瞬で二人の体は移動した。

 

 

 

 

 

 

-------

 

 

新たにワープした場所も雪が降っていた。が、ところどころにクリスマスツリーの巨大版の木が生えていて何となくにぎやかに感じる。というか、森だ。

 

 

「フロアボスを倒せばいいのか?」

 

 

まだクエストの目的がわからないまま、二人は円から一歩出た。瞬間トウカの左手とユウキの右手が磁石のようにくっつく。

 

 

「「え!?」」

 

 

一緒に驚いたあと、トウカは手を離そうとするが離れない。どうやらシステム的に手をくっつけられたらしい。クエストの手を繋いでってこういうことか。

 

 

多分クリアすれば離れるだろう。・・・・・多分。

 

 

「トウカ~、もう片方も~♪」

 

 

笑顔でユウキは左手を差し出してくる。

 

 

「やめろ!くっつけたら戦えなくなるから!」

 

 

「その時はトウカとのラブラブパワーで何とかなるよ~♪」

 

 

「ならないって・・・」

 

 

「ラブラブは否定しないんだね~♪」

 

 

「うっ・・・」

 

 

何か最近ユウキは要点をつくのがうまいような・・・。やっぱり口で女に勝てないのは本当なのかな。

 

 

「まっ、まあ行くぞっ!」

 

 

「お~!愛情で頑張ろうねっ♪」

 

 

「はあ・・・」

 

 

ユウキは繋がれた手を元気良くぶんぶん上に上げる。

 

 

左手がユウキの反動で上に上がっているトウカはため息をして口を閉じた。多分何を言ってもラブラブ~とかいちゃいちゃ~とか言うのだろう。まあ、そういうユウキが可愛いのだが。

 

 

取りあえず二人は進んだ。

 

 

 

 

 

 

-----

 

 

森の中に入っていくと意外と暗くて、静かだった。時々狼のような動物モンスターの叫び声が聞こえるたびユウキはビクっと体を震わせている。

 

 

「トウカぁ、怖い・・・」

 

 

「手繋いでいるんだから、大丈夫だろ」

 

 

「でもぉ・・・」

 

 

お化け屋敷並みに入ったかのようにユウキは怖がっている。

 

 

「・・・わっ!」

 

 

トウカは冗談半分で驚かそうとして言った。

 

 

「きゃっ!」

 

 

いままで以上に体を震わせてユウキはトウカに抱きついた。目を閉じたままで片手でトウカの服を握っている。

 

 

まさかの反応にトウカは少しだけ口を空けてポカンとしていた。まさか元気印のユウキが急に女の子っぽくなるとは。きゃっ、は想像つかなかった。

 

 

右手で頬の辺りを撫でてやるとユウキはゆっくりと目を開けてくれた。それはまるでか弱い少女の様な顔だった。ギャップ萌え?

 

 

「ごめんな、脅かしたの俺だ」

 

 

「うう~、バカぁ~!」

 

 

左手を軽く握ってユウキはトウカをポンポンと叩く。軽くやっているつもりなのだろうが、意外と痛い。何か、芯に響く。

 

 

トウカが頭を撫でるとようやくユウキは手を止めてくれた。

 

 

でもまだ気に食わないのか、ちょっと怒ったように頬を膨らませてこちらを見つめる。

 

 

「・・・チューして」

 

 

「え?」

 

 

「チューしてくれたら、許してあげるっ」

 

 

口を少し尖らせて、ユウキはそっぽを向いた。時々視線でこちらをチェックしているのがまた可愛い。

 

 

「・・・」

 

 

少しだけ舌を向いた後、トウカはユウキを近づけて頬に触れるように唇を付けた。

 

 

「ん、許す♪」

 

 

「もうしないからな」

 

 

「ええっ!?またしてよ、朝・昼・夜って!!」

 

 

「やだよ」

 

 

「む~~~」

 

 

駄々をこねてその場から動かなくなる前に、トウカはユウキを引っ張って先に進んだ。

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