あれから適当に進んでるが、敵も現れなければボスにも辿り着かない。っていうかさっきから周りのクリスマスツリーの飾りが増えていってるような・・・。
ユウキに言おうとしたが、多分気付いているだろう。ワクワクしながら一本一本のツリーの飾りを見ている。もう取る気満々だ。
「あ!これもーらい~♪」
手を伸ばして小さなプレゼント箱を取ろうとしてるユウキを引き戻す。
「ちょっ、トウカぁ!良いじゃん一つくらい・・・」
「絶対トラップだろ。あからさますぎる」
「やだ~っ、欲しいよ~っっ!!」
子供かお前は。
顔を近づけてユウキが懇願してくる。言い寄れば渋々うんと言うと思っているようだが、そうはいかない。
「行くぞ、とっととボス倒してパーティーするんだろ?」
「そうだった・・・」
案外正直に納得してくれた。トウカは少し引張り気味だった左手の力を抜いた。その時ーーーーー。
「スキありぃっ!!」
タイミングを見計らってたユウキがトウカごと体を一本のツリーに近づける。
そしてさっき取ろうとしていた物を掴んで、落とさないように軽く握った。まさかユウキに騙されるとは。屈辱だ。
「ゲットオオオオッ!!」
「油断した・・・」
もういいや、一個ぐらいなら良いだろう。夢中で紐を解いているユウキを眺める。
「あれ・・・?」
ユウキが疑問の声を上げた。紐が絡まったのか?
「どうした?」
声を掛けると、手のひらにそれを置いてユウキは振り向いた。困った顔もまた可愛い。
「中にさ、スイッチボタンが入ってたんだけど・・・」
「え?」
ユウキの手の平には広げられた箱の上に紅いスイッチがあった。あ、もう絶対トラップ確定だ♪
「それ絶対押すn・・・「えいっ」」
わたとらしくトウカにウインクを決めてユウキはスイッチを押した。いや、わかってたよ?多分、いや確実にユウキなら押すって。でもさ、もしかしたら言うこと聞いて押さないかも、って思ったけどやっぱり押したか。
押したと同時にユウキの手のひらからプレゼントごと消えた。そして、二人の目の前にバカでかい魔方陣が展開される。
「ああ、敵確定だ・・・」
今一番やる気が出ないが、パートナーがやらかしたので仕方ない。別に怒る気もないし。とっとと片付けてしまおう。
「トウカ、ごめんね?ボクのせいで・・・」
ユウキは反省しているのか俯いている。
「お前の可愛さに免じて許してやる。とっと倒すぞ」
「・・・うん!」
顔を上げて大きく頷くとユウキはまた抱きついた。頬が冷たくて、ヒンヤリしている。
「トウカっ、大好きだよっ♪」
「・・・」
よっしゃあああああああああああ!!!!
大好きもらいましたあああああああああ!!!!ユウキからついに、『大好き』いただきましたああああ!!!
と心の中で叫びながら、表情は静かなトウカはユウキの髪をわしゃわしゃした。未だ大きな魔方陣は展開が完了してない。もう少し時間が掛かりそうだ。
(このまま待つか・・・。あー手の感触が気持ちいい)
ってことで雪の中、もしかしたらボスが展開されるかもしれない時にユウキは頬擦りと、トウカはわしゃわしゃーーーー二人でイチャイチャして待つことにした。