ソードアート・オンライン ブロッサムフィール   作:偽帝

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第34話~quest3:カップル限定クリスマス特別クエスト⑨~

蛍のように体を光らせながら、ハリネズミは先に進んでいく。正直なところユウキにプレゼントを取ってもらって正解だったかもしれない。

 

 

こんな薄暗い場所を永遠と歩くと考えると、何か心まで暗くなりそうだ。

 

 

・・・と思いながら歩き進めていると、自分たちの少し前でハリネズミが止まっていた。

 

 

「きゅん」

 

 

小さく鳴くと、ハリネズミの体が光に包まれる。そして丸い玉状になると、月明かりへと飛んでいった。

 

 

同時に目の前のエリアがゴゴゴゴと音を立てた。揺れているのは、目の前の場所だけで二人には振動がくる。

 

 

「わわっ!」

 

 

両足で普通に立っていれば別にどうってことない振動だが、何故かユウキは片足でバランスを取っていた。一体何をしていたんだろうか。

 

 

トウカはとりあえずぎゅっと握ってる手に力を込めた。すると素直に片足を地面に付けてくれた。なんだかんだ動作一つで考えがわかるユウキは凄いと思う。もしかして観察されてる?

 

 

顔を上げると雪がいつの間にか巨像を模っていた。軽くツリーを超える高さだ。少しずつ体が出来上がっていく、顔は人型だ。

 

 

「サンタ?」

 

 

「サンタだな」

 

 

髭らしきものが出来上がってきた時点で、もう確定だ。形は何故かちょび髭っぽいけど。ま、とっとと倒してプレゼント貰おう。

 

 

赤い服と片手に持った白い袋を持っているサンタっぽいボスはゆっくりと顔を下げ、二人を見た。目は白目しかないのでちょい怖い。

 

 

目が合うと視線の真ん中に<<BOSS>>と赤文字で表示された。流石にこれで中ボスとかだったら期待はずれだ。というかこれ以上探すのも面倒臭い。

 

 

ボスという文字が消えるとサンタの顔の近くにHPゲージが現れる。が・・・、想像しているのと違った。

 

 

普通なら同じ位の長さのバーが何本か出るのだが、何故か一本のバーがぐるぐる動いて何か形を作っている。

 

 

バーが動いている間はサンタも動かないらしい。気長にバーを見ていよう。

 

 

にゅるにゅる動いているバーはクリスマスツリーの形になった。運営は完全にふざけてるとしか言いようが無い。しかもインチキ系ではないのだから尚更ムカつく。

 

 

ホント、どうでもいいところに無駄に込んでるな。

 

 

ため息を吐いてトウカは刀を抜こうとしたその時、ポッと空気砲のような音がした。

 

 

「・・・・・・?」

 

 

視線を音の方向に向けるとユウキとくっついていた手が離れていた。グーパーと動かして確認する。

 

 

「離れたな」

 

 

「離れたねー」

 

 

ユウキは右腕をブンブン回した後、いつも通り両手で抱きついてきた。ニカっと歯を見せながらの笑顔はこっちまで嬉しくなる。

 

 

「手は離れちゃったけど・・・」

 

 

なんだか名残惜しそうにユウキは呟いた。その後口元を緩ませてトウカの耳に顔を近づける。

 

 

「トウカとはずっと一緒だからねっ♪」

 

 

それだけ言うとユウキはトウカの体から手を離して、直剣を抜きサンタに向かって構えた。

 

 

相変わらず本人はいつもどおりの感覚で言っているんだろうが、言われたこっちはどういう解釈でとったら良いのか・・・・。

 

 

考えても埒が開かないのでトウカも抜刀する。今はとりあえず、目の前のサンタを倒すことが優先だ。

 

 

サンタはゆっくりと、攻撃を始めようとしていたーーーー。

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