ソードアート・オンライン ブロッサムフィール   作:偽帝

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第35話~quest3:カップル限定クリスマス特別クエスト⑩~

「オオオオオオオ!!!」

 

 

怒りの咆哮を上げてサンタは腕を振り下ろした。

 

 

勢い良く地面に拳をぶつける。その威力で地面が揺れて、再び雪が舞い上がる。オートの魔法壁を張っていたトウカは身構えなかったが、ユウキは上に跳んで避けていた。

 

 

実際の運動神経も影響しているのだろうか、ユウキは片足の軽いジャンプでサンタの膝くらいまで飛んでいた。

 

 

そのまま着地せずに羽を出して、ユウキは一気に上まで上がる。

 

 

「ハアッ!!」

 

 

ユウキは両手で直剣を握って、ソードスキルを発動する。周りの空気を取り込むように、紫と黒色の粒のような光が現れて、直剣に取り込まれていく。

 

 

暗・闇・紫の三属性を組み合わせた、インプ専用の刀技ーーーーー!

 

 

「シャドウ・ライラ!」

 

 

ユウキの叫びで直剣が呼応するように、よりいっそう濃い光を放つ。両手にグッと力を込めて、振り上げると羽に勢いをつけた。

 

 

「ラァッ!!」

 

 

ギリギリまでサンタに接近して、ユウキは直剣を振り下ろした。肩に命中し、サンタは雄叫びを上げるが、ゲージを見る限りダメージは少い。まだ十分にグリーンゾーンだった。

 

 

「くそっ・・・!」

 

 

直剣を離して、ユウキは急降下する。見上げながらでもわかるが悔しい表情をしている。

 

 

「防御は硬いようだね、時間掛かるかも」

 

 

「そうか・・・」

 

 

報告してくれたユウキの頭に手を置いて、トウカは考える。

 

 

(とりあえず、俺も斬りかかってみないとわからないな・・・)

 

 

「ユウキ、さっきと同じところをもう一回攻撃できるか?」

 

 

「やってみるっ・・・!」

 

 

ユウキはこちらを見てウインクしてきた。バトル中でも文句なしに可愛い。もしかしたらアイドルとしてプロデュースすれば売れたりして・・・。

 

 

「頼むな」

 

 

「うんっ!」

 

 

肩を軽くポンと叩いて、トウカは一歩前に出た。右手に持つ刀を軽く振って、サンタを見上げる。HPゲージは減ったままだがユウキのつけた傷はもうわからないくらいになっていた。

 

 

「直だな・・・」

 

 

小さく呟いてトウカは羽を開いた。そのままゆっくりと真上に上昇する。丁度サンタの心臓の位置でホバリングして刀を少し振った。

 

 

すると一瞬で刀身の先に炎が現れ、ユラユラと燃える。そのまま、狙いを定めるとトウカは一気に走り出した。

 

 

一歩一歩進んでいくごとにトウカの足元にキン!キン!と大きな氷の結晶の足場が出来ていく。靴の裏に氷属性の魔方陣を展開していたので、空中でもこうして歩くことが出来る。

 

 

少しずつサンタに接近していくと、大きな右手が近づいてきた。何倍もあるその手は軽く動かしていても風を纏う程の威力だ。

 

 

トウカは向かってきた拳をジャンプするとそのままの勢いで空中で一回転する。直ぐに攻撃しなければまた右手が来るだろう。

 

 

そのまま自然の勢いに任せて、ゆっくりと落下する。サンタの心臓の辺りまで来た時にトウカは刀を突き刺した。

 

 

両足を着けて再び空中に立つ。左ではユウキが二回目の攻撃をヒットさせたところだ。今、サンタは数秒動くことが出来ない。

 

 

HPバーを見上げるがどうもユウキの攻撃の分しか減っていないように見えた。自分の攻撃も入っていると思うが結構僅かだろう。

 

 

「・・・」

 

 

トウカは刀を抜くと同時に、羽で使って降下し着地する。その後直ぐにユウキも隣に着地した。

 

 

「何かわかった?」

 

 

「・・・まあ、多分」

 

 

雪の中に刀を挿して、トウカはそれを杖のように体を預ける。

 

 

「肌に近いところの方が、ダメージが大きいらしい。その証拠に俺が攻撃した心臓近くはほぼダメージにならなかった」

 

 

「それってサンタも寒いってことだよね?」

 

 

「・・・まあそういうことだな」

 

 

「なるほど・・・!」

 

 

本当にわかったのかちょっと心配だけど、ユウキを信じよう。

 

 

このまま、サンタの肌に近いところを重点的に攻撃すれば倒せるはずだ。

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