ソードアート・オンライン ブロッサムフィール   作:偽帝

38 / 87
第38話~世間的に遅すぎるクリスマスパーティー~

「そろそろ戻ってさ、パーティー!しよっ!!」

 

 

「あー、そうだな」

 

 

自分から起き上がってくれたユウキはそのままトウカに手を貸して起こすと、二本の剣を持って再びトウカに歩み寄る。

 

 

「ごめん、ちょっと持っててくれ」

 

 

「ん!」

 

 

ユウキの返事を聞いた後、メニューから転移結晶を出す。

 

 

「転移、トウカん家~♪」

 

 

トウカが持っている結晶にユウキが叫んだ、しかもそれで発動するから凄い。完全に自分の家だと思ってるし。

 

 

とりあえず、二人はクエストの雪のステージから移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

-------

 

 

 

「到着っ!」

 

 

家の前にワープした。ユウキは直ぐに玄関のドアへと走っていく。だからお前の家じゃないっつーの。

 

 

先ほどの寒さが消えて一気に暖かい空気に包まれる。家の中はもっと暑いのだろうか、ALOのシステムは相変わらず凄い。

 

 

ユウキの後に続いてトウカも家に入る。数時間空けていただけでもなんか新鮮味を感じる。

 

 

家の中なのでユウキが持っていた剣は自動的にアイテム欄に戻っている。

 

 

「早くっ、早くっ!」

 

 

飼い主が帰ってきた犬のようにユウキが近づいてきた。尻尾があったらブンブン振っているだろう。可愛い。

 

 

「わかったから、ちょっとまて」

 

 

このままじゃキスに走るのも時間の問題なのでとりあえずメニューを開いて確認する。多分アイテムには入っていないだろうからクエスト画面の報酬から取るしかないだろう。

 

 

腕が絡まってきたのでトウカは指の動きを早めて、報酬の部分を押した。すると一瞬でリビングがクリスマス模様に変わった。

 

 

結構な時間を食う飾り付けがされていて、あのクエストの運営が用意したとは思えないクオリティである。

 

 

「凄いね、トウカ!」

 

 

ようやく体から離れたと思ったら今度は駆け回っている。やっぱりまだ子供なんだな、可愛いから許すけど。

 

 

「そうだな~」

 

 

返事に力が入らないトウカはそのまま、ソファによしかかる。目の前のテーブルには報酬の一つであろうクリスマス用のご馳走があった。

 

 

七面鳥、クリスマスケーキ、その他もろもろ・・・・・、だいぶ豪華である。一体何人分あるのか。

 

 

「んしょっ」

 

 

一通り歩いて飾りを見終わったユウキはトウカの向かい側のソファに座る。そして目の前の料理達にキラキラと目を輝かせている。

 

 

「ね、これ食べていいんだよね?」

 

 

「ああ、好きなだけ食べろ」

 

 

「やったー!!」

 

 

ユウキは両手を上に上げて喜んでいる。良く見てみると、ナイフ、フォーク、スプーン、箸を一気に持っていた、凄ぇ。あれもスキルの一つなのか?

 

 

むしゃむしゃ食べはじめたユウキを見ながらトウカはソファに横になる。食欲はあるが、食べる気にならない。っていうか自分の食べる分はあるのだろうか、心配だ。あまり期待しないほうがいいかも知れない。

 

 

音を聞く限り相当な早さでユウキは食べ進めている。前に奢った時もそうだったがいくらお金があってもユウキの場合は足りない。胃袋ブラックホールだ。

 

 

体を伸ばしてると、ユウキが皿を持ってこっちに来た。バクバク食べていた割には、意外と行儀が良い。皿に乗っている肉らしきものをフォークで刺して、トウカの顔を覗く。

 

 

「トウカ、あ~ん」

 

 

「ん・・・」

 

 

少しずつ口を開けながらフォークの先の肉を見る。あくまでゲーム内の食べ物だが、結構いいものだ。星5中3.5くらい。

 

 

肉の見た目を確認して口に入れる、味付けは胡椒だけかと思ったら予め何かを染み込ませてあるところに塗したようだった。噛み応えは良いが味があまり好かない。

 

 

「トウカ、これ嫌い?」

 

 

ショボンとした顔でユウキが言った。もしかして結構嫌な顔をしていたのかもしれない。

 

 

「いや、美味しいよ。ありがとな、ユウキ」

 

 

「良かった・・・」

 

 

ホッと胸を撫で下ろしたようにユウキは安心していた。そんなに美食家のような顔だったのか?

 

 

ユウキからそのまま皿とフォークを受け取り体を起こして、テーブルに体を向ける。全ての料理が半分くらい減っているが食べる量は十分にあった。

 

 

 

 

 

 

 

---------

 

 

 

どうやら食べ物が無くなったら皿は自動で消えるらしい、実に楽だ。洗うとか、捨てる、とかしなくて良い。

 

 

トウカはソファから立って、寝室に向かった。こういう時は枕を抱きながらごろごろするのが一番気持ちよい。

 

 

「トウカ、約束・・・」

 

 

ベッドの前まで来たところでユウキに呼び止められた。

 

 

「約束?・・・・・あ~、ぎゅーってしてってやつか」

 

 

そう言って振り返ると、ユウキはこくんと頷いた。食べ終わった後に変えたのか、ワンピースに着替えていた。

 

 

「可愛いな・・・」

 

 

トウカは小さく呟く、でも敢えてユウキに聞こえるくらいの音量で言った。ピクッと耳が動いていた。

 

 

ベッドに座って両手を広げる。

 

 

「こい、ユウキ」

 

 

「うんっ!!」

 

 

ニコっと笑顔を作ってユウキはトウカに抱きついた。

 

 

 

 

 

 

 

-------

 

 

 

「トウカっ♪」

 

 

「おーおー」

 

 

「ト~ウカっ♪♪」

 

 

「よしよし」

 

 

ベッドでいちゃいちゃしてる時、ふとトウカに一通のメールが来た。メールが来た時は音が鳴るが、この状況では本人には聞こえていなかった。

 

 

 

to:トウカ from:イクサ message:《今すぐ領に戻って来い》

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。