二人に撫でを満足してもらって、騎士団舎から出る。いくら人気が無いとはいえ、ここも首都の一部だ。何回も『もっと』と言われたが流石に外では行動には移せない。視線が怖そうだし。
「領主館か、久しぶりだな」
「そうなの?ボク、行ったことないなぁ。ああいうところ少し苦手だし・・・」
右側を歩いている、ユウキに顔を向ける。ユウキは何か緊張しているように自信の無い表情をしていた。
「だって、領主館ってインプの偉い人いっぱいいて職員室みたいだから、怖いんだ・・・」
「そんなことかっww」
トウカの左側にいるイクサが笑う。あんまり人を馬鹿にして笑うことがないので、何か新鮮。トウカは顔を左に向けていると、右側から何かまがまがしいオーラを感じた。
直ぐに顔をユウキの方に戻す。頬をぷくーっと膨らませてこっちを見ているが、さっきのオーラはこの可愛さとは似使わないものだったような・・・。嫉妬?
「なにさっ!騎士団長の癖にそんなことで笑うとか器が小さいんじゃないの?」
うわ、意外とユウキ怖い。
「フン、絶剣の名が泣くぞ?」
「う~!!」
トウカを挟んで、二人の火花がちりちりと燃えている。っていうか、イクサはユウキが絶剣だということを知っていたのか。
段々、人も多い場所に入ってきた。通り過ぎるときに男だけに必ず舌打されるのは何かの嫌がらせなのか?
とにかく、埒があかない。怒ってる二人も可愛いけど、このままじゃ巻き添えを喰らってしまう。
「やーめろ!」
両手で二人の頭をわしゃわしゃとする。二人とも髪が全く絡まず、キメ細かい。これ以上弄るのは止めよう。
手を離すと二人とも両手で頭を押さえている。そのまま、トウカはまずユウキに言った。
「落ち着け、ユウキ。別に1人で領主館行くわけじゃないだろ?」
「・・・ごめんトウカ。ちょっとカーッとなっちゃって・・・気をつけるね」
「ああ」
頭を軽くポンポンすると、ユウキは頬を紅くして少し下を向きながらゆっくりとトウカの腕に絡みついた。
そのままトウカは腕を組んでそっぽを向いているイクサを見る。
「お前も怒るなって。せっかくの美人が台無しだぞ」
「////・・・・すまない、つい言い返してしまった」
ゆっくりと腕組みを解いて、イクサは不器用そうに時々トウカを見る。ちょっとツンツンしているが少し言えば直ぐにデレっとなるのがイクサは可愛い。
「さ、二人とも!直ぐそこだから行くぞ」
周りの男たちの視線が怖くなってきたこともあって、トウカはまた二人の手をとって、急ぎ足で領主館へと向かった。