プレイヤーの最後の一個の魂が消えたところで、気を緩める。たいしたこと無い強さだが不意打ちされるのは嫌だからな。
「この奥だな」
広場の奥にまた一本道があるのが見えた。今度は松明が付いてあるので、ちゃんとした通路であることは間違いない。
「行こ!」
トウカから離れてユウキは二人の手を握る。この光景、下手したらユウキが娘みたいに見えるな。
ユウキに連れられて、トウカとイクサは足を動かした。
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辿り着いたそこには三つの部屋があった。ドアは付いてないからどっちかというと洞穴に近いかもしれない。風の音だけが聞こえ、敵がいそうな雰囲気も感じ取れない。
「一気に行く?」
トウカの方を向いてユウキが言う。
「いや、三人で別れよう。分散して敵がいたら手っ取り早いからな」
「オッケー♪」
それぞれ、適当に穴の前に立つ。左からイクサ、ユウキ、トウカ。それにしても先が暗くて怪しい。入った瞬間落とし穴とかトラップとかは御免だ。
「じゃ、それぞれ中を探索したら再びここに集合だ」
「了解っ!」
「うい」
イクサの言葉に二人は返事を返して、一歩前に出る。
「「「じゃっ!」」」
同じ言葉を呟いて、三人は一気に中に駆け込んだ。
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「真っ暗だ・・・」
イクサは立ち止まって、静かに周りを確認する。何となくだが、気に乱れがあるような感じがした。
「誰かいるのか?」
自分の声が部屋に響く。目が慣れてきたので上を見上げると、ドーム上になっていた。同時にカッ、と音がした。
「拙者の気配に気付くとは、やるな」
靴の音が少しずつ大きくなってくる。接近してくる気配にイクサは一歩、二歩と後ろに下がりながら武器を構えた。
靴音が無くなると一瞬イクサの視界を眩しい光が覆った。直ぐに目を開けると、部屋に灯りが点いていた。そして目の前には男がいた。
黄金に近い髪に顎鬚を蓄えている。手にはいかにも名刀というような感じの刀を持っている。
「貴様、誰だ・・・!」
イクサはダブルセイバー《アスカロン》を男に向ける。しかし男はまったく動じず堂々と彼女を見ている。
「拙者はドライ・トラヴァントの1人、ザンダルと申す。騎士よ、名は何と?」
「オレはインプ騎士団団長イクサ。お前達を倒しに来た」
「女がオレなどど言う言葉を使うな。・・・それで、拙者を含む三人を倒すと?後の二人はどうするのだ?」
「仲間が向かってる。メテオーアが壊滅するのも時間の問題だ!」
「フッ・・・、それはどうかな?」
ザンダルは片手でクルクルと刀を回すと、先を地面に刺す。
「これは《日光》。そこら辺のレジェンダリーウェポンとは比較にならんぞ?」
「・・・武器に頼ってたら、いつまで経っても強くはならない」
イクサは呟いた。現にトウカやユウキは武器以外でも、沢山の強みがある。だからこそあの強さを持っているのだ。
「拙者を侮辱したな・・・?」
「正論を言っただけだ」
「そうか・・・。ならその正論を叩き斬ってやろう・・・・・!!」
「望むところだ・・・!」
イクサとザンダルは少しの空間を開けて、互いににらみ合った。