「結構長い階段ですね・・・」
「そうだな。でもここからしか遺跡に入る方法は無いし」
後ろを振り返るとさっきまでいたところから、高い所にいる。もう20段くらい登っただろうか。
「セイバーさ、怖くないの?」
「・・・」
セイバーも階段からの景色を振り返って見る。
「これくらいで恐怖を感じていては、騎士として失格です!」
と口で言っている割には、登り始めた時よりもこっちに来ているような・・・。
「そうか・・・」
突然セイバーにガシッと腕を掴まれる。
「どうした?」
顔を向けると、ちょっと恥ずかしそうな表情をしていた。
「わっ、私は怖くないですが、トウカが怖いのなら!一緒に、手を繋いで行きましょう!」
見え張っている。可愛い。
「いや、大丈夫だよ。もう着くし」
あえてそう言って、何歩か上に進む。が、隣が付いてこない。
もう一度振り返ってみると、その場でプルプル震えながら目でセイバーが訴えていた。
このまま先に進んだらどうなるのだろう、ずっとあそこから動けないのかな・・・、気になるけどちょっと可哀想なのでやらない。
「手!伸ばして!」
下に向けて手を伸ばす。
「・・・はい」
両手でセイバーが握ってくれたことを確認して、魔法を使ってセイバーを軽くする。
「っと!」
そのまま同じ段にセイバーを着地させる。
「ありがとうございますっ」
「まだ震えてるけど、本当に大丈夫か?」
「はい、武者震い、です!多分!」
右手でガッツポーズを作っているが、セイバーの顔はちょっと泣きそうになっている。
「・・・じゃ、早く入るか」
まだセイバーに掛けた魔法は解けていないので、右手で握っていないとセイバーは空中に少し浮いてしまう。
三段飛ばしして、一気に頂上まで来た。
ここから急降下して中に入ろうと思っていたが、どうやら自分にも魔法の効果が効いているようで、今セイバーと一緒に宇宙飛行士状態になっている。
「こっ、これはどうすれば・・・!?」
「セイバー、右手も掴んで!」
「はいっ・・・!」
もがきながら何とかセイバーの右手を掴んで、そのまま抱き寄せる。
「っ!?」
「ちょっと、このままでっ!」
セイバーがギュッ抱きしめてくれた。左手が空いたので、指を鳴らす。
瞬間魔法の効果が切れて、一気に遺跡内部に落下する。
「掴まってて、セイバー!」
風が駆け抜けていく、登って来た階段よりも中は深いようだ。上を見上げるとあっという間に光が遠くなっていく。
「トウカ、危ない!」
「っ!!」
よそ見していたら、いつの間にか地面が目の前まで来ていた。ダメージになるところをセイバーが気付かせてくれたおかげで、何とか間に合いゆっくりと着地する。
「ありがと、セイバー」
「いえ・・・」
セイバーは何か物足りなさそうな顔をしている。
「腐龍の討伐が終わったら、その・・・」
「その?」
「もう一回ギュッて、して欲しい、です・・・。駄目ですか?」
これからボス戦的なのが始まるのに、鼻血でそうですよ・・・・・・。