ソードアート・オンライン ブロッサムフィール   作:偽帝

62 / 87
第62話~quest4:スプリガン遺跡腐龍討伐②~

「結構長い階段ですね・・・」

 

 

「そうだな。でもここからしか遺跡に入る方法は無いし」

 

 

後ろを振り返るとさっきまでいたところから、高い所にいる。もう20段くらい登っただろうか。

 

 

「セイバーさ、怖くないの?」

 

 

「・・・」

 

 

セイバーも階段からの景色を振り返って見る。

 

 

「これくらいで恐怖を感じていては、騎士として失格です!」

 

 

と口で言っている割には、登り始めた時よりもこっちに来ているような・・・。

 

 

「そうか・・・」

 

 

突然セイバーにガシッと腕を掴まれる。

 

 

「どうした?」

 

 

顔を向けると、ちょっと恥ずかしそうな表情をしていた。

 

 

「わっ、私は怖くないですが、トウカが怖いのなら!一緒に、手を繋いで行きましょう!」

 

 

見え張っている。可愛い。

 

 

「いや、大丈夫だよ。もう着くし」

 

 

あえてそう言って、何歩か上に進む。が、隣が付いてこない。

 

 

もう一度振り返ってみると、その場でプルプル震えながら目でセイバーが訴えていた。

 

 

このまま先に進んだらどうなるのだろう、ずっとあそこから動けないのかな・・・、気になるけどちょっと可哀想なのでやらない。

 

 

「手!伸ばして!」

 

 

下に向けて手を伸ばす。

 

 

「・・・はい」

 

 

両手でセイバーが握ってくれたことを確認して、魔法を使ってセイバーを軽くする。

 

 

「っと!」

 

 

そのまま同じ段にセイバーを着地させる。

 

 

「ありがとうございますっ」

 

 

「まだ震えてるけど、本当に大丈夫か?」

 

 

「はい、武者震い、です!多分!」

 

 

右手でガッツポーズを作っているが、セイバーの顔はちょっと泣きそうになっている。

 

 

「・・・じゃ、早く入るか」

 

 

まだセイバーに掛けた魔法は解けていないので、右手で握っていないとセイバーは空中に少し浮いてしまう。

 

 

三段飛ばしして、一気に頂上まで来た。

 

 

ここから急降下して中に入ろうと思っていたが、どうやら自分にも魔法の効果が効いているようで、今セイバーと一緒に宇宙飛行士状態になっている。

 

 

「こっ、これはどうすれば・・・!?」

 

 

「セイバー、右手も掴んで!」

 

 

「はいっ・・・!」

 

 

もがきながら何とかセイバーの右手を掴んで、そのまま抱き寄せる。

 

 

「っ!?」

 

 

「ちょっと、このままでっ!」

 

 

セイバーがギュッ抱きしめてくれた。左手が空いたので、指を鳴らす。

 

 

瞬間魔法の効果が切れて、一気に遺跡内部に落下する。

 

 

「掴まってて、セイバー!」

 

 

風が駆け抜けていく、登って来た階段よりも中は深いようだ。上を見上げるとあっという間に光が遠くなっていく。

 

 

「トウカ、危ない!」

 

 

「っ!!」

 

 

よそ見していたら、いつの間にか地面が目の前まで来ていた。ダメージになるところをセイバーが気付かせてくれたおかげで、何とか間に合いゆっくりと着地する。

 

 

「ありがと、セイバー」

 

 

「いえ・・・」

 

 

セイバーは何か物足りなさそうな顔をしている。

 

 

「腐龍の討伐が終わったら、その・・・」

 

 

「その?」

 

 

「もう一回ギュッて、して欲しい、です・・・。駄目ですか?」

 

 

 

 

これからボス戦的なのが始まるのに、鼻血でそうですよ・・・・・・。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。