ソードアート・オンライン ブロッサムフィール   作:偽帝

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第63話~quest4:スプリガン遺跡腐龍討伐③~

「トウカっ・・・」

 

 

返事を待っているセイバーが少しずつ顔を近づけてくる。ますますドキドキして、言いにくい。

 

 

「倒したら、な?ぎゅ~ってしてあげる」

 

 

「約束ですよっ!」

 

 

明るい顔だ。物凄く希望に満ち溢れている。

 

 

「じゃあ、とっとと行きますか」

 

 

「はい!!」

 

 

 

 

-----------

 

 

とりあえず松明の付いている道を選んで、遺跡の中を進んでいる。モンスターが出ることも無ければ、トラップも全く無い。

 

 

「お!」

 

 

曲がり角の先に部屋があった。が、明かりはついていない。

 

 

「怪しいな」

 

 

「怪しすぎます・・・」

 

 

「でも、入るしかないしな」

 

 

「そうですね」

 

 

また戻って他の道に行くのは時間が掛かるので、とりあえず中に入ることにした。

 

 

ボッ!と中に入った瞬間、部屋の灯りが着く。そして、ゆっくりと部屋全体に無数の扉が現れた。

 

 

左右の壁、天井、そして床。

 

 

「どれが正解なのでしょうか・・・」

 

 

「大分あるな、何かまだ増えてるし」

 

 

「こうなったら・・・」

 

 

セイバーは一番近くにある扉の前に移動した。

 

 

「一つずつ確かめるしかっ!ありませんっ!!」

 

 

バタン!と勢い良く扉が閉まる。

 

 

しかし、数秒後、天井の扉からセイバーが落ちてきた。

 

 

「くっ・・・!これは違うのか、なら次はっ!!」

 

 

今度は違う壁の扉を開けてその中に入る。

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

さっきと違って、直ぐにセイバーが出てこない。

 

 

「お、当たりか」

 

 

セイバーが入っていった扉の前に行き、帰ってくるのを待つ。するとタイミングよく扉が開いた。ワープは無かったらしい。

 

 

「・・・恐ろしい物を見てしまいました」

 

 

セイバーは絶望した虚ろな目でそう言うと、ゆっくりと歩きながら他の扉に向かって行った。

 

 

え、そこの扉には一体何が・・・。

 

 

扉の中身が気になったので、ドアノブに手を掛けてあけようとしたその時ーーーーー。

 

 

「見てはいけません」

 

 

耳元で呟かれる。さっきとは全く違い魂が抜けているような声。思わずブルッ震える。

 

 

「どうしても?」

 

 

「はい。これを開けたらトウカが・・・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

 

物凄く気になる。

 

 

が、今のセイバーの顔はヤバい。とにかくヤバい、というか怖い。

 

 

「わかった・・・」

 

 

とりあえず、手を離した。特に扉の奥からは何も感じないけど、何があるのだろうか。

 

 

「それでは、他のところに行って来ます・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

----------

 

 

30分後。

 

 

「ハアハア・・・・・。まだ見つけられないなんて」

 

 

流石のセイバーも息が上がっている。何個あるんだよ扉。増えすぎだって。もしかして正解無いパターンとかかな。

 

 

目を瞑って一つ一つの扉を確認していく。

 

 

「何をしてるんですか、トウカ!」

 

 

セイバーに怪しいことしてると思われた。でも丁度扉の正解もわかった。

 

 

「セイバー」

 

 

「何ですか!」

 

 

何か怒ってる?

 

 

「実は・・・」

 

 

「???」

 

 

「ここの扉全部幻術だった」

 

 

「なん、ですと・・・・・!!」

 

 

セイバーは床に崩れ去る。ガクッとしている。今までの努力が全て水の泡になったのだからだろう。

 

 

「私の今までの頑張りは、全て・・・無駄だったと・・・!」

 

 

「気にするなって、セイバー」

 

 

しゃがんで言うと、セイバーはゆっくりと顔を上げてくれた。

 

 

「セイバーの頑張りがあってこそだよ。ありがとね」

 

 

やさしく頭を撫でる。サラッサラの綺麗な髪だ。これはユウキたちといい勝負になりそう。

 

 

「トウカ・・・///」

 

 

少し頬を紅くして、セイバーはそのまま撫でられる感触を楽しんでいた。

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