「また、何も無い部屋・・・」
満足するまでセイバーを撫でて、再び探索を再会したがまた怪しいところに来てしまった。
家よりも広く、さっきと違って灯りも付いている。
「ここも罠がありそうですね・・・」
通路と部屋で地の高さが違う。また通路に戻るにはジャンプしないといけないくらいの高さだ。
「とりあえず、早く抜けた方が良いかもな」
入った奥にまた通路があった。あそこに行けば突破できるかもしれない。
「トウカ、これなんですか?」
歩いているとセイバーに呼び止められた。指差している方を見る。
「スイッチ・・・?」
木で作られているそれは、普通のスイッチと同じで押す方式だった。
カチャッ
「・・・え?」
危ないから押すな、口を動かす前にセイバーが押した。
「あ!!すいません、つい押したくなってしまいましたっ!!!」
押した後で気付いたセイバーはペコっと頭を下げると、こっちに近づいてきた。
ゴゴゴゴゴ、と音が鳴っているが特に部屋が変わっている様子は無い。
「ごめんなさい、トウカ・・・」
「押しちゃったんだから仕方ないって・・・」
さっきからシュンとしてばっかりだな、セイバー。ちょっとだけ唇を尖がらせているのが女の子っぽくて可愛い。
「トウカ、一部分だけおかしな所がありますっ!」
セイバーの指差す先には一マス分の壁が凹んでいた。そして勢い良くそこから水が流れてくる。
「マジかよっ・・・!」
セイバーの手を掴んで、元来た通路に戻ろうと振り返った。が、もう既にバリアが張っていた。どんな技でも壊すことができない運営使用だ。
「トウカ!とりあえずその場から動かない方が・・・!」
もう既に足首の高さまで水が来ていた。
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それから動くこともなく、ただ水嵩が増えるのを待つような形でその場に立ち尽くした。
水が胸の辺りまで来た時、部屋の新たな仕掛けが動いた。
さっきまで足をつけていた場所が消えていた。
「さらに深くなってる・・・?」
「トウカ!あそこを見てください!」
「・・・?」
顔を少し潜らせてセイバーが言った所を見てみる。自分の体があと三つ分くらいの深さのところにさっきとは違うスイッチがあった。
「あれを押せば、この水を止められるのでは・・・?」
「・・・」
迷ってる時間は無い。もう頭二つ分くらいまで水は来ている。
「ハァーーーーーッ!!」
大きく息を吸って、潜る。
水を掻き分けてゆっくりと着実に深く、深く潜っていく。
(流石に深いっ・・・!)
ウンディーネならこれくらい楽勝だろが、トウカはインプだ。泳ぎはあまり得意ではない。
壁伝いに泳ぎ、ようやくスイッチが手の伸ばせる距離まで来た。
(あと少しッ!)
少しずつ近づきながら、ゆっくりと手を伸ばすーーーーが。
「ガハッ!」
息が続かなかった。口から泡が漏れ、上に上っていく。それでも手を伸ばしたが、もう無理に感じた。
その時。
さっきまで上にいた筈のセイバーが自分に唇を合わせていた。暖かい酸素が口から送られてくる。
セイバーは十分な量の酸素を口移ししてくれると、また戻って行った。
(いける、もう大丈夫だ・・・)
今度こそスイッチに手を伸ばして、ゆっくりと押した。
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「ハア、ハア・・・・」
水が引いて、またさっきと同じ部屋に戻った。
肩を大きく動かして呼吸していると、セイバーがこちらを見つめていることに気付いた。
「ありがとな、セイバー」
少しづつ息が整ってきた。セイバーはとっくに息を整えていることは凄いと思う。
「私は、貴方のパートナーとして当然のことをしたまでですよ」
パートナーだなんて、嬉しい。
「今度はちゃんとしたキスをしますっ・・・!」
そう言うとセイバーは再び唇をトウカの唇にくっ付けた。二秒くらいのキス。ゆっくりと顔を離したセイバーは紅潮してとても綺麗だった。
02/02 すいません、課題が多くてちょっとこっちに手が回りません!明日は更新できると思います!