シュッ!!
転移が終わり、トウカの家の前に着く。
「わあぁー!!」
ユウキは目を輝かせながら、トウカの家を見上げると夢中でドアを開けて入っていった。
「おい、勝手に入るなよ・・・!」
直ぐにトウカもユウキを追って中に入る。
家の中は特に飾り物は無く、シンプルに最低限の家具しかない。
でもその家具一つ一つは高級品ばかりだ。
「凄ーい!これ上質なやつだよね?」
部屋に入るとユウキはソファの上でぴょんぴょん跳ねていた。
ジャンプして弾力を確かめながらユウキは言った。
その光景を見てトウカはため息を吐く。
ジャンプしたからといって壊れるわけではないが、ユウキの行動はこの家に合わない。
「・・・あんまジャンプするなよ」
「うんっ♪」
元気良く返事を返しながらもユウキはソファの感触を楽しむ。
トウカは向かいのソファに座って頬杖をつきながらユウキを見る。
(やっぱりギャップがあるなぁ)
何度考えても、この見た目であの強さが一致しない。
そう思っているとユウキはジャンプするのを止めていた。
「?」
気づいたトウカは顔を上げて様子を見る。
ユウキは右手を眉の近くに当ててキョロキョロしている。
「そんなことしても、何もないぞ」
トウカが言うとユウキは人差し指でドアを指差した。
ドアの先は寝室だ。
「ねえ、入っていい?」
「駄目だっt・・・」
言い終えようとしてユウキの顔を見ると、口を曲げて残念そうな顔をしていた。
(なんでそんなに人の家をいじりたいんだ!?)
断ったら何か長くなりそうだったのでトウカは立って自分でドアを開けた。
「やったー♪」
ユウキはキャッキャしながら寝室に入っていくとベッドに向かってダイブした。
ボフッ、と音がした後ユウキは足をバタバタしながらベッドの感触を確かめる。
「おい、ダイブすんなよ!」
そう言ってもベッドに夢中のユウキは多分届いていない。
トウカの家にあるベッドはもっふもふの最高級品。
現実のベッドを忠実に再現していて、手触り・肌触り・寝心地どれをとっても一番良い物だ。
これを買いたいがためにトウカは一時期相当額のユルドを溜めていた。
今も結構な額を持っているが、このベッドの額には遠く及ばない。
誰もが喜ぶ一級品ベッドにユウキもだらけている。
「もっふもふじゃん!気持ち良いな~」
「寝るなよ」
「え~」
口を少し尖らして、ユウキはトウカを見る。
(寝ようとしていたのか、コイツは)
「いたっ!」
ユウキの額を軽く指で突く。
その後ユウキをベッドから離そうとしたが、自分から降りてくれた。
ユウキはなにやら少しモジモジしている。
「あのね、トウカ。ボクさ・・・」
両手を後ろで組んで、少し顔を前に出しながらユウキが言った。
「家、無いんだ。だからさ、ここに住んでもいい?」
・・・・・・・・・。
「は?」
ユウキからの突然の言葉にトウカはそれしか言えなかった。