「治ったよっ!」
ハイタッチして、頭を撫でる。カリンの家に行った次の日、強行して来ようとしていたらしいが、ユウキの姉さんが止めてくれたらしい。
「もう大丈夫だよな?」
「元気ひゃくぱーせんと、だよっ!!」
「良かった」
そのまま、キッチンに行く。
「今日は風邪が治った祝いになんか作ってやるよ」
「ほんとっ!?」
「ああ。この前買いに行った材料を使ってな」
「やったぁっ!!」
一つ一つ材料を出そうとしたら後ろからくっ付かれた。
「っ♪♪」
「離れろって、作れないだろ?」
「じゃ、座って待ってるね!」
「ああ。そんな時間掛からないから安心して良いぞ」
「おっけー!」
笑顔のまま、ユウキはソファに向かった。
「楽しみだなぁっ!」
体育座りをして、外の景色を見ながら時折こちらを気にしている。可愛い。
「じゃあ、作るか・・・」
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まずは、あらかじめ出来ているスポンジケーキを一口大の大きさにして、用意したコップ上の入れ物に入れる。
そこにちょっと濃いめ、のコーヒーを入れてスポンジケーキに染み込ませる。
その上に生クリーム、バナナ、少量の砂糖、ヨーグルトをよく混ぜたクリームを三回くらい上に重ねていく。
「今どれくらい?」
「もうちょっとだ!」
「んー!!」
さて、後少しだ。
重ねた後、冷蔵庫に冷やす。まあ、今回は3分くらいで良いかな。
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3分後。
「うしっ」
冷蔵庫から容器を取り出して、その上にココアをかける。バランスよくかけた後、切ったバナナをのせれば・・・・・・・・・。
「よし、完成!」
二つの容器とスプーンを持って、ユウキのいるソファに向かう。
「待ってましたっ」
テーブルに置いたそれを見たユウキは口を開けて目を輝かせた。
「これ、何て言うのっ!?すっごい美味しそうっ!!」
「ん~何だろう、バナナのティラミス風、かな」
「わぁ~!!」
ユウキはスプーンを取って一口掬い、口に入れた。
「っ!!!」
目をキラキラさせたままユウキは口を動かす。そして、ゴクン、と飲み込んだ。
「おいっっっっっしい!!!!すっごく美味しいよトウカ!!」
ああ、喜びの笑顔が眩しすぎる。
「そっか、ありがとな」
「これさ!売れるんじゃない!?」
「売らねって、交友のある人しか食べれない限定品だ」
「そっかぁ、残念。あむっ」
また一口ユウキは口に入れる。ほっぺが落ちそうな顔ってこういう顔のことを言うんだな、幸せそうで何よりだ。
「また作ってねっ!」
「ああ、いつでも作ってやる」
ユウキが出してきた小指に自分のを合わせて、指切りをした。
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ユウキが帰った後、セイバーを呼び出した。
「セイバー、これ食べてみてくれ」
「これは・・・トウカが作ったのですか?」
「ああ。バナナのティラミス風。召し上がれ」
「いただきます・・・・」
スプーンで掬い、小さな口でぱくっと食べた。
「んむ・・・・」
数回噛んで飲み込んだ後、セイバーは一瞬で平らげた。もっと味わうと思ってたのに。
「どう?美味しい?」
「はい、美味しいです。数字で表すと・・・・・・」
うわ、判定キター。セイバーの辛口判定キター。ドゥルルルルルルルルルルルルルル・・・・・・・。
「96点です!」
「おお!あと4点は何だ?」
セイバーは人差し指をピン、と立てる。
「そうですね、中に入っている生クリームはもっと甘くないものでも良いと思います。見た限りカロリーは大丈夫ですが、甘くないクリームにした方がその分を飾りに回せると思いますっ!それと、このバナナの置き方ですね。この置き方でも私はいいのですが、もうちょっとかかっている粉末ココアがバナナの間から見えないように置いた方が、食欲をそそると思います。最後にこの容器。中身がお洒落なので外もお洒落にするともっとスイーツ感がでます!そうすれば、これは大ヒットスイーツになること間違いなし、です!!!」
「・・・・・おう」
すっごい細かく指摘された。ユウキはあんなに嬉しそうにしていたのに。でも、セイバーも嬉しそうな表情で食べてくれた。それでもここまで指摘があるってことは求めているものはもっと上なんだな。
「頑張ってください、トウカ!」
ハードル高いなぁ。仮想世界で、スイーツ職人もやらないといけないのか俺・・・・・。
「頑張ります・・・・・」