「・・・・・・・」
さっきからずっと視線を感じる。
「・・・どした、ユウキ?」
「ううん、なんでもない・・・」
(もし、トウカがお兄ちゃんだったら・・・・・)
モクモクモクモクモク・・・・・・・。
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朝
「ユウキ、起きろ」
「んぅ~・・・もうちょっとぉ」
「起きろって、朝は時間無いんだから」
毛布を剥がされる。眠いし眩しいし、寒いっ。
「お兄ちゃんがちゅ~してくれたら起きてもいいよ?」
「お前なぁ・・・。仕方ないな」
少しずつトウカの体が近づいてくるのが分かる。距離が縮まっていくにつれて、心臓がドキドキする。
「・・・ッ」
乾いた唇がそっと頬に触れる。
「んぅ、もう一回っ」
「やだ。ほら、起きろユウキ」
「むぅっ」
手を引っ張られて、渋々ベッドから出る。もうちょっと寝ていたい気分かも。
「もう食べたの?」
「ああ。先に食べた、ユウキも早く食べろよ」
「うん・・・」
そのままテーブルに向かって、椅子に座る。今日もお兄ちゃんが作った朝ごはん。こんな美味しい料理を毎日食べれるボクって幸せ。
黙々と箸を進めていると制服に着替え終わったお兄ちゃんが近くに来た。
「ご飯粒ついてるぞ」
そのままボクの口元に付いていた米粒をとって、自分の口に入れた。
「あぅ、ありがと」
頭をさわさわと撫でられる。今日学校じゃなかったらずっとこの時間を楽しみたいなぁ。
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「ごちそうさまっ!」
両手を合わせた後、一つにまとめた食器を台所に置く。食器はお兄ちゃんが洗ってくれるからその間に歯を磨いたり着替えたりしないとっ。
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「準備オッケーか?」
「うん!」
「忘れ物ないか?」
「うんっ、大丈夫!」
「うし、じゃあ行くぞ」
お兄ちゃんが玄関のドアを開ける。ひょっ、と外に出て太陽の日差しを浴びる。
「戸締りも、大丈夫・・・と」
鍵をポケットにしまい、トウカはユウキの手を取る。
「行くぞ、ユウキ」
「うんっ!」
歩きながらさりげなくお兄ちゃんの腕に絡みつく。
「ちょ、やめろってユウキ」
「いいじゃん、お兄ちゃんのことだ~い好きなんだもんっ♪」
「恥ずかしいな・・・」
今いる道はまだ学生がいないからまあいいとして、もう少し先だと確実にカップルと思われる。
「ユウキ、離れろ。そろそろ学校が近いから」
「む~、わかったっ・・・」
頬をぷくっとさせた後、ユウキは渋々離れてまた手を握った。
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「じゃ、俺はこっちだから」
「うん」
「走るなよ」
「ん!」
「じゃあな」
進もうとした時、ギュッと服を掴まれる。
「撫で撫でして、お兄ちゃん・・・」
「ったく・・・」
上目遣いでそう言われたら断れない。もう一度ユウキの近くに行って髪をゆっくりと撫でる。
「♪」
「今度こそ、じゃあな」
「うん!じゃあね!」
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「ん~トウカがお兄ちゃんかぁ・・・♪」
今にもユウキの顔が溶けそうだ。
「おーい、大丈夫か?」
「ん、大丈夫だよっ」
「そ、そっか・・・」
何か妄想していたな、多分。凄い気になる。