今日もなぜかユウキがいない。時々こういう日があるんだよなぁ。
「・・・・・」
ゆっくりとコップの水を飲み干す。家にいるのもなんだし、と思ってスイルベーンの店にいるが特に食べたいものが見つからず10分が経過しようとしている。
店の人の視線が痛くなる前に何か頼もうかな・・・とメニューを開こうとした時。
「ここ、空いてる?」
「あ、どぞ・・・」
「それじゃっ、失礼するわ」
メニュー表を見ながら、そっと向かいに座った人に視線を向ける。あんまり色とかは詳しくないが水色のような髪。その上には猫耳が生えていた。
ケットシー、だな。よく見ると年も近そうだし可愛い。
「・・・・」
静かに視線をメニューに戻す、でも何も頼みたいものが無い。
「はぁ」
パタン、と閉じてため息。
「何も頼まないの?」
「えっ!?ま、まぁ・・・・」
「変わってるわね、あ、すいません・・・・・・」
確かに変わってますよ、すいませんでしたね。
向かいのケットシーの子はメニュー表を見せながら、店員に注文している。直ぐに注文を終えて、店員が去っていくとまたこちらを見た。
「私はシノン。貴方は?」
「トウカ・・・」
「トウカ・・・ね。あのさ、何でトウカはここにいるの?」
「それはつまり種族が違うのに、ということ?」
「そ。で、何でスイルベーンにいるの?」
「何でって・・・近くに家あるから。それだけだよ」
「へえ、スイルベーンの近くに住んでるんだ。ここの周辺って意外と高いんじゃなかった?」
「まあ・・・。種族も違うから他にも色々掛かったけど・・・」
「そういえば・・・シルフじゃないわね」
「ああ・・・い」
言おうとしたら、止められた。
「待って、当てるから・・・」
「当てる意味あるのか?」
「ある。当てたら私が頼んだ料理全部奢ってね」
「・・・・・」
さっきシノンが指差していたところを思い出す限りでは高そうなやつだったような・・・、まあ今あるユルドで足りるだろう。
「んーと・・・スプリガンかインプだと思うんだけどどっちかな・・・」
うわ、二分の一だ・・・。
「多分、インプだと思うんだけど、違う?」
「・・・・・正解」
「やった!じゃ、奢ってね♪」
「はい・・・」
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「ごちそうさま~」
「3品で、2万5千ユルド・・・」
高っけぇ。こんな高い店だったんだ、頼まなくて正解だったかも。
会計を済ませて、店から出る。結局自分は何のために店に入ったのだろうか。
「ねぇ」
「?」
「私とバトルしない?」
「ここで?」
「まさか、別の場所でよ。貴方・・・いえ、トウカからは他の人とは違うオーラがあるっていうか」
「オーラ、ね・・・」
ユウキ連れてきたら驚くだろうな。
「ねぇ、良い?」
「うん、良いよ」
返事を返して、スイルベーンから離れたところに場所を移した。