「ふぅー・・・・・」
大きく深呼吸して、俺は一回瞼を閉じる。テーブルの向こうには真剣な顔のシノンがじっと息を呑んで待っている。
右か、左か、どっちだ・・・・・?
チラッとシノンの顔を見るが、シノンは俺に合わせず斜めを見ている。
「シノン、どっち?」
「言うわけ無いでしょ!いいから、速く選びなさい!」
片方を選べば俺の勝ち、もう片方なら負け・・・・・。
「・・・直感で、右だ!」
そう決心して、シノンの右手にあるカードを引く。
「っしゃあ、俺の勝ちー!これで徹夜ババ抜き151勝149敗で勝ち越しだぜ」
ガッツポーズを作ると、シノンはトランプをテーブルに置いて立ち上がった。
すっごい悔しそうな顔をしている。
ってか威嚇されてる、怖い。
「あ~もう、あとちょっとだったのに!」
「残念だったなシノン。ってことで約束の『1日メイド口調で過ごす』っての後日やってもらうからな」
「・・・わかったわよ、約束は守るわ」
「よろしく~」
「っ////」
まだ悔しそうな表情のシノンだったが、頭を撫でると少し口元が緩んだ。
耳も時々ピクピク動いて可愛い。
「トウカ、シノン、おはよ~」
「「おはよう」」
寝室からログインしたユウキがふああ~と欠伸をして出てきた。
「ん~、よく寝たっ♪」
ユウキは気持ちよさそうに背伸びをしている。紫のパジャマからチラッと見えるお腹がエr・・・なんでもない。
「シノーン」
「んっ」
ユウキはシノンの所へ行くとちゅっ、と唇を合わせた。
「え・・・、そういう関係?」
「ち、違うわよ!ユウキに最初にログインした時にちゅー・・・キスしてって言われたから・・・」
さりげなくキスって言い直したシノン可愛い。
「そう!トウカも、ちゅー!」
笑顔のユウキは、俺の前に来ると背伸びをして顔を近づける。
「ほっぺな、ユウキ」
ユウキの耳元でそう呟くと、ユウキは少しだけ顔を離した。
「むぅ。唇がいい・・・・・」
ぷくっと膨らませた頬を両手で触ると、ユウキはぷしゅーと言いながら口の空気を出した。
可愛いな、ホント。
ちゅっ
頬を向けると、やわらかい唇の感覚があった。2、3秒で離れると思っていたがもう10秒くらい経っている。
「長くね?」
そう言うと、ユウキはゆっくりと唇を離した。そして俺を満面の笑みで見上げる。
「好きーって気持ちいっぱい入れてたんだ、トウカっ♪」
なにこの娘。
可愛すぎるんですけど、天使ですか?
「そっか。ありがとな、ユウキ」
そっと髪に手を置いて、ユウキを撫でる。
ん~♪と目を瞑ってなでなでされるのを楽しんでいる姿は可愛いの一言じゃ表せないくらい可愛い。
「私も・・・」
「え、シノン!?」
頬を紅潮させたシノンがフラつくように後ろから抱き付いてきた。
デレが始まるとシノンは案外チョロい。
「えへへ~♪」
「////」
前後から挟まれ、完全に身動きが取れなくなってしまった。
ま、いつものことだから良いんですが ( ・´ー・`)。