何番煎じのハクスラローグライク乙女ゲーモブ転生(草臥れ男子高校生とド下ネタ駄犬)   作:ハクスラ民

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7日に1回襲い掛かってくるゾンビの大群や地球防衛をしていましたが投稿です…!失踪ではない…!夏休みです!


現代ファンタジーの"現代"の部分

「うっそだろおい」

 

誰だ!?

 

「そのドスの利いた声どっから出したの?」

 

「なんですか…モグラじゃないですか…。部屋に入るときはノックがマナーとは教わらなかったんですか?」

 

「今授業中だから誰も居ないと思ったんだが…」

 

「普通に居ますが?というかそれなら貴方もじゃないです?」

 

「ざんねーん、俺は転校生の案内でーす。サボりとは違うんだよサボりとは」

 

「サボりとは失礼ですね…神聖な儀式ですよ儀式。この儀式を邪魔する者は科学炉の錆にしてくれます」

 

「殴るの?科学炉で殴るの?直径5mくらいの巨大なドラム缶で?」

 

「具材の方が良いです?」

 

「あ、遠慮しときます」

 

 グッと力を込めてクソデカ精密機械を持ち上げようとする眼鏡っ子を手で静止しつつ、So cool…と落ち着かせる。見た目に似合わずパワー系なのだ…。そんなパワーファイターの科学者系女子は遠弾 精那。〈インソムニア〉では科学炉の受付をしていた所謂チョイキャラである。眼鏡っ子で白衣、しかも萌え袖とかいう王道の塊という見た目で、性格もその通りの科学系女子。得意なのは薬理学()というちょっと忌避したい子だ。こらこら、ポケットの毒薬取り出すんじゃない。

 

 職業はハンター:ガトリングタイプ。筋力と知力を上げてガトリング斉射する馬鹿力ビルドである。しかも毒弾。威力もさることながら、状態異常で敵はバッタバッタと消えていく大変気持ちのいいビルドだ。指南者は俺。だって相性的にそっちの方が良かったんだもん…

 

「おーい、僕を無視しないでよ。頼むから…先生泣いちゃうよ?中年男性がみっともなく泣くよ?見てられないよ?やる側もメンタルクるからね?」

 

「せんせー。わかってるならやらないでください。あと泣いたところで横のやべぇのに喜ばれるだけですよ」

 

「よくわかってるじゃないですかモグラ」

 

「くっ…先生の恥とプライドを犠牲にした泣き落としは効果がないのか…しょうがない。一肌脱ぐとしよう」

 

「脱ぐんです?今ここで?ちょっとカメラ回していいですか?」

 

「比喩表現ってわかるかい?先生が教えたことなんだけど…」

 

「ごめんなさい先生。先生の一挙手一投足、発言から感情に至るまでを記録するので忙しく授業全く聞いていません」

 

「発言記録してるんだったらその発言見返せばわかるよね?というかどうやって感情まで記録してるの?僕のプライベートは?心の肖像権は?」

 

「はっ、心に肖像権もクソもあるわけないじゃないですか。何言ってるんですか?」

 

「よぉーし先生張り切って“指導”しちゃうぞー。歯ァ食いしばれ

 

 

「ストップ。ストーップ!せんせー暴力はいけんでしょ、このご時世的に。」

 

「この化け物を野放しにしておいて?」

 

「野放しにしておいて」

 

「世の中は腐っている…!」

 

 義憤を燃やした先生の肩をそっと叩く。いつもお疲れ様です…。本当に。

 俺だって、それこそ歴戦の乙女ゲープレイヤーたるアイビーだってこの女がこんなバケモノだとは知らなかった。というか、発言も『惜しいです』とか『大成功です』とかしか言わんからな。あと使い回しされる台詞がいくつか。淡白過ぎて記憶に残らんよ…。

 

 そんな俺達とほぼ同じくらいのモブキャラがこんなキャラ濃いとか制作陣なんなの?裏設定だったの?DLCで何らかのイベントがあったが頓挫したのではないか…というのがアイビーとの考察の結論だ。俺達が死んだ後に出たDLCの可能性もあるが。

 

(んー…多分死蔵の方じゃないかなぁ…。だって元々先生死ぬ予定だったから、DLC追加で生きてたことにするのも難しいだろうし…というか戦闘チュートリアルで死んで、その後施設チュートリアルじゃん?以降のゲーム中でほぼほぼリアクションが薄かったのは…まぁそういうことかな〜って)

 

 お、復活したか…。てかなるほど。そういうこと…だったのか。(超速理解)

 ゲーム内でほとんどリアクションしかとらず、影すら薄かった遠弾さんに悲しき過去…!(あり得た未来)とでも言うべきだろう。まぁ推しの先生というか…先生のリアコ?だったのに、その先生が死んだらまぁ…メンタル死ぬわな。

 

 ん…?ちょっと待てよ…?つまり死ななかった今のアレが本性ってことだよな?

 

(そうなる…はず)

 

 えぇ…(困惑)

 中年男性の腹を揉むことにご執心のアレが本来の姿…嫌なリージョンフォームもあったものだ…いやこの場合本来のフォルムで、ゲーム中がリージョンフォームなのか?…わからない。この女、余計にわからない。

 

マァソレハソレトシテ(悪魔男)

 

「せんせー、ちょっと生徒会の奴が職務放棄してるんですよー!」

 

「マ?」

 

「せんせ、中年男性が『マ?』はちょっと…」

 

しまいにはガチで泣くぞ

 

「あやしてあげますです」

 

「やめて、事案になる」

 

「事案にしましょう」

 

「あ、じゃあ俺、ちゃんと証言しますね。『いつかやると思ってました…』って」

 

「風評被害やめろぉ!」

 

(コントが…!コントが終わらない…!)

 

 あ、そうだわ。まったく先生め…!本題をずっと逸らしおってからに…!(責任転嫁)

 

「てか話戻しますけど、マジっすよ。副会長の焼いた狸の野郎がサボったんすよ。職務怠慢じゃないっすか。なんで俺が代わりに案内してまーす。なので授業バックレは事情を聴いた先生が指示したことにしてくださーい」

 

「あのさぁ…それが事実にしても、授業サボらないでよ。君学業は…」

 

「小テスト大体満点か9割取れてますね」

 

「出来る側だったか…」

 

(やーい、チート野郎)

 

うっさいやい!チートではなく生まれ持った才能(前世知識)って奴よ。こちとら2回目やぞ。教科書とかほぼ復習だかんな。あ、あとアイビーね。いつもお世話になっております…

 

(私を使うことに関してはマジのチートじゃん。イヌ科の手ってページをめくる構造してないからね?テスト時間制限あるから、突発的にイヌ科ページめくりRTA始めないでほしいんだけど…あと私用に教科書二冊分買うのは無駄遣いだと思うよ?)

 

チッ、うっせーな…反省してまーす()

 

(雑な返しやめぃ。まぁ補習とかでダンジョンの時間取れなくなるとまずいから手伝うのはやめないけどさぁ…ちゃんと自力で頑張ってよ?)

 

それは…そう。ハイ…頑張ります……

 

「というかそれを言うならそこの遠弾さんは?」

 

「私、学校側に大学の模試の結果とか研究成果叩きつけて免除貰えてるので参加は任意です」

 

「こっちも出来る側だ…嘘だろ…あ、いや!まだ城咲さんがいた!城咲さんは転校生だし授業ちゃんと受けようね!ね!」

 

「え、えぇ…でも授業受ける前に移動教室とかこの学校の施設の場所すら知らないのは…前提からして違うと…」

 

「その通りだね!正論!マジであのクソ狸許せねぇ…!」

 

「せんせ、お口お口。教師の自覚よ」

 

「あ、いけないいけない。いとわろし!」

 

「さすが現代文と古文の教師です」

 

「いつも思うけどなんで二教科兼任してるの?普通別々にわかれたりしてない?」

 

「人手不足…はっはっはっ、なんでか知らないけど現代の教師はどんどん減っていってるからねぇ!なんでだろうねぇ!?土日も明朝、夜遅くまで働いてるのにねぇ!」

 

「あぁ部活等々(ブラック)…」

 

「ははっ…あ、ホントに泣きそう」

 

「マジでそれに関しては泣いても文句言えねぇっすよ」

 

「あの…ホントにあやしが必要です?」

 

「それは大丈夫、ただちょっと背中はさすってほしい」

 

「おー…よしよし。吸って…吐いてくださいです」

 

「あやされてる…」

 

 中年男性教師が女子生徒に背中をさすられて天を見上げるその姿は現代社会の深い深い闇を表しているようだった…。マジ?これが将来の姿の一つなのか…?俺大人経験者だけど大人になりたくなくなってきたわ…。

 

(うーん…悲しいことにファンタジー要素はあれど、現代社会だから…)

 

そんな現代社会のリアルな闇を描写しなくていいから…(老婆心)

 

「ねぇ」

 

「おっと…はいはい。なんでござんしょ」

 

「その……此処は一体どういうところかしら?」

 

「あっ」

 

 そういえばこれ、学校案内でしたわね()

 現代社会の闇に触れてる場合じゃなかったわ。視界の片隅で悲しい現実を繰り広げている中、此処、科学炉の用途を説明する。

 

「ここでは武器の接頭詞を変える事が出来るところ。俺の武器で言うところの…これ。“惨たらしい”【バタフライ・ナイフ】の『惨たらしい』が接頭詞だね。この接頭詞はダンジョンのドロップ品に付いてることもあればついてないこともある。運次第…そして接頭詞によって様々な効果があって…自分が欲しい接頭詞が来るかどうかも運次第…つまり………ガチャ」

 

「…悪い文明ね」

 

「そう!悪い文明!マジで破壊して欲しいけど残念ながらこの世のシステムなので頑張ってガチャし続けましょう…ちなみに接頭詞は武器のレアリティによって複数付ける事が出来て…はい」

 

「…もしかしなくてもレアリティの高い武器はドロップしづらい…と」

 

「自分が欲しいレアリティが付いてるものなら尚更…と付け足しておきます…!」

 

「………悪い文明ね」

 

 とんでもなく実感が籠った言葉に深く頷く。もしかして主人公ちゃんソシャゲかなにかやってた?まぁやってないとこんな実感がありすぎてほぼ具体性の塊みたいな声は出せませんわ。ガチャに課金は…あ、廃課金勢。ちなみに、ガチャで最高どんくらい溶かしたことある?……あ、6桁程…

 

「……ご愁傷様です。ちなみにツモれた?」

 

「天井よ」

 

Oops(マジか)…」

 

(親近感湧いてきた)

 

 嫌な親近感だなぁ…。そんな主人公ちゃんからしたらルーンも接頭詞も地獄だろう。ダンジョンでひたすらマラソンガチャだからな…。

 しかし!ここではそんなガチャをダンジョンに潜らずとも素材さえあれば回す事が出来るという場所だ。ちなみに素材は武器のレアリティによって量・質を要求する…つまりはダンジョンに潜れということだ。ダンジョンに潜らずガチャをするためにダンジョンに潜るとは…?(哲学)

 

 うごご…と呻きもがき苦しんでいると同じく呻き苦しむような表情の城咲さんが声を上げた。

 

「霧島くん…先生がなんか…すごいことに」

 

「え?あっ、やっべ本気フォームになってら」

 

 見やれば先生、スーパーなサ〇ヤ人みたく髪が逆立ちはじめ、中年男性にありがちの脂肪が詰まった腹が急激に絞られ、筋肉が膨張していく…!アレは本気フォーム…。先生は元々ジョブ:ウォーリアーなのだが、それだと先生が死亡フラグを超えられないので俺がエインヘリャルにジョブチェンジをおすすめしたのだ。結果、手に入れたのが悲しさのあまり化け物になろうとしている本気フォームである。

 

(見て遠弾さんの絶望した表情…なんで?)

 

 いやそりゃそうでしょ。先生リアコ勢というか中年好きなんでしょ?お腹とかあの草臥れた感じとかがストライクなら、あのフォームに丸々としたお腹も草臥れた雰囲気もクソもないじゃん。サ〇ヤ人じゃん。仲間を殺されたことに怒るサ〇ヤ人じゃん。

 

「先生先生、マジで抑えましょう。光漏れてますって。完全体になりかけてますって…」

 

血祭りにあげてやる…

 

「そっち?そっちパロるんですか?いや、パロってる場合じゃないですって。てか焼き狸さんはいつものことでしょう…あの人、外面完璧なんですから今回も無理ですって。てかここで暴走したら多分科学炉の修理費とか全部先生もちっすよ。給料持ってかれますよ」

 

「あ、マジ?ならやめよ」

 

ふぅ…セーフ…

 

 それでいいのかという疑心の目をこちらに向けてくる主人公ちゃんを無視。先生はお給料のことになると正気を取り戻すからね。ただでさえ安月給なのに減らされたくないらしい。……理由が悲しすぎて泣けてくるなこれ…。

 それと横で絶望に明け暮れている遠弾さんを叩いて直す。昔のポンコツ家電かな?母直伝!斜め45度チョップ!

 

「はぅあっ。今先生が先生モドキに…」

 

「どっちも先生なんだよなぁ…」

 

「アレを先生とは認めないです」

 

「えっ、認めてよ…てか僕的にはあのフォームのままがいいんだけど…。お腹の脂肪なくなるし」

 

「それを捨てるなんてとんでもない!!!」

 

「そりゃ君からしたらね…」

 

 はいはいと窘めるのを横目にアイビーに声を掛ける。さて、お師匠。お次はどこざんしょ?

 

(次?えーっと…ちょっと待ってね。自作wikiに…あった。次は体育準備室行って。そしたら閉じ込めイベントからの攻略キャラ救出イベが発生するから。その後、食堂行って、テラス席でボッチ飯してる攻略キャラを茶化しに行く感じね)

 

 あーい。じゃ、向か…う前に

 

「せんせー、学校案内のことよろしゃす」

 

「あ、はいはい。わかってるよ。でも授業はちゃんと出てよ?特に英語の先生とか授業の口頭で言ったことをテストに出したりするんだし」

 

「え、そうなの?」

 

「そうだよ。あの人それで授業中寝てたりする人落としたりしてほくそ笑んでたりするんだから…」

 

「教師の闇…」

 

「まぁちょっとひねくれてるけど授業を聞いてない方が悪いからね」

 

「それはそう。あい、わかりました。じゃ、案内してきまーす」

 

「はいよ。…んじゃ遠弾さんも授業戻ろうか。どうせ次の授業僕でしょ?…アレ古文だっけ?」

 

「現代文です。授業間違えるとかダメ先生です」

 

「いや複数科目兼任してるとどうしてもね…これに関しては人員を増やさない社会が悪いから…」

 

「軽率に社会に責任転嫁していいんです?」

 

「良いの良いの。社会ってサンドバックだから」

 

「多分社会科の先生が聞いたらぶん殴ってると思うです」

 

「泉先生かぁ~…ありえる。ローキックの練習しとくかぁ」

 

「迎撃するんですね…」

 

 後ろでちょっと気になる会話を振り切りつつ、俺は主人公ちゃんの案内に一日を費やすのだった。

 

………えっ?体育準備室とか食堂とか?カットに決まってんだろ。イベントなんてねぇ!スキップ連打が基本なんですよォ!

 

(食堂のキャラの嫌いなものだけちゃんと確認するようにね)

 

 あ、アレね。chapter4バットエンドルートの奴ね。はーい。

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