Muv-Luv Alternative:Red Cygnus 血染めの白鳥達 作:NageT
シミュレーター室の大型スクリーンに、新たな対戦カードが映し出された。
池田静少尉 vs 鍋島涼介大尉。
ざわめく中隊員たち。
「おおっと、新入りがいきなり大将首狙いか!」
雁部が口笛を吹き、富田が「さすが鍋島の同期だっけね」と笑う。
静は集中しながら睨み返す。
「ま、見てなよ! あたしは昔からこういう女なんだよ!」
その姿に涼介は口角を上げた。
「いきなり大将首狙いとはな……だがいいぜ。挑戦は歓迎する」
「その余裕顔が気に食わねぇ! 昔ボコボコにされてたこと、思い出させてやんよ!」
拳を鳴らしながら挑発する静。
「なら証明してみろ……今の俺にな!」
カウントダウンが始まり、二人の機体が雪原フィールドに転送された。
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開戦
スタートと同時に静の不知火が突撃砲を連射する。
「喰らえ! 最初から全力で行く!」
涼介の壱型丙は瞬時に跳躍ユニットを噴かし、弾丸を軽やかにかわす。
「相変わらず勢いはあるな……だが単調だ!」
「何っ――!」
静の機体が懐に踏み込まれ、長刀が閃く。ギリギリでシールドを展開し弾き返すが、衝撃で体勢が崩れる。
「っくそ! 昔のあんたはここまで考えて動けなかったろ!」
「悪いな、もう“昔の俺”じゃねぇんだよ!」
涼介の不知火壱型丙は圧倒的な機動で翻弄する。
その姿に観戦していた小川が呟いた。
「……鍋島大尉、本気出してるな」
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静の反撃
「ちょっと舐めてたかもな……でも、負けてやる気はねぇ!」
静は突撃砲を捨て、長刀を抜く。
「涼介! 勝負だぁっ!」
二機の不知火が雪煙を巻き上げながら激突する。
長刀と長刀が火花を散らし、観戦している仲間たちは思わず息を呑んだ。
「いい動きするじゃねぇか!」
「同期なんだから当然だ!」
互いに一歩も引かず打ち合いが続く。静の一撃は重く力強い。だが涼介の壱型丙は鋭く、正確に隙を突いていく。
「っく……追い詰められてるのは……あたしか!」
⸻
「静! ここからが本番だ!」
涼介が咆哮と共に跳躍。雪原をえぐる推進炎と共に匍匐飛行で突撃、急接近して斬撃を叩き込む。
「うおおおおおっ!」
静は必死に迎撃するが、壱型丙の一撃に押し負け、機体が吹き飛ぶ。
「ぐっ……まだだ!」
体勢を立て直す静。だが涼介の機体はすでに背後を取っていた。
「……勝負ありだ、静」
長刀の刃が首元に突きつけられる。システム音声が「勝者、鍋島涼介大尉」と告げた。
⸻
終了後
「……ははっ……やっぱ強くなってるね、涼介!」
シミュレーターを降りた静は額の汗を拭い、悔しそうに笑う。
涼介も笑みを浮かべ、彼女の肩を叩いた。
「いい勝負だった。お前が本気で来なきゃ、俺もここまで動けなかった」
「負け越してた私に勝ったんだ、ちょっとは胸張っていいんじゃない?」
「当然だろ、中隊長だからな」
その言葉に仲間たちから笑いが起こり、拍手が鳴り響いた。