Muv-Luv Alternative:Red Cygnus 血染めの白鳥達   作:NageT

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A小隊について

――鍋島涼介という男が生み出した、レッドキグナス最強の前衛

 

 レッドキグナス中隊におけるA小隊は、最前線での突破、敵戦力の分断、味方部隊の進路確保を専門とする強襲前衛部隊である。中隊の中でも最も損耗率が高く、同時に最も戦果を挙げてきた小隊であり、その戦いぶりは中隊の象徴とも言える存在となっている。

 このA小隊を率いたのが、鍋島涼介である。

 

 涼介は当初、新兵としてレッドキグナス中隊に配属された一般隊員に過ぎなかった。しかし戦場での行動力、異常とも言える突撃精神で成長し、死の8分を生き残るも、京都防衛戦で元の A小隊は壊滅、指揮官である白鳥真凜を失う。

地獄の京都を生き残り、生き残ったというだけで、半ば無理矢理中尉へ昇進。A小隊の小隊長に任命される。

 彼の小隊長としての最大の特徴は、「命令で前に出さない」点にある。涼介は常に自分が先頭に立ち、最も危険な位置へ踏み込む。小隊員たちは命令ではなく、その背中を追って戦うのである。

 

 A小隊の屋台骨を支えたのが、雁部雅史である。国連軍から転属してきた経歴を持ち、豊富な実戦経験と圧倒的な前衛圧力を誇る男だ。

 雁部は涼介の危うさと無茶を誰よりも理解しており、その上で「止める」のではなく「一緒に前に出る」選択をした数少ない人物である。口は悪く態度も荒いが、小隊長である涼介への信頼は絶対的で、A小隊における事実上の副官、あるいは抑え役として機能していた。

 

 松原充と松本歩夢の「松松コンビ」は、A小隊の中でも最も扱いが難しく、同時に最も強力な戦力である。

 松本は直感だけで戦場を駆け抜ける天才型衛士で、その操縦技量は中隊内でも屈指。一方で命令違反すれすれ、あるいは完全にアウトな動きを見せる事も多く、歴代の指揮官を悩ませてきた存在でもある。

 松原はその松本を制御し、戦線を成立させる理性の役割を担う存在であり、二人で一つの戦力として完成している。

 

 涼介はこの松松コンビを「矯正」することを早々に諦めている。代わりに、松本が飛び出すことを前提に戦線を構築し、松原を基準点として配置するという、極めて実戦的な指揮を行った。この判断は結果的に功を奏し、A小隊は“崩れない突撃部隊”として完成していく。

 

 物語後半、涼介は大尉へ昇進し、レッドキグナス中隊の中隊長に就任する。中隊長となった後も、彼はA小隊の小隊長を兼任し続けた。これは異例の編制であり、事実上「最前線に立つ中隊長」という極めて危険な役割を担うことになる。

 それでも涼介は前線を離れなかった。それがA小隊の戦い方であり、レッドキグナスという部隊の在り方だったからである。

 

 小ネタとして、A小隊では「小隊長が一番無茶をする」という暗黙の了解が存在している。涼介が突っ込めば、雁部が笑いながら並び、松本がさらに先へ行き、松原が無言で全体をまとめる――この流れは、戦場で何度も繰り返されてきた。

 また、A小隊の作戦後の消耗率は異常に高いが、帰還率も同時に高く、「死にそうで死なない小隊」として他部隊から半ば伝説扱いされている。

 

 A小隊は、完成された理想の部隊ではない。常に危うく、無茶で、綱渡りのような戦いを続けてきた。しかし、その中心に鍋島涼介という指揮官が立ち続けたことで、彼らは最後まで前に進み続けた。

 鍋島涼介が小隊長であり、中隊長であったからこそ成立した部隊――それが、レッドキグナスA小隊なのである。

 

A小隊

 

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レッドキグナス A小隊

 

【挿絵表示】

 

 

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