Muv-Luv Alternative:Red Cygnus 血染めの白鳥達   作:NageT

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第二十話 京都の空に燃ゆ赤き獅子

レッドキグナス中隊は京都防衛戦の最前線で激しい戦いを繰り広げていた。

圧倒的な物量で押し寄せるBETAを、近接格闘戦に長けた真凜大尉率いるA分隊が必死に食い止めていた。

 

「真凜大尉、来ます!」涼介は緊張した声で呼びかける。彼だけが中隊長を「真凜大尉」と名で呼び、信頼を寄せていた。だが、BETAの重圧は凄まじく、隣の江上が火力重視の強襲前衛として前線に飛び込み、必死に砲火を浴びせる。

 

BETAは基本的には圧倒的な物理で突撃してくるだけだが、光線級だけは警戒しなければならない、レーザーを発射する際は味方に絶対に誤射しない特性から、狭い射線を複数のBETAが重なるように密集して立ちふさがれば、レーザーはほとんど使えなくなる。そこでレッドキグナス中隊はその性質を逆手に取り、密集した隊列で敵を迎え撃ったが、物量に押されて徐々に押し込まれていく。

 

「近接戦だ、盾で防げ!砲撃は信じるな!」真凜大尉は冷静に叫びながら、激震の盾で要撃級の巨大な前肢をはじき返す。しかし敵の猛攻は止まらない。体力を削られ、ついに前肢の一撃が盾を割り、真凜の戦術機は激しく揺れた。

 

「涼介、お前はここで耐えろ!俺が食い止める!」彼女の声は硬く、戦士の決意で満ちていた。

 

「真凜大尉、離れるな!」涼介の胸が張り裂けそうになるが、彼女は振り返らず、さらに深く敵の中へと切り込んでいった。

 

突撃級が何体も襲いかかり、真凜大尉の機体は長刀を振るい続けるものの、徐々に包囲されていく。仲間たちの通信に悲鳴と緊急連絡が飛び交い、戦況の悪化が伝わる。

 

「もうダメなのか……!」涼介はコンソールを叩き嗚咽をこらえながら、必死に攻撃をかわした。

 

「涼介……お前に言っておきたいことがある……お前は……いい男になる……俺の分まで……守り抜け……」真凜大尉の声が弱く、だが確かな決意を帯びて響く。

 

「大尉……!諦めるな!しっかりしろ!」しかし、通信はそこで途切れた。激震が爆炎に包まれ、真凜大尉は戦死した。

 

「白鳥大尉が……クソッ!」隼人が咆哮し、すぐに指揮を代わる。

 

「全隊、撤退する!損害は最小限に抑えろ!負けるな!」声に力がこもる。

 

レッドキグナスは必死の後退戦を開始。BETAの巨体が迫る中、隼人の的確な指揮でなんとか壊滅は避けられた。涼介は胸に真凜大尉の最後の言葉を刻み、涙をこらえながら戦列に復帰した。

 

「真凜大尉……俺が必ず守る……兄貴を超える衛士になるって誓ったからな……ぜってぇ負けねぇ……!」

 

京都の空は、まだ暗く、戦いは終わっていなかった。

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