このバトルだけ思い付いたのでこの小説書きました。この先は知りません。
やべぇ、ワンキルできる。こんな手札滅多にないぞ。珍しいな、フェルベルゴールが手札に居るなんて。だいたいデッキの下らへんにいるくせに。他のカードは
まあ、やれる事をやろう。
「先行なのでドローはスキップ。メインへ移行します。お互いのフィールドにモンスターが居ない時、このモンスターは召喚できる。条件クリア。手札から「
対戦スペースに
「悪魔族モンスターだとッ、テメェ正気か!?」
そんなチンピラ男の声に、なんだなんだと周囲の目が集まる。
「えっ、悪魔族!?」
「あの店員マジかよ……」
集まった目が困惑一色に染まる。別にいいだろうが、悪魔族モンスター。癖は強いけどさ。
「召喚時効果を発動。手札を1枚デッキの下へ戻し、デッキから1枚ドローします」
引いたカードは……「
「バカが!!オレ様は手札から「AW-02 ミサイルカ」の効果を発動!」
やはり妨害が飛んできた。ミサイルカかぁ。結構他のデッキテーマにも出張する働き者だから、何のデッキかはまだ分からないな。
「このモンスターを直ちに召喚し、召喚時効果を発動したパワー500以下の相手モンスターを破壊する!」
突如手札から飛び出した尾ヒレがジェットになっている機械的なイルカがバルサゴへ突撃し、撃破する。ワンキルの始動にバルサゴの召喚時効果は必要だが、発動し終えたバルサゴは必要ないし、大丈夫だな。
「更にィ!AWモンスターが相手モンスターを破壊した時!オレ様は手札から「AW-71 マッハファルコン」を追加召喚! 召喚時効果でお前のライフポイントを300削り、デッキから1枚ドロー!!」
またしても手札から突如現れた黒鉄の隼が、俺に体当たりをかましてからフィールドへ戻る。うーん、まぁ確定でいいか。
相手は
しかし、召喚時効果をメタっているとは言っても、効果を無効にしているわけではない。モンスターを破壊されるのは面倒だが、効果を発動している時点で一番の役目は果たしている。
「俺はスペルカード、「決死の血眼」を発動する。このカードはゲーム中に1度しか使えない」
「ゲーム中に1度だけ!?」
「しかもこのカード、デッキに1枚しか入れられないのか」
「凄く強い効果なんだろうね……あれ、でもこのカードのレアリティ……」
そう。このカードのレアリティはコモン。パックを剥けばすぐ溜まるレアリティだ。それがなぜゲーム中に1度しか使えず、デッキにも1枚しか入れられない
「効果を発動する。自分のデッキに入っているカード名を一つ指定し、そのカードが出るまでデッキから1枚オープンしていく。俺は「
「え、出るまでってことは……」
「望んだカードが必ず手に入るってことか」
「うーん、要るかなぁ……」
手に入りやすいのに、確定サーチだから。
……まぁ、そういう感想になるよな。大概、俺以外の人はみんな
…………デッキとの相性。デッキや、それに構成されるカード達は自らと相性のいい人間を求めている。相性のいいカードやデッキは、できるだけ使用者に勝利を捧げる為に努力する。それが、あの引きの良さ……らしい。昔読んだ本にそう書いてあった。
俺のデッキはそうではない。俺を嫌っているとか、そういう事じゃないんだけど……。まぁそんなことはどうでもいいか。
「指定していないカードがオープンされたら、そのカードを除外してオープンを継続する。そして、このゲームの間除外されたカードはいかなる効果も受けない」
「ええっ……いや、除外ゾーンの存在意義的に正しくはあるけど*1」
「そのフェルベルなんちゃらってのは、そんなに強いのか?」
周囲の喧騒を他所に、俺はカードをオープンする。
「オープン、「
「コ、コイツどんだけオープンするんだ!?」
「相当底に居るのね……」
「……これが悪魔族の怖さだ。1枚1枚のポテンシャルは高いが、絶望的に
「ひええ……」
外野がうるさいが、無視。にしてもだ。いちいち読み上げるのは面倒極まるが、きちんとやらないと店員じゃない。いいからオープンだ!!
「オープン、除外します」
「オープン、除外します」
「オープン、除外します」
「オープン、除外します」
「オープン、除外します」
「オープン、除外します」
デッキは残り数枚。もう少しだ。もう少し。
「……テメェ、まさか……!」
チンピラ崩れの兄ちゃんは何かに気付いたらしい。まあ、もう遅いけどな。ラスト1枚。
「最後の1枚……?あれ、まだ出てないよね?」
「わ、分からん……!その1枚はさっき、バルサゴでデッキボトムへ送ったカードのはず。デッキの殆どを除外してまでサーチするカードを、ボトムに送るわけが……」
「オープン。「
「「「!?」」」
「馬鹿な! 召喚権は既にバルサゴで使っている! いかにも強力なモンスターだろうが、出さなければ意味が……」
「ここで「
外野の声を遮って宣言する。
「このカードが手札へ加えられた時、自分のデッキが0枚ならばこのゲームに勝利する」
「「「……は?」」」
「……!!」
呆然とする観客と、ワナワナと肩を震わせるチンピラ崩れの兄ちゃん。これは……キレるな。
「ふざけんなぁ!! こんな
「関係ない。怠惰の海へ沈めろ、フェルベルゴール!」
「クッソぉぉおおおっ!!!」
手札から現れた青肌の美女悪魔が、面倒臭そうに両手をチンピラへ伸ばして包み込む。
「対戦ありがとうございました。良い
項垂れるチンピラにそう言って、俺は席を立った。今夜はよく眠れるな。
……………ぐぅ。